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-第四章-オータムクラウド国編-

-第四章五十三節 四体のオーガとオリハの文句と蝕む瘴気-

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恐らく元凶と思われる瘴気の壺を見つける一方で瘴気が濃くなってはオリハに

負荷デバフと言う形で重く圧し掛かる!…呼吸は否応なしに乱れると肩でするモノと

なって行き!…武器を握る手も震え!…足もまるで鉛を付けているかの様に

重く鈍く!…思う様に体が動かせない事でオリハが本当にヤバいかも知れない!

と考えて居ると、その一方で神輿に乗る親玉は品定めが終わったのか!…フッと

笑いオリハを見下ろしながらニヤニヤとして見せると、何を思ったのかと突如と

してオリハにこう話し出す!…


「……フッ!…丁度良い!…

ただ何にもない街中を練り歩かされるのに飽きて来て居た所だ!…

…で、お前は少しくらい楽しませてくれそうだなぁ?…

玩具としても…女としても!…ケヒヒヒヒ!!…」


「ッ!!…チッ!!…下種が!!…

誰がテメェ如きに!!…て言うかそう言うのはまっぴら御免なんだよ!!!」


「おいおい…そう恥かしがんなって?…イイ女だぜぇお前は?…

乳も尻もデカくて!……いいから俺と一緒に来いよ!…

…なぁに!…直ぐに俺無しじゃ生きられない様にしてやるからよぉ!…」


「……スゥ……ハァ……ッ!…ゲホッ!…ゴホッ!…

…クッ!…馬鹿に何を言っても無駄か!…さっさと始末するに限る!!…

……とは言え!…どうやってこいつ等とやり合おうか?…

あの冒険者の話が正しければこいつ等は!…」


親玉は今やって居る事を退屈の言葉で片付けるとオリハに目を付けた様子で!…

と言うのもオリハを女として見て居るらしく!…自身の欲望を処理する為の

道具とでしか見て居ない事を口にすると、オリハもそれを耳にするなり鳥肌を

立てる!…そして武器を手に冗談じゃない!とばかりに文句を言うと、毛を

逆立て敵意を露わにするのだが!…親玉はそんなオリハに対して今だ余裕の

表情を見せて居り、更には勘違いした様子で照れて居るのか?とばかりに言葉を

続けて見せると、もはや自分のモノにしたよう下種な台詞を口にする!…

するとそれを聞いてオリハも真面に会話が出来ないと理解したのか、次には

深呼吸…しかし瘴気が充満している中でやったものだからすぐに咽!…とにかく

怒りで我を忘れないようどう始末するかで悩んで居ると、親玉はその神輿を

担がせている子分達に命令を出す!…


「……オイお前ら!!…

この女を軽ぅ~く揉んでやれ!!……勿論殺すなよ?…

後で俺様がたっぷりと楽しむんだからなぁ?…ケヒヒヒ!!…」


__……ザッ…ザッ……ガタンッ!……ジリッ…


「ッ~~!!!…ほんっとうに気色悪りぃ!!……とにかく!…

あの倒れていた冒険者達も恐らくこいつ等にやられたんだろう!…

…オーガか……まだ戦った事の無いモンスターだけど果たして?…

鑑定アプレェィザァル!!」


自分が出る幕は無いと思って居るのか…オリハの事を見下した様子で子分の

オーガ達に命令を出すと、子分のオーガ達は不満そうながらも命令に従う!…

その際やはり神輿は大事なのか衝撃を与える事無くそっと地面に降ろして

見せると、スッとオリハの居る方へ振り向くなり腰を落として身構え!…

オリハはオリハで今だ親分の台詞に寒気を覚えては気色悪いと!…更には

どう戦うか?と自身の状態も加味して考え始め!…とにかく安定の初手から

入って行くと、オリハの目の前にはそのオーガ達のステータスが開示される!…


__ピピピ!…ヴウン!…

 -----------------------------------------------------------------------

 「レッドオーガ」  

 Lv.35

   HP 7500 ATK 330    DEF 300

      MATK 0   MDEF   0


 SKILL

 剛腕烈士 Lv.5 鬼の血
 -----------------------------------------------------------------------

