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-第五章-ウィンタースノー連邦-スノーピース~ドワーフファミリア編-
-第五章六十三節 鬼の豹変と人柱マサツグと暗い穴-
しおりを挟むそれは誰もが吃驚して絶句する程のモノであった!…その者と初めて会った時は
常に微笑みが絶えない小さな者であったのだが、怒るとまさに般若に豹変!…
それは全員を凍り付かせ!…ドンドンも顔を真っ青にしてやってしまった!と
ばかりの表情を浮かべると、次には恐怖で震え出す!…勿論あぁ~だこぉ~だと
言って居た話を全て一蹴してしまい!…自身の意見を全員にぶつけるよう話して
行くと、漸く自体は前へと進んで行こうとし始める!…と言うのも第一声が!…
「ッ~~~~!!!…
じゃかあしんじゃ、おんどりゃああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
__ビクゥッ!?!?……チラッ?…ッ!?…ゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!…
「……え?…ラ、ランラン…さん?…」
「ふぅーー!!!…ふぅーー!!!…」
その場に居る者全員を凍り付かせたと言うのも正体はランラン!…ドンドンの
嫁さんであり、この時ドンドンも口をパクパクとさせてはひたすらにヤバい!
と言った様子で滝の様に汗を掻いて見せて居ると、その一方ではランランが更に
激昂の様子を見せて行く!…そしてマサツグも異変に気が付いた様子で声を
掛けると、ランランは肩で息をしながら般若顔のままで!…とにかくトンデモ
ナイ勢いで怒っており!…その場に居る者達全員を睨み付けながら徐に口を
開き出すと、それは説教へと変わって行く!…
「さっきから聞いとったら何じゃ!?…
如何でもえぇ事ウダウダウダウダ抜かし腐ってぇ!?…
そんな事より今は産卵しとるアダマンタイマイの心配やろが普通!?…
…それをアホみたいに小亀が如何タラ!…体術が如何タラ!!…
それを指示するから黙って話聞かんかいワレェ!!!…
何やったらそんなもん卵孵さんでもそのまま転がして洞窟に運べば
済む話やろが!!!」
「「「ッ!?…は、はい!……」」」×5
それは怒涛の制圧力を見せると文句の嵐!…勿論そこに笑顔はなく!…そして
その言葉遣いも一気に悪くなって罵る様な!…恐らく関西?…いや広島?…を
彷彿とさせる口調となって見せると、全員を恐怖のどん底にへと落として行く!…
その際まずはマサツグ達の方へ視線を向けると、指示は此方で出すと一喝して
見せ!…何なら卵が孵るまで待ってられるか!と文句を続け!…卵自体をその
まま洞窟へ運ぶ事を口にすると、マサツグ達を一蹴する!…するとそんな
ランランの怒号にマサツグ達もおっかなびっくり!…とにかく返事をする事しか
出来ず!…と、まだランランの怒りは一向に収まらず!…次にアヤ達の居る方
にへと振り向き出すと、更に文句を続けて行く!…
「んでこっちのネーチャン共!!」
「「は…はい!!…」」×2
「あれは誰かに襲われて泣いとるんと違うんじゃ!!!
