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-第五章-ウィンタースノー連邦-スノーピース~ドワーフファミリア編-

-第五章三十二節 再会のドワーフと二通りのドワーフとロマンの町-

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「……ワシの工房がどうかしたか?…」


「ッ!…え?……ッ!?…」


何やら興奮して居るリーナを宥めつつ!…マサツグが話の続きをしようとして

居ると、そこに一人のドワーフが…その者はマサツグ達の事を知って居るのか?…

何の気無しにふとマサツグの言葉を耳にしたよう返事をすると、マサツグ達を

驚かせる!…となるとそう反応した人物は誰なのか?と言った具合にマサキ達が

振り向いて見せると、そこには見覚えのない…勿論ドワーフに知り合いが居るのは

マサツグ位で、マサツグがそのドワーフを見て驚いた様に固まって居ると、

その話に参加をして来たドワーフにアヤが声を掛け出す!…


「……え、えぇ~っと?…どちら様?…」


「ッ!…おぉ、スマンスマン!…

突然声を掛けられたらそりゃビックリするもんじゃな?…

あぁ、ワシは…」


__ガタァ!!…ッ!?…


「モジャモジャさん!!!」


「ッ!?…モ、モジャモジャさん?…

って、確かに髭は凄いけど…だからってそんな…」


終始困惑して居る者達に代わってアヤが声を掛けるとドワーフも反応!…突然

話し掛けた事を謝ると続けて反省する様な…とにかく頭を掻きながらに笑って

マサツグ達に話しを続け!…その際そのドワーフが自らの事をマサツグ達に

向けて名乗って見せようとすると、次にはシロが立ち上がって見せる!…それは

まるで旧友でも見かけた様に嬉々とすると、そのドワーフの事を指差しては

あだ名で呼び!…となるとそんなシロのあだ名呼びにアヤも更に困惑!…

失礼じゃない!…と言いたげにシロに対してツッコミを入れようとすると、

そのモジャモジャと呼ばれたドワーフも反応する!…


「ッ!…おっ?…嬢ちゃん元気にして居ったか!…

…ウンウン!…元気そうで何よりじゃ!…

…で、ここに来たと言う事はつまりそう言う事なんじゃろ?…

…待って居ったよ!…マサツグ殿!!…」


「ッ!!…マサツグ殿?…って事はやはりマサツグの知り合い?…ッ!…」


「……ド、!!…如何してここに?…」


シロにモジャモジャ呼ばわりされたドワーフは決して怒ると言った様子を見せる

事は無く、寧ろニコニコとしてはシロに返事をして見せ!…何ならシロの事を

マジマジと見詰めると息災と話し!…そして話を戻す様にマサツグへここに来た

理由について自分に用が有るよう話しを続けると、勿論そんな話しぶりに一同は

戸惑う!…まるで自分がその目的の人物だと言わんばかりに語る様子に、リーナも

思わずマサツグに確認を取る始末で…しかしマサツグとしてはこのドワーフで

合っているらしく!…そのドワーフの事を件の[ドレッグ]と言って驚いて見せると、

そのマサツグの言葉にリーナが驚く!…


「ッ!?…ちょ!?…はぁ!?…こ、この方が!…あ、あのぉ!!…」


「ドレッグ殿!?…」


「フッ!…お前さんも元気そうじゃな!…マサツグ殿!!…

お前さんがここに来たと話しを聞いてやって来たが…本当に来ていたとは!…

これもガイアの加護に感謝せねばなぁ!…」


「い、いや驚いたのはこっちの方だっての!…まさか迎えに来てくれるとは!!…

…まぁ確かに工房の場所を知らないから迷うの覚悟で動こうとして居たんだが…」


明らかな動揺の色を見せると席を立ち!…思わず仰け反る様な反応を見せると、

