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-第五章-ウィンタースノー連邦-スノーピース~ドワーフファミリア編-

-第五章六十八節 ノーム達の誠意とアヤのお守りとリーナの加減-

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さてチネットの視線が刺さる中、マサツグとモツは何とかアヤの容態の

回復を図る!…と言っても視線が刺さって居たのはマサツグだけなのだが…

とにかくアヤを起こさないよう注意を払いながら出来る限りの処置を施して

見せて行くと、本当の意味でやっと一息を吐いて行く!…

その際ドッと疲れた様子でマサツグとモツが地面に座って溶ける様な素振りを

見せて居ると、オリハも寝ているアヤに近付いて来ては無理をする!と…

思わず微笑んでは同じ様に安堵して見せ!…チネットも他の仲間達に囲まれて

生き返った事に良かった!と声を掛けて貰って居ると、話は漸く前に進む!…


__うわあああああぁぁぁぁぁぁぁん!!!!…


「……相変わらず豪い泣きようだな?…

まぁとにかく!!…これで一安心だぁ!……で、如何する?」


「ッ!…如何するも何も!…

このままここでアヤを寝かせて置く訳には行かないし…

かと言って、まだドンドン達から信頼は勝ち取った様子は……」


「ッ!…な、何を言ってるんだ兄弟!!!…

もう兄弟の事を疑う奴なんて誰も居る訳ねぇじゃねぇか!!…」


仲間の無事を祝ってノーム達は大泣き!…その様子にマサツグも苦笑いを

しながら一段落!と…が、肝心の本編が進んで居ない事にも触れては戸惑い!…

モツにいつものノリでどうする?と若干困った様に言葉を掛けて行くと、

モツもその問い掛けに対して戸惑って見せる!…

その際アヤの容態も気になる様子で言葉を口にして行くと、何よりドンドン達の

信頼がとやはり困った様子で話しをし…しかしその話を聞いていたのか

突如ドンドンがピクッと反応!…突如マサツグ達の事を兄弟!と言い出し!…

もう十分に信用出来る!と言った慌てた態度を見せて行くと、

勿論そんなドンドンの様子に二人は戸惑う!…


「ッ!?…き、兄弟?…」


「……また謎キャラが出て来たぞ?…」


__…ザッ…ッ!……ッ?…


突然の兄弟認定にマサツグ達は困惑!…それこそ何か任侠っぽくドンドンが

慌てた様子を露わにすると、マサツグ達も各々戸惑った様子で言葉を口に!…

が、そんな二人の事など御構い無しに!…

ドンドンがへたり込んで居るマサツグ達の方へと徐にクルッと振り向いて

見せると、次には何故か正座をする!…それこそ改まった態度で真っ直ぐ

座って見せて行くと、マサツグ達も何事?と言った様子で困惑し!…

とにかくそんなドンドンの様子に目を向け続けて見せて居ると、次には

ドンドンが勢い良く!…


__スッ……ペコッ!!!…ゴンッ!!…ッ!?…


「兄弟達はここに来てからずっと俺っち達!!…

ノームの事を助けてくれた大恩人だぁ!!!…

あの悪い奴らの撃退に洞窟の修復にアダマンタイマイの卵の運搬!!…

…それだけじゃない!!!…チネットを助けようとして!!…

自分の命までをも賭けてくれたトンデモネェ方達だ!!!…

…本当にチネットが兄弟達を呼びに行ってくれてなければ如何なって居た事か!!…

それを考えると感謝をしてもし切れねぇ!!!…

…なのに俺っち達ぁ、あの兵士達と同じでアダマンタイト目的に

チネットを騙して居る!なんて言う始末で!!…ッ~~~!!!…

情けねぇ!!!……本っ当に!!!…申し訳ねぇ!!!…」


「ッ!?…お、おいおい!!…ちょっと!!……ッ!?…」


__すみませんでしたああぁぁぁぁぁぁ!!!!…ッ!?!?!?…


徐に自身の被っていたヘルメットを脱ぎ出すと自分の隣に!…

そして次にはマサツグ達に向かって地面に頭を打ち付ける勢いで頭を下げ!…

となるとそんなドンドンの様子にマサツグ達は当然戸惑い!…

慌てて頭を上げる様に腰を上げて止めに入ろうとするのだが、それよりも先に