あれは産卵の苦痛で泣いとんのじゃ!!!…
こないに硬くてデカイ亀が襲われた程度で泣く訳ないやろが!!!!」
「「ッ!?…は、はい!!!…す、すいません!!!!」」×2
振り返るなりアヤ達の事をネーチャン共と呼び捨て!…その鋭い眼光をギラリ!…
と、そんな目で見られた事でアヤ達も途端に戸惑って見せ!…とにかくマサツグ達
と同じ様に!…驚きつつも返事しか出来ないそんな様子を見せて居ると、ランラン
の説教が始まりを迎える!…この時そのアダマンタイマイが泣いて居る理由に
ついてガツンと言うと、アダマンタイマイがその程度で泣く訳が無い!と…最強の
亀である事を口にして見せ!…今まさに切羽詰まって居る事を口にすると、アヤと
リーナを委縮させる!…因みにこの時の事を後日リーナはこう感じたと話をする!…
{…いや…あれはまさに何も言えない程に吃驚した!…
…あの様になるのはいつ以来か…
お父様が本気で怒った時以来の衝撃であったな!…}
と、この時のリーナは驚きつつも苦笑いしながら話し…その一方でまだランランの
怒りは収まらず!…更に視線をアヤの肩に乗っているチネットの方に向けて行くと、
やはり文句を零して見せる!…
「それとチネット!!!」
「ヒッ!!……」
「さっきからお前は腰巾着か!!!…口開いたらさすがやのすごいやの…
…もっと他の事が言えんのか!?…ボテ繰り回すぞコラァ!!!…」
「ひぃぃぃぃ!!!……ごめんなさ~いい!!!…」
先程からのチネットの様子が気に喰わなかったのか?…その腰巾着振りに一喝!…
チネットはランランに睨まれた事で一気に委縮!…青褪め視線を外せなくなった
様な感じで固まってしまうと、その一方でランランが更に吠える!…
何ならマサツグ達やアヤ達に比べて圧が強く!…終いにはボテ繰り回す!と言う
パワーワードを!…となるとチネットは完全に怯え!…頭を抱えてごめんなさい!…
そう言ってランランに許しを乞う姿を見せて居ると、オリハがポソッとツッコミを
入れる!…
「……いや、泣いている原因って苦痛で泣いてるんじゃ無いんだけどな……」
「ッ!!…あぁ~ん、何か言ったか犬耳娘!?!?」
「ッ!!…いえ、何も……」
オリハがアダマンタイマイの泣いて居る理由についてツッコミを入れると、
ランランが途端にピクッと反応!…さも地獄耳です!とばかりに機敏に振り向き!…
オリハのツッコミに対して犬耳娘と声を荒げて見せて行くと、さすがのオリハも
ビクッとする!…そして何も言って居ませんとばかりにそっぽを向くと、一言
言い訳を口に…そうして纏まらない話は一気に払拭されてしまい!…これには
ドンドンも有難い限り!と…怒って居るランランに警戒しつつ声を掛けようとして
行くと、今度はドンドンにも飛び火する!…
「ラ…ランラン!…おめぇ!……」
__クルッ!…
「ッ!!……ありがt…」
「大体あんたがしっかりしとらんからじゃろうがーーーー!!!!」
__ガッ!!…スパーーーーン!!!!…ブハァ!!…ブハァ!…ブハァ……
肩で息をするランランの背後から声を!…するとランランもピクッと
反応するなり振り返り始め!…となるとドンドンも続け様にお礼の言葉を!…
これで話を聞いて貰える!と…ただランランに感謝の言葉を口にしようと
するのだが、次にはランランの平手がドンドンを襲う!…それこそ理不尽の
極みとばかりに綺麗な一閃!…ランランは振り返り様にドンドンの胸倉を掴み!…
そこからノンストップ右手を振り被り!…そしてドンドンの左頬に向かって
会心の一撃!…これにはドンドンの首が横に飛び!…さも某・格ゲーの
やられた時の様な感じの声も聞こえて来ると、更にマサツグ達は衝撃を受ける!…
__ッ!?!?……
「ッ!!…っと!……
元はと言えばあんたがもっとしっかりして居ればもっと統率が取れるんじゃ!!!…
それをさっきからうじうじ…うじうじと…
女々しいにも程があるわああぁ!!!」
__パンパンパンパンパン!!!!…
「ベブ!!…ボブ!!…ヒ、ヒィィィ!!!…
ご…ごめんよ~~ランラン~~!!!」
