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-第五章-ウィンタースノー連邦-スノーピース~ドワーフファミリア編-

-第五章四節 甘えたがりの子供とランダムイベントと飛竜戦-

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さて騒がしい朝を体験しつつも朝食に…さすがに朝からフルコースと言う訳では

ない様で、昨日と同じくボーイがカートに料理を乗せて運んで来ると、もはや

見慣れた物をテーブルの上に置いて行く。バゲットの籠をテーブルの中心に…

そしてそれぞれにハムエッグとサラダを提供。安定の朝食にマサツグもこれには

安堵して見せ!…また作法に悩まなくて済むと言った具合にいざ出された物に

手を出そうとし始めると、相変わらずの様子でシロが初っ端やらかし始める!…


「ッ!!…ハムエッグですぅ~♪

こうやって黄身を潰してぇ♪…パンに付けて食べるです♪」


__バスッ!!…だら~…チョンチョン……ハグッ!!…ッ~~~!!!…


「ッ!…ったく相変わらずな喰い方をしてからに!…

って!…あぁ~あぁ~…ほらシロ?…黄身が垂れてしまってるだろ?…

食べ方に文句は無いけど、もう少し注意して食べてくれ?」


「ッ!…おっとです!…」


シロはハムエッグにお気に入りの食べ方が有るのか、まず最初に黄身を潰すと

そこに切ったバゲットを付け…バゲットに黄身を馴染ませた所でそのまま口に!…

そして味わう様にして一口に食べてしまい、そこからしっかりと噛み締める様に

してモグモグと口を動かして居ると、その運ぶ最中に黄身を零したのかマサツグに

注意を受ける!…この時マサツグも呆れた様子で苦笑いをすると、その零した所を

指差してはもう片方の手にナプキンを!…するとシロもハッと気が付いた様子で

若干慌て!…今度は気を付ける様に反省する様な様子を見せると、マサツグが

その零した黄身を拭き取って行く!…さてここでふと改めて気が付いた事が一つ…

フェンリルとは狼なので肉食なのかとマサツグは思って居たのだが…今までの

シロの食生活を思い出しては雑食?と…肉・魚・野菜と今のところ好き嫌い無しに

何でも食べている様子を目にすると、改めてシロの嫌いなものについて考えて

しまう。


{……ッ!…そういやシロが好き嫌いしている所を見た事が無い…

…まぁ今までにそんな好き嫌いする様な物を食べさせてないだけ

なのかもしれないが?…にしたってシロって本当に良く何でも食べるな?…

この世界ゲーム内のフェンリルは雑食なのか?…

…てかシロに苦手な者なんか有るの……ッ!…}


__…くたぁ~…


「……はあぁ~…全く!…ほ~らシロ?…

お口の周りが大惨事になってるでしょ?…ちょっちこっち向きなさい!」


「ッ!…ムグムグムグムグ!…」


今迄にシロに食べさせて来た物を思い出しては残していない?と…ふと色々と

シロの事について考えるのだが…そんな考えなど直ぐに中断するようある

事が、と言うのもシロの口の周りはその卵の黄身でベタベタのクタクタ!…

マサツグもそれに気が付くなりハッ!と…次には溜息を零しつつまた呆れ!…

シロに再度声を掛けて行くと、今度はシロの口の周りを拭い始める!…それは

傍から見れば完全に親子の様子で有り、アヤとオリハも元に戻った!と言った