オリハも驚いた様子で名前を口に!…だがその一方で肝心のドレッグはと言うと

マサツグと談笑!…噂に聞いてやって来たらしく、マサツグを見つけた事に

何か信仰をして居るのか感謝をする様な言葉を口にすると、マサツグは続けて

驚いて見せる!…その際ドレッグにそのままの気持ちを口にすると、お迎えに

対して有り難いと語り!…何なら迷う事を覚悟して居たと更に話し!…久々の

再会にマサツグも徐々に嬉々とした表情を見せて行くと、次には握手をしようと

するのだが!…


__ッ!!…ガタタ!!…バババ!!!…ガッ!!…ガッ!!…


「ッ!?…ちょ!?…お、おい何をして!?…」


__ガッチィ~ン!!!…ッ!?…ッ!?…


「……プッ!!…はっはっはっは!!…

まさかこの齢にしてこの様な若い娘子達に抱きつかれるとは思わなんだ!…」


突如何を思ったのかリーナとオリハが機敏な動きを!…席を立つと慌てた様子で

ドレッグの元へ、そして次にはその身動きを封じる様にドレッグへしがみ付き!…

足を肩幅に開いて踏ん張る様に腰を落とし!…となるとドレッグも突然の事に

思わず固まり…一体何が何だか?と言った具合に目をパチパチとさせて居ると、

マサツグが慌てた様子で二人に声を掛けて行く!…しかしその声を掛けた所で

二人は決して放さそうとはせず!…しっかりとドレッグをホールドし続け!…

するとドレッグとしてもその状態は満更でも無い様子で次には言葉を!…頬を

染めながら照れて見せ!…さて如何したものか?と言った具合にされるがまま

になって居ると、オリハがマサツグにある事を言う!…


「ッ~~!!!…兄さん!!…今の内ぃ~~~!!!…

ここは私達が食い止めるから早く武具作成の依頼を!!…」


「ッ!!…そうだ!!…ここは私達に任せてドレッグ殿を説得…」


__ギシギシッ!…ミシミシッ!…


「…ッ?…説得?…一体何の事を言っておるんじゃ?…

ちぃっとばかし話が読めんのじゃが?…」


「……はああぁ~…」


この時のオリハはまるで殿を請け負った様に!…ドレッグを拘束し続けると

武具の依頼をと急かし!…するとそれに乗っかるようリーナも言葉を!…

ここが正念場!とばかりにドレッグの事を全力で落としに掛かるよう締め上げて

見せると、やはり急かす様に言葉を口にして見せる!…するとそんな二人の

様子にドレッグもふと困惑し始め!…締め上げられて居るにも関わらず一体

何の事?と微動だにせず!…となるとそんな様子にマサツグも溜息…しかし

この状況を放置する訳にも当然行かず!…改めて落ち着く様に二人に声を

掛けて行くと、取り敢えず落ち着く様に事を進める!…


「…とにかく落ち着け!……それとジッチャンもスマン!…

何か色々と誤解しているみたいだ!…

…てかジッチャンを放せ!…それじゃあ話も出来んだろうが!…」


「ッ!?…何を言ってるの兄さん!?…

ここで逃がしたらここに来た意味がないでしょ!?」


「そうだぞマサツグ!!…

ドレッグ殿は自分が認めた相手で無い限り武具の製作を

引き受けてくれない!!…

その者が泣いて縋り付こうがその者を投げ飛ばしてでも断る!!…

それ程に固い意志の持ち主で!!…

ここで逃がしては次に会えるのはいつになる事か!?…」


「ッ!?…ドレッグのジッチャンははぐ○メタルか何かか!?…

良いから離せ!!……結果的に!…

ドレッグのジッチャンと話が出来なければ一緒だろうが!!…

それに話は既に済ませてあるって言っただろうが!!」


頭を抱える様にしてマサツグは呆れ…二人に落ち着くよう声を掛けると

ドレッグにも謝り…二人が暴走している事に言い訳を…とにかくオリハと

リーナの二人にドレッグを解放するよう声を掛けると、その言葉を聞いた