ドンドンの謝罪の言葉が始まりを迎える!…それこそ今までの事を思い返して

言葉を口に!…さも自分達が恥ずかしい!とばかりに嘆き悲しみ!…

と、その一方では同じ様に他のノーム達もいつの間にか謝罪の体勢を

取っており!…ドンドンに続くようこれまた一斉に頭を下げて謝って

見せると、マサツグ達の度肝を抜く!…が、勿論そう言った事に慣れて

いない者達からすればそれは畏れ多いモノで!…慌ててマサツグ達も

ハッとした反応を見せて行くと、次にはノーム達に頭を上げるよう

声を掛ける!…


「……ッ!?…い、いやいや!!…だからって!!…

あぁ~とにかく頭を上げてくれ!!…

そんな集団で頭を下げられてもこっちが困る!!!…」


「そ、そうだぞ!?…

こっちも気にしていないから頭を上げてくれ!!…」


__ビタァ~!!!……ッ!?…


「……ッ!!…

そ、それに俺達も多少なりともお礼を期待して居たりしてた訳だし?…

ある意味であいつ等と一緒か?と言われれば一緒みたいな所もあるし?…」


とにかく頭を上げてくれ!とマサツグが戸惑った様子で声を!…

するとそれに続くようモツも続けて声を掛け!…しかしドンドン達はまるで

石になった様にビクともせず!…一向に頭を上げる気配を見せないでジッと

固まり続けて居ると、更にマサツグ達が慌てた様子で言葉を零す!…

その際自分達を卑下する様に言葉を口にして行くと、それに反応するよう

ドンドンがピクッと反応するなり頭を上げ!…


「何を言っちゃってくれてんだぁ兄弟!!!…

兄弟達はあいつ等とは違って正義の味方!!!!…

俺っち達の救世主様でしかなかった!!!!!…

決してあいつ等と一緒にしちゃぁ行けねってモンだぁ!!!」


「ッ!?…は、話し方の癖が強い!!…そして否定もされた!!…

…ゴホンッ!!…で、でも確かに俺達がここに来た理由ってのは…

そのアダマンタイトな訳だし…少なからずやっぱ目的は一緒で……」


「ここは俺っち達に任せて!!!…

…俺っち達も受けた恩はちゃんと身を持って返すのが礼儀ってモンだ!!!」


__オォ~~~!!!!……ッ!?……


「……話を聞いてくれません…」


ドンドンは真っ向からマサツグ達はデグレアントの連中とは違う!と否定!…

寧ろ救世主で有り正義の味方である!と…とにかく天と地ほどの差が有る事を

二人に力説して見せ!…その押しの強さに思わずマサツグも戸惑った様子で

引いてしまうと、一度落ち着く様に咳払いをする!…

そしてとにかく自分達がそう言うのでは無い事を口にすると、改めて頭を

上げる様に言おうとするのだが!…ドンドンはマサツグの話を聞かずに

任せろ!と…更に振り返って他のノーム達に指示を出すよう声を掛けると、

そのドンドンの言葉にノーム達も元気に返事!…何やら動きを見せようと

し始める!…そしてそんなノーム達の様子にマサツグも戸惑った様子で

言葉を漏らすと、ドンドンはマサツグ達にある話しを!…


「…じゃあを取りに行きやしょうか~兄弟方!!…」


「ッ!!…え!?…」


「あいつ等が掘って行ったのはそこら辺にあるただの鉱石!…

とてもじゃないがアダマンタイトなんて言える代物じゃねぇ!!…

!!…何ならあの鶴嘴程度じゃビクともしねぇってモンだ!!」


「ちょ!?…ちょっと話が見えないんだが!?…」


ドンドンの話と言うのもアダマンタイトについてであり、さも今から掘りに

行こうか!と提案!…するとそんな軽いノリにマサツグ達も当然困惑する

始末であり!…思わず聞き返す様に言葉を口にして見せると、ドンドンは

更に話しを続けて行く!…何でもドンドンが言うのはデグレアントが掘って

居たのはただの鉱石!…それを偽物と言っては本物では無い!と…

何なら扱っていた鶴嘴程度では掘れない!と…絶対の自信が有る様子で

腕を組みながら威張って見せると、モツが付いて行けないと言葉を漏らす!…

しかしドンドンは御構い無し!…その言葉にキョトンとした様子で…


「ッ!…へ?…言った通りの意味だぜ?…」


「ッ!?…い、いやいやいやいや!!…

さも当たり前!みたいに話されても俺達には分からないから!!…」