「謝る暇があればさっさと行動に移さんかい!!!…
こうしてる間にもアダマンタイマイの産卵は始まっとんじゃボケェ!!!」
__パンパンパンパンパン!!!!
…如何やらドンドンの家庭はかかあ天下らしく、ドンドンは防戦一方!…
何なら自身の夫の不甲斐なさに怒り爆発!…怒りの往復ビンタを繰り出し!…
ドンドンにしっかりするよう文句を言うと、ドンドンは怯えながらも必死に
受け止め続ける!…その際ドンドンの口調は何処か気弱…あの親方口調も
消えてなくなり!…何方かと言うとチネットに似ており!…
ランランはますますカチンと来たのか?…とにかく行動で態度を示す様に
文句を言って居ると、さすがにアヤが止めに入る!…
「あ、あぁぁ~!!…ラ、ランラン落ち着いて!?…
このままだとドンドンが可哀想だよ!!…」
「っ!?…あぁ~ん!?…人様の家の事情にぃ!!…
部外者が首を突っ込んで来るんじゃないよ!!!」
「ッ!?…ヒィッ!!……」
この時リーナも戸惑っては一歩も動けず!…リーナの肩の上で行われて居る
喧嘩にアヤがとにかく駆け寄り!…と、すかさず手を二人の間に通す様にして
仲裁に入って行くのだが!…喧嘩を止めに入った瞬間鋭い視線がアヤに向けられ!…
と言うのもランランが邪魔をするな!と文句を口に…その際の眼光はまるで歴戦の
獣を相手にした様な感覚であり!…アヤも思わず恐怖する様なそんな声を上げて
行くと、次にはマサツグ達がハッ!とする…その際マサツグがチラッとモツの方に
視線を送ると、モツも気が付いた様子でピクッと反応!…
__……チラッ?…ッ!!……
「ど、どうする!?…」
「ッ!?…どうするも何も!!…
止めない事には色々と話が進まない上に止まらないぞ!!…
せめてランランだけでも落ち着かせないと!!…」
「…だよな?……よし!!…
じゃあ俺がランランを止めるから!!…
モツはアヤとドンドンの保護を頼む!…」
「ッ!…わかっ……ッ!?…正気か!?…
…いやでも!!…分かった!!…死ぬんじゃないぞ!!…」
互いに意思疎通が出来た所で相談タイム!…マサツグが戸惑った様子で声を掛け!…
と、声を掛けられた所でモツからすれば答えは一つでしかない訳で!…あの状態を
止めない限り前には進まない事を口にすると、マサツグもやはり!と言った具合に
返事をする!…そして次には何か決意をした様な様子を見せると、今度はマサツグが
仲裁に入る!と…するとそれを聞いたモツは了承!…が、次には直ぐに戸惑った
様子で言葉に詰まり!…再度マサツグに尋ねるよう瘴気が如何か!?について
質問をすると、それでも納得した様子で返事をする!…その際大袈裟気味に注意の
言葉を口にすると二人はそれぞれ展開し出し!…モツがアヤの後ろに!…
マサツグがリーナの後ろに回るよう移動をして行って見せると、
次には捕獲と保護!…両方を一遍に熟して行く!…
__ザッ…ザッ…ザッ…ザッ………コクリッ!!…ガバァ!!!…
「ッ!?…な!?…」
「アヤ!!…大丈夫か!?…ドンドンも!!…」
「ッ!?…え?…えぇ…でも、マサツグは?……ッ!…」
本能的に相手に悟られないよう動いて行くと、互いに思った配置に着いた所で
アイコンタクト!…互いに視線を合わしては次に頷いて動き始め!…
モツはアヤとドンドンを保護して行き!…マサツグはランランを両手で
抱える様にして切り離して見せると、ランラン自身を驚かせる!…
その一方でアヤとドンドンの心配をモツがすると、アヤは戸惑った様子で
返事!…その際そのアヤの手にはドンドンが頬を腫らして転がっており!…
そんな様子に戸惑いつつ!…もう一方のマサツグにふと気が付いた様な
反応を見せて行くと、次にはある光景を目にする!…と言うのも!…
「放せぇ!!…放さんかい!!!…
まだ話は終わってないんじゃ!!!…
余所モンがしゃしゃり出て来てんとちゃうわ!!!!」
__ジタバタジタバタ!!!…
「ッ!?…あ!…暴れるな!!…もうその辺にしてドンドンを許してやれ!!…
それにアダマンタイマイの産卵で何か言いたい事があったんじゃないのか!!…」