オリハが戸惑い慌てた様子で文句を言う!…と言うのもオリハは逃がし

たら意味が無い!と…何かやはり勘違いをしている様子で!…するとその

言葉にリーナも賛同して見せ!…如何にドレッグが頑固者なのかを簡単に

話し出して行くと、とにかくこんな機会は無い!と言った具合にマサツグを

急かす!…となるとその言い方がもはや某・大作RPGに出て来るメタルの

アイツの様に聞こえてしまい!…マサツグも名前を挙げてはツッコミ!…

とにかく再度放す様に二人に指示!…更に話しも済ませてある事を二人に

続けて話して行くと、漸くオリハとリーナが話を聞き入れる!…


__ッ!……スッ…


「…ッ?…何じゃ?…もう終いか?…

…はぁ…少しばかり夢を見ていた様な気分じゃった…」


「いやそんな風には見えなかったが…とにかく大丈夫か!?…

…スマン!…ジッチャン!!…この二人が馬鹿やって!…

何なら首を決められている様に見えたけど?…」


さすがにそろそろ怒るぞ?と言った様子をマサツグが見せると二人も反応…

渋々納得した様子でドレッグを解放し!…するとドレッグもドレッグで

もう終わりかと言葉を口に…若干名残惜しそうにその表情を曇らせて見せると、

次には良い体験をさせて貰った!とばかりにピンピンとする!…だがそんな

様子を見せるドレッグに対してやはり心配!…マサツグはツッコミを入れつつ

ドレッグを労わり!…二人がやった事を代わりに謝罪!…その際一番心配だった

事について質問をすると、ドレッグは平気とばかりに返事をする!…


「ッ!…ぷはぁっはっはっはっはっは!!!…なぁにこれ位!…

デーモンアナコンダに締め上げられた時に比べれば大した事は無いわい!!…

…それよりも!!…良く来てくれたな!…マサツグ殿!!」


__スッ…ッ!……スッ…ガシッ!!…


ドレッグは豪快に笑いながら平気と言うと、目の前で腕を振り回して見せ!…

何ならあれ位へでも無い!と…過去にあったヤバい話を持って来てはそれと

比べ!…目の前で首を左右に動かしポキポキと鳴らして見せると、途端に態度を

改める!…と言うのも友人と再会出来た事を祝う様に!…笑みを浮かべては

マサツグに手を差し出し!…するとマサツグもそれに気が付いた様子でピクッと

反応をして見せ!…次にはその差し出された手を握りドレッグとしっかり握手を

交わして行って見せると、ドレッグは気になる事を口にする!…


「……でじゃお主…また豪くワシの作った物をボロボロにしてくれたのぁ?…

まぁ、物が物じゃからよく持った方ではあるが…にしてもここまでやるとは!…

…えぇ~っと?…ふむ…お前さんかなりの修羅場を潜り抜けてきた様じゃな?…」


「ッ!?…み、見ただけで分かるのか?…」


ドレッグの言う気になる言葉とはマサツグの着けている防具にあって、その

ボロボロの様子を見て派手にやった!と…この時その有様を見て怒るとか

そう言う態度を見せる事は無く…寧ろ誇りに感じたようジッとその防具の

事を見詰め続けると、ふと笑みを零して見せる!…そしてボロボロの様子から

何かを読み解く様に言葉を口にし始めると、そんなドレッグの言葉に勿論

マサツグ達も驚きを隠せず!…その際マサツグも確認するようドレッグに

言葉を口にして行き、ドレッグもその言葉に対してツッコむ様に言葉を口に

すると、自身の事をネタにするよう話を続ける!…


「当たり前じゃ!…でなければ頑固者で有名になっとりゃせんじゃろ?…

…一目見れば手に取る様に分かる!!…ふむ…

…大多数のモンスターの群れに挑んだり…強大な力を持った者と一戦交え…

はたまた魔王ともやり合って……ン?…魔王?…

何で魔王とやり合って居ると分かった?…」


「ッ!?…さ、さすがジッチャン!!…何でもお見通しって事か!…