様子で安堵し!…


「……何だかんだ時間は掛かってけど…やっと元に戻った感じかしら?…」


「ッ!……ですね?…」


__……じぃ~~……ッ!……カタンッ…ベチャア!!……ッ~~♪…


そのマサツグとシロの光景を見ては微笑ましく!…とにかく二人も安堵した様子で

互いに言葉を漏らして居ると、その様子をジッと見詰める!…と言うのもフィロは

何故かマサツグとシロの様子を凝視しており、次には何か思いついた様子でハッと

目を見開いて見せると、次には手にした食器を置いてはスッと目を閉じる!…

そして次には何を思ったのかそのハムエッグに顔を突っ込み!…ワザと自身の口の

周りを黄身でクタクタに!…そして顔を上げては何か満足そうにして見せ!…徐に

マサツグの袖を引っ張り呼ぶ様な仕草をして行くと、マサツグは振り返るなりその

様子に驚き戸惑う!…


__……スッ…クイクイッ…ッ!…


「何?…どうかしいいいぃぃぃぃ!?」


「マサツグゥ~♥…わっちも♥…

わっちも少し食べるのに失敗したのじゃあ♥……拭ってたもれ♥…」


「……はあぁ~…食べ物で遊ぶんじゃねぇ!!…

それにシロはデフォルトでこれで、

フィロお前は俺以上に綺麗に食べれるだろうが!!…

…ったく、自分で拭えるだろ!!…自分でぇ!!!」


「ッ!…うにゅ!…うにゅ!……ッ~~♪」


この時フィロの顔には黄色い泥棒髭が!…勿論早く拭かないと垂れる始末で、

マサツグも思わずそのフィロの顔を見て驚き戸惑った反応を見せて居ると、

フィロは甘える様にして声を掛ける!…如何やらシロとのやり取りが羨ましかった

様で、甘える様にマサツグに拭いてくれ!と…すると次にはマサツグもフッと

冷静さを取り戻し、過ぎにフィロに対して怒るよう文句の言葉を口にすると、

それでもフィロの顔を拭き始める!…その際その様子と言うのはまるで行儀が

悪い自身の子供を叱り付ける親の様に見えて居る訳であって、それを見たアヤと

オリハは…


「……ねぇオリハ?…確認なんだけど?…

フィロって確か妖炎の魔王って呼ばれて居るのよね?…」


「ッ!…確か…その筈なんですが…」


「……魔王に見えるかしら?…

私にはただ小さな子供が甘えようと

必死になって居る様にしか見えないのだけど?…」


「…安心してください…私もです…」


もはやフィロの事は魔王として見れない様子で、互いにフィロの素性について

確認し合い!…何ならその様子は一介の冒険者に怒られる魔王の構図で有って、

当然普通にそんな光景を見れる筈も無い!と…互いに本当にフィロは魔王

なのか?と思わず考える様な素振りまで見せ始めると、その結論はこの食事中に

見つかる事は無いのであった!…そうしてただ朝食を食べるだけでまた色々と

あった訳なのだが、全員が食べ終えた所で一息入れ…


「……はあぁ~…疲れた…まさか朝からこんな事になろうとは…」


「あははは…お、お疲れ…兄さん…」


「…さて、これからどうするの?…

と言ってもする事はただ飛行船内をウロウロするだけになるんだろうけど?…

何か刺激が欲しい所…」


__…ドゴオオオオォォォォォ!!!!…キャアアアアァァァァァァァ!!!!…


マサツグは一仕事終えた様に溜息を吐き、オリハも同情した様子で苦笑いをする!…

そしてマサツグに声を掛けては労わり始め!…アヤもアヤでこれから如何するか?

