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-第四章-オータムクラウド国編-

-第四章九十節 出来る皐月とパーティ解散と次の旅路-

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フィロとクロエが行ってしまった事でマサツグ達は戸惑った様子で呆然とする…

するとそこへ忙しそうにしながらも皐月が…クロエが居ない事にふと気が付いた

様子で辺りを見回し、カウンター前にマサツグ達が立って居る事に気が付くと、

慌てた様子で対応に付く!…その際やはりマサツグを前にすると若干頬を染めて

何かモジモジとした反応を見せるのだが、唐変木のマサツグには分からず!…

ただ皐月が来てくれた事に感謝をしつつ!…皐月もクロエの行き先について質問

をすると、モツが苦笑いをしながら話し出す!…


__……ッ!!…チラッ?…チラッ?……トトトトトトッ…


「え、えぇ~っと?…ギ、ギルドマスターは何方に?…」


「ッ!…え、えぇ~っと……あ、あはははは……

そのギルマスと一緒にフィロが…ね?…少しばかり喧嘩を…」


「ッ!?…えぇ!?……」


単純明快にフィロとクロエが…するとその話を聞いた皐月は驚き戸惑い!…

口に両手を当てて困惑の表情を浮かべると、まるでサスペンスドラマの様な

反応を見せる!…それはクロエを心配しての反応なのか、それとも業務に

支障が出るからの困惑なのか…とにかくクロエ行ってしまった事にショック

を隠せないよう!…モツもその反応を見て慌てて大丈夫である事を皐月に

話そうとするのだが、如何にも確証を持てないでいた!…


「ッ!?…あぁ!!…た、多分大丈夫だと思うから!!…

どっちもそんな本気にはならないと思う!!……多分…」


__………。


「……お話の所悪いんだが…少しいいか?…

実は…ここ最近、加入申請が多くて面倒なんだよ…

興味を持ってくれる事は結構なんだが…明らかに何か目的が見え透いてて…

正直、ウンザリしているんだ…」


「ッ!!…え?…あっ…あぁ!…も、申し訳ありません!!…

えぇ~っとその事でしたら確か……」


__ゴソゴソ……ッ!……ドォン!!……ッ!…ピッ!…パラァ……スッ…ッ!…


故に濁す様な感じで説明を皐月にして居ると、マサツグが空気を読まない様子で…

次には皐月にある質問を口にし出し!…その解決策について意見を求めるよう言葉

を口にして居ると、皐月はハッとした様子でその質問に答える!…と言うのも

何やら知って居る様子でマサツグに話すと、そのカウンターの下に何か有るのか

ゴソゴソと…するとそう時間も掛からない内に一冊の分厚くデカい本を取り出し、

付箋らしき物に指を差しながらあるページを開いて見せると、マサツグ達にその

内容を提示する!…


「…ここにその加入申請のやり取りに関する解決策が載っております!!…

何でもそのぉ…まにゅある?…と言う本らしく…

