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-第四章-オータムクラウド国編-
-第四章五十八節 終わらぬ侵攻と瘴気の壁と大妖怪-
しおりを挟む一方此方は変わってレイヴンとシロ!…ライザが商業区の瘴気を晴らした事で
また時の咆哮が聞こえ出し!…冒険者達の動きも大分と取り易くはなって来た
所と言った感じなのだが!…やはり街中にモンスター達がはびこって居る為
まだ思う様に動き難く、この時レイヴンとシロもモンスター達に囲まれては
壺の捜索に難航すると言った様子を見せて居た!…そして何よりレイヴン達が
担当する貴族街区域はまだ瘴気に包まれており、シロが若干苦しそうにしては
様子を見ながらの先行を余儀なくされていた!…
「…んだよこの野郎!!…ワラワラワラワラ沸いて来やがってぇ!!…
どっかに召喚の門でも開いたのかよ!!…ったく!……
それに俺はまだ大丈夫だけどシロちゃんが!…」
__バババッ!!!…ズバババババァン!!!…
「氷結乱閃爪!!!」
__ギシャアアアアアァァァァ!!!!………
「レイヴンさんこっちです!!!…ッ!…ケホッ!…ケホッ!…」
何処からともなく沸いて来るモンスター達にレイヴンもイライラ!…
ちょっと進んでは止まりちょっと進んでは止まりを繰り返し!…とにかく
何処からかモンスターが湧いて来て居るのならその原因を排除すべきか?
とも考えるのだが、それよりもシロの様子の方が気になってはとにかく
時間的にも!…シロの様子的にもレイヴンは焦りと言うモノを覚え
させられて居た!…そして肝心のシロはと言うと、レイヴンの盾を…と
言うよりも遊撃に徹し!…現段階でも囲まれた状況に逃げ道を作って
見せる等!…若干苦しい思いをしながらも何とかモンスター達を殲滅!…
レイヴンの助けとなって動いていた!…そして辺りからはシロにやられた
モンスター達の断末魔が聞こえる中!…シロも必死になってレイヴンに
逃げるよう声を掛けると、レイヴンもハッと気が付いた様子で動き出す!…
「ッ!!…分かった!!…っと、その前に!!…
さっきから人様に群がりやがってこの野郎!!…
とっておきの置き土産だ!!!」
__ゴオオオォォォォォ!!!…フォン!!…ヒュウウウウゥゥゥゥ!!!…
「エクスプロード!!!!」
__カッ!!!…ドゴオオオオォォォォン!!!…ッ~~~~~!!!!………
シロに呼ばれた事でレイヴンも急ぎ移動開始!…その際開けてくれた道に向かい
駆けて行くと、同時に先程から唱えていた魔法も発動!…その魔法と言うのは
モンスター達の頭上で浮遊しては轟々と巨大な火球となって燃え続け!…
レイヴンが置き土産と口にすると同時にその杖が振り下ろされると、その燃え盛る
火球は地面に向かって落ち始める!…それこそ下に居るモンスター達がこの後如何
なろうとも知った事が無いとばかりに!…レイヴンが続けて魔法名を口にすると、
その巨大な火球は地面に着弾するなり爆発を起こし!…さながら隕石でも落ちて
来たかの様な衝撃と同時に!…燃え盛る炎の熱風もあちらこちらに飛散するよう
その場のモンスター達を一掃すると、まるでキャンプファイヤーが如く!…
巨大な火柱が出来上がっては天に向かって立ち昇って行く!…