「ッ!…あぁ~!……でもまぁ…

見たら分かると思うぜ兄弟!!!…付いて来てくれ!!!」


__テッテッテッテ!…パタパタ!!…


「「ッ!?…えぇぇぇ~~!!!…」」×2


さも言った通りなんだが?とばかりに首を傾げ、モツに不思議そうな表情を!…

が、当然そんな顔をされた所でモツもモツでしっかり戸惑い!…

ちゃんとした答えが返った来ない事でツッコミの様な言葉を口にして見せると、

ドンドンも漸く理解した様子でハッとする!…しかしやはり明確な説明も無い

様子でドンドンは行こう!と…相変わらず会話に置いてけぼりにされてしまい!…

これにはマサツグとモツも当然とばかりに困惑の声を上げて見せ!…

その一方で何気ない様子でオリハが付いて行こうとして見せると、何も考えて

いない様子を見せて居た!…さてそうしてドンドンに案内される事になると

ドンドンは洞窟の入り口付近にて手を振り出し!…さもまるで目的の物は

外にある様な素振りを見せ…するとマサツグ達もツッコミ疲れたのか

何も言わない様子で付いて行き!…とにかくこれで目的の物が手に入る!と…

色々と一段落した様な気分になって見せて居ると、次にはある者に

呼び止められる!…


「……ちょっと待った、ドンドン……」


「ッ!…ん?…如何したんだランラ……ン!?…」


そのある者と言うのもドンドンの奥さんのランランで有り、何やら只ならぬ

雰囲気を見せており!…そして呼ばれたドンドンもそんな様子に気が付く事無く

返事をして見せ!…何の気なしにそのランランが居るであろう方向に振り向いて

行くと、そこで漸く異様な様子に気が付き始める!…その際ドンドンを呼んだ

ランランの様子と言うのは懐かしい事に!…春野原のクラリスを思い出すモノで!…

と言うにも顔は笑って居るのだが目が笑って居ない!と…更に背後からは般若面が

ゴゴゴ!と出して来そうな雰囲気を見せて居ると、ドンドンも途端に怯え出す!…

さてそうなるとまた不穏な空気が辺りに漂い!…マサツグ達も警戒をし!…

が、そんな事等お構いなし!…ランランはスッとドンドンに向かって歩き始めて

見せて行くと、次にはある事を尋ね出す!…


「ドンドン?…貴方…アヤさんは如何するつもりなの?……

まだ契約の時のマナ消費で動けない状態なのに?……

まさか置いて行くつもり?……」


「え?…あっ!…いやぁ~……」


「ねぇ、ドンドン…

どうするつもり?……」


「……あちゃ~~……」


徐々に詰め寄って来るランランに冷や汗を掻き始めるドンドン!…

その時の表情はまるで猛獣に獲物として見られた小動物の様に見え!…

となるとそのドンドンの目線はアチラコチラに移動しまくり!…

まるで逃げ道を探す様に焦点が定まらない様子を見せて居ると、

その様子にマサツグとモツも動けなくなる!…何故なら迂闊に

止めに入ればこっちにまで被害が及ぶと考えられると、如何しようも無く!…

ただその成り行きを見守る事しか到底出来ず!…あちゃ~と言葉を零しつつ…

その間にもランランがドンドンにへと詰め寄って行くと、更に質問の言葉を

口にする!…


「ねぇ、ドンドン?…まさか寝込んでいる人を放って置いて

採掘に行こうと考えていた訳じゃないわよね?…

…アヤさんはチネットちゃんを助けてくれた恩人なのよ?…」


「あわ!…あわわわわわわ!!………」


__……じぃ~~~~~……


「……何かもう不憫を通り越して一周回ると面白い光景に見えて来たな……」


「…ヤブ……何気に鬼だな…」


如何やらドンドンの周りの見て無さに怒りを覚えた様子で有り、アヤの事を

忘れていないか?と…この時アヤがチネットの恩人である事を再度口に!…

と、同時にドンドンを壁際にへ!と…追い込む様にして徐々にその逃げ場を

断って行くと、ドンドンの顔色を青褪めさせる!…その際ドンドンも追い

込まれて行くに連れ言葉が不安定になって行くと、終いにはアワアワとしか

言えず!…何ならその様子を見せられて居るマサツグとしてはもはや喜劇の

様に見えてしまい!…思わずその事についてモツの隣でポロッと言葉を