…それにしても何でここに?…

明らかに見た感じここに用があって来た感じには見えないけど?…」


自身でも頑固者と認めている様子で言葉を口に!…更には続けてマサツグの

身に起きた事を読み解く様に話して行き!…その際恐らくユグドラシルでの

防衛戦を口にして見せ!…続けてオータムクラウド国での鹿之助に神滅鬼など!…

とにかく色々とヤベェ連中と戦って来た事を読み解いてはアヤ達を驚かせ!…

フィロもそんなドレッグの言葉にほう?とばかりに関心を持つと、ドレッグは

ふと疑問を持ち出す!…と言うのも自身で口にした事に違和感を持ち、魔王?と…

となるとそんなドレッグの言葉にマサツグも途端に焦りを感じ!…慌てて誤魔化す

様にドレッグの事を称賛すると、ここに来た理由について質問をする!…すると

ドレッグはマサツグの言葉に首を傾げ、次には…


「…ッ?…何をって?…お主達を迎えに来ただけじゃが?…

まぁ確かに時間的には少し早過ぎてしもうたが…

それでもまだワシらからすれば遅い方じゃ!…

…それに今回ばかりはワシも動かねばならんかったからな?…」


「ッ!…え?…」


さも当然の様にドレッグはマサツグ達を迎えに来た事を口に…何なら自分でも

迎えに来るのが早過ぎた!と、まだ朝食に手を付けて居ない様子を目にし…自ら

反省をする様な事を口にする一方!…急いで来た理由も勿論ある!とばかりに

何か意味深な様子を見せて行くと、そんなドレッグの様子に一同は戸惑う!…

その際ドレッグは何か辺りを警戒する様な反応を見せると、当然そんな様子に

マサツグ達も思わず警戒を示し!…この時マサツグが戸惑った様子で言葉を

ポロッと口に!…自ずと如何言う意味?と言った風に尋ねる結果になってしまう

と、ドレッグはある事を話し出す!…


「…ン゛ン゛!!…そうじゃの?…少し説明をしようとするか…

なぁにそんな時間は掛からん!…直ぐにでも理解が出来るじゃろう!…

…良いか?…ワシらドワーフ族には二通りの人種が居る!…

鉱石を掘ったり、トンネルを作ったりするのが好きな[穴掘りドワーフ]!…

そして物を作る事に情熱と命を掛ける[物造りドワーフ]のこの二種類じゃ!…

…あぁ、勿論ワシは物造りドワーフなんじゃが…まぁ…

何と言うかさがとでも言うべきか…

やはり自分の造った物をこの者に使って欲しい!と言った願望も

自ずと出て来る訳じゃ…まぁ一種の宣伝じゃな?…

それらはパッと見て相手の実力が自分の作品を扱うに相応しいかを

見るのじゃが…その際!…実力がある者が来るとワシらの間では

一瞬で噂になるのじゃ……ほれ、今もお前さんをマジマジと見る者もおる…」


ドレッグはそのマサツグの言葉に対して少し困った様な…何とも言えない表情を

浮かべて見せると、徐に咳払いを一つする!…そしてマサツグ達にその訳を話すよう

ある事を…と言うのも自分達ドワーフについて語り始め!…ドワーフにも二通りの

人種が居る事を口にし、その内自身が物作りの方である事を続けて行くと、更に

そのさがについても話をする!…そしてドレッグ曰くそのさがと言うのが厄介!…いや

面倒らしく!…それに巻き込まれないよう迎えに来た事を口にすると、ふと辺りを

見る様に顎でクイッと指し示し!…するとそんな様子を見せられた事でマサツグ達も

ピクッと反応!…スッと周りに悟られない様に辺りの様子を確認して行くと、それ

らしい影をポツポツ見つける…


__ッ!…チラッ?……ソワソワ…ソワソワ…


一応悟られない様に気を付けては居るのだが、やはり中には悟る者も居る様で…

そのマサツグ達の視線に気が付くと慌てて視線を逸らす者!…更には目を泳がせて

平常…或いは興味が無い様に振舞おうとする者も見つけて行くと、その様子に