__ゴオオオオオオオォォォォォ!!!!……ッ!?…ッ!?…
「……ッ!…近くに援軍まで来てたのか!?…
…本当に何処から湧いて来てんだ?…
っと、それよりもシロちゃん大丈夫?…
絶対に無理はしない様にな?…」
「ッ!…は、はいです!…大丈夫です!!…
…それよりも……ッ…ご主人様は大丈夫なのでしょうか?…
先に行け!って言ってましたけど?……」
レイヴン達の目の前で轟々と巨大な火柱が立ち昇り!…それを目にしたのか
遠方よりモンスター達の増援の姿がチラッとだけ見えると、次には怯えた
様子で退散して行く!…そこれそ文字通りに蜘蛛の子を散らすが如く!…
するとその様子に気が付いたのかレイヴンもハッとした様子で視線を向け…
本当に何処からモンスター達が湧いて居るのか?と疑問を抱きながらも次に
シロへ視線を向けると、先程咳き込んで居たのを思い出した具合に心配をする…
するとそのレイヴンからの質問に対してシロは戸惑いながら大丈夫!と返事を
すると、それよりも訳の分からないモノに襲われたマサツグの方を心配した
様子で!…若干オロオロとした表情を見せてはマサツグが居るであろう方向に
視線を向け出し!…そのまま一点に見詰めるようただジッと瞬きする事無く
マサツグの安否を確認したい様な反応を見せると、レイヴンもそんなシロの
様子に励ます言葉を駆け出す!…
「ッ!…あっ…あぁ、そうだな……まぁ、あいつなら大丈夫だろう!…
アレを負かすとかほぼほぼ無理!…と言うより相当な化け物で無いと!…
少なくともここに居る雑魚共じゃ倒すどころかダメージを与える事すら!…
何なら早々簡単にくたばる魂じゃない!…」
「ッ!…で、でもあの時のアレ!…
その普通の奴じゃない様に見えたのです!…」
「ッ!…と、言うと?…」
「…んん~……何て言うか……不気味だったのです!…
どこかで会った事が有る様な気がして?…でも違くて…
それに何か…怒っている感じがしたのです!…物凄く!…」
シロを励ます際マサツグの事を普通じゃない!と言った具合に化け物扱いを
すると、レイヴンは自分の言葉で苦笑いをし!…するとそのレイヴンの言葉に
反論するようシロは心配をした様子で!…レイヴンの言う普通の奴じゃなかった
事を慌てた具合に話すと、その話を聞いたレイヴンが興味を持つ!…何故なら
シロが言う普通じゃないと言うのは本当にヤバい奴と言う意味で、如何ヤバい
のかと!…シロにそこまで言わせる化け物に思わずレイヴンも心配を覚え!…
シロに一体如何ヤバいのかについて質問の言葉を口にすると、シロは比喩表現で
そのヤバい奴の説明をする!…その際何でもシロが言うにはどこかで会った事が
有る気がすると…ただ不気味に感じたと同時に怒って居る様子も感じられ!…
その怒っている比も激怒と言った感じで子供らしく両腕を広げながら説明を
すると、その話を聞いたレイヴンは首を傾げる!…
「…ッ?…不気味で…怒って居た?……怨念か何かか?…
てかヤブって誰かに恨みを買う様な奴だっけか?…」
「と、とにかくヘンだったのです!!……早く壺を壊して戻らないと!!…」
「……そうだな…少し気になる!…
よし!…先を急ぐぞ!…」
「ッ!…はいです!!……ッ!…」
そのシロの説明にも困惑する所が有ったのだが、それよりも気になるのは
怨嗟の言葉で…現実のマサツグを知って居る分恨みを買う様な事は無い筈?