漏らして見せると、モツから引き気味に戸惑われてしまう!…さてそうして

辺り一帯に不穏な空気が漂って居る中!…ここであるノームが溜息を吐き!…


「…はあぁ~……あの子達は相変わらずだねぇ~…

コラコラ!…恩人の前で喧嘩をするんじゃないよ!!…

見っとも無い!…」


「…ッ!?……で、ですけど!!…」


__ッ!?……


さも年季の入ったおばさんの様なノームがランランに言葉を!…喧嘩をするな!

と仲裁に入り!…するとランランの様子にも途端に異変が見られ始め!…先程まで

激おこだった様子が一気に鎮火!…慌てた具合に振り返り!…そのおばさんノーム

の事を婦人会会長と言って不服そうな言葉を漏らして見せると、マサツグ達は違う

意味で驚いて見せる!…と言うのも勿論あのランランを落ち着かせた事にも驚く

のだが、何よりも婦人会会長が居ると言う事に驚き!…一気に何やら辺りはローカル

ムードになり出し!…とにかく色々と何か自分達にとっても身近に感じられる様子に

マサツグ達が戸惑いを感じて固まって居ると、そのおばさんノームは更に諭す様に

言葉を続ける!…


「ランランの言いたい事も分かっているさ!…

でも、この恩人の方々をいつまでもここに引き止める訳には行かないだろ?…

この恩人の方々がここに来た理由は武器を直す為にアダマンタイトを掘りに来た!…

冒険者にとっては武器ってのは命の次に大事な商売道具であって!…

自分を守る為の命綱ってモンさ!…それを早く直させてやりたい!って事を

考えると…ドンドンの気持ちも分かるってモンだろ?…」


「ッ!…ふ、婦人会会長……ッ…」


__コクリッ……ニコッ…ッ!?!?…


{……ノーム達の中にも婦人会なる物があるのか?…

婦人会会長て……この調子だと子供会や青年団何かも有りそうだな……}


そのおばさんノームは諭す際にランランの言い分も分かる!と…

だがドンドンの気持ちも汲む様に言葉を!…と言うのも改めてマサツグ達が

ここに居る理由について話を口に!…この時冒険者達にとって武器とは何か?…

それをランランに説明するよういとも簡単にランランに自制を促して見せると、

ランランも納得した様子で言葉を零す!…が、納得した様子と言ってもやはり

不服は有る様で、全部が全部を聞き入れた様子を見せず!…

しかしおばさんノームはそれで十分!とばかりに頷いて見せ!…

見事にランランの暴走を止めてしまうと、更にモツ達を驚かせて行く!…

その際マサツグもこの事に驚きの表情を見せるのだが、同時に別の事で

疑問を!…それは途轍もなくしょうも無い事で悩んでおり!…

マサツグが一人何かモヤモヤとした様な反応を見せて居ると、

更に話はあらぬ所で進められる!…


「……~~。

これで良いかい?…」


「…はい、会長もそうして下さるのなら問題はありません!…

ご心配をお掛けして申し訳ございません!…

そして協力して頂きありがとう御座います!!」


__…クルッ!…


「…マサツグさん!…」


「…うぇあ!?……

は…はいはい?…」


さも自分達の問題でもある様に恐らく主婦陣達が集まり、そしてアヤを

如何するか?で話を…と言ってもは暗視は直ぐに突いた様子で会長が

確認の音頭を!…するとランランも納得した様子でその会長に同意の言葉を

口にすると、次には謝罪と感謝の言葉を続けて漏らし!…

そこから徐にマサツグ達の方へ振り向くと、徐にマサツグの名前を呼び!…

と、突然ランランに呼ばれた事でマサツグも驚きを露わに!…

情けない様子で言葉を漏らしつつ…それでも何とかランランに如何した?と

ばかりに返事をすると、ランランは行ってよし!とマサツグ達に伝える!…


「アヤさんは私達に任せて!…

マサツグさん達はあの人と一緒にアダマンタイトの採掘に向かって下さい!!…

アヤさんは私達が責任を持って看病します!!!」


__せっせ、せっせ!…せっせ、せっせ!…


「い…いや、それは!!…

申し出はありがたいがアヤは私達の仲間で本来面倒を見るのは私達の筈!…

そこまでして協力を願うのは!…」


「いいえ、これは私達の恩返しでもあるのです!!