について質問をすると、恐らく自分達がやるであろう事を口にする!…その際当ても

なく彷徨う事になると言うと、それでは暇と言葉を口にしようとするのだが…

次にはまるでその言葉を待って居たとばかりに強烈な揺れが!…何の予告も無しに

起きた事で船内はパニック!…レストラン内に突如として悲鳴が輪唱するよう響き

渡ると、例に漏れずにマサツグ達もパニックに陥る!…


「ッ~~~!!!…な、何!?…何が起きたって言うの!?…」


「今かなり揺れましたけど!!…これは!?…ッ!!…」


__ギュウウゥゥ!!…ッ!?…ッ!?…


「…シロちゃんとフィロちゃんの心配は要らなさそうです!…」


突然の揺れにアヤは戸惑い、一体何事!?と…しかし幾ら疑問を言葉にしても

誰も答えず!…ただ帰って来るのは乗客達の悲鳴だけに終わってしまうと、

オリハが改めて状況の確認をし始める!…その際揺れた事を口にすると辺りを

見回し異常を見るが、見つけたのはマサツグがシロとフィロを全力で抱えて

居る様子で有り!…それ以外は揺れに関係する様な何か違和感らしきモノを

見つけられず!…とにかくマサツグの様子を口にしては呆れた様子で溜息を

吐こうとして見せると、次にはけたたましくアラームが鳴り出す!…


__ジリリリリリリリ!!!…ウウウウゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!…


「ッ!?…今度は何!?…ッ!?…」


まるで火災報知機とパトカーのサイレンの両方が鳴って居る様なアラーム音に

アヤも困惑!…一体何事か!?と…しかしこれまた問い掛けた所で聞こえて

来るのは乗客達の悲鳴だけで有り!…今だ状況が飲み込めずただ如何したら

良いのか分からない様子で辺りに警戒を示して居ると、次には操舵室からか

艦内アナウンスが聞こえて来る!…この時オリハも気が付いた様で反応すると、

すかさずその異音の聞こえて来るスピーカーに耳を傾けて見せるのだが!…

そこから聞こえてきた内容と言うのもトンデモナイものであり!…更にその

連絡を聞いたアヤ達は戸惑って見せる!…と言うのも!…


__ガガガ!……ガガガ!…ザザザザアァ!!……


〈…お客様にご報告させて頂きます!!……

現在、我が艦はワイバーンの強襲を受けております!!!…

ですがご安心ください!!…この船には対迎撃兵器が!!……〉


〈船長ーーー!!!…ぜぇ!…ぜぇ!…た、大変です!!!…

現在、迎撃に当たっている乗組員の報告に因りますと!!…

10m30m

攻撃されています!!!…更にそのワイバーンの周りには

付き従うように小型のモンスターも多数!!…

現在、迎撃をしていますが取り巻きが多くて30m級には

攻撃が当たっていない模様!!!…このままでは危険です!!!〉


〈ッ!?…ば、馬鹿者!!!…

急ぐのは分かるがこのタイミングで報告する事ではないだろう!!!…

お客様を不安にさせて……〉


アナウンスから聞こえて来たのは艦長らしき人物の報告!…その際艦長は隠す事

無く真実を話し、その上で安心するよう呼び掛けようとするのだが!…当然その

話題に出て来たのは「ワイバーン」と言う言葉で有り、そんなのに襲われて本当に

大丈夫なのか?と不安になると、艦長は迎撃をして居ると話を続ける!…しかし

次にはそのアナウンス越しに異変が!…何でもそのワイバーン達は群れで襲って

来たらしく、予想外の抵抗を受けて居る!と…何ならその群れの親玉に攻撃は

届いていないらしく、その報告に来た乗組員が尋常じゃない程に慌てた様子で

艦長に報告を続けて居ると、艦長はその報告を受けて注意をする!…まだ放送は

切られていない事で当然パニック!……になると思いきや何か乗客達に異変が?…


__ッ~~~!!!…いよっしゃあああああぁぁぁぁぁぁ!!!!…ッ!?!?…


「緊急クエスト引いたああぁぁ!!!…

これこれ!!…これを待って居たんだ!!!」


「無駄に何往復も乗った甲斐が有ったってモンだぜ!!!