 「ブルーオーガ」  

 Lv.35

   HP 7500 ATK 300    DEF 330

      MATK 0   MDEF 150


 SKILL

 剛腕烈士 Lv.5 鬼の血
 -----------------------------------------------------------------------

 「グリーンオーガ」  

 Lv.35

   HP 7500 ATK 300    DEF 300

      MATK 150 MDEF   0


 SKILL

 剛腕烈士 Lv.5 鬼の血
 -----------------------------------------------------------------------

 「パープルオーガ」  

 Lv.35

   HP 7500 ATK 330    DEF 330

      MATK 150  MDEF 150


 SKILL

 剛腕烈士 Lv.5 鬼の血
 -----------------------------------------------------------------------


{……四体ともそれぞれ微妙に能力が違う!…でもスキルは同じ!!…

…それにこのスキルは何?…剛腕烈士?…聞いた事が無い!…}


オリハの前に現れたオーガはそれぞれ赤・青・緑・紫と言った巨漢の鬼!…赤は

右角が異様に発達しては左角が小さく!…青はその逆、左角が異様に発達しては

右角が小さい!…まるで左右対称の様に見て取れては前衛に立つよう身構えて

見せて居た!…そしてその後方では緑と紫!…緑は両角とも小さく見えては他より

弱く見え!…逆に紫の方はと言うと立派!…両角とも発達した様子でやはり

オリハに対して敵対したよう身構えて見せると、オリハ一人に対して四人掛りで

掛かって行く様子を見せて居た!…因みにオリハの身長は約160cm…それに対して

オーガ達は2mをゆうに越えて居り!…オリハもそんな馬鹿デカい鬼を目の前に!…

その子分のオーガ達が持つスキルに警戒を示しつつ!…如何動くかでオーガ達の

動向に気を掛けて居ると、子分のオーガ達はまるで連携を取る様に動き出す!…


__………バババッ!!…


{ッ!!…来る!!!…}


__オオオオオオォォォォォ!!!!…ブオン!!…ブオン!!…


{ッ!?…か、空手!?…でもこの程度の動きなら!!…}


子分のオーガ達はまずオリハを逃がさない様に取り囲むとオリハの動きを制限!…

そしてオリハも突然の事に反応出来ず!…と言うよりも瘴気のせいで思う様に

動けず!…いとも簡単に取り囲まれてしまうと、次にはその子分のオーガ達より

襲い掛かられる!…この時その子分のオーガ達は技の掛け声を出すよう声を

挙げながらオリハへ向かって行くと、拳や蹴りを繰り出し!…それは宛ら空手の

組み手をするよう突き出してはオリハに攻撃を加え!…オリハもそれに反応して

何とか回避を試みて行くと、その動きに覚えが有るのか回避をする事に

成功する!…そしてこれなら!…と言った様子で一時的ではあるが余裕を持つと、

すかさず反撃にも転じて行く!…


{……ッ!!…こいつ等もしかして!!…

二体以上で攻めてこない!?…だとすると!!…}


__オオオオオオォォォォォ!!!!…ブオン!!……


「ッ!…その掌底なら!!……フッ!!…」


__バシュン!!…ズバァン!!!…ッ!?…グオオオオォォォォォ!!!…


この時オリハはそのオーガ達の戦闘方法にあるきっかけがある事を見つける!…

そしてその見つけた事と言うのは絶対に二体以上で攻撃を仕掛けて来る事が無い

と言う事!…それはその巨体のせいでFFフレンドリーファイアを恐れているせいなのか、

はたまたシステムの都合上のせいなのか?…とにかくオリハはこれを好機!と

受け取った様子で!…丁度飛んで来るオーガの掌底に合わせて腕の下に!…