と疑問を持ち!…何か嫌な予感も同時に感じて居ると、シロは先程の説明も
踏まえて急かし始める!…それそこやはりマサツグの事が心配で堪らない
らしく、早く終わらせて帰ろうと!…するとレイヴンもその言葉を聞いて
若干考え!…シロの言葉に賛同するよう頷きながら先を急ごうと返事を
すると、シロもその返事を聞いてやる気を出す!…この時お得意のピーカブー
の構えでムンッ!…鼻息を荒くすると、次にはどの道を進むかでチラッと
方向を確認するのだが!…その際レイヴンも一緒にシロと気が付いた様子で!…
ある方向に向かい瘴気が流れて行く様子が見て取れると、二人揃ってその
瘴気の流れに疑問を持つ!…
__ショワアアァァァァァ……
「……何だこの瘴気の流れ?…まるで向こうから…
…ッ!…まさか!!…」
「レイヴンさん!!…」
「あぁ!!…急ぐぞ!!…」
まるで風に流される様にして瘴気が流れ込んで来ているのではなく、瘴気の
粒子同士が押し合う様にして流れ込んで来ている様に感じられると、ふと
レイヴンはその様子に疑問を持つ!…本来瘴気と言うのは焚火の煙に似た
ガス状の物に近く、天候等で簡単にその流れが左右されるのだが!…現在
貴族街は不気味な程に無風の状態で風は無く!…瘴気が流れるには風が無い!…
つまり流れる筈が無いのに流れて居ると言う点に着目すると、次にはハッと
気が付いた様子で反応する!…となるともう後の判断は簡単!…シロも気が
付いた様子でレイヴンを呼び!…レイヴンもそんなシロに返事をして先を
急ぐ様に声を掛けると、その瘴気が流れ込んでくる方へと移動する!…
__コッ…コッ…コッ…コッ……
「うぅ~……ケホッ!!…コホッ!!…」
「ッ!…シ、シロちゃん?…無理はしないようにね?…
……ッ!…そうだマスク!…マスクをすればまだ幾分かまだマシの筈!!…
ちょっと待ってて!……えぇ~っと…」
二人揃ってその瘴気が流れてくる方へと歩いて行くと、二人の読みは当たって
居たのか…歩いて行く程に徐々にその瘴気は濃くなり始め!…自身の体に瘴気が
纏わり付くよう!…そんな不気味な感覚を覚えて居ると、シロも堪らず咳き込み
始める!…それこそ最初の時より強めの咳を!…するとレイヴンもそんな様子に
慌ててシロの心配をし始め!…無理をしないよう声を掛けると同時に、マスクを
する事で多少の軽減が出来る事をふと思い出して見せると、徐に自身のアイテム
ポーチを弄り出す!…それこそシロを思って早く探すよう引っ掻き回しながら
ガサゴソとするのだが!…それよりもシロがある事に気が付いた様子で!…
「……ッ!!…レイヴンさんヘンです!!…何かモヤモヤの中に居ます!!…」
「ッ!?…だああぁもう!!…
空気読めよこのクソモンス!!…戦闘準備!!!…
《影より出し魔剣!!…我が目の前の敵に無慈悲な刑を!!…
それは鋭く無残に貫き!!…仇なす者を封殺せん!!!…
ダークブリンガー!!!!》」
__ボボボボボウ!!!…フウゥ……ッ!!…ズドドドドドドド!!!!…
シロは咳き込み涙目ながらも瘴気の中で異変を見つけ!…すかさず可笑しい!と
ばかりにレイヴンへ叫んで警戒を呼び掛けると、そのシロの忠告を聞いた
レイヴンも慌て出す!…その際一度アイテムポーチを弄る事を止めてその異変を
確認するよう視線を戻すと、その異変に対して文句を言い!…続けてシロに
戦闘の準備を口にするとすかさず杖を構えて見せ!…先手必勝とばかりに高速
詠唱が出来るのか!…とにかく攻撃魔法を直ぐに唱えてしまうと、自身の周りに
黒い影を纏った剣を無数に出す!…そしてシロの言う異変が見られた方に向かい
杖を突き出すと、次の瞬間その剣が連射され!…瘴気の壁を突き破っては無数に
穴を開けて見せ!…その際レイヴン自身妙な手応えを感じたよう次に首を傾げて