…お陰で何回無事に航行出来た事か!!…」


「大型討伐…緊急クエ来たーーーー\(^o^)/ーーーー!!!!」


「「「……え?…」」」×3


飛行船に乗ている乗客達の内、約百数名…突如そのアナウンスが聞こえた事に

ピクッと反応を示して見せると、次には両腕を振り上げて歓喜の声を上げ

始める!…中にはこのイベントの為に何度も往復をして来たのか、若干涙ぐむ

者まで現れ出し!…すると当然そんな様子を目にしたマサツグ達はえ?っと…

思わず全員の思考がバグったのか?と言った具合にキョトンとした反応を見せて

居ると、次には続けて艦長からの放送が続く!…


〈……ン゛ン゛!!…オ…オホン!!……先程は大変失礼いたしました…

…この度はこの様な事になってしまい誠に申し訳ございません!…

…もはやこうなった以上我々とて手段は選んでは居られません!…

ですからご乗船頂いたお客様達にこちらからお願いがございます!!…

何方方か冒険者の方がご乗船していましたら何卒!!…

ワイバーンの群れの撃退にご協力を願います!!!…〉


「ッ!?…え?…えぇ!?…」


アナウンス越しに艦長の咳払いが聞こえたかと思うと、次には改まった様子で!…

その際まずは先程の不安を煽る様な事を聞かせた事に対して謝罪をし始め、

改めて協力を募るよう!…マサツグ達冒険者に呼び掛ける言葉を口に!…今から

そのワイバーン達と交戦する事を願う様に更に言葉を続けて行くと、その放送に

マサツグ達は更に戸惑う!…しかしその戸惑うマサツグ達を余所に他の冒険者達

はと言うと、何故か妙にやる気を!…まるで本当にこの時を待って居た!と

言わんばかりに闘志を燃やし!…次の案内が来るのを待つよう何か放送に耳を

傾けて見せて居ると、その期待していた案内が行われ始める!…


〈現在当飛行船は屋上デッキを解放しております!…

如何やらそこにワイバーン達が飛来して来ている様で…

それらの撃退に当たって欲しいのが!…こちらからのお願いに御座います!!…

なお屋上デッキは非常に強い風が吹く為、少しでもそれを緩和する為に

極力飛行船の速度を落として飛行します!!…

そして勿論この話は強制ではございませんので参加は自由!!…

しかし出来れば数多くの勇気有る方々が参加されます事を!!…

我々乗組員一同心より!…どうか、お願い申し上げます!!!…

…繰り返させて頂きます!!…〉


__ガタタッ!!…ゾロゾロ!!…ゾロゾロ!!…


「……え?…なにこれ?…」


次に聞こえて来たのは屋上デッキを解放した!と、如何やらそこが戦闘フィールドに

なるらしく!…その際そこで戦う上での注意事項を少し!…この時の対策について

も少しアナウンスで語り始め、最後には改めて乗客に向けて!…いや乗り合わせて

居る冒険者達に向けてお願いをするよう言葉を口にして行くと、再びアナウンスを

繰り返す!…すると先程まで食事をして居た冒険者達は大移動!…その屋上デッキ

が有ると思われる方向に歩いて行き!…となると残されたマサツグ達は状況に

付いて行けない様子でその場に固まり!…何が何だか分かって居ない様子でそのまま

困惑の表情を浮かべ続けて居ると、ふと一人の女性冒険者プレイヤーから声を掛けられる!…


「……ッ!…おや?…アンタ達は行かないのかい?」


「ッ!…え?…」


「……ッ!…あっ!…

その反応だと何も知らないで飛行船に乗って来た口かぁ…

…じゃあ知らなくても当然…」


恐らく同じ冒険者プレイヤーと知って声を掛けて来たのだろう…その女性冒険者プレイヤーはさも

当たり前の様にこのイベントに参加をしないのか?と言い…するとその

問い掛けに対してマサツグは戸惑った様子で言葉を漏らし、やはり状況が