するとその腕が完全に伸び切った所でその腕を両断!…下から飛び上がる様に

してレッドオーガの右腕を斬ってしまうと、レッドオーガを大きく怯ませる!…

その際レッドオーガは斬られた腕を抱えては仰け反る様な素振りを見せるのだが、

オリハは構わず追撃を!…この時飛んだ拍子に丁度その高さはレッドオーガの

顔の位置に滞空しており!…追撃に回し蹴りをレッドオーガの顎から首に掛けて

狙いを付け放って見せると、見事にその回し蹴りはクリティカルヒットの一撃

となる!…


「よし!!…ならオマケでこれも喰らえ!!!…」


__フォン!…バキイイィィ!!!…ッ~~~!!!……ズダアアァァン!!!…


「ッ!?…ほほぅ?…実に面白いじゃあないか?」


__どよぉ!?……ッ~~~~!!!!…オオオオオオォォォォォ!!!!…


オリハの本気の回し蹴りはレッドオーガの顎を捉え!…否応なしにその首を

180度回転させると、戦闘不能にしてしまう!…と言ってもまだ完全に倒し

切った訳では無いのでピクピクと痙攣して居る状態なのだが、それでも尚

その様子に親玉も驚いた様で!…しかし怒ると言った様子を見せる事無く

ただただ面白いと!…更に興味を持った様に笑い続け!…子分達もそんな

仲間の様子を目にしてヤバいと感じたのか!…更に気合を入れる様に吠え

始めると、オリハへ更なる攻撃を仕掛ける!…しかしオリハも既にゾーンに

入って居るのかそんな攻撃に対し!…逆に才能を爆発させるよう反撃に出ると、

更に子分を薙ぎ倒して行く!…


__オオオオオオォォォォォ!!!!…ブオン!!……


「ッ!?…フンッ!!!」


__ズバァン!!!…クルッ!!…ガッ!!…ッ!?…


「もう一丁!!!」


それこそブルーオーガはレッドの仇を取るようオリハに回し蹴りを繰り出す

のだが!…オリハもそれを察した様子で直ぐに切り返し!…その飛んで来る

足を見事に野太刀で両断してしまうと、振り下ろした勢いそのままに足払いを

掛ける!…その際狙うはブルーオーガの軸足!…ブルーオーガは自身の右足を

斬られた事にも驚くのだが、続け様に足払いを掛けられた事で更に困惑!…

勿論抵抗など出来る筈も無く足払いに引っ掛かり!…バランスを崩しそのまま

フラフラと回転するようオリハの方へ倒れようとして居ると、更にオリハは

止めの一撃を見舞って見せる!…


__ズバシュン!!!……ッ!!………ズダアアァァン!!!…


「…これで二体!!…次ぃ!!!」


__ッ!?…ジリッ!……


それは足払いを掛けた勢いを更に利用しての斬り上げ!…オリハは跳び上がる

様にして自身の方に向かい倒れて来るブルーオーガをタイミングぴったしに

斬り飛ばし!…斬られたブルーオーガも成す術なくそのまま宙を舞う様に後方へ

飛び!…そのまま受け身を取る事無く叩き付けられるよう地面に落ちると、

血を噴水の様に噴き出しては動かなくなる!…そしてこの時その巨体が倒れる

重い音が辺り一帯に響いて地面を揺らすと、その光景を見たグリーンと

パープルは激しく動揺!…思わずその場から逃げ出そうとする位に後退りをして

見せ!…それを見た親分も途端にピクっと反応して見せると、その声に怒気を

混ぜる!…


「ッ!……おい、何を手間取って居るのだ?…」


__ッ!?……タジッ……


「…たかが獣人の女一人に何たる様だ!!…

それでもテメェらは誇り高いオーガか!?…

…二度も言わねぇ!…さっさとその女を捕まえて俺の元に連れて来い!!…」


時間を掛け過ぎ…と言うよりもいい様にやられている光景を目にして怒りを

覚えたよう!…その親分の声を聞いてグリーンとパープルも振り返り!…

慌てた様子でたじろぐ様な素振りを見せて居ると、まるで産れたての小鹿の

ようプルプルと震える!…それだけその親分の怒りが恐ろしいと言う事なの

だろうが、親分は口だけでそこから動こうとせず!…不甲斐ない!の言葉で