見せると、変とばかりに言葉を口にする!…
「ッ!?…な、何だこの感じ?…
当たって居る様な当たって居ない様な?…感触が…軽い?…」
__ズドドドドドドド!!!!…………ショワアアァァァァァ…
{……このゲームに瘴気の当たり判定なんて無かった筈!…
だとすると別の何か?…
…まぁこれだけ濃かったら別に潜んで居ても可笑しくは無いが…
だとしても無反応は如何にも?……これは一体?…}
レイヴンが感じた奇妙な手応え…と言うのも剣を振って敵に当たればその反動が
帰って来るのと同じく!…魔法もそう言った標的に対して攻撃が当たって居れば
反動が帰って来る筈なのだが!…如何にもその魔法の威力に対して手応えが薄く
感じられ!…更には掠った程度にしても連続で感じられる!…連続で攻撃が掠る
等とても奇妙な出来事であり!…とにかく普通では感じられない手応えに
レイヴンが戸惑ったよう一度魔法を止めて様子を見ようとして居ると、その目の
前では瘴気の壁が修復を始める!…それこそレイヴンの魔法で空いた穴を
塞ぐ様に!…徐々に徐々にとその穴が閉じられようとして居て!…するとその
様子にレイヴンとしても瘴気に当たり判定が有ったのか?等と考え出し!…
やはり先程の手応えが気になった様子で変だと感じその正体について探るよう
その光景に目を向けて居ると、次にはトンデモナイ目に遭ってしまう!…
__ショワアアァァァァァ……スゥ…ズドドドドドドド!!!!…
「ッ!?…なっ!?…」
「ッ!?…レ、レイヴンさん!!…」
「なんとおおぉぉぉぉぉ!!!」
__ンバッ!!…ズドドドドドドド!!!!………
レイヴンを襲ったトンデモナイ事!…それは自身の放った魔法が自分に向かい
飛んで来た事であった!…それは見間違えようが無い影を纏った剣であって、
紛う事の無いレイヴンが放った物!…そしてそれらはレイヴンに向かい反射
されたよう無数に瘴気の壁を突き破って姿を現し!…真っ直ぐブレる事無く
レイヴンに向かい飛来すると、当然これにはレイヴンも慌てた様子で声を
上げる!…勿論そんな光景をシロも目にすると途端にレイヴンの心配をし始め、
慌てて名前を呼ぶのだが!…レイヴンもレイヴンで被弾する訳には行かないので
回避行動!…その飛んで来た魔法に対して左右に避けるよう横っ飛び回避で
何とか被弾する事無く事無きを得ると、やはり帰って来た事に驚いて見せる!…
「な!?…何でや!?…何で魔法が帰って来たんや!?…
別に何か反射する様なモンは!?…」
「レ!…レイヴンさん大丈夫で!!…」
__……もわあぁ!!…ッ!?…ガアアアアアァァァァァ!!!!…
地面へ倒れる様にして回避をするとただ信じられないと!…その際何も無かった
事を口にして居ると、シロが心配した様子でレイヴンに駆け寄ろうとして
見せる!…その際レイヴンの事を呼んで大丈夫かの安否を確認するのだが、その
安否の声を掛けている最中に突如瘴気の壁がモワッと膨らみ!…するとシロも
途端に危険を察知した様子で直ぐに視線をその膨らんだ瘴気の壁へと向け出し!…
そしてその膨らんだ瘴気の壁より突如見た事の無い化け物が姿を現す様子を
目撃すると、シロは機敏に回避をする!…
「フッ!!……ッ!?…な、何ですかこれぇ!?…」
「……ッ!…猿の頭に虎の胴体!…
オマケに蛇の尻尾!?……ッ!!…まさか鵺!?…」
__ガアアアアアァァァァァ!!!!…バババッ!!…
「ッ!?…クッ!!…シロちゃん一旦退け!!!…
コイツはヤバい!!!」
突如現れた化け物に対してシロはすかさずバックステップで回避!…その際
その化け物の全体像を見ては酷く驚き!…レイヴンもそんな化け物の姿を
倒れながらに目撃すると、一つ一つ特徴を口にしてはその正体を看破する!…