飲み込めていない表情を露わにすると、その女性冒険者プレイヤーはマサツグの様子を

見るなり理解をする!…と言うのもマサツグ達は初めて飛行船に乗って来た

のだとスッと気付くと、この状況を知らなくても当然と…それはお節介を

焼いてしまったと言ったばかりに苦笑いをして見せ、声を掛けた事に

如何しようか?と言った悩む様な仕草を見せ始めると、アヤが今起こって

いる事について質問をする!…


「ッ!…ね、ねぇ?…これは何が起きているの?…

私達…その…貴方の言うとおり初めてで…」


「え?…あっ…あぁ!…そうだね、声を掛けた以上説明はしないと…

…ン゛ン゛!!……簡単に言うとこれは大型の討伐イベントで…

飛行船限定のランダムエンカウントバトルなんだ!…

一応[超大型飛竜撃退戦]って言う名前が有るんだけど…

皆は長いから[飛竜戦]って呼んでる!…

まぁ更に簡単に言うと飛行船に乗るとランダムでこうして飛竜に襲われる

イベントがあるって事で!……さっきから落ちないかどうか心配している

そこのお兄さんみたいに震える必要はないって事よ!…絶対に落ちないから!!」


アヤが戸惑った様子でその冒険者に声を掛けると、冒険者も戸惑った具合に反応…

何なら初心者に声を掛けたのかと反省した様子で苦笑いをし続け、アヤの質問に

対してちゃんと答えるよう言葉を口にし始めると、今の状況をイベントと簡単に

説明をする!…何でも不定期に起きる大掛かりな飛行船上の討伐イベントらしく、

名を[飛竜戦]!と…とにかくその飛竜達を撃退する事が目的らしく、震えている

マサツグを見ては落ちる心配は無い!と説明をし続けると、オリハはそのイベントに

興味を持った様子で質問をする!…


「ッ!…[飛竜戦]!…因みに報酬は?…」


「ッ!……かなり美味しいよ!…

このイベントに成功するとその[大型ワイバーンの素材]と

[ワイバーンの体に刺さっている武器]が一定確立でドロップされるんだ!…

まぁ素材は確定に近いけど武器の方はドロップ率が低くて…

…言わずもがなワイバーンの素材はそこそこの値段で取引されるし、

武具を作るのに欠かせない!…それにもし武器が手に入れられたら

その武器はオークションに出すとトンデモナイ値段で取引されるとかで…

一攫千金を手にするチャンスだから皆こうして躍起になって居る訳さ!…

まぁそれ位にヤバイレア武器が手に入る!…みたいな感じで覚えておくといいよ!…

…まぁ私はまだ手に入れた事は無いけどね?…ッ!…

因みに戦闘終了条件はBOSS飛竜の撃破!…もしくは制限時間の超過で!…

取り敢えず皆こうして飛竜に襲われるのを待って居たって事だね?…」


{……なるほど?…襲われて喜んでいた冒険者プレイヤーはそう言う事だったのか…

俺はてっきり気が狂ったんじゃないかと…どんだけ鉄の心臓なんだって思ったわ!…

…まぁ襲われる為に乗船しているトンデモナイ奴も居るみたいだが…}


まるでハッとしたようオリハが聞き出したのはこのイベントの報酬についてで、

その質問にその冒険者も嬉々とした様子で!…相当儲ける事が出来るのか笑みを

浮かべると何が手に入るのかをオリハに語り!…中でもワイバーンの体に刺さって

いる武器が一番美味しいと語ると、更にその価値についても語り始める!…

何でもそのワイバーンの武器は億ション物らしく、それ目当てで飛行船に乗って

居る連中も居るとか!…とにかくこの飛行船に乗る冒険者達の大半がそれ狙い

らしく、自身も狙って居るようまだ手に入れた事が無いと口にすると、次には

その女性冒険者プレイヤーの仲間からか声を掛けられる!…


「…お~い!…レイラン行くぞぉ~?