助けて頂いたお礼をさせて下さい!!

私達に出来る事は限られていますが…それでも恩返しがしたいのです!!」


「ッ!?…しかし……」


ドンドンと共にアダマンタイトを掘りに行くよう話をすると、その一方では

既にアヤの護衛!…及び看護が始まっており!…となるとそんな様子を見て

リーナも慌てて!…申し訳ない!とばかりに言葉を口にすると、遠慮した様子で

断ろうとする!…その際看護も自分がやる!と言った様子で残ろうとして

見せるのだが、そんなリーナの事など御構い無し!…ランランは意地を張る様に

自分達がやる!と…これが自分達に出来る恩返しである事を口にすると、

無理にでもやらせてくれ!とお願いをする!…するとそんなランラン達の様子に

リーナも更に困惑!…言葉に困るのだが!…


__ポンッ!…ッ!…クルッ…


「リーナ!…ストップだ!…」


「ッ!…モツ!…」


「幾ら言っても向こうはやる気みたいだし幾ら断っても無駄だと思うぞ?

それにすでに数人?数匹?…のノーム達が看病を始めているし…

止める理由も無いと思うぞ?…」


リーナが次の言葉を口にするよりモツが先に行動、さもリーナを引き留める様に

徐に肩を叩き…するとリーナも突如肩を叩かれた事でピクッと反応!…

次にはモツの方へと振り返り!…そこで諦める様にモツが苦笑いをして居る様子を

目にすると、モツもリーナにストップを掛ける!…と言うのもモツ自身もこのまま

だと押し問答になる事を理解して居る様子で、止めるだけ無駄だ!と…

何なら既に看護を始めている様子を話して行き!…心苦しくはあるものの、

それでも寧ろこちらとしても助かる事を口にすると、リーナも理解を示した様子で

ハッとする!…


「ッ!………はあぁ~…まぁ、確かに断る理由は無い…

こちらとしてもノーム達の提案はとてもありがたい!…

…しかしそこまでしてアダマンタイトを掘りに行き…

アヤを寝かせたまま放置するのは騎士として如何なのか?と…

…思ったのだが…」


「まぁ、リーナが言わんとする事も大体分かるけど…

今はその好意に甘えておこう…

そうでもしないとランラン達が納得しないし!…

一向に話が進まなくなる!…ここは妥協だ!…」


「まぁ…そうなのだが……」


「…因みに一応俺はここに残るよ!……多分無いとは思うが…

ここでまたデグレアント兵共が来たら面倒な事になるだろうしな?…

…アヤの事を守るよ!…だからリーナとオリハはマサツグ達と一緒に!…

そのままアダマンタイトの採掘に行ってくれて構わないぞ?」


リーナは溜息を吐きながら渋々納得をして行く!…

その際別に食い下がるとかそう言う訳では無いのだが、リーナなりに

考えていた事を話し!…するとモツもリーナの気持ちが分かるのか

頷き返事をして見せ!…その上で一向話が前に進まない事を改めて

リーナに話して行くと、リーナに我慢を覚えさせる!…

とまぁ覚えさせると言っても言う程の物でも無いのだが、この時

リーナはやはり渋々とした様子で返事を…その一方でモツはハッと

気が付いた様子でマサツグ達の方へと徐に振り向き!…

そこで自分だけは残る事を口に!…三人で採掘に行くよう声を掛けて

見せて行くと、オリハが了解した様子でマサツグとの合流を口にする!…


「ッ!…分かりました!…じゃあ、私は兄さんと…

一緒にアダマンタイトを掘って来ます!…

三人で行った方が早く終わって、早く帰れると思いますから!…」


「おう、いってら~!…」


__タッ…タッ…タッ…タッ…


「…う~ん……」


「……ッ!…あれ?…

リーナは行かないのか?」


オリハがモツに行って来る!と声を掛けると駆けて行き!…

モツもそれを聞き入れた様子でのん気に返事!…と、その一方でリーナは

何故か腕を組んで難しい顔をして居り!…唸っている様子にモツもピクッと

反応すると、次にはリーナへ声を掛ける!…

それこそリーナは付いて行かないのか?と不思議そうに声を掛けて行くのだが、

その問い掛けに対してリーナは返事をする様にパッと目を開くと突如よし!と…


「……よし!!…

モツ、悪いが私もここでこのノーム達とアヤの護衛に当たらせて貰うぞ?」


「ッ!…え?…別に良いけど?…良いのか?…

聞けばこのアダマンタイトの採掘を誰よりも一番に行こう!

って言ってた!って聞いたけど?…」


「ッ!?…な、何だその聞き分けの無さそうな言い様は?………?