その際その化け物の特徴と言うのは、猿の頭に虎の胴体!…更には尻尾にまで
意思が有るのか蛇が生えてはクネクネとしており!…シロをターゲットとして
居るのかシロに向かい威嚇!…すぐさま襲い掛かるよう身構え出し、レイヴンも
それを見て慌てて逃げる様に指示を出すと、次には立ち上がって魔法を唱える!…
__ババッ!…カッ!!…
「《その氷はあらゆる物を凍らせ!!…二度と癒えぬ傷を負わせる!!!…
凍てつく氷の道標!!…かの者に地獄への片道を指し示せ!!!…
アイスダッ!!……》」
__スウゥ!!……キラァン!!…
「ッ!?…か、鏡!?……ッ!…それに足?…」
シロの援護に入るよう魔法と唱えようとするのだが、この時自身に向かい
魔法を跳ね返して来た者の事など忘れた様子で!…とにかく魔法を詠唱しては
鵺に狙いを定め出し!…それこそ後は杖を突き付け放つ手前まで持って行くと、
次にはその瘴気の壁より突如妙な物が姿を現す!…それは鵺を守る様にして
突如姿を現すと、レイヴンの前に立ちはだかり!…魔法を反射したであろう
体の面を晒してはキラキラと輝き!…レイヴンもそんな物が出て来た事で一度は
魔法を放つ事を中断すると、驚いた様子でその正体を確認をする!…その際
レイヴンの目の前に現れたモノと言うのは、まるで三面式の姿見の様な鏡で!…
当然鏡が意思を持って動いているとかでは無い様子が伺え!…その鏡の後ろに
誰かが居る事を思わせる様に何やら黒い脚が見えて居るのを確認すると、更に
レイヴンは戸惑って見せる!…
{ッ!?…な、何なんだこの鏡!?…思わず魔法を止めちまったが!…}
【……ホウ?…サッキハ魔法ヲ唱エテ来タニモ関ワラズ踏ミ止マッタカ…】
「ッ!?…コイツ脳内に直接!?…」
三面ともレイヴンを映すと妖しく輝き!…レイヴン自身も警戒した様子で
とにかく何か嫌な予感を感じて居ると、次にはその目の前の鏡が喋る様に
何かを訴え出す!…その際鏡に映るレイヴンを操って何か身振り手振りと
言った挙動を見せると、同時に念話に似た何かで脳内に語り掛け!…
すると当然突如鏡が語り掛けて来た事でレイヴンは更に驚いて見せ!…
まるで某・ネタの様な言葉を口にして思わずたじろぐ様な素振りを見せて
居ると、更に目の前の鏡は話を続ける!…
【先程ノ我ガ取リ込ンダノヲ目視テノ警戒ナノカ?…ソレトモ別ノ何カカ?…】
「ッ!?…さっきの!?…って事はコイツが!?…」
まるで何か品定めをする様に上から目線でその目の前の鏡が語り掛けて来て
居ると、その鏡が話す言葉の中で気になる事を…鏡は「取り込んだ」と言う
言葉を口にするとレイヴンの考えを勝手に読み出し!…レイヴンもその
「取り込んだ」と言う言葉を聞いて察したよう!…先程のダークブリンガー
の事を思い出した様にその鏡に対して警戒した様な態度を見せると、次には
そんなレイヴンの反応を見て楽しむよう鏡が言葉を続ける!…
【フフフフ!…中々ノ威力!…実ニ取リ込ンデイテ心地ノ良イ物デアッタゾ?…】
「……チッ!…面倒なのが出て来たモンだ!!…
とにかくシロちゃんを!!!…ッ!?…」
__バチイィ!!!……カハッ!!…
「ッ!?…シ、シロちゃん!!!」
鏡が言葉を続けると言っても表現をして居るのは鏡に映るレイヴンの姿!…
そしてやはり念話の様な物をレイヴンの頭に向けて飛ばして居るのだが!…
この時レイヴンの魔法についてやはり上から目線で語り続け!…レイヴンも
そんな鏡に構って居る暇は無いと言った具合にシロの心配をすると、次には
シロが傷付いている姿を目撃する!…その際別にシロは鵺の攻撃を被弾した
とかではない様子で、何やらショックを受けた様にダメージを!…すると
当然そんな光景を目にしたレイヴンは慌ててシロの心配をし始め!…シロも
レイヴンに名前を呼ばれた事で怯みながらも体勢を立て直して見せると、