「えぇ~い!!…放せ~ぇ!!!…今はそれどころじゃないんじゃ~!!!…
あのなんちゃって棟梁にもっと自覚を持たせにゃならんのじゃ~~!!!」
「それどころじゃないのはこっちのセリフだ!!!…
それにさっき自分でも急がないと!って言っていただろうが!!!…」
ランランはマサツグに捕まるとその手の中でジタバタ!…
まだ闘争本能は失われておらず!…その際ドンドンを逃がさない!とばかりに
睨み続け!…マサツグも逃がさない!とばかりに慌てながらも鰻掴み状態に
なって見せると、何とか宥めようと必死になる!…その際ランランはもはや
怨霊の様な執念ぶりを発揮すると、あのマサツグを悪戦苦闘させ!…
が、そこはマサツグも何とか説得をし続け!…さも夫婦漫才の様なやり取りを
繰り返し!…とにかくランランに制止を呼び掛け続けて居ると、その一方で
モツ達が動きを見せる!…
「……さて、あの様子だと落ち着くのに時間が掛かりそうだ…
だとすると今の内に行動を!……で、ドンドン!…
如何やってアダマンタイマイの卵を運搬するんだ?…
…ッ?…ドンドン?…」
「ッ~~~~!!!……ハッ!!…ア、アレ?…ランランは?…」
「ッ!……あっち…」
「ッ!…あっち?……ッ!?…」
__ギシャアアアアアァァァ!!!!!…
「ヒイイィィ!?!?…」
動きと言うのは卵の確保!…もはやマサツグを見捨てる形で動く事に!…
何ならマサツグも最初からその覚悟でモツ達に全てを任せて行き!…
モツがそれを見越してドンドンに運搬のやり方について質問をすると、
その一方でドンドンはアヤの手の中で蹲って見せる!…と、当然酷く
怯えた様子でプルプルと震え続けて見せて居ると、モツは再度心配した様子で
声を掛け!…するとドンドンはその二度目の声でハッと我に返って見せ!…
そこでランランが居ない事に疑問を!…思わずランランは何処か?と
尋ねて首を左右に…となるとその問い掛けに対してアヤが俯き[あっち]と
答えて見せると、モツが代わりに指を差す!…するとそこにはマサツグと
格闘するランランの姿が!…そうなるとそれを見てドンドンは更に怯え!…
と、その様子にアヤも慌てて大丈夫!と声を掛け出し!…
とにかく安心させる様に言葉を続けて掛けて行くと、漸く本題の話に
入って見せる!…
「ッ!?…だ、大丈夫よドンドン!!…
ランランはマサツグが落ち着かせるまで捕まえているから安心して!!…
…それよりも急がないといけない事が有ったんじゃないの?」
「へ?……ッ!!…そ、そうだ!!…卵!!…
お、俺っちと一緒にアダマンタイマイの腹の下に
潜って卵を回収して欲しいんだ!!…
…デカさだけに本当は数十人掛りで運ぶんだが…皆バテちまってるし…
後頼めるのはアンタ達だけなんだ!!…頼む!!…」
それこそマサツグが悪戦苦闘している様子を見せつつ、安全だと言う事を訴え!…
と、同時に急ぐ事が有ったのでは無いのか?と…アヤが本題に入るようドンドンに
声を掛けて行くと、ドンドンも次には我に返る!…この時若干の間が出来るものの
ハッと目を見開き!…今度は卵!と…産卵をして居る事で回収をば!と、
モツやアヤに協力を求めるよう慌てた具合に声を掛けると、モツがその運搬の
仕方について疑問を持つ!…
「ッ!…は、いいけど…如何やって運ぶつもりなんだ?…やっぱ転がすのか?…」
「……しか無いと思う!…
一応先代の話では卵は岩みたいに固いから多少乱暴に扱っても大丈夫とは
聞いて居るが…慎重に越した事は無いからな!…
俺っちが魔法で坂を作るから!…その坂を頑張って押して欲しい!…」
「ッ!…なるほど!……そっちも把握出来たかぁ?…
もう一仕事あるみたいだぞぉ?…」
モツが持った疑問と言うのもその卵の運搬方法について!…
と言うのもこれだけデカい亀の卵だと言うのだからきっと巨大に違いなく、
担いで運ぶ事は出来ない!と…となると転がすしか他になく!…
モツは大丈夫なのか?と言った具合にまんまその事について質問をすると、
ドンドンもそれしか無い!と言った言葉で返事をする!…