マサツグ達がふと違和感を覚え出す!…その際その様子を言葉で表現するとする

ならソワソワ!…とにかく怪しく見えてしまい!…そんな余所余所しさを感じ

取って行くと同時に不審に思えてしまい…徐々にドレッグの言葉の意味を理解する…

そんな様子をマサツグ達が見せて居ると、更にドレッグは話を続ける!…


「……な?…居るじゃろうて…

これがまだただ渡して来るだけなら良いのじゃが…

質が悪い者になると押し付けて来たり…

半ば強引に自分の工房に引き込もうとする者も出て来居る!…

…何ならその渡して来るモノも出来が良ければ良いのじゃが…

自らの腕を過信して駄作を押し付け!…その者に要らぬ危害を与える事になった!…

…何て事も起きてしまう程じゃ!…一概にもドワーフが作ったから安心!…

と言う訳にはならん!…と言うよりワシらドワーフの信頼にも関わる!…

やはり何事にも本物を見る目が必要!…そう言う事じゃ!…

…そして物を作る上でワシらも本物と見て貰える様に!…

日々の精進が必要と言う事なんじゃよ!…」


「ッ!!……なるほどな?…助かったよ…ドレッグのジッチャン!…」


まるで張り込みの刑事の様に話しをするとマサツグ達に確認!…そこから

何がいけないのか?を話し…と言うのもその後のやり方に問題が有るらしく、

質の悪い者の例を簡単にマサツグ達に話して行くと、マサツグ達も更に

理解した様子で話しを聞く!…その際マサツグやアヤは驚いた様子!…

リーナやフィロは呆れた様子で…とにかくそれぞれが様々な反応を見せる中!…

ドレッグも気を付けろ!とばかりに精進をしなければならない事を自他共に

話して行くと、最後にマサツグがお礼を言う!…さてそこからはドレッグの

案内でその工房へと向かう事となるのだが、その前に朝食を…だがそこそこ

長話をして居たせいかすっかり朝食は冷めてしまい…マサツグ達はモソモソと…

しまった!…とばかりにその冷めた朝食を平らげて行くと、急ぎ準備を整える

のであった!…


さてそうして急ぎ準備を整えてドレッグと共に宿屋を後にして行くと、今更に

なって町の案内が…


  ------------------------------------------------------------------------

     「蒸気と鉱石の工業都市・ドワーフファミリア」

  ウィンタースノー連邦の霊峰近くに在る大型都市。主にドワーフ達が

  築き上げると一大都市として数えられ、今もなお発展を続ける活気

  ある街としても認識されている。そんな街の中には今も尚現役の線路

  が引かれて有り、トロッコが走っている光景等が見られ…更には掘って

  来た鉱石等を運搬、選別をするロボットが働き…蒸気機関を使った

  ハイテクノロジーな部分もチラホラ見られる。尚この街にはそれぞれ

  ドワーフ達による組織が形成されており、名を「掘りテク」と

  「鍛冶テク」と言われ!…この二つがそれぞれ町の財政を担って居り、

  更には町の陣頭指揮を執る等…もはや政治を担う様にもなっている。

  尚この街にはもう廃坑となったトンネルが多数あり、迂闊に入ると

  出れない!…蟻の巣の中を彷徨う様な、そんな酷い目に遭う事も有る

  ので迂闊に近寄らない事を忠告して置く。

  ------------------------------------------------------------------------


「ッ!?…またこのタイミングで!?…町に入った時で何故出て来ない?…」


「…トロッコにロボット…は見たけど…廃坑?…

まぁ行く事は無いと思うんだけど…気を付けて…」


「うおぉ!?…急に何や!?…こんなん出て来たけど!?…」


