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-第五章-ウィンタースノー連邦-スノーピース~ドワーフファミリア編-

-第五章二十九節 見張りの夜といつもの朝?…と黄色い要塞-

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さてその日は盗賊達の強襲を何とかすると一日を終える…その際やはりあの

強襲が有った事から見張りを立てる事になり、マサツグ→オリハ→アヤ→

リーナの順番でローテーションを組むと、その最初のマサツグが見張りをする!…

この時若干離れた所で焚火をしながら…馬車に怪しい影が近付いて来ない様に

見張りをして居ると、そこにまだ順番が回って来た訳でも無いのにリーナが…

馬車の扉の開閉音でふとマサツグも気が付いた様子で反応して見せ!…

一体何が有ったのか?と…そのリーナが出て来た様子にふと目を向けて行くと、

そこで何か悩む様子を見せるリーナの姿を目撃する…


__コオオォォ…パチッ!…パチッ!……ガチャ…キイィィィ…ッ!……


「……隣…良いか?…」


「……ッ?…別に構わんが…どした?…寝れねぇのか?…」


「…まぁ、そんな所だ…」


リーナは出て来ると真っ直ぐマサツグの元へ向かい、そして隣に座るよう許可を…

指を差しながら何故かマサツグに苦笑いをして見せ、マサツグもそんな様子に

若干の戸惑いを覚えながらも許可をすると、同時に質問を口にする。するとその

問い掛けに対してリーナは同意…そしてマサツグの隣に座ると焚火を見詰め…

その後は何も話す事無くダンマリと…何か思い詰めた様子にジッとし、マサツグも

そんなリーナの様子に何か気になる様な好奇心めいたモノを感じ出すと、同時に

気まずいモノまで感じる!…


__コオオォォ…パチッ!…パチッ!…


「………。」


「………。」


{…き、気まずい!!…気不味いんじゃあ~!…

何が悲しくてこないな女子の悲しい顔を見なければならんのじゃ~!…

てか、だったら見なければ良いだけの話なんだろうが…

やっぱ気になるモンは気になるんじゃあ~!……せめて何か明るい話題でも!…}


ただ聞こえて来るのは焚火の音、パチパチと薪が弾ける音だけで…その一方で

リーナはやはり思い詰めた様子で火を見詰め…今後の事を考えて居るのか?…

とにかくジッとマサツグの隣をキープする様に膝を抱えて座って居ると、そんな

様子にマサツグも何か切羽詰まった様なモノを感じて行く!…そしてそんな様子

から同時に気まずいモノを感じて居ると、終いには心の中で本音を!…勿論表

立って言える訳が無いのでトコトン心の中で叫びに叫び!…何か会話の糸口は

無いものか!?とマサツグが動揺を隠そうとして居ると、リーナの方から声を

掛ける!…


「……なぁ、マサツグ?…お前はどう思う?…」


「ッ!…え?…」


「……デグレアント帝国の事だ……私が今ここに居る事によって…

お父様達に迷惑が掛かっていないか如何かが気になって…

スプリングフィールドで何か騒動が起きていないかが気がかりで…

色々と考えていると眠れないのだ……マサツグは如何思う?…

デグレアント帝国が噂通りの非道なる城主が治める国だと思うか?…

そしてもしそうだとして、お前なら如何行動するのだ?…」


突如尋ねる様にリーナが声を…となると当然マサツグとしても戸惑う訳で…

思わず聞き返す様にして返事を口に、するとリーナは続ける様にして更に

言葉を…昼間に聞いた事をまだ引き摺っている様子でデグレアントと、

その他にも色々と不安を抱えている様子で言葉を口に…それが責任となって

居るのか負担となって居るのか…とにかく考えると余計に深みにハマって