これを冒険者様達に見せれば一発だと…ギルドマスターが…」


「ッ!?…な、なるほど?…そこもある意味で対策済みって事か!…

…で、どれどれ?……ッ!…あった!…えぇ~っと…

加入申請の受け取り拒否設定……って、アレ?…」


「……クラン管理画面を開いて加入者の管理画面を選択…

そこから項目一番下にメールの受け取り等の設定から変更可能…

…って、普通こう言うのって最初に調べると思うんだが?…

マサツグさんよぉ?…」


「……あ、あははははは……そこら辺は後でも出来るって高を括ってました…」


皐月が言うにはこれを見れば一発と!…恐らくNPC相手でもメタい話にならない

よう作成されたマニュアルをマサツグ達に開示し!…するとその運営の準備具合に

マサツグも思わず感心して見せ!…有り難がる様子で早速その皐月が開示した

マニュアルに目を通して行くと、難なくその項目と思われる内容を目にする!…

そしてそこに書かれて有った内容と言うには如何やら然程難しい事では無い様で、

要はマサツグの管理不足と!…モツが内容を読み挙げてはマサツグに流し目…

何で設定して居ないのか?と問い詰める様にマサツグへ言葉を掛けて行くと、

マサツグも誤魔化す様に苦笑いをする!…


さてそうしてやり方が分かった所ですぐさま設定!…マニュアルに書いて有る

方法で画面を開き…するとその設定をしている間にも加入申請が!…鬱陶しくも

感じながら無視をし、とにかく申請を受け取らないに設定を変更すると、遂に

その鳴りやまない通知音から解放される!…


__ピッ!…ピッ!…ピッ!……ヴウン!!…………


「……止まった?…」


「「ッ~~…はああぁぁ~~~…」」×2


「…もう二度とあの音は聞きたくないわ…

……あと今度からはちゃんと設定を見といてくれよ?…

でないとまたこんな風に…」


「ウッ!!…わ、悪かったって!!…」


設定をして画面を閉じ!…二人揃って思わず耳を澄ませて見せると、その通知音は

ピタリと止まっては二度と鳴らなくなってしまう!…これにはマサツグも様子を

伺う様に言葉を口にするのだが、フラグとかそう言った事では無く本当に止まり…

すると次には二人揃って溜息を吐き!…モツが改めて今度からしっかりするよう

苦言を口にすると、マサツグもバツが悪そうな表情で返事をする!…さてそうして

悩みの種が一つ消えた事で安堵した様子を二人が揃って見せて居ると、皐月が

もう一つの種に気が付いた様子で声を掛け!…と言うのも…


「……ッ!…あら?…そう言えばシロちゃんの様子が?…」


__……チラッ……ペコッ!…スッ!…


「ッ!……え、えぇ~っと…これはぁ?…」


「ッ!!…あぁ!!…ス、スマン皐月ちゃん!!…

…こらシロ?…ちゃんと挨拶をしないか!……全くもう!…」


シロは依然としてマサツグのお腹にくっ付いたまま!…そして一切離れようと

しない!…と言うよりも何か鬼気迫るものを皐月は感じ!…何が有ったのか?