一体誰がそんな事を!?……ッ!…アイツか!…」


一人納得した様子で自分も残る!と、モツに笑顔で話し始め!…

するとその話を聞いてモツも若干戸惑い気味に!…

その際誰とは言わないがこんな話を聞いた!と…楽しみにしていたのでは?と

更に言葉を掛けて行くと、そのモツからの言葉にリーナもピクッと戸惑って

見せる!…と言うのもその時の言い様がさも遠足前の子供な言い方であり、

私はそんなでは無い!と…何なら誰が言ったのか!?とリーナはアワアワと

戸惑い続け!…しかしそれも直ぐに思い当たる人物が居る事にハッとした様子で!…

となるとその視線をマサツグの方へと向けて行き!…そしてマサツグを凝視しつつも

更に言葉を口に!…残る理由をモツに話し始める!…


「……誰がそんな事を言っていたのかは分かった!!…

アレは後で絞めるとして!…モツ一人だけに任せるのも如何かと思ってな?…」


「ッ!…あははは…」


「…ッ!?…あっ!…べ、別に信頼して無いとかそう言うのではないぞ!?…

ただ丁度二手づつに別れられると思ってな!?…一人だと大変だと思ってな!?…

…それにモツの言う通りにまたあいつ等が来たら!…

さすがに一人で全てを守り切るのは難しいだろうと思うしな?…」


リーナが恨む様な言葉を口にすると、後でマサツグを絞める!と…

と、同時にモツだけに任せるのは苦である!とリーナは話し!…それを聞いて

モツ自身も意味を理解した様子で苦笑い!…何とも返事がし辛い!と言った

反応を見せて居ると、リーナがハッとした様子で慌てて見せる!…

何でもリーナ自身そこまでの意味を持ってその言葉を言った訳では無い様で、

訂正するよう言葉を!…ただ守るモノが多い事から人手は多い方が良い!と…

とにかくアワアワとしながら言い訳の言葉を口にすると、モツも納得した

様子で返事をする!…


「ッ!…それはまぁ…確かにそうだな?…

倒れているアヤにノーム達!…そして巨大な卵と!…

守らねぇといけないモノが多いな?…」


「安心してくれ!…別に嫌々でここに残ると言っている訳ではない!…

それに私はこれまでに鉱石と言った物を掘った事が無いズブの素人だ…

そんな人間がいきなりアダマンタイトの様な希少鉱石を掘る事が

出来る筈もないだろう……だから、な?…」


この時そのリーナの言い訳を聞いて改めて確認!…守るべきモノが多い!と…

モツはリーナの言う事にハッと納得を示して行き!…リーナもそんなモツの

反応を見て少し安堵した様子を見せて行くと、続けて付いて行かない理由も

口にする!…何でもリーナが言うには自分は鉱石を掘る事に関しては素人!と、

いきなり最上級の鉱石が掘れる筈が無い!と言葉を口に!…と言う事は必然的に

邪魔になるのでは?と考えたらしく!…だったら自分に出来る事!…それが

このお守りである事を更にモツに話して行くと、モツも更に納得した様子で

返事をする!…


「ッ!……なるほどな…確かに難しいだろうなぁ…

…なんせあの大剣の原材料な訳だし!…迂闊に手も出せないだろうと…

それに元々残る残らないの話は強制って訳じゃないし!……わかった!…

じゃあ二人で一緒に辺りの警戒をするか!!」


「ッ!…あぁ!…誰一人としてアヤ達に近づけはさせない!!…

っと!…その前に…」


__クルッ!……


モツはリーナの言い分を聞いた時、あの大剣の原材料と納得し!…

と言うのも今までの酷使の様子を見て来た訳では無いのだが、

それでもあの頑丈さは知って居る!と…しかもそれは草臥れての物で

ある事からヤバい!と認識をして改めて行き!…若干戸惑った様子で

リーナの言い分を理解すると、リーナに分かった!と返事をする!…