行き!…寝られない程に何か恐怖心めいたモノまで感じ出すと、マサツグの

隣で震えて見せる!…そしてもし自分がその立場だったらどうするか?と、

マサツグの方を振り向き質問を口にするのだが…


「ッ!?…え、えぇ~っと?…」


「……フッ…いや、スマン…

突然こんな事を聞かれても返事が出来る訳がないよな?…

…私だって困惑して居ると言うのに…」


__コオオォォ…パチッ!…パチッ!…


勿論その質問にマサツグは更に困惑!…答えが出て来ない様子で言葉を漏らし!…

となるとそんなマサツグの様子にリーナも苦笑いをして見せ!…ふと笑いながらに

マサツグへスマンと謝って見せると、再び視線を焚火の方にへと戻して行く!…

そして改めて自身でも困惑して居る事を口にすると、また思い詰めた様子の表情を

浮かべ…まるでそのリーナの心の表れ様を映すかの様に…焚火も空しくパチパチと

細かく弾ける音を奏でていると、マサツグも少しは考えた様子で話しをする!…


「……あぁ~…お気楽な考え方かもしれんが…気負い過ぎなんじゃねぇの?」


「ッ!…え?…」


「……ん゛ん゛!…そうだな…俺ならと言われてもやっぱ分かんねぇ…

本当にその立場になってからでないと分からないからだろうし…

今如何言った選択をとってもそれが必ずしも正解とは限らないから…

迂闊な助言も答えも言ってやれない…」


「ッ!……ッ…」


この時マサツグは何を思ってそんな事を言ったのだろうか?…リーナに気負い

過ぎと言葉を口に…となるとそんなマサツグの言葉にリーナも困惑!…再び

マサツグの方を振り向き戸惑った様子で言葉を漏らすと、マサツグはそんな

リーナに笑って見せる!…そして答える様に言葉を口にし始めると、先程の

問い掛けに対して分からないと…答えが無限にある事から分からないと口に!…

何ならどれが正解なのか?…それもその時になってからでないと分からないと

言うと、助言も出来ないと言葉を続ける…すると当然その言葉を聞いた事で

リーナはションボリ…また悩む様な表情を浮かべるのだが…


「でもこれだけは言えるぞ?…」


「ッ!…え?…」


「…前にも言ったと思うがお前は俺の友達ダチだ!…

友達ダチが困っていたら助けるのが当たり前!…

友達ダチが間違った方に進みそうになったら正してやるのも当たり前!…

…結局何が言いたいかって言うと!…お前が助けてくれ!って言う限り!!…

俺はお前を助ける気で居るって事だ!…」


「ッ!!……」


まだ話は終わってない!とマサツグは続け!…少なくともこれだけは言えると

ばかりにある事を!…すると勿論そんなマサツグの話にリーナも反応!…

一体何?…と言ったやはり戸惑いを覚えた様子の表情をマサツグに向けて

見せると、マサツグは自身の信念めいた事を口にする!…と言うのもリーナは

友達ダチと、友達ダチを助けるのは当たり前と!…言いたい事としてはとにかく困って

居るなら助ける!と言うモノで!…リーナに向かい笑顔で絶対に見捨てない事を

口にすると、その言葉にリーナはハッとする!…そしてリーナがマサツグを顔を

見て固まって居ると、更にマサツグは言葉を!…


「だから安心しろ!!…と、大きくは出れないが…

それでも助けてやるつもりでは居る!…だから俺達を頼れ!…

出来る限りの事はしてやる!!……最悪…

いざとなったらお前を逆に誘拐してその国と戦争をおっぱじめてやるよ!…

…出来れば起きない事を願うが…」


「ッ!?………」


リーナに向かって安心しろ!と…だがその最後の最後でオチを付ける様に言葉を

口に…しかしその決意は固く裏切らない!と…最悪の事態まで想定してその事を

リーナに話すと、リーナは呆れた様子で目を見開く!…それもその筈、マサツグは