について思わず疑問の言葉を口にすると、シロは一度だけ皐月の方に振り向いては

一礼をする!…しかし直ぐにまたマサツグのお腹に顔を埋めるとまた固まった

様に張り付き続け!…そんな様子に皐月も困惑したよう言葉を漏らして見せる

と、マサツグがシロに注意をする!…しかしだからと言ってシロの様子は決して

変わらず!…マサツグもそんなシロの様子を見て困った様な表情を見せると、

皐月がマサツグに質問をする!…


「……すみません…シロちゃんがこの様になったのはいつ頃からですか?…」


「ッ!…え?…えぇ~っと…

…確かさっきフィロが言うには戦いが終わった後辺りだから……一週間前?…

ずぅっとこんな感じでくっ付いたままで…」


「…じゃあその際何か危険な危うく命を落としそうになったとか

…例えば何か…とか?…」


「ッ!?……ある!……と言うよりも一回死んだ…」


皐月は何か知って居る様子で少し悩み…マサツグにこの状態になった時期に

ついて質問をすると、マサツグはその突然の質問に驚きながらも問い掛けに

答える!…それこそ先程フィロが話して居た時の事を思い出しながら一週間

前と!…その際ずっとこのままと話し…すると皐月は更に確認をするよう

質問を口に!…と言うのも確信を突く様にマサツグへ死に掛けた事が有るかに

ついて尋ねると、マサツグも更に驚いた様子で返事をする!…何なら一度

死んだと口にすると、当然皐月は戸惑った様に驚き!…


「ッ!?…え?…ええぇぇ!?…」


「……ッ!…あっ…ま、まぁ今こうして生きて居る訳だが…

それでも……な?…」


「ッ!?……ッ!…コ、コホン!…

そ、その話は置いておくとしまして…だとしたらそれが原因かと…」


勿論今目の前にマサツグが居る事で困惑!…そのマサツグの言った言葉の意味に

ついて理解に苦しみ!…声を上げて若干引いた反応を見せ!…一体如何言う事

なのか?と言った戸惑い様を露わにして見せて居ると、マサツグもハッと気が

付いた様子で言葉を誤魔化す!…と言っても誤魔化し切れずに何もかもがあやふや

になって居る訳なのだが、皐月自身マサツグが嘘を言って居るようには到底

見えず…一度仕切り直す様にして咳払いを一つ!…マサツグが一度死んだと

言う事を余所に、シロが引っ付き虫になった原因についてそれがきっかけと

マサツグに話して見せると、マサツグは分かって居ない様子で返事をする!…


「ッ!…と言うと?…」


「…これはシロちゃんだけに見られるモノでは無いのですが…

…やはり自身の身の周りの人が亡くなる…

と言うのは少なからず恐怖を与えるモノがあります…

そしてシロちゃんにとってはマサツグ様は親の様なモノ!…

他に身寄りのない者からすれば…

それはとても大きなショックでは無かったのかと…」


「ッ!!!………」


__…ポンッ…ピクッ!!……なでなで…ッ!…パタタタタタタ!!…


マサツグがさも唐変木ぶりを発揮する一方で皐月は真剣!…皐月は自身に置き

換えて考えるよう言葉を口にすると、今のシロの心境を代弁し!…と言うのも

シロはマサツグが死んだ事でトラウマになったと!…更にはマサツグが死んだ

場合の事についても説明するよう話を続け!…今の様になったのはマサツグの

責任と遠慮がちにしながらもそうマサツグに説明をして見せると、マサツグも

漸く理解した様子でハッとする!…その際目を見開き視線を下に落とすと

シロに目を向け、スッとシロの頭を撫で出し…するとシロは耳をピクっと反応

させると尻尾を振り!…しかし顔を上げる事は決してなく!…何か事情がある

様子をシロがマサツグに見せて居ると、マサツグも思い悩んだ様子でその場に

固まる!…


「…そっか…そうだよな……悪いのは俺じゃん…

啖呵切って突っ込んで行った癖に負けて…

そりゃ不安にもなるよな?……スマン…シロ…」


__……パタタタタタタ!!…


「……マサツグ様…」