どしたぁ~?…何かあったかぁ?」


「ッ!…あっ!…はぁ~い!!……じゃあ説明はこんな感じかな?…

後の参加するしないはアンタ達次第って事で!…それじゃあ!…」


__タッタッタッタッタッタッ!!!……ワイワイ!!…ガヤガヤ!!…


「……だってさ?……如何する?…」


中々来ない仲間に痺れを切らしたのか、声を掛けて呼び出し!…するとその女性

冒険者プレイヤーもハッと気が付いた様子で振り返って返事!…そして説明も粗方終えたと

言った具合に話を切り上げると、後はマサツグ達次第と口にする!…そして手を

振って別れの言葉を口にすると、その女性冒険者プレイヤーは呼ばれた仲間達の元に!…

そして残されたマサツグ達は如何するか?と…マサツグが今だシロとフィロを

抱えたままアヤに参加するかどうかを尋ね出すと、アヤは戸惑った様子で返事を

する!…


「いや如何する?って言われても…」


「……行く!…」


「ッ!……オリ…ッ!?…」


「……今は少しでも稼ぎたいから!!…

この武器の試し斬りとレアドロ狙い!!…」


「……そうか…」


マサツグの問い掛けに対してアヤは困惑!…如何答えた良いのか分からず戸惑って

見せ…だがその一方で別の所からは行くと返事が聞こえ!…と言うのもオリハが

参戦の意思を!…その返事を聞いて一同はそのオリハの方へ振り向き出し!…その

参加するに至った理由について聞こうとすると、そこで闘志を燃やすよう両刃剣を

手にするオリハを見つける!…宛らその様子は新しい武器を試したい!と言った

風にも見えると、単純に金を稼ぎたい!と…何ならオリハが本音を零すと行く気

満々の様子で目を輝かせ始め!…マサツグもそんなオリハの様子を目にして諦めた

よう返事をすると、シロとフィロを解放する!…するとその話を聞いて居たのか

シロとフィロも乗り気に!…マサツグの手を握っては急かすよう!…


「……ッ!!…ふむ面白そうじゃのう?…

飛び蜥蜴の群れを焼き払うのもまた一興かもしれん!…

わっちもそのイベントとやらに参加してみようか……よし!…

腹ごなしに動きたくなってきた!」


「シロもご主人様にずっとくっ付いていたので体を動かしたいのです!!