残ったオーガ達にパワハラを掛け!…早くオリハを捕まえる様に再度イライラ

した様子で命令すると、その親分の言葉にオリハが噛み付く!…


「……その獣人の女一人自分で捕まえようとしない無能に言われた所で!…

その二人はみすみす自分の命を投げ捨てるかねぇ?…」


「ッ!?…何だと!?…」


「…部下ばっかに働かせてねぇで!…

自分で動いて見ろって言ってんだ!!…

どいつもこいつも部下が居る!…

自分より下に兄弟が居ると思ったら扱き使いやがって!!!…

下で頑張ってる奴らを舐めんなよ!!!…このド三下!!!…」


それこそ今そこで座って居るだけのテメェの方がよっぽど格好悪い!と言った

様子で嘲笑うよう言葉を口にすると、そのオリハの挑発に乗ったよう親分が

反応!…するとそんな親分の反応を目にしたオリハも更に挑発の言葉を続け!…

普段感じている!…思って居る事をその親分に重ねるようイライラの言葉を

口にすると、同時に手に持っている野太刀を親分に突き付ける!…そうして

サシ1対1でやるようオリハは親分の事を挑発し続けて見せるのだが、さすがにその

挑発にはまだ乗って来ない様で!…眉間にしわを寄せては蟀谷をピクピク!…

それでも必死に怒りを抑えてオリハの事を睨み付けると、もう一度子分達に

命令をする!…


「ッ!?…こ、このアマァ!!…

さっきから聞いてりゃ良い気になりやがってぇ!!…

おい!!…何が何でも捕まえろ!!!…

逃げる事は許さねぇからな!!!」


__ッ!?………ジリッ……


「……可哀そうに…無能な上司を上に持ったばかりに…

こんな事になるんだからな?……くわばらくわばら…」


何が何でも捕まえる様に怒気を飛ばすとオリハを指差し!…怒りを抑えるよう

呼吸を荒げて見せると、残り二体のオーガもその命令に戸惑い慌てる!…

その際自身の中で秤に掛けるよう一度は考える素振りを見せるのだが、それも

直ぐに終わり…オリハに対してまた空手でもするよう徐に身構えて見せると、

今度は警戒した様子で詰め寄って行く!…するとそんな様子にオリハも哀れに

思えて来たのか、次にはそのオーガ達を同情した様子で…恨むなら親玉を

恨む様に言葉を続け!…その向かって来るオーガ達に対して野太刀を構え直して

見せると、オーガ達は再度オリハに襲い掛かる!…


__ジリッ…ジリッ…ッ~~~~!!…オオオオオオォォォォォ!!!!…


「ッ!!…やっぱり来るのね!!…

如何なっても知らねぇからなぁ!!!」


__オオオオオオォォォォォ!!!!…ブオン!!……スウゥ…ズバァン!!!…


徐々に詰め寄って来るオーガ達に対してオリハは一歩も動かず正眼の構え!…

まるで向こうから寄って来るのを待って居る様で…するとそんなオリハの様子を

不気味に思ったのかオーガ達は更に警戒!…だがそれも直ぐに我慢出来なく

なった様子でグリーンが突如発狂した様に飛び出して行くと、オリハに向かい

正拳突きを繰り出す!…しかしその正拳突きは決してオリハに届く事は無く、

野太刀で受け流されると流れのままに腕を斬られ!…下から軌道を変える様に

斬り上げてはその腕を斬り飛ばすと更に追撃!…斬り上げた勢いそのままに

その場で回転するよう今度は水平に野太刀を振って見せると、遂にはグリーンの

上半身と下半身を分断する!…


「…悲しいけど…これも戦闘なのよね!!!」


__グオオォォ!!…ズッバアアァァン!!!……ッ!?……ドサァ…ズシャァ…


{……獣人…ましてやたかが女と思って舐めていたが……ここまでやるとは…

…確かにこれでもう神輿を動かせないのは少々痛手ではあるが…問題は無い!…

全てはあの方が復活するまでの間のこと!…

あの方が復活すればこの様な小細工等もう必要ない!…

…今は目の前のこの女だけを如何にかすれば!…}


何処かで聞き覚えの有る台詞をオリハが口にしてはグリーンを両断!…すると