その際運搬方法については既に先代から聞いていた様で、卵は頑丈!と…
故に転がして運ぶ事が最善と語り!…その道のりについてはドンドンが案内!…
作成する事を口にすると、モツも納得した様子で返事をする!…
と、同時に近くに居たドワーフ達やオリハとリーナに声を掛けると、
オリハ達も了承した様子で!…
「勿論ワシ等も協力させて貰うぞ!!…
人間達よりは背は低いが力には自信がある!!!…
文字通り!!…縁の下の力持ちになってみせようぞ!!!」
「私もいつでも良いぞ!!…
どんな物でもしっかりと運搬して見せよう!!…
騎士の名誉に掛けて!!…」
「そんな大層な……こっちもいつでも行けますよ?…
…と言うより何と無くそんな気がして居たから…
最初から準備運動をしていました…」
各々も聞いていた!とばかりに返事!…リーダードワーフが笑顔で返事をすると、
残りの二人も笑顔で同意するよう頷いて見せ!…リーナも自身の胸をガンと叩くと
快く承諾!…その際やる気を見せた表情で騎士の名誉!と大層な事を口にすると、
オリハが戸惑った様子でツッコミを入れる!…
この時同時にやはり協力する事に
同意をすると、既に準備をして居た!と…軽くストレッチをしてはモツに
サムズアップをして見せ!…全員がいつでも行ける事を表明した所でドンドンも
感激したよう反応すると、涙を拭ってやる気を出す!…
「み…皆!!…グスッ!!…」
__…ジワァ!……ッ!…ぐしぐしぐしぐし!!…
「……よし!…皆に感謝する!!…
じゃあアダマンタイマイの腹の下への入り方なんだが…
先代の話が正しければアダマンタイマイの尻尾の方に
少しだけ穴が開いているらしい!…
そこからアダマンタイマイの腹の下に入るとあのクレーターの端に出て来て…
卵は中央に!…一番下に当たる場所にへと卵が転がり産み落とされるらしい!…
で、それを回収して地上に出た後!…洞窟へと運び終えたら終わり!…
…以上!…他に質問は?…」
__ッ!……ふるふるふるふる!…
皆の厚意を受け取って感涙しつつ!…全員に感謝の言葉を口にすると、
改めて侵入口の説明をする!…そしてそこからの手順も至極簡単!…
転がして運ぶとやはり語ると、その際卵があるであろう場所もモツ達に伝え!…
洞窟まで持って行けば終わりである事を更に説明!…これ以上説明が無い様子で
ドンドンが質問の有無についてモツ達に声を掛けて行くと、モツ達は全員首を
横に振って見せる!…勿論ここまでの簡単な説明に質問は無く!…
誰もが納得した様子で笑顔を浮かべ!…と、それを見たドンドンも安心!と
ばかりに一息吐き!…そして改めて号令を掛ける様に声を掛けると、モツ達は
遂に回収へと動き出す!…
「よし!…じゃあ行くぞ!!…次の世代の為に!!…」
__オオオオオオオオオオ!!!!……ザッ…ザッ…ザッ…ザッ…
「ッ!!…待たんかいゴラアアアァァァ!!!…
ワシを置いて行くつもりかアンタあああぁぁぁ!!!…
逃がさへんぞオオオォォォォォ!!!」
「ッ!?…それはコッチの台詞だっての!!…
っ!!…だアアァァァ!!!…大人しくしろ!!!…
もうグチャグチャじゃねぇか!!!…」
全員が最後の仕事にやる気を出し!…ドンドンの号令に合わせて拳を突き上げ!…
そして一同はドンドンの説明にあった通りにアダマンタイマイのケツの方へ!…
その出入り口を目指して回り込み!…そんな様子にマサツグとランランも気が付いた
様子で反応すると、更に慌しい様子を見せて行く!…ランランはやはり鰻の様に
ぬるりするり!…が、マサツグも必死に良しとせず!…そしてその一方でモツ達は
そんなマサツグ達など置いといて、約二時間掛けて移動!…アダマンタイマイの
尻尾が出て居る所にやって来ると、そこで人が余裕で入れそうな穴を見つける!…
__ザクッ!…ザクッ!…ザクッ!…ザクッ!…
「さて、尻尾の方に辿り着いた訳なんだが?……ッ!…アレの事か?…」
「ふむ…見た所あの場所くらいしか入れそうな場所は無いな…
…しかし、ここから入るにしても暗すぎないか?