帝国相手に戦争をする!と…当然普通の冒険者ならそんな事を考える筈が無く!…

やったとしても逃避行が関の山で…戦争を仕掛ける!と言った言葉にリーナが耳を

疑うよう固まってしまうと、次には何故か笑いが込み上げ…


「……ンブフッ!…クククク!!…

あぁっはっはっはっはっは!!!…」


「ッ!?…お、おいおい!…急に如何した!?…

俺なんか変な事を言ったか!?…

…確かにこっぱずかしい事を言った覚えは有るが…」


「クククク!!…ッ~~~!!……あぁ!!…すまない!…

いや、帝国を相手に喧嘩を売る等と堂々言う者が居るからつい!…

クククク!!……いや、でもそれでこそマサツグなのかもしれないな!…

…私の目に狂いはなかったと言う事だ!…」


「……え?…」


マサツグが言ったその余りの言葉にリーナは噴出し、大爆笑!…勿論そんな

突然の様子にマサツグも戸惑い!…次には何か可笑しかったか?と言葉を口に…

一応自覚がある様子で先程の事をこっぱずかしい!と…認める様にリーナに話しを

続けて行くと、リーナは手を振って笑いを堪える!…そして徐々に落ち着いて

来たかと思うと次には謝罪!…その理由に帝国に喧嘩を売る事を考えて居る!と…

だがリーナとしてはそこが良かったらしく!…ますますマサツグの事を気に入った

様子で言葉を口にして見せると、マサツグはそんなリーナの様子に首を傾げる!…

さてそうしてマサツグとリーナが話して居ると、交代の時間なのかオリハが

出て来て…


「……あのぉ?…もう少し時間を見てから来た方が良かったですかねぇ?…」


「ッ!?…オ、オリハ!?…いつの間に!?…」


「ついさっきだけど……出て来たら二人でイチャイチャしてるし…

何ならもう2~3時間位馬車の中で待機してようか?…」


「ッ!?…い、要らん気遣いを見せてんじゃねぇ!!…」


マサツグとリーナの背後に立つと言葉を!…さも何か意味深な様子で二人の仲を

気遣う様に声を掛けると、当然そのオリハの登場に二人は驚く!…まるで突如

幽霊が現れた様な反応を見せると、マサツグが驚きの言葉を!…するとオリハは

表情を変える事無く淡々と返事…いつ出て来たのかをスッと答え、更に気を利か

せるようマサツグ達にある事を提案するよう言葉を口にして見せると、マサツグが

慌てた様子でツッコミを入れる!…その際その傍らではリーナが顔を赤くして

縮こまって見せると、何を想像したのかドキドキ!と…だが当然そんな展開が

起きる事は決してなく…何事も無くそのまま次の日を迎えて行くと、馬車はまた

ドワーフファミリアに向けて出発する!…


__ガラガラガラガラ……チラッ?…


「あははは!!…そんな事も有ったのか!…確かにそれは面白いな!…

…ッ!……どうかしたか、マサツグ?…」


またトナカイに馬車を引かせて進む道中…その際マサツグは気になった様子で

チラッとリーナの方に視線を向けると、そこで楽しそうに談笑するリーナの

姿を目に…と言うのもこの時その話している内容など如何でも良く!…昨日の

事が気になった様子で何と無しにリーナへ注視を向けて行くのだが、今の様子

からは昨日の様子が嘘の様に!…晴れ晴れとした笑みでアヤと談笑している

姿を目撃する!…するとマサツグとしてもそんな明るい表情を見せて居る

リーナにホッと安堵する一方で、やはり昨日の事は昨日の事で…気になっては

何度もリーナの事をチラリと確認!…するとリーナも気が付いた様子で反応して

見せ!…マサツグに何か用か?と尋ねて行くと、マサツグは何でも無いと誤魔化

を入れる…


「ッ!…いや、別に何でも無い…」


「……ッ?…変な奴だな?…」


__……じぃ~~~!……


「…なぁんか怪しいのじゃ!…