シロの頭を撫でてはシミジミと、漸く理解した様子で自分が悪いと…自分は

ゲームをやって居る訳で死んでもまたリスポーン出来ると、しかしそんな事

など知らないシロからすればただの衝撃の映像で!…マサツグも頭を撫でては

シロに謝り…シロはシロで顔を上げる事はたはり無く…しかし頭を撫でられて

嬉しいのか、依然として元気にマサツグへ尻尾を振り続けて見せると、何か

二人揃って物悲しい様子を見せて居た!…するとそんな様子を見て皐月も

不安げに言葉を零し、如何したものか?と悩み始め…となるとカウンター前は

如何にも気まずく!…モツも何か言い出そうにも言えない!と言った具合に

困惑の様子を見せて居ると、そこへ空気の読めない男が一人!…


__カランカラァン♪……


「……フゥ~!!…これで何とかなるやろう!!…

嬢ちゃんの怪我も一旦は落ち着いたし!…お母ちゃんと再会させた!!…

後は時間が解決してくれる!…って、何やこの重苦しい空気は?…

…ッ!…あん?…何や?…マサに本ちゃんやないかい!!…

何や?…何かあったんかぁ?…」


{ッ!!…いいタイミングで空気の読めない奴が来たぁぁぁぁ!!!}


意気揚々と空気の読めない奴がギルドに入って来る!…その空気の読めない奴は

バリバリコテコテの関西弁で、独り言を馬鹿みたいに大声で話すと、マサツグ達

を見つけるなり声を掛ける!…そしてその正体と言うには言わずもがなライザで

有り、何も知らない事を言い事に!…いつもの調子でその場の空気を壊しに

掛かると、モツが心の中で感謝をする!…まるで適任が来たとばかりに!…モツが

黙ってその見守ろうとして居ると、ライザはマサツグの様子を見るなり固まって

しまう!…


__コッ…コッ…コッ…コッ…ッ!!…


「ッ!?…な、何やこの重っ苦しい空気!!…

…話し後にした方が良いか!?…」


{ッ!?…こんな時に限って空気を読むなああぁぁ!!!…}


何の気無し近付き!…そしていつもの様に手を伸ばし話し掛けようとすると、

そのライザの動きはピタッと止まる!…それはまるで何かを察知した様に!…

重い空気を感じ取ると何か真剣な話をして居るのか?と勘繰り出し!…ライザ

として珍しく場を改めようとする動きをチラッと見せ…その様子にモツが心の

中でツッコミを入れるよう叫び出すと、マサツグが気が付いた様子で振り返る!…


「……ッ!…おっ?…ライザ!…

…何だ、何か有ったのか?…」


「ッ!…いや有ったの何もそっちの方がどないしてん?…

何や通夜の席みたいにシンミリして?…そないに不味い事でもあったんか?…」


「ッ!…え?…あ、あぁ…まぁ…

自分の至らなさに気が付いたというか何と言うか…」


「……ッ?…何やそれ?……まぁエェわ!…

とにかく気を揉み過ぎんのもどうかと思うぞ?…

問題は同じ過ちを繰り返さん様にする事が大事なんやからな?…

…っと、それだけやないねん!!…

いいニュースと悪いニュースが有ってやなぁ?…どっちから聞きたい?…」


マサツグが何事も無かったかの様に振舞い!…そしてライザに何か有ったのか?

について質問をすると、逆に質問を質問で返される!…その際改めてこの空気は

何?とばかりに尋ねられると、マサツグは素直に質問に答え!…この時やはり

若干落ち込んだ様子で答えるのだが、その答えを聞いてライザがあっけらかんと

した反応を見せると、何も考えて居ない様子で声を掛ける!…と言っても一応は

気遣って居る様子で気にし過ぎは逆に悪いと!…前を見る事を勧め!…まるで

教訓めいた事を口にすると直ぐに自身のペースを掴み!…再度その雰囲気を

ぶち壊す様にある話をマサツグやモツに持ち出すと、二人を戸惑わせる!…


「ッ!…いいニュースと…」


「悪いニュース?……悪いニュースって何が有ったんだ?」


「ッ!…悪いニュースからやな?…悪いニュースって言うのは…

レイヴンが何か師匠に見つかったとかで…今日ここを離れたって事や!