「ッ!…お父さん落ち着いて!…ほら、動画の広告みたいに消せるから!…」


マサツグ達の前には一日遅れての案内が…すると突然の表記にマサツグは若干

驚きを露わに!…オリハに至ってはその案内を冷静に読み出し、何なら方向

音痴であるマサツグに忠告を口にしようとするのだが…そんな忠告もマサキの

驚いた声によって掻き消される!…この時初めての案内に何事!?と、視界を

遮られた事に慌てに慌て!…次にはくまさんも慌てた様子でマサキを落ち

着かせに掛かって行き!…とにかく消せる事を口にし!…マサキに近付き

その画面の消し方をレクチャーする様に話し掛けて行くと、プレイヤー達は

パニックになる!…さてそうなるとアヤやリーナ達から見るとそれは奇妙な

光景にしかとても見えず、一体何事!?と…


「ッ!?…きゅ、急に如何したの!?…

な、何をそんなに慌てて!?…」


「ッ!?…て、敵襲か!?…こんな街中で!?…」


「ッ!?…い、いや違う!!…ただちょっと目の前に虫が!…」


__……ッ?…


当然の如くアヤNPC達には見えて居らず、マサツグ達が騒いで居る原因は分からない

訳で!…今自分達の置かれている状況から警戒を!…アヤが心配をして声を掛ける

一方で、リーナがまさかの敵襲!?と勘違いをした様子で慌て出すと、マサツグが

慌てて止めに入る!…ただ案内が出ただけでこの慌て様!…当然これにはドレッグも

ポカ~ンと…何なら敵襲では無いのでシロも首を傾げて見せ、フィロだけは見えて

居る様で呆れた様子…この時オリハも黙して語らず!…ただこの状況は何?と言った

具合に固まってしまうと、冷静さを取り戻すのに時間を掛けてしまって行く!…

さてただの案内で驚いてしまった一行はそのまま町へ!…


__コッ…コッ…コッ…コッ…ガタンゴトン!…ガタンゴトン!…プシュー!!…


「……やっぱスゲェわ!…この街の感じ!…

機械が動いてるだけで何でこんなにワクワクすんだろ?…」


「…その気持ちも分かるけどはぐれないでよ兄さん?…

探すのが面倒なんだから…」


「ッ!!…ンだとこの!!…」


「ほれ、着いたぞ!…

ここがワシの仕事場で師匠から受け継いだ工房!…

「アトリエ・アドリアワークス」じゃ!!」


町に出るとそこには昨日と同じ光景が広がっており…蒸気を噴きながら動く

ロボットに道の真ん中を線路が敷かれて有る様子が!…何ならその線路の

上を鉱石を載せたトロッコが行き交って居り!…町は当然歯車と蒸気で

満たされ!…町の路地ではドワーフの子供が楽しそうに鍛冶師の真似をして

遊ぶ姿等!…とにかく色々と気になる光景が見て取れてはロマンを感じず

には居られないで居た!…そしてそんなウキウキのマサツグに対してオリハが

容赦の無い一言を言うと、マサツグもカチン!と来た様子を見せるのだが…

それも直ぐに終わりを告げる様にドレッグが着いた!と…その自身の工房の

前で立ち止まり、ここが自分の工房である!と胸を張り紹介をし始めて見せる

と、マサツグ達が湧き立って見せる!…


__おぉ~~~!!!……ッ?…


{……あれ?…何か他の建物となんか違う様な?…}


「…さぁ、入ってくれ!…話は中で!…

仕事の話はそれからでも遅くはない!…」


「ッ!…あ、あぁ!…そうだな!…よし!…

…じゃあ行こうぜ!」


そこには立派な工房が!…まるで屋敷の様に大きな洋風建築物が目の前に堂々

建って居り!…だがそれを見て暫くするとマサツグがふとある違和感を…

と言うのも何か他の建物と比べて浮いて居る様な?…とにかく何か奇妙な

違和感を感じてジッとその工房の事を見詰めて居ると、ドレッグは工房の鍵を

開けて中へ誘う!…その際本題は中でも話せると笑って語ると、マサツグ達に