マサツグやわっち達が寝ている間に何か有ったのかや?…」


ふと問われた事に対して慌てる事も無く…ただ流す様にしてリーナからそっぽを

向いて見せると、言葉を口に…するとそんな様子にリーナも首を傾げて見せ…

マサツグに対して変な奴と口にすると、そのままアヤとの談笑に戻る!…そして

これでこの話はお終い!…とは行かず!…フィロがその一連の様子を見て何か

感じた様に怪しみ出すと、ジト~ッとマサツグに視線を向ける!…そして何が

有ったのか?について尋ね出すと、マサツグはフィロを捕まえるなり自身の膝に…


__…スゥ…ガッシ!…ヒョイ!…スポッ!……ワシワシ!…ワシワシ!…


「何でも無いって言ってるだろ?…勘繰り過ぎだ…」


「んにゅ!…んにゅ!…こ、これ!!…

わっちを白いのと同じ様に!!……あぁ~♥…

でもこれはこれでよいのじゃあ~♥…」


「……さすがマサツグ!…もはやプロね!…」


さもクレーンゲームの様に頭を鷲掴み!…そのまま自身の膝元まで持って来ると、

手を放して膝の上にフィロを乗せる!…そして今度は優しくフィロの頭に手を

置いて見せると、これまた誤魔化す様にワシワシ!と…少し乱暴な感じで頭を

撫で!…フィロに何でも無いと言葉を口にして行くと、フィロはマサツグに

文句を!…だが満更でも無い様子で次には蕩け!…誤魔化されたようマサツグの

膝の上で大人しくなると、甘えて見せる!…となるとそれを見たアヤとしても、

さすがの言葉を掛け!…この時一応フィロがあの魔王である!と…リーナに説明

兼談笑をして居ると、リーナも驚いた様子で視線を向ける!…


「……なぁリーナよ?…これが本当にあのフィロネウスと言うのか?…

…私にはただマサツグに甘えている狐の子供にしか見えんのだが?…」


「ッ!!…こりゃ貴様!!…不敬であるぞ!!…

わっちの様な高貴な者を捕まえて子供と!!…

何ならお主には一度警告をした筈!!…」


ベタ甘のフィロネウスを捕まえては疑惑しか出て来ず、本当に魔王なのか?と…

何なら今目の前に居るのはただの子供!と…リーナ自身信じられない様子で

アヤにそう質問を口にして行くと、フィロがピクッと反応する!…その際自身が

魔王である事を口にするよう!…不敬である!と文句を言うと、更に言葉を続け!…

と言うのもまた子供扱いされた事にカチンと来たよう!…リーナを指を差しては

怒りを露わに!…更に警告をしたにも関わらず、また子供扱いをされた事で

子供の様に怒りを露わにして見せて居ると、マサツグがフィロを止めに入る!…


「はいはい、喧嘩しねぇの!!…

…喧嘩すんだったらもう撫でるの止めるぞ?…」


「ッ!?…そ、そんな殺生なあぁ!!…ッ~~~!!…

…もっとしてくりゃれ♥」


__ガッシ!!…


「……やはり本当に魔王なのか怪しいと思う所だな…」


マサツグは威嚇をするフィロに対して首根っこを捕まえ!…飛んで行かない様に

すると、ある所の脅し文句を口にする!…と言うのも喧嘩をするのならもう

撫でない!と…普通ならそう言われた所で如何って事は無い筈なのだが…こと

フィロに限っては効果抜群の脅し文句で!…ビクッとしたよう慌てて振り返って

見せると、マサツグに切なそうな表情を見せる!…そして少し考えるよう葛藤

すると、次にはマサツグに甘え!…ガシッとしがみ付いては懇願!…となると

そんな様子にやはり疑惑…本当にこれがそうなのかとリーナが言葉を零して居る

と、遂に目的地にへとやって来る!…時間にしてお昼頃…今回は何事も無く辿り

着くと、御者のおじさんが声を掛ける!…


「…ッ!…旦那方ぁ~~!…見えて来やしたぜぇ~!!…

ドワーフファミリアでさぁ~!!」