これでは中に入っても何があるか分からないぞ?」
「ん?…暗いと?…それなら任せてくれ!…」
アダマンタイマイの尻尾の付け根辺りに穴が一つ開いて居り!…
そのデカさも約10m位と言った所か、かなり余裕で侵入出来そうな
穴を見つけて行くと、モツがアレか?と指を差す!…
すると既にそこからでも中の様子が見えて居るのか、リーナが穴を
見詰めては暗い!と…それだけ暗いと中が不明!と何か不安を覚えた
具合に話しを続け!…何か灯りが欲しい様なそんな雰囲気を出して
行くと、次にはドワーフ達が反応する!…何でも秘策がある様で、
徐に自身のポケットをゴソゴソ!と…
「ッ!…え?…」
「ッ!…おぉ、有った有った!……ほれ!…
燭台を作る際に余った[光源石]がここに残っておる!…
こいつを使えば暗さなど気にせず中の様子を探る事が出来るじゃろう!…」
「ッ!……ッ!?…ッ~~~…
…な、なるほどな?…じゃあこのまま中に…」
突如ポケットを弄り出した事でモツが困惑!…が、それも直ぐに晴れ!…
と言うのもドワーフ達が取り出したのは妙に眩しく光る石で!…それは
あの洞窟内で燭台を作る際…光源として使った石である事をリーダー
ドワーフが説明をすると、モツ達に手渡すよう差し出して見せる!…
するとモツもそれを差し出された事で恐る恐る鉱石を手にして行くと、
その眩さに思わず目を眩ませ!…が、熱源等ではないのか手に持った所で
熱くもなく!…モツは納得した様子で言葉を!…そしてそのまま穴の中に
足を進めて行こうとすると、ここでリーナが呼び止めに入る!…
「ッ!…ここは私が先陣を切ろう!…何が有っても踏ん張れる自信が有る!…
…あぁ後オリハも付いて来てくれるか?…
何かあったら二人で事を運ばないといけないからな?…」
「ッ!…了解です!…」
恐らくリーナとしてはこの先敵が出て来るかも知れない事を踏まえてタンカーを
買って出て、オリハに遊撃を!…その際その事を話して理解を全員から
貰って行き!…オリハも了承した様子でリーナに頷き返事をすると、
オリハはリーナの隣に移動する!…この時モツにはそのまま照明係を
して貰う流れになって行くと、自動的に援護役はアヤに!…
そして肝心の卵運搬はドワーフ達に任せる事になって行き!…
こうしてスッと穴に入る前に役割を予め決めて行くと、改めてモツ達は
穴の中へと突入しようとするのだが!…
「じゃあ、行くぞ!!…」
「…では少ししてから来てくれ!…先に私達で中の様子を探って来る!…」
「ッ!…え?…いや全員で行ってさっさと回収した方が?…」
「……いや、先に安全を確保してからだ!…全員で行って退路を塞がれ!…
そのまま全滅してしまっては元も子もない!…だから時間を空けてだ!…
…なぁに!…危なければ直ぐに戻って来る!!…」
モツが号令を掛けるとリーナは突如二人で行く!と、これにはモツもえ?とばかりに
戸惑い!…となると勿論何故?とばかりに言葉を口に!…ただ純粋に疑問を持った
具合に質問をすると、リーナは騎士としての…いや、隊を任されて来た者の考えを
口にする!…何でも念を掛けた全滅防止策で有るらしく、自分達が斥候になる!と…
この時のリーナはいつになく真剣そのものの表情を浮かべて居り!…まさに隊長の
風格を見せて行くと、思わずモツが怯んでしまう!…
「ッ!?……わ、分かった……けど無茶はするなよ?…」
「あぁ、任せておけ!!!…
…何か有ったら大声で伝える!!…では、参る!!…」
__ザッ…ザッ……ガッ!!…ザザアアァァァ!!!…ッ!?…
思わぬ不意打ちを貰った事でモツは戸惑い!…そのまま思わず承諾!…
が、相手の心配は忘れて居ない様子で声を掛け!…となるとそのモツの
言葉に対してリーナも笑顔で頷いて見せると、モツが持っている光源石を