向けて手招きをして見せ!…するとマサツグもハッと我に返った様子で

ドレッグに返事!…若干戸惑いながらもドレッグに誘われるまま!…中に入る

よう全員に声を掛けて行くと、マサツグ達は工房の中へと入って行く!…

するとそこには更にある驚くべき光景が!…


__コッ…コッ…コッ…コッ……ッ!?…


「こ、これは!?…」


ドレッグの工房に入るとそこには鍛冶用の大窯が!…と言うのもそれは当然なの

だが、それより驚くのはその壁に有って!…壁には無数のパイプラインが繋がれて

おり、それぞれその大窯へと集中する様に繋がれているのが分かると、物々しさを

感じてしまう!…そしてその大窯の近くには勿論巨大なハンマーに頑丈な金床と

用意され!…そして大きめの水槽も当然の如く完備して有り!…何なら何に使う

のか分からない錬金術用の釜らしき物を置いて有り!…その他にも被服用の作業

スペースや彫金用の作業台等!…とにかく痒い所にも容易に手が届く!…見事な

までの作業スペースがお出迎えしてくれると、当然の如くマサツグ達は驚くので

あった!…その際こんな工房は初めて見る!とばかりにリーナが驚きの言葉を口に

すると、ドレッグは更に工房の中を案内しようと声を掛け!…


「…ここがワシの仕事場じゃ!…あぁ客室はこの奥にある!…案内しよう!…」


「ッ!?…きゃ、客室も有るのか!?…てか、どんだけ広いんだよ!?…」


「ッ!…ンン?…そうじゃのぉ?…ザッと思い出しただけでも倉庫が三つ!…

試し切りの出来る広場に客室が確か20…この工房と大浴場とキッチン…

応接室に談話室……ッ!…あ、あとトイレは三か所設置されてあるな?…」


「ッ!?!?……もはやちょっとしたホテルじゃん!!…」


「あ、あぁ…何ならトイレの渋滞も少なくて済みそうだぜ?…」


そのドレッグの客室が有ると言う言葉にマサツグが驚き!…一体どれ位の広さが

有るのか?について質問をすると、ドレッグは思い出す様に答え出す…その際

ドレッグの口から出て来るのは首を傾げたくなる様な物ばかりで、本当に工房で

要るモノなのか?と…何ならもはやちょっとしたホテルになって居る!とオリハが

ツッコミ!…マサツグも同意するようそのドレッグの言葉に驚いて見せると、

次には朝の心配について話し出す!…と言ってもこのゲームに置いてトイレの

概念はNPCだけで、マサツグプレイヤー達には関係無いのだが!…その場を和ませる様に

マサツグはふとジョークを!…しかし受けなかった様子でスルーされ…とにかく

全員がそのドレッグの言葉に戸惑いを感じて動けないで居ると、ドレッグは自身の

言葉に首を傾げて見せるのであった!…


さてその一方、全く知らない所では…


「……チッ!…まさかここに入って行くとは!!…如何する!?…」


「如何するもこうするも無いだろう!!…ただ待つしか!!…」


「ッ!?…待つ!?…馬鹿な!!…その間にも俺達の命が!!…」


「じゃあお前一人だけ行って!…

あの姫を連れ去る事が出来るって言うのか!?…」


「ッ!!!……ッ……」


「無理だから待つしかねぇんだよ!!…

どの道このまま突っ込んでも死!…待って居ても死!…

…もう選択肢なんざ決まってる様なモンなんだよ!!…」


「……クッ!!…」


マサツグ達の預かり知らない所で誰かが暗躍!…しかしドワーフファミリアに

入られた事で何故か手が出せない様子で!…この時一頻り仲間と揉めると何か

焦りを感じて苦虫を噛み!…ただ町の外からそのマサツグ達の様子に目を向け

続けると、ジィ~っと傍観をし続けるのであった!…

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