__ッ!…ガタガタッ!…シャッ…ヒョコッ!……ッ!!…


「……あれが…ドワーフファミリア!!…」


「ッ!?…な、何だこの外壁は!?…まるで要塞の様では無いか!!…」


御者がマサツグ達にドワーフファミリアが見えて来た事を告げると、それに反応

するようマサツグ達も途端に窓から顔を覗かせ!…するとそこで見たモノと言う

のはまるで岩山と一体化するよう!…何か黄色い巨大な柱が十本立って居る!…

そしてその柱の間にやはり黄色い!…滑らかな金属質の壁が出来て居る強固な外壁

が有る光景であった!…宛らその黄色い建物自体が要塞の様で、とにかく周りの

風景に対して異彩を放って居り!…となるとそんな要塞を見た事でマサツグ達も

驚き!…その黄色い要塞を前にこれは何!?…と言った反応を各々が見せて居る

と、馬車は更にその要塞へと近付いて行く!…


__ガラガラガラガラ……


「……ッ!…そこの馬車!!…少しそこで止まりなさぁい!!…」


「ッ!…ドウドウ!!……通行証でやすか?」


「ッ!…そうだ!…見た所ギルドの馬車っぽいが?…一応な?…

無ければこっちで発行するが?…」


マサツグ達を乗せた馬車はそのまま黄色い要塞の入り口前に…そして玄関口が

見えて来た所でドワーフの衛兵達に呼び止められ…御者も気が付いた所で

トナカイを止め!…落ち着いた所で止められた理由に覚えが有るのか?…質問を

する様にその事について尋ねて行くと、衛兵達は頷き返事をする!…その際何か

とても緩いやり取りが聞いて取れると、通行証の有無について話しを…だが

そこはギルドが管理して居る馬車で有り!…御者は有ると言った様子で自身の

懐からある物を取り出して見せると、それを衛兵達に差し出して行く!…


「……これでどうでさぁ?…ギルド公認の通行証!」


「ッ!……あぁ!…これなら大丈夫だ!…

…すまねぇなぁ?…呼び止めちまって!」


「いや、仕方のない事でさぁ!……なんせ今のご時世がご時世だけに…」


「…あぁ…本当になぁ…世の中生きづらくて仕方がねぇや…」


御者が取り出したのはその先程から言って居た通行証!…しかもギルド公認の

物と言い!…となると衛兵もそれを受け取って詳細を確認!…そしてちゃんと

確認が取れた所でその通行証を御者に返すと、謝罪の言葉を口にする…何でも

訳アリの様子では有るのだが、やはりラフな感じで言葉を…すると御者の方も

理解している様子で返事を口に…まるで同情する様に苦笑いをしながら話を

すると、徐々にその雰囲気はジメジメとした物に変わって行く…それはまるで

老人同士の愚痴の零し合いをして居る様に!…ご時世が悪いと言葉を口にし!…

だが当然そんな長話をしている場合では無い訳で、ドワーフの衛兵がハッとした

様子で我に返ると、御者に中へ入るよう声を掛ける!…


「……ッ!…まぁとにかくだ!…通行証は見せて貰った!…中に入って居てくれ!」


「ッ!…あぁ!…ご苦労さん!…ハイヤ!…」


__ガラガラガラガラガラガラガラガラ……バシュウゥゥゥゥゥ!!…ッ!?…


まるで突如職務を思い出した様に話しをぶち切り!…御者にもう大丈夫である事を

口にすると、改めて中にへと案内する!…すると御者もその話を聞いてピクッと

反応をして見せ、互いに頑張るよう声を掛けるとそのまま進行!…遂にその要塞の

中へと入って行き!…そこで表からでは分からなかったドワーフファミリアの

全貌をマサツグ達が目にすると、その表情を驚きのモノにへと変えて見せる!…

その際若干長い通路を進んで徐々に光りを!…そして何か蒸気が噴き出す様な音を

耳にして行くと、そこには蒸気機関が発達した様な!…スチームパンクな町が

出来ているのを目にするのであった!…


「んな!?…なんなのだこれはあぁぁ!?…」