そしてそんな鉱石を掘りに行くマサツグ達の心配をすると、同時に

お守りを頑張ろう!と…するとそんなモツの言葉にリーナも笑みを

浮かべて見せ!…次には決意を!…と、同時に…

ハッと気が付いた様子で徐にクルッとマサツグ達の方へ振り向いて行くと、

次には自分の意思を伝える!…


「…え?」


「すぅ!……オ~リハ~!!…」


__ビクウゥッ!!…チラァ!?……


「お、おい!?」


突如リーナがマサツグ達の方へ振り向き出した事でモツも不思議そうに

何事?と…するとリーナは徐に息を吸っては大声を!…と言うのもそれは

オリハに向けての伝言で有り!…そのリーナの声が洞窟内にて反響するよう

響き渡ると、そのリーナの大声に婦人会がビクッ!と…

何なら呼ばれた本人様も途端に慌てた様子で振り向き始める!…

するとそんな婦人会の様子に気が付いたモツも慌てた様子で、リーナに

制止を呼び掛けるよう声を掛けるのだが!…


「私はここに残ってモツと一緒にアヤの身辺警護をする事にしたぁ~!!…

オリハは私に構わずマサツグと一緒に!!…

アダマンタイトの採掘に向かってくれぇ~!!!…」


「…え?」


「頼んだぞぉ~~~!!!!」


「……は…は~い!!!」


リーナは一切ボリュームを落とす事無く更に言葉を!…その際本命である

残る!と言う言葉を口に!…となるとそんな伝言にオリハも何事!?と…

そこまで叫ぶ必要が有るか?について疑問を持つと、思わず返事に

戸惑ってしまう!…するとその一方では更にリーナが声を張り上げ!…

期待した様子で頼んだ!とエールを!…するとその言葉にオリハも漸く

ハッとして見せ!…とにかく慌ててリーナに了承したよう返事をすると、

再びマサツグの元へと駆けて行く!…さてそうしてリーナも伝えたい事を

伝えられた事で満足げ!…駆けて行くオリハの背中をジッと見詰め!…

全力で手を振ってはオリハの後ろ姿を見送り続け!…

そして完全に見送り切った所でフッとモツ達の方に振り返って見せると、

次にはその目の前の光景に戸惑ってしまう!…何故なら!…


__ビクッ!…ビクビクッ!!…


「……ッ!?…い、一体如何したのだ!?…そんなに怯えて!?…

…近くに敵が居る訳でも無さそうだが?…」


{リーナの大声のせいだろ……}


「ッ!?……さ、さぁ如何して何だろうな?…あ、あははは…

…それより直ぐ近くで寝ている奴が居るんだから…

もう少し声のボリュームを落とせ?…

それで折角の回復の機会を邪魔したら意味が無いだろ?」


「ッ!?……あっ!…す、すまん!!…失念していた!……」


振り返ったリーナの目の前には何故か怯えた様子の婦人会が!…

となるとリーナも驚き戸惑った様子で何事!?と…

その際辺りを見回して敵が居ない事を確認して行き!…

それを踏まえて更に怯えている理由について何故?と

首を傾げて見せると、モツが心の中でツッコミを入れる!…

と言うのも何故口に出して言わなかったのか?と言うと、

更なる混乱を防ぐ為で!…これで自分も激しくツッコミを

入れると火に油を注ぐ様なモノであり!…モツはグッと我慢!…

敢えて分かって居ない様子ではぐらかし!…

リーナに対して苦笑いをして見せて行くと、次には改めて

注意を口に!…寝て居る者が居る事をリーナに確認するよう

言葉を掛け!…リーナもそれを言われてハッとした様な反応を

見せると、次には項垂れモツや婦人会に謝り!…

そしてそれを見たランランや婦人会の面々もフフフ!と…

可笑しかったのか静かに笑って見せると、マサツグ達の帰りを

待つのであった!…

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