返事をする!…
__……ザザァ!!…ビッ!!…
「大!…丈夫です!!……はぁ!…はぁ!…
ただビリビリしただけで!…」
「ッ!?…だとするとそいつは雷属性!!…電気を使う!…
その手の奴は風に弱い!!…いつものカマイタチを中心に戦うんだ!!」
「ッ!…はいです!!」
体勢を立て直して地面を滑り!…レイヴンに対して目を合わせる事無くサムズ
アップをして見せると、大丈夫と返事をする!…しかしその様子からはやはり
ダメージが残って居る反応が見受けられ、珍しく肩で息を!…当然そんな
シロの様子を見てレイヴンは更に慌てて戸惑い!…とにかくシロが攻撃を
受けた際、ビリビリした!と言う話を聞いて鵺の扱う属性だけでも伝えると、
同時に弱点も口にする!…一応タイプ相性だけで見るとシロの方が有利なのだが、
体格差と経験の差!…そしてやはりまだ子供である分戦闘に覚束ない所が
見受けられ!…一応はシロもレイヴンからのアドバイスを聞いて返事をして
見せ!…再度目の前の鵺に対して身構える様な素振りを見せるのだが、やはり
不安を拭い切れない様子を見せて居た!…この時勿論レイヴンとしても直ぐに
手助けに入りたい所なのだが!…これまた勿論と言った具合に目の前の鏡が
邪魔をする!…
【フフフ!…鵺ノ弱点ヲ見破ッタ所デ勝テハセヌ!…
何故鵺ガ妖怪ノ中デモ「大妖怪」ト呼バレル部類ニ入ルカ?…知ッテ居ロウ?…】
「ッ!…チッ!!…一々ガタガタガタガタ!!…ウルセェ奴だな!!…
魔法が駄目なら物理でぶっ壊して!!…」
依然としてレイヴンの前に立ち塞がるよう鏡が邪魔をし!…レイヴンの助言に
対して嘲笑うよう念波を飛ばし出すと、その鏡からの念波にレイヴンは苛立つ!…
それは毎回毎回響く様に頭の中で聞こえて来ると、同時に自分の事を馬鹿に
して来る訳で!…別にレイヴンに煽り耐性が無いと言う訳では無いのだが、
やはり言われるとムカつくモノがあって!…レイヴン自身いい加減にしろ!と
言った具合に突如杖を握り出し!…その鏡に向かって握った杖を掲げカチ割ろう
として見せると、更にその鏡は念波を飛ばす!…
【ッ!…フハハハハハ!!!…愚カ!…愚カ愚カ愚カ愚カ!!!…
オ主ハ我ガ何者カ分カッテハ居ラン様ダナァ!?…
…良イデアロウ!!!…デハ教エルト進ゼヨウ!!…
我ガ名ハ!!…「雲外鏡」!!!…境界ヲ操ルト同時ニ!!…
自身ノ世界ニ入ッタ物ヲ自在ニ操ル事ノ出来ル付喪神ダァ!!!…】
__ヴウゥン!!…ッ!?…ボバババババババ!!!…
「ッ!?…ダ!…ダークブリンガー!?」
この鏡はトコトンレイヴンの事を馬鹿にして居る様子で、レイヴンの行動を蛮行と
ばかりに!…ただ笑っては愚か!と馬鹿にした言葉をレイヴンに続け!…今目の前で
杖を振り下ろさんとされて居るにも関わらず!…全くもって避けると言った動作を
見せる事無く突如として自己紹介をし始めると、その鏡を徐に揺らして見せる!…
と言うのもレイヴンが映って居る鏡の面をまるで水面を揺らすが如く波打たせると、
次にはレイヴンが唱えたあの影の剣が飛び出し!…レイヴンもレイヴンでそれを目に
するなり驚き戸惑い!…慌てて横に回避するようこれまた攻撃を中断して横っ飛び
回避で難を逃れると、鏡はその様子を見るなり笑い出す!…
【…クッ!!…ウッハッハッハッハッハッハッハ!!!…
マタ見事ニスッ転ビオッタワ!!!…コヤツ!!…
余程地面ニ転ガルノガ好キト見エル!…】
「ッ!?…ッ~~~~!!!…舐め腐りやがってぇ~~~!!!…
……ッ!……鑑定!!」
__ピピピ!…ヴウン!…
-----------------------------------------------------------------------
「雲外鏡」