…あいつの師匠そんなおっかない奴なんか?…

メールからも何か慌ててる様子が見られたから…」


「ッ!!…レイヴンからのメール?……ッ!…

有るわ…どれどれ?……ッ!!…」


何やら勿体ぶる様にライザが話を振り!…マサツグとモツが戸惑い気味に尋ねる

よう返事をすると、ライザはその話を嬉々とした様子で話し出す!…と言うのも

モツの問い掛けに反応するよう返事をすると、レイヴンが師匠に見つかったと!…

となるとその話を聞いたマサツグとモツは戸惑って見せ!…え?ばかりに困惑の

表情を浮かべて居ると、更にライザは話を続ける!…その際レイヴンの師匠の事を

知らないのだろうか、レイヴンの師匠は怖いのか?と…二人に尋ねるよう疑問を

スッと口にして見せ…更にはその内容はメールから見れる様な事を続けて話すと、

マサツグとモツが気が付かなかった様子でメールを調べる!…するとそこには

一通のメールが二人の元に届いて居り、二人揃ってその内容を確認すると…


 ---------------------------------------------------------------------

 差出人 レイヴン

 件名  旅に出る

 このメールを読んで居ると言う事は既にヤブ達の前から姿を

 計sて居るだろう…突然で申し訳ないが俺は旅に出る!…

 別に一緒に居るのが嫌になたとかじゃないから安心してくれ!!…

 ただ身の危険が近付いて来てるから逃げるだけだ!!…

 また何か機会が有ったら気軽に読んでくれ!!!…出来るだけ

 見つからない様に合流するから!…後このメールを読んで何か

 面倒事に巻き込まれたとか心配はしないで欲しい!…

 要は師匠に見つかったから逃げようとして居るだけだから!!…

 また再開する事が有ったら……そん時は笑って出ぬかえてくれる事…

 心からいの…くぁwせdrftgyふじこlp

 ---------------------------------------------------------------------


「……何だこれ?…打ち損ねに変換ミスに脱字…

終いにはくぁwせdrftgyふじこlp……これネタなんじゃ?…」


__ピッ…ピッ…ヴウン!!……


「ッ!…でも確かにレイヴンの反応が無い!…

…もうここを離れて別の大陸に逃げたみたいだぞ?…」


「ッ!?…マジかよ!?…」


レイヴンから送られてきたメールを見ると、そこには確かに何か慌てた様子が

見れる…打ち損ねた様子や変換ミスが少し見られ、脱字も少々…更にはもう

ネタとしか思えない様子でくぁwせdrftgyふじこlp等が書かれて有る文面を目に

すると、マサツグもモツも戸惑った様子で固まってしまう!…そしてマサツグが

これが真実なのかと疑って居ると、その一方でモツはレイヴンがいない事を

確認!…既に別の大陸に渡って居る事を突き留め!…その事をマサツグに説明

すると、マサツグも驚いた様子で反応する!…さてそうなると本当に一体何が

有ったのか?と悩んでしまう所なのだが!…そんな二人に対してライザがまだ

話が有ると…今度は自身の事について話し出すと、レイヴンのメールと同じ様な

事を口にする!…


「……で、話は変わるけど…俺も一旦このパーティから離れるわ!」


「ッ!…え?…」


「いや別にレイヴンみたく何か有ったって訳やないんやけどな?…

…あのバケモンと戦ってコテンパンにやられて…正直苛立ちを隠せんのや!…

やから少しばかり一人でレベリングしたくてな?…付き合わせるのも悪いし…

せやからここでお別れや!…また何か有ったらメールで呼ぶなり何なりしてくれ!…

可能な限りは助けるさかい!…」


ライザが話し出したのはパーティの脱退!…レイヴンとは違いレベリングが

目的らしく!…すると当然そんな話を突如された事でマサツグとモツは

揃って戸惑い!…困惑し続ける様な表情で固まって居ると、更にライザは

話を続ける!…その際理由としては魔王とは言え手も足も出なかった事を

気にして居るらしく!…一人山籠もりを考えているそうで!…マサツグ達を

付き合わせるのも酷と考えたらしく!…思い立ったが吉日とばかりに怒涛の

話しの進め方を口にすると、マサツグがツッコむ様にして話に入る!…


「い、いやそれは別に良いんだが!…今から!?…」


「ッ!…そうや?…何や今エェ感じにモンスターが湧いてるみたいやしなぁ!