その様子にパープルも慄きまたもや足が竦んだ様子を見せるのだが!…後ろには

更にヤベェのが居ると言った様子で持ち堪え!…オリハに対して如何攻撃を

繰り出すかで悩む様な素振りを見せて居ると、そのパープルの後ろでは親玉が

改めてオリハの戦いぶりに驚いて見せる!…その際今まで舐めて居た様子で

オリハの事を見詰めて居ると、神輿が動かせない事を痛手と!…しかしそれも

直ぐに終わると言った様子で何かに対して期待を持ち!…オリハを見詰めながら

ニヤッとした笑いを浮かべると、その一方でオリハも息を切らして不調を零す!…


「…はぁ……やっぱ獣人っつっても順応は出来ないか…ッ~~!!…

ゲホッ!!…ゴホッ!!……更に体が重くなった気がする!!…」


{…後はあの紫色とその後ろの黒い親玉!!……だけど行けるかな?…

まだパープルは何とかなる気がするけど…あの親玉の方は全くの未知数!…

先にアイツだけでも倒せて居たら気持ち的に楽だったけど!……

…ウダウダ言ってても仕方が無い!!…他でもみんなが戦ってるんだ!!…

負けてられない!!!…}


__はぁ…はぁ……ッ~!!…チャキッ!!…


ただでさえその瘴気を生み出す元凶が後ろに有って!…更には連戦!…確かに

被弾こそはして居ないがTPの消費が恐ろしい位に早く!…オリハ自身体が重く

感じられると、それこそ熱を出した時みたいなダルさが全身を襲う!…しかし

だからと言って弱音を吐いている場合では無く、必死にオーガ達に対して

武器を構え直し!…自身の心の中で折れない気持ちを確固たるものに!…

絶対に負けない!と言う意思を胸にそのオーガ達を睨むようとにかく呼吸を

整えられないか?と藻掻いて居ると、その様子を見た親玉は不敵に笑う!…


「……ッ!…ケヒヒヒヒ!…

何だかんだ言ってても…やはり瘴気の中では辛そうだなぁ?…

如何した?…もうそろそろお終いか?…」


「ッ!!…舐めんじゃねぇよ!!……確かに辛いのは辛いが!!!…

こんな所で折れてらんねぇんだよ!!!………これは現実リアルだ!!…」


「ッ!…はぁ?…」


息苦しそうに呼吸をするオリハを見てチャンスと笑い!…煽られた分煽り返す

よう言葉を口にすると、その言葉にオリハは更に噛み付く!…それこそまだ

折れてない!と言った具合に必死の表情を見せつつ言葉を口にすると、突然

思い立った様に現実と!…すると当然その言葉に親玉は訳が分からない様子で

疑問を持ち出し、一体何を言って居るんだ?…と言った具合に奇妙な物を見る

様な目でオリハの事を見続けると、オリハは更に言葉を続ける!…


「たかがゲームじゃない!!…現実リアルなんだ!!!…

世界線が違うだけで同じ様に人が死ぬ!!!…

そしてそれを守れるだけの力を今俺は持ってる!!…

…別に兄さんあにさんみたいに英雄になりたい!って訳じゃないけど!!…

目の前で蹂躙されそうになって居るのを黙って見て居られるほど!!!…

こちとらヒトデナシじゃねぇんだ!!!!」


たかがゲーム!…されどゲーム!…まるで異世界転生して来たかの様にオリハは

言葉を続けると、何も変わらないと!…ただ今の自分には化け物とやり合うだけ

の力がある事を口にし!…その際引き合いに自身の兄マサツグを出すと、自分は

英雄には憧れて居ないと言葉を続ける!…この時恐らくオリハとしてはオーガ達の

蛮行を許す気は無い!…と言う意味で今この言葉を口にして居るのだろうが、

オーガ達からするとそれはまるで瘴気の吸い過ぎで錯乱して言葉を続けている様に

見え!…となるとオーガ達も何故今それを口にするのか?と疑問を持ち出し!…

本当に訳が分からない様子で固まっており!…ただ黙って話を聞き続けて反応に

困る様な素振りを見せて居ると、オリハはオリハで構わず自身の信念を口に

する!…それこそ絶対に負けない!とだけハッキリ態度で露にするよう野太刀を

構えて見せると、親分もその反応を見てやはり分からない様子で首を傾げ!…