「じょ、蒸気機関の町!?…スチームパンク!?…」


「ッ!!…これは!!…おもろそうな町やなぁ!!」


「ッ!!…ほおぉぉぉ!!…回っておる!!…回っておる!!…

でっかい歯車が回っておる!!!…」


初めて見るその機械チックな街並みにリーナは困惑!…世の中にはこんな街も

有るのか!?とばかりに狼狽え!…マサツグはマサツグでその街並みを見て

スチームパンク!と…まるでいい意味で期待を裏切られた様に戸惑って見せる

と、窓の外の光景に目を輝かせて見せて居た!…するとやはり血の繋がった

親子なのか、マサキもその町の様子に反応!…面白そうと言っては辺りを

見回し好奇心に胸を膨らませ!…フィロもフィロで大興奮!…その蒸気で回る

歯車を見ては歓喜に震え!…まるで子供のよう指を差しただひたすらに回って

居る事を強調すると、アヤから微笑ましい様子で見られて居た!…


「ッ!……プッ!…ふふふ♪」


「……幾つになっても子供やねぇ~?…」


「ッ!?…お、お義母様!!…わっちはそんなんじゃ!……ッ!!…」


思わず吹き出しては静かに笑い!…くまさんもその様子に気が付いた様で

言葉を!…その際くまさんはもはやフィロの事をおこちゃまとして見て

いる様子で!…元気に子供が跳ねて居ると言った具合に笑って見せると、

フィロもそれに気が付いた様子で文句を言う!…だがやはりマサツグの

母親と言う事も有ってか、激しく怒る訳ではない様子でお義母様!と…

やはり妻として振舞いたいらしく!…何とか冷静に振舞って見せようと

するのだが、外からの誘惑に負けそうになる!…さてそうこうして居る内に

馬車は停留所に到着!…完全に止まった所で御者が着いた!と報告を…


「…ドウドウ!!……よし!…

旦那方ぁ~、着きやしたぜぇ~!!…ドワーフファミリアでさぁ~!!」


「ッ!…よし!…じゃあ降りるか!!」


__ガタッ!…ギイイィィィバタン!!…


「ッ!?…おおおおおぉぉぉぉぉぉぉ!!!…」


完全に停車した所で報告を!…となるとマサツグ達もそれを聞いて準備を

し始め!…そして馬車の扉を開けると意気揚々とそのドワーフファミリア

の地に足を着け!…改めてその周りの光景に感動を覚えて行くよう各々が

言葉を口にして居ると、そこに蒸気と歯車!…とにかくその二つが目に付く

街の様子が広がっていた!…その際家らしい物をよく見てみると、何かの

装置らしき物がピストンしており!…煙突らしい筒からは蒸気が噴き出して

いる様子等!…その他にも何か車らしき物も走っており!…街中をトロッコか

列車が走るのか?…線路が引かれている様子が伺えると、何かワクワクと

した気分になってしまう!…そしてとにかくそんな色々と新鮮な光景を目に

して驚きを露わにして居ると、更にあるモノが目の前を!…


__…ウィ~…ガタンゴトン!…ガタンゴトン!…


「……ッ!……なぁ?…アレなんだと思う?…」


「ッ!…え?……ッ!……フォークリフト?…

でも何か前方にロボットの頭みたいなの付いてるな?…」


何やらロボットが動いて居る様な物音にオリハが反応!…チラッとその方に

視線を向けるとそこで奇妙な機械を見つけ!…次にはマサツグの肩を叩いて

注意を引き付け!…そしてその機械を指差しアレは何?とマサツグにその

正体について質問をすると、マサツグも反応しては振り返り見る!…すると

そこにはパッと見フォークリフトの様な乗り物が独りでに動いている様子が

有り、何やらコンテナを運んでいる光景が目に映り!…その際如何やって

動いて居るのかも気になる所では有るのだが!…それよりもオリハの問い掛けに

対して分からない!とマサツグが返事をすると、マサキも乗っかる様に興味を