丁度エェかと思て!!…てな訳であんがとうな!!…

また手ぇ組む事が有ったらまた頼むわ!!…じゃ!!」


「ッ!?…あぁ、おいちょっと!?……って、行っちまったよぉ…

アイツ本当に忙しい奴だな?……さてそうなると俺達は如何するか?…

って、モツ?…」


「…よし!…俺も決めた!!…悪いヤブ!!…

俺もこのパーティから抜けるわ!」


マサツグが戸惑い慌てた様子で声を掛けるとライザは頷き!…そして今何かその

レベリングをする上でチャンスが来ている事を口にすると、突如としてライザは

マサツグ達に背を向ける!…宛らその様子は善は急げとばかりに!…また機会が

有れば頼む!と残すと最後の挨拶を!…マサツグの制止を振り切る様にして

ライザはギルドを後にして行き!…そのままその目的地へと向かってしまうと、

良い方のニュースが聞けず仕舞いになってしまう!…するとそんなライザの様子に

マサツグも呆れ、改めて今後の活動について悩むのだが…モツはそんなライザの

様子を見て何か思う所が有ったのか、モツも決心した具合にパーティを向ける事を

口にすると、更にマサツグを驚かせる!…


「ッ!?…ちょ!?…本ちゃんも!?…」


「悪い!!…俺もやりたい事が有って!!…

しかもこことは別の大陸にあってさ?…そこでとある武器が手に入るんだよ!!…

まぁ付いて来てくれるならパーティは脱退しなくてもいい訳なんだけどさ?…

…その様子だと難しいだろ?…」


「ッ!…え?…あっ……」


__………。


まさかのモツからも脱退の声が出た事でオーバーリアクション!…本人に確かめる

よう声を掛け!…しかし再度声を掛けた所で反応は変わらず!…モツ自身も何か

目的が出来た様子でその訳をマサツグに話すと、理解を求める!…その際付いて

来ても大丈夫と一応言葉を口にするのだが、少し無理そうにしては視線を下に…

するとマサツグもそんなモツの様子に戸惑って見せ!…同じ様に視線を落とし!…

モツの視線の先にあるモノを確認すると、そこでシロの姿を見つけてしまう!…

と言うのもシロの事を考えると今はメンタルケアを!…モツはそっちを優先する

よう苦笑いをして見せ!…するとマサツグもそれを理解した様子で静かに頷き!…

マサツグも今度の方針が決まった様子で如何するか?と考え出そうとして居ると、

皐月がハッとした様子で話をする!…


「うぅ~ん……ッ!…そうです…ウィンタースノー!…」


「ッ!…ウィンタースノー?…」


「はい!!…ウィンタースノー連邦です!!…

ウィンタースノー大陸にはフェンリルの住む霊峰が有ります!…

もしかするとシロちゃんにとっても何か良い心のケアになると同時に!…

いいきっかけが有るかもしれません!!…

…一度検討してみるのも如何でしょうか?……多分ですけど…」


「…ウィンタースノー…かぁ……因みに行き方は?…」


皐月がマサツグに提案したのは別の大陸への移動…その場所をウィンタースノー

と!…するとその名前を聞いてマサツグは確かめる様に名前を復唱して見せ…

皐月も頷きながらもう一度正式名称を持って名前を口にして見せると、一体如何

言う場所なのかを簡単に説明し始める!…何でもフェンリルの住む山が有る

らしく、同じフェンリルなら何か感じるモノが有るかも知れないと!…あくまでも

可能性の話であって、やはり皐月自身最後に自信無さ気に言葉を濁してしまうと、

マサツグにモジモジとして見せる!…しかしマサツグにはその提案は有り難かった

らしく、興味を持った様子で渡り方を聞き!…すると皐月もハッとした様子で

カウンターから地図を…マサツグの目の前で展開して見せ、指を差しながら

その航路について語り出すと、マサツグを青褪めさせる!…何故なら!…


「ッ!…は、はい!…えぇ~っと……ッ!…あ、有った有った!…」


__ゴソゴソ…バラァ!!…


「今居るオータムクラウド大陸がここ!…そこからウィンタースノーに渡るには…

…一番早い到着を目指すのならですね?…時間にして三日…

その他にも一応船の便も有りますが…確か不定期の便しかなかった様な?…

それに渡るにも氷塊等が邪魔をして来るらしいのでかなり時間が取られるかと

思います…となると安全面を考慮してやはり空路が一番かと……ッ!?…

ど、如何しました!?…何か具合が悪くなる様な事でも!?…」


皐月が勧めたルートは空路!…如何やらここ秋雲オータムクラウドから冬粉雪ウィンタースノーに渡るに

当たって飛行船が有るらしく、一番安全な方法かつ早い時間に着けると!…

マサツグに勧めるよう言葉を口にすると徐々にマサツグの顔が青褪め始め!…

見るも見事に血の気が引き!…最後はまるで茄子の様に青紫色になって行く

と、マサツグは時が止まったかの様に固まってしまう!…その間皐月は一生

懸命に航路の説明を口にし!…一応船の便がある事も説明するのだが!…

如何やら船の便の方は不定期らしく、時間が掛かる上に危険である事を説明