一つ貰って行く!…そして何か有った際は大声で伝える事を約束すると、
オリハを連れて穴の方へと近付き!…すると穴の中は意外と急な下り坂に
なっているのか、リーナが一歩足を踏み入れた瞬間!…まるでテレポートを
した様に姿を消す!…するとそんな様子を目の当たりにして当然モツ達も
驚いて見せると、当然心配をするのだが!…
「お、おい大丈夫なのかあぁぁ!?…」
__……心配ない!!!…ただ坂が急だっただけだああぁぁ!!!……
「だ、大丈夫って言ってるけど?……」
「……じゃあ私も様子を見て来ますね?…」
モツ達は慌てた様子でその穴の方へと駆け寄ると、穴に向かって呼び掛け!…
すると暗闇の方からはちゃんと返事が!…リーナの声で無事と聞こえ!…
その際音が反響する様に訳も一緒になって聞こえて来ると、アヤも聞いた様子で
戸惑って見せる!…となるとこの時幾ら無事と言われても状態が見れない分
やはり不安で仕方が無く!…如何なんだろう?と言葉を零し!…
その一方でオリハも話を聞いていたのか!?とばかりに突入し始め!…
隣でオリハが穴に飛び込んで行く様子を目にすると、当然更に慌てて見せる!…
「ッ!?…うぇえぇちょ!!…ちょっと待っ!!…
…って、行っちまったし!!…あの二人って本当に猪突猛進だな……
幾ら光源が有るにしてもこの穴は暗いし物怖じの一つ位すると思うんだが?…」
「って、そんな事を言ってる場合じゃないでしょ!?…
ど、如何する!?…もしあの二人が無事じゃなかったら!!…」
__……おぉ~い!!!…
「ッ!!…待て!!…何か聞こえる!!!…」
慌てて止めようとモツがオリハに制止を呼び掛けて行くのだが、
時既にお寿司で有り!…その際その様子を目にしてその神経の
図太さに驚きを口に!…やはり二人揃って猪突猛進である事を
改めて自覚するよう零して居ると、アヤがモツにツッコミを入れる!…
この時そんな事を言って居る場合では無い!と言うと、同時に
二人の心配を口に!…が、そんなアヤの心配など何のその!…
暗闇の向こうからまたリーナの声が聞こえて来ると、モツが
ハッとした様子で反応する!…そして一同はその声の聞こえて
来た方に耳を澄ますと、次には驚くべき言葉を耳に!…
と言うのもあるモノを見つけた!と言葉を耳にして行き、
当然それを聞いてモツ達が驚きを露わにする一方!…
マサツグが居る方ではと言うと、未だにランランとの激戦が
繰り広げられては苦戦を味わう事になって居るのであった!…
因みにランランの口調が何故あぁも恐ろしいモノになるのかと言うと、
その理由は先代の影響から来ているらしく!…何でもランランは先代の
一人娘で可愛がられて来た!と…と言う事はもはや刷り込みに近く!…
しかし普段はお淑やかで上品に振舞うの平常らしく、あの口調になるのは
怒った時だけ!と…が、怒る時はとことん怒るらしく!…
ドンドン曰く雷が落ちたら逆らわない事を心掛けて居ると、
後に彼は悲しい背中を見せながら語るのであった!…
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神々に見捨てられし者、自力で最強へ
九頭七尾
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三大貴族の一角、アルベール家の長子として生まれた少年、ライズ。だが「祝福の儀」で何の天職も授かることができなかった彼は、『神々に見捨てられた者』と蔑まれ、一族を追放されてしまう。
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どうも、死んだはずの悪役令嬢です。
西藤島 みや