持つ!…


「……何ならアレ人乗ってないぞ?…

恐らく乗れるやろうけど…乗り心地は悪そうやし…

それに本来そう言う目的で作られた物じゃあなさそうやな?…」


__うぅ~ん!!……ゾロゾロ…ゾロゾロ…


「……おぉ~い、置いて行くでぇ~!!…シロちゃんの為にも!…

先宿屋の確保を優先に動くらしいでぇ~!!…」


マサキも隣からヒョコッと姿を現すとそのロボットを凝視!…とにかく分かる事

から一つづつ言葉に出して挙げ!…そして三人+一匹!…フィロも参加するよう

とにかくそのロボットの事を唸りながらに観察をし続けて居ると、その一方では

そんな連中を放置する様に!…先に宿屋を探すとアヤ達が動きを見せ始め!…

その事をくまさんが呼んで報告!…置いて行くとばかりにマサツグ達に向けて

叫んで話すと、マサツグ達もハッと我に返った様子で反応する!…


「ッ!!…っと、イカンイカン!!…分かったぁ!!」


「……ッ!!…ま、待って下さい!!…先にモジャモジャさんの所に!…

…ほら!…シロはもう大丈夫で…」


__ストッ…ビリィ!!…ッ!?…ッ~~~!!!…


その言葉を聞いて慌てて反応!…マサツグ達は急ぎアヤ達を追い駆けて合流を

して行き!…すると次にはシロがハッと何かを思い付いた様子で提案を口に…

と言うのも先にドレッグを探すよう!…マサツグ達に気を使った様子で自分は

大丈夫!と続けて見せると、次には抱えて貰って居るくまさんから飛び降りる!…

そして見事に着地を決めてマサツグ達に大丈夫である事をアピールしようと

するのだが、着地をした途端に痛みが!…当然大丈夫な訳がなく!…シロは

その痛みに耐え切れなかった様子で蹲ると、マサツグ達から心配をされる!…


「ッ!?…あぁおい、無理はするな!…

別に焦って居る訳じゃねぇんだから!…

…とにかく、シロは怪我を治す事を考えような?…」


「ッ!…うぅ…はいです……ごめんなさい…」


「ッ!…いや別に謝らんでも!……とにかく大丈夫だ!…な?…」


勿論そんな様子を見てマサツグが駆け寄り!…慌ててシロを抱き抱え!…

すると次にはシロに無理をしない様に言い聞かせ始め!…とにかく安静に

するよう続けて言葉を口にすると、シロもそれを聞き入れた様子で

しょぼんとする…そしてマサツグに分かったと返事をする一方で、次には

ごめんなさい!と…それは怪我をした事に謝って居るのか、それとも心配を

掛けた事に対して謝って居るのか…とにかくそんな様子を見せるシロに

マサツグは戸惑い!…シロを宥める様に優しく声を掛けながら大丈夫!と

微笑んで見せると、その様子を見たマサキとくまさんが驚いて見せる!…


「ッ!……ほぉ~?…[まぁ]もあんな顔する様になったんかぁ…

…やっぱ成長するもんやなぁ?…」


「ッ!…そやねぇ~…いつの間にか成長して……

ホンマに大きくなって…それこそ片腕に乗る位やったのになぁ?…」


「……ちょっと?…一応聞こえて居るからね?…

そう言う昔話の暴露は止めてくんない?…」


いつの間にか親の顔を見せる様になったマサツグにマサキは驚き!…それと同時に

成長した事にしみじみと…ふとくまさんに語り掛けるよう言葉を続け…くまさんも

それを耳にした所で本当にそう思うよう言葉を口にすると、昔の事を振り返り

始める!…それこそまだマサツグが赤ん坊だった時の頃にまで遡ると、その時の事を

ポロッと零そうとするのだが…しかしマサツグは聞いて居るとばかりに二人へ

ツッコミを口に!…これ以上の暴露は止める様に文句を続けて見せると、次には

オリハとリーナが宿を見つけて来るのであった!…

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