…オリハ伯母さん!!…手伝うのです!!!」


__……スッ…ギュッ!…ッ!…ギュッ!…ッ!?…


「…あ、あれ!?…何で俺の手を握って!?…」


何やらその[飛竜戦]に興味を持った様子で言葉を!…この時フィロの頭の中では

どんな光景が浮かんで居るのか!…ただ面白そうの言葉を口にすると次には焼き

払うと明言!…その際徐にマサツグの左手をギュッと握り!…そのまま連行する

様な素振りを見せると、マサツグはそんなフィロの様子にふと戸惑う!…すると

その反対側では同じ様にシロも興味を持った様子で言葉を!…と言うのもシロは

マサツグにくっ付きっぱなしでは体が鈍る!と…その運動不足解消にイベントへ

参加する事を口にして行き!…やはりフィロ同様マサツグの右手を徐に握り始めて

見せると、更にマサツグは戸惑った反応を露わにする!…この時マサツグとしても

参加する意思は無い訳で、二人に捕縛された様な物なのだが!…シロとフィロは

マサツグの手を放す気配は一切見せない様子で!…そのままマサツグの事を

ドナドナして行こうとすると、その様子は傍から見ると飼い犬に振り回される飼い

主の様に見えるのであった!……因みに…


「ッ!…シロちゃん!…フィロちゃん!!…ありがとう!!…

…よぉし!…叔母さんも本気で張り切っちゃうぞぉ~!!…

…そうだ!!…一杯稼げたら御馳走してあげる!!!…」


「「ッ!!…おぉ~~!!!」」×2


「……あの~…俺に関して何か言う事は無いのかな?…オリハ君?…」


シロとフィロが付いて来てくれる事でオリハは感激!…二人の為に頑張る!と

口にし!…その際マサツグの状態については全く触れず!…ただ良い結果を

出す事が出来たらその分奢る!と約束をすると、更にシロとフィロから支持を

稼ぐ!…その一方でドナドナされそうなマサツグからツッコミを受けるのだが、

オリハはやはり無視!…そのまま何事ない様にオリハは屋上デッキに!…

それに合わせてシロとフィロも付いて行き出し!…それに伴いやはりマサツグも

ドナドナされて行くと、中腰でドンドン引っ張られる!…


「ッ!…あぁ~!!…ちょ、ちょっと待てって!!…ア、アヤァ~!!…」


「あ、あはははは……が、頑張って!!…お義父さん!!」


「ッ!?…お義父さんじゃなくて助けてくれぇ~!!!」


__ドナド~ナ♪…ドナド~ナ♪…キャッキャ!!…キャッキャ!!…


引っ張られるマサツグもシロとフィロに待つよう声を掛けるのだが、二人は

全く聞く耳を持たず!…それはまるで何か期待した様子を見せて居り、尚且つ

見せたいモノがあると言った具合に!…とにかくマサツグの事をグイグイと

引っ張り!…そのままレストランを後にして行こうとすると、マサツグは

アヤにも助けを求める!…しかしアヤは苦笑いをするだけで我関せずを貫き!…

遂にはマサツグを見放し!…マサツグに頑張れ!と言ってはお義父さん!と…

まるで休日に連行されて行く父親のようマサツグの事を例えて見送り出すと、

マサツグもマサツグでアヤに対してツッコミを入れる!…さてアヤはイベントに

参加ししない様子でお留守番!…マサツグもそのままドナドナされ!…

もはや抵抗するだけ無駄だと知り!…何か嫌な予感を感じつつ!…シロと

フィロに引っ張られるままその屋上デッキに向かうと、今回のイベント!…

[超大型飛竜撃退戦]へと参加をさせられるのであった!…


因みに一人だけ残る事を決めたアヤはと言うと、マサツグ達を見送るとその足で

同じ三階のバーに…


__コッ…コッ…コッ…コッ……カランカラァン♪…


「ッ!…いらっしゃいませ…

…にしても…お客様はこの様な時にでも飲みに来るとは…

お客様は相当お酒がお好きの様で…ッ!?…」


如何やらこの飛行船のバーはいつでも開いて居るらしく、朝からでも開いており!…

アヤがバーの扉を開けるとドアベルが小気味良く鳴り響き!…中に居たマスターも

気が付いた様子でアヤに向かい声を掛けると、気さくに話を振ろうとする!…その際

さすがに相手が誰かまでは分かって居ない様子でグラスを磨いて立って居り、磨き

終えた所で改めてその話し掛けた相手を確認するのだが…その確認した相手が

アヤだと分かると途端にその表情は青褪め始め!…驚き戸惑った様な反応を見せる

と、アヤもアヤで返事をする!…


「えっへへへ♪…そうよ?…私はお酒が大好きなの!…

だから今日もよろしくね?♥」


「ッ!?……は、はい…畏まりました……」


{…よもやこのお客様が来るとは!……屋上ではワイバーンの来襲!…

此方では相当な酒豪の登場!……さて、今日は無事に事を済ませられますかな?…

もしかするとこちらがやられてしまいそうですが……ふぅ…}


アヤが頬を染めながらマスターに挨拶をすると、マスターは委縮!…とは言った

ものの別にアヤに対して恐怖心を…まぁある意味では抱いて居り、とにかく

トンデモナイ物が来た!と言った具合に慌て出すと、今すぐにでも酒の残量を

確認したくなる!…その際表では飛竜騒ぎでごった返している事を思い出すと、

コッチでは飲兵衛が来襲して来た!と…とにかくここから先は此方も長期戦は

免れない!と言った具合に覚悟を決め!…アヤに対し引き攣った笑顔でアヤの

お願いを承ると、マスターはアヤとの一騎打ちに掛かるのであった!…

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