「……なぁにを訳の分かんねぇ事言ってんのか知らねぇが?…

だったら頑張って見ろよ?……もっとも?…

他人を守る前に自分の身一つ守れるかどうかすら怪しいがなぁ!?…

ケヒヒヒヒヒヒ!!!…」


__オオオオオオォォォォォ!!!!…ブオン!!…


「ッ!!…オオオオオオオォォォォォォ!!!!」


この時オリハの言葉の意味を理解出来ないで居ると馬鹿にするよう言葉を続け!…

結局の所自分がピンチである事に変わりは無い!と突き付ける様に親分が笑って

見せると、パープルが仕留めに掛かるようオリハへ襲い掛かる!…それこそ弱って

居る!…今がチャンスと言った具合に拳を振り上げると突貫して見せ!…オリハも

それに合わせて吠えるよう動き始めると、そのパープルの動きに合わせて野太刀を

滑り込ませる!…


__スウゥ……ズバアァン!!!…ダッ!!…


{このまま仕掛ける!!…勢いに任せてコイツを斬って!!!…

壺だけでも破壊出来る様に整える!!!…今俺がやられたとしても!!!…

後から来る誰かが壊してくれると信じて!!!…}


「ウオオオオオオオオオォォォォォォォ!!!!」


「……フッ!…よく頑張った!…と褒めてやるが?…」


オリハは向かって来るパープルの懐に入り込むよう身を潜らせ!…パープルの

突貫拳を回避すると、続け様にパープルの胴体を水平斬りで斬って捨てる!…

するとそこからオリハは更に親玉へ向かって駆けて行き、玉砕覚悟の一太刀を

見舞おうとするのだが!…親玉はその目の前に迫って来るオリハに対して笑って

見せ!…スッと振り下ろされんとする野太刀に向かい両手を突き出して見せると、

次にはその野太刀を白刃取りする!…


__フォン!!…パシィン!!!…


「ッ!?…なっ!?…」


「最初に比べてキレがないぞぉ?…

寧ろその程度で俺様に勝てると思ったのかぁ!?…」


__グォン!!!…ブオン!!!…ッ~~~!!!!…


「……フン!…だとするとこいつ等も少しは役に立ったと言う所か!…」


駆けて行くオリハの太刀筋は頭の上から真っ直ぐに振り下ろされる上段!…

しかしそれを真剣白刃取りされた事でオリハは戸惑い!…思わず次の動きを

考えて居たにも関わらず止まってしまうと、その隙を狙う様に親玉から

反撃を貰う!…その際反撃と言っても白刃取りされた野太刀ごとオリハを

持ち上げては前方へと投げ飛ばしただけなのだが!…さすが親玉と言った

所か投げた勢いが凄く!…その投げる際もオリハにキレが無い!と言っては

笑って見せ!…まるで最初の四体はただ体力を消耗させる為の捨て駒と

言った風に親玉が笑い続けて居ると、オリハも地面に叩き付けられた所で

受け身を取る!…


__コオオォォ…ドシャアァァン!!…ゴロゴロ!…バッ!!…ザザァ!!…


「ッ!…ほほぅ?…まだ受け身を取るだけの元気が有るか?…

だがそれももう限界の様だな?…」


「はぁ!…はぁ!…ッ!!…ッ~~~~!!……

なんて馬鹿力なんだよ!!!…これだからゴリラは!!!……

…それよりもどうする!!…相手は他の奴に比べて圧倒的に知力が有る!…

パワーは勿論だけどスピードにテクニック!!…さすがと言った所か?…

…クソッ!!…あと少しなのに!!……せめて!!…鑑定アプレェィザァル!!」


__ピピピ!…ヴウン!…

 -----------------------------------------------------------------------

 「ハイオーガ・ロード」  

 Lv.50

   HP 49500 ATK 490    DEF 430

      MATK 150 MDEF 330


 SKILL

 剛腕烈士 Lv.12 肉体強化 Lv.7 激昂 Lv.15 鬼の血・特濃  
 -----------------------------------------------------------------------