すると、追い打ちを掛ける様に空路を勧める!…そして一度ここでマサツグの

顔を見てその様子を確かめようとするのだが!…そこにあったマサツグの顔と

言うのは人ではなく!…まるで巨大な玉茄子が垂れ下がった様に成っている

光景を目にして驚き!…皐月も驚いた様子で慌ててマサツグに声を掛けて行く

と、マサツグは青褪めた様子のまま返事をする!…


「ッ!…い、いや…気にしないでくれ……発作の様なもんだから…」


「ッ!?…え?…えぇ!?…」


話を聞いただけでも駄目だった様子で、マサツグは青褪めたまま笑顔で返事!…

しかし当然目の前で青褪められて居るので皐月は戸惑い!…一体どの様に反応

したら?と言った具合に言葉をポツリポツリと零して居ると、突如としてギルド

内に誰かがワープをして来る!…と言ってもワープして来る者等二人しか思い

付かない訳で!…マサツグと皐月がそのワープして来た者に視線を向けると、

そこでボロボロのフィロとクロエの姿を見つける!…


__バシュン!!!…ッ!!……ッ!?…


「「今戻った(ぞ)……」」×2


「「ギ、ギルドマスター(フィロォ)!?…」」×2


__ジィ~~~……フンッ!!!…×2


と言うのもフィロは銃弾の雨を掻い潜って居たのか、襦袢が開けては擦り傷

だらけで!…クロエの方も大分焼かれた様子で煤けて居り!…焦げたメイド

服を着ては色々と零れ落ちそうな!…とにかく危ない様子を見せて居ると、

二人揃って不貞腐れた表情を見せて居た!…如何やらどっちも苦戦し決め手が

無かった様子で、勝負はドローに終わり!…互いにそっぽを向いては子供の

様に頬を膨らませてムッとして居り!…帰って来た事を二人に報告してただ

ただムスッとした表情を露わにして居ると、そんな様子を目にしたマサツグと

皐月が戸惑って見せる!…当然その様子にも驚いたのだが、その二人の格好が

如何にも…目のやり場に困るだけでなくその着替えもあったかな?と…

マサツグと皐月!…二人揃ってその着替えについて悩む様な素振りを見せると、

一度服を見に行く事を決めるのであった!…


因みにこの時オリハとアヤはと言うと…アヤは酒場に行ってはお約束とばかりに

飲んだくれ!…オリハは武器屋を転々と巡り!…やはり双鉄扇で心許無い様子で

あぁ~でも無いこぉ~でも無いと!…悩む様子を見せては一人黙々と探しており、

この後マサツグ達と合流する!…そんな流れなど全く知らず、店主に冷やかしか?

と疑われる程に!…ただひたすらに一人悩む様子を見せて居るのであった!…

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俺には二人の幼馴染がいた。 俺の幼馴染達は所謂エリートと呼ばれる人種だが、俺はそんな才能なんて まるでない、凡愚で普通の人種だった。 そんな幼馴染達に並び立つべく、努力もしたし、特訓もした。 だがどう頑張っても、どうあがいてもエリート達には才能の無いこの俺が 勝てる訳も道理もなく、いつの日か二人を追い駆けるのを諦めた。 自尊心が砕ける前に幼馴染達から離れる事も考えたけど、しかし結局、ぬるま湯の 関係から抜け出せず、別れずくっつかずの関係を続けていたが、そんな俺の下に 衝撃な展開が舞い込んできた。 そう...幼馴染の二人に彼氏ができたらしい。 ※小説家になろう様にも掲載しています。

【全話挿絵】発情✕転生 〜何あれ……誘ってるのかしら?〜【毎日更新】

墨笑
ファンタジー
『エロ×ギャグ×バトル+雑学』をテーマにした異世界ファンタジー小説です。 主人公はごく普通(?)の『むっつりすけべ』な女の子。 異世界転生に伴って召喚士としての才能を強化されたまでは良かったのですが、なぜか発情体質まで付与されていて……? 召喚士として様々な依頼をこなしながら、無駄にドキドキムラムラハァハァしてしまう日々を描きます。 明るく、楽しく読んでいただけることを目指して書きました。

俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない

亮亮
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朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。 不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。 そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。 帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。 そして邂逅する謎の組織。 萌の物語が始まる。

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