Lv.45
HP 45000 ATK 0 DEF 400
MATK 0 MDEF 450
SKILL
魔法複製 Lv.11 魔法反射 Lv.11 眷属召喚 Lv.MAX
-----------------------------------------------------------------------
「鵺」
Lv.55
HP 57500 ATK 530 DEF 500
MATK 230 MDEF 450
SKILL
雷撃 Lv.11 無形の変化 Lv.11 再生能力(一部)
-----------------------------------------------------------------------
「…一応やっとかないとな!!!…」
レイヴンが盛大に地面へダイブをすると鏡は大爆笑!…更に追加で馬鹿にするよう
言葉を続け!…これにはレイヴンもスラストレーション溜まりまくり!…絶対に
ぶっ壊してやる!…と心に誓いながらもとにかくある事にハッと思い出した様子で
直ぐに動くと、鑑定を発動する!…するとそこには安心と信頼の敵ステータス
画面が!…雲外鏡は自身での攻撃手段は持って居ないのか攻撃が無しと、代わりに
レイヴンの魔法を模倣した様で!…鵺はこれと言って厄介なスキルは持って
居らず!…ただフィジカルが高い点だけを加味すると、やはりそれを相手にする
シロの事が心配になって来る!…となるとレイヴンがいかにさっさと鏡を破壊する
かに掛かって来るのだが!…
{……クソ!!…完全に魔術師殺しのスキル構成じゃねぇか!!…
…勿論シロちゃんはあの化け物の相手で手一杯!!…
俺が何とかしないといけない訳だが!…
アイツ魔法を模写して俺の詠唱より早く攻撃を仕掛けて来る!…
これじゃアイツをぶっ壊す以前にこっちがやられる!!!…
…何か他に手立ては!!……と言っても今俺に出来る事は!!…}
__……スゥ~……ッ~~~~……
改めて見る雲外鏡のステータスに怒りを覚える!…そこに書かれて有るのは
何度見ても対魔術師特化のスキル構成であって!…レイヴン自身今ほど
自分が魔術師で有る事に後悔を覚えられずには居られないで居ると、次には
どう戦うかで悩み出す!…この時シロは現在進行形で鵺と一戦交えて居ては、
とても助けを呼べる状態ではなく!…自分は自分で魔法メインなので魔法を
模写されては意味が無く!…何より相手はこちらが詠唱を終えるよりも先に
攻撃が出来る事を鑑みると、とてもでは無いが接近戦を仕掛ける事は出来ない
でいた!…しかしだからと言ってこのままやられっぱなしで終わる訳には当然
行かず!…レイヴンはふとある事を思い付いた様子で地面に倒れたまま魔法を
詠唱すると、ただ雲外鏡に煽られていた!…
【……ンン~~?…イツマデソウシテ地面ヲ這ッテ居ルツモリダ?…
コノママデハアノ白イオ嬢チャン……鵺ニ食イ殺サレテシマウゾォ~?】
「ッ!?…一々本当にガンガンぬかしやがって!!!…
テメェに言われんでも分かっとるわ!!!…
…てか!…既にやってるっての!!!」
【ッ!…ナニィ~?……】
一向に起きる気配を見せないレイヴンを笑い続け!…シロの事まで引っ張り
出し続けて煽ろうとすると、レイヴンが詠唱を終えた様子で文句を言う!…
その際完全に詠唱を唱え終えた時点相手にバレて居ない事を確認すると、
お返しとばかりに馬鹿にし!…するとそのレイヴンの言葉に鏡も興味を
持った様子で!…何が起きるのか楽しみと言った様子ですっ呆けた反応を
見せて居ると、次にはそのシロ達が戦って居る方向より!…奇妙な悲鳴?…
いや、悲痛な叫び声が聞こえて来るのであった!…
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