親玉は瘴気で消耗して居ようが投げられても尚受け身を取ったオリハに更なる

関心を持ち出し!…久々に楽しめる!と言った具合に胸を高鳴らせて居ると、

オリハも息を切らしては親玉を睨む!…その際地面に叩き付けられた衝撃で

肩を傷めてしまうと、思わずその痛みに耐えるよう負傷した肩に手を!…

押さえながら親玉に対して文句を言い出し!…そして改めて他のオーガ達と

格が違う事を認識すると、厄介極まりない!と言った具合に困惑する!…しかし

それでオリハの闘志が消える事は決してなく!…何か策が無いかと考えると

鑑定アプレェィザァルを発動し!…するといつもの様に目の前にはその親玉のステータスが

開示され!…色々と厄介なスキルが書かれてある事を確認して居ると、ふと

ある事に気が付く!…


{……やっぱりこいつも脳筋型か!…

だとすると迂闊な接近戦は不味いんだけど!!…今の俺に遠距離技は無い!!…

否応無しの接近戦!…となるとスピードも鍵になって来るけど!!…}


「……如何した?…諦めるのか?…

…だとしても俺様はお前を逃がすつもりはないぞ?…

お前には俺様の子を孕ませて世継ぎを産んで貰わねばならんからなぁ?…」


{ッ!?…知らん間にクッ殺展開になり掛けてるぅ~!!…

冗談じゃねぇ!!!…幾ら女の成りしててもこっちは男なんだ!!!…

…死ぬ気で勝ちに行かないと!!!…

…まだやられた事も無いから如何なるかは知らんが!!…}


オリハが気付いた事と言うのもただ些細な事…それは親玉が近接特化と

言う事で、迂闊な接近戦は不味いと!…しかし今のオリハには野太刀

以外の攻撃方法が他に無く!…更に状況が悪いと言う事に気が付いただけ

であった!…そうして親玉のステータスと睨めっこしたまま次にどう

戦うかでオリハが必死に悩んで居ると、そんなオリハを煽る様に!…

親玉は突如として両腕を広げてはまるで飛び込んで来い!とばかりに

胸を張り!…遂にはオリハを逃がしはしないと!…自分の女にする事を

思い出したよう言葉を口にし始め、その言葉も最低でオリハが改めて

自身の身に危機感を覚えると、死んでも勝つ!と心に誓うのであった!…

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幼馴染達にフラれた俺は、それに耐えられず他の学園へと転校する

あおアンドあお
ファンタジー
俺には二人の幼馴染がいた。 俺の幼馴染達は所謂エリートと呼ばれる人種だが、俺はそんな才能なんて まるでない、凡愚で普通の人種だった。 そんな幼馴染達に並び立つべく、努力もしたし、特訓もした。 だがどう頑張っても、どうあがいてもエリート達には才能の無いこの俺が 勝てる訳も道理もなく、いつの日か二人を追い駆けるのを諦めた。 自尊心が砕ける前に幼馴染達から離れる事も考えたけど、しかし結局、ぬるま湯の 関係から抜け出せず、別れずくっつかずの関係を続けていたが、そんな俺の下に 衝撃な展開が舞い込んできた。 そう...幼馴染の二人に彼氏ができたらしい。 ※小説家になろう様にも掲載しています。

【全話挿絵】発情✕転生 〜何あれ……誘ってるのかしら?〜【毎日更新】

墨笑
ファンタジー
『エロ×ギャグ×バトル+雑学』をテーマにした異世界ファンタジー小説です。 主人公はごく普通(?)の『むっつりすけべ』な女の子。 異世界転生に伴って召喚士としての才能を強化されたまでは良かったのですが、なぜか発情体質まで付与されていて……? 召喚士として様々な依頼をこなしながら、無駄にドキドキムラムラハァハァしてしまう日々を描きます。 明るく、楽しく読んでいただけることを目指して書きました。

俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない

亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。 不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。 そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。 帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。 そして邂逅する謎の組織。 萌の物語が始まる。

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