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ある夏の夜。公爵令嬢のアシュレイは王宮殿の舞踏会で、婚約者のルディ皇子にいつも通り罵声を浴びせられていた。
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「幼馴染みだかなんだかしらないけれど、もう限界だわ。あの人達に罰があたればいいのに」
こっそり呟いた瞬間、
《願いを聞き届けてあげるよ!》
何故か全くの別人になってしまっていたアシュレイ。目の前で、アシュレイが倒れて意識不明になるのを見ることになる。
「よくも、義妹にこんなことを!皇子、婚約はなかったことにしてもらいます!」
義父と義兄はアシュレイが状況を理解する前に、アシュレイの体を持ち去ってしまう。
今までミュシャを崇めてアシュレイを冷遇してきた取り巻き達は、次々と不幸に巻き込まれてゆき…ついには、ミュシャや皇子まで…
ひたすら一人づつざまあされていくのを、呆然と見守ることになってしまった公爵令嬢と、怒り心頭の義父と義兄の物語。
はたしてアシュレイは元に戻れるのか?
剣と魔法と妖精の住む世界の、まあまあよくあるざまあメインの物語です。
ざまあが書きたかった。それだけです。
お荷物認定を受けてSSS級PTを追放されました。でも実は俺がいたからSSS級になれていたようです。
幌須 慶治
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S級冒険者PT『疾風の英雄』
電光石火の攻撃で凶悪なモンスターを次々討伐して瞬く間に最上級ランクまで上がった冒険者の夢を体現するPTである。
龍狩りの一閃ゲラートを筆頭に極炎のバーバラ、岩盤砕きガイル、地竜射抜くローラの4人の圧倒的な火力を以って凶悪モンスターを次々と打ち倒していく姿は冒険者どころか庶民の憧れを一身に集めていた。
そんな中で俺、ロイドはただの盾持ち兼荷物運びとして見られている。
盾持ちなのだからと他の4人が動く前に現地で相手の注意を引き、模擬戦の時は2対1での攻撃を受ける。
当然地味な役割なのだから居ても居なくても気にも留められずに居ないものとして扱われる。
今日もそうして地竜を討伐して、俺は1人後処理をしてからギルドに戻る。
ようやく帰り着いた頃には日も沈み酒場で祝杯を挙げる仲間たちに報酬を私に近づいた時にそれは起こる。
ニヤついた目をしたゲラートが言い放つ
「ロイド、お前役にたたなすぎるからクビな!」
全員の目と口が弧を描いたのが見えた。
一応毎日更新目指して、15話位で終わる予定です。
作品紹介に出てる人物、主人公以外重要じゃないのはご愛嬌()
15話で終わる気がしないので終わるまで延長します、脱線多くてごめんなさい 2020/7/26
弟のお前は無能だからと勇者な兄にパーティを追い出されました。実は俺のおかげで勇者だったんですけどね
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兄は知らない、俺を無能だと馬鹿にしあざ笑う兄は真実を知らない。
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当然のようにパーティは壊滅状態。
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俺を追放したことを後悔しても、もう遅いんだよ!
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【第16回ファンタジー小説大賞】にて一次選考通過の[奨励賞]いただきました
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