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-第四章-オータムクラウド国編-
-第四章十七節 どうしても酒盛り!と影の正体とトンデモな道案内!-
しおりを挟む「……マサツグや!…ちょっと良いか?」
「ッ!……如何した?…お子様はオレンジジュースで我慢…」
「ッ!?…お子様扱いするでないわ!!!…
…それよりも!…妙な奴に見られておる!!…数は一人!!…
先程からこっちの様子を見て居るが如何する?…」
フィロはその怪しい影に対してバレないようマサツグを呼び!…マサツグも
フィロに呼ばれた事で適当に返事をすると、先程の酒盛りの話を掘り返した
様子で言葉を続ける。その際思いっきりフィロの事を子供扱いするのだが…
案の定子供扱いされた事でフィロが怒ると、改めてその怪しい影について
話し出す。この時もやはり相手に悟られないようマサツグにその影の人数を
話すと、マサツグもそれを言われて気が付いた様子で!…それこそ堂々と
周りを見ると言った事をする訳では無いのだが、チラッとバレない程度に
辺りを見回すと、徐に感知を発動する!…
「ッ!…マジか!………感知!…」
__ピィーーン!!……ヴウン!!!…
「ッ!……ギルドの中…って言うか町の中は非戦闘区域じゃないのか?…
思いっきり何か反応出てるし!…」
ギルド内を探る様に感知!…すると案の定フィロの言って居た通りに
ミニマップ上には妖しいアイコンが表示され、マサツグもそれを見て若干
驚いた風に反応すると、思わず面倒だ…と言った様子で呆れてしまう!…
その際町の中は安全なんじゃ?…ともぼやくと、自分の中で思い当たる節を
思い出して行き!…するとマサツグとしては不本意ながらも心当たりが
多く!…心の中でどうしてこうなった?と考えて居ると、フィロが珍しく
周りを気にした様子で言葉を口にする!…
「このままだと他の者にも迷惑が掛かると思うが……如何する?…」
「ッ!…フィロ……そうだな!…」
「……ッ!…んん~何ぃ~?…如何したぁ?…」
「ッ!…あぁ、いや何でも無い!…てか俺は酒盛りパスするわ!…」
いつもなら…と言うよりもフィロの傾向上直ぐにその不審者に対して火を付け
そうなモノなのだが、フィロの中にも仲間意識が芽生えたのか!…周りの迷惑を
最優先に考えた様子で言葉を口にすると、思わずマサツグはそのフィロの言葉に
感動を覚える!…まだ出会って然程時間は経っていないにしてもちゃんと仲間を
認識して居る!…そんな感動を覚えつつフィロの問い掛けに対して悩んだ様子を
見せて居ると、マサツグ達の様子に気が付いたのかレイヴンが声を掛ける!…
この時何も知らない様子で気軽にマサツグへ声を掛けると、マサツグもレイヴン
に声を掛けられた事でハッとし!…それと同時にふとある事も思い付き!…
マサツグは今から行われる酒盛りを断る様にしてその場を後にしようとすると、
レイヴンも何かに気が付いた様子で突如奇行に走る!…
「ッ!…そうか……おぉ~い!!…
マサツグが逃げるってよぉ~!!」
「ッ!?…はぁ!?」
この場合奇行と言うよりも珍しい行動で!…レイヴンは大声でマサツグ達の
不参加を口にすると、マサツグを驚かせる!…普段不参加と言った場合…
後で皆に話すと言った感じなのだが、今回だけは違い!…それどころかその
怪しい影にバレる様な!…そんなトンデモ行動をされた事にマサツグも
戸惑って声を上げて居ると、それを聞いた他の面々達も途端に反応を示す!…
「ッ!…おいおい!…
リーダー居ぃひん記念会とか有り得んやろだろ!!
逃がすかっての!!」
「そうだぞ、付き合いが悪いっての!!…
…それに!…」
「「「黙って一人だけに面倒事を任せられるかっての!!!…」」」×3
「ッ!!…え?…」
マサツグの不参加を聞いてまずはライザが引き留めに掛かり!…その際マサツグの
元へと歩いて行くと目の前で仁王立ち!…まるで邪魔をする様に全く動く気配を
見せないで居ると、マサツグに対してニヤッと笑う!…するとそれに続くよう
モツも徐に席を立つと、ライザの隣に立って見せ!…この時ライザと共に壁を
作ってはマサツグを隠し!…まるで先程から見られている事に対し気が付いている
様子でライザ同様ニヤッと笑って見せると、次にはレイヴンも交じって言葉を
口にする!…その時三人が言った言葉と言うのは、やはりマサツグ達同様その
怪しい影に気が付いて居る様子で!…ついでにマサツグの考えも読めている!と
言った具合にカッコ付け!…そんな三人の言葉にマサツグが戸惑ったよう反応
すると、アヤがふと気が付いた様子で声を掛ける!…
「……ッ!…あれ?…皆如何したの?…急にマサツグの目の前に並んで?…」
「ッ!…あぁ!…気にしなくていいよ!!…
それよりもこのギルドには酒類は置いてない筈だが?…」
「え!?……ッ!?…ほ、本当だ!!…はあぁ~…」
先程までの流れを全く聞いて居ない位にアヤは何かに夢中になって居た様子で!…
今更になってモツ達の様子に気が付くと何事かと言い出し!…それに対してモツが
気を遣わせない様に何でも無い!と言うと、改めてギルドに酒類が置かれてない
事を口にする!…するとそれを聞いたアヤは慌てて机の上に置かれて有るメニュー
表を手に取ると、中を確認し!…そこでモツの言う通りに酒類が置かれてない事に
気が付き!…ショックを受けた様な表情を浮かべ大きく溜息を吐いて見せると、
ライザが苦笑いをしてはアヤを宥める!…
「いやいや!…そないにガッカリせんでもえぇやろ!!…
俺が良い店紹介したるさかいに!…もう少しの辛抱や!…」
「ッ!…本当に?…」
「ッ!?…あ、あぁほんまや!!…
…ただ時間がまだ昼間なんやけど…行くんか?」
「ッ!!…勿論よ!!!…酒!!…飲まずには居られないわ!!!」
{{{何処の吸血鬼なんだよ!!…}}}×4
ライザがアヤの様子にツッコミを入れると店を紹介すると言い!…そのライザの
言葉に反応してアヤが機敏にライザの方へ振り向くと、その言葉が本当かどうかを
尋ね出す!…その際期待した目でライザの事をジッと見ると、さすがのライザも
そんなアヤの視線には戸惑った様子で!…とにかく肯定しては時間を気にし…
今から行くのかどうかについて尋ねると、アヤは上機嫌で返事をする!…この時
何処かで聞き覚えの有るフレーズも口にすると、マサツグ達四人は心の中で
ツッコミ!…その一方でレイヴンは徐に念話を発動!…パーティ全体に繋げ現状の
状態について話し出すと、注意喚起を同時にする!…
__……スウウゥゥン!…
{あ~、あ~…マイクテス、マイクテス…
…この会話が聞こえてたら何も反応しないで聞いて欲しい!…
現状如何やら俺達は何者かに監視を受けているみたいだ!…}
「ッ!…え?…」
{…反応はするな?…敵に感付かれる!…
…見た感じ仕掛けて来る様子は感じられない…
それに人数も一人……だが注意をするに越した事は無い!…
一応警戒をする様に!…}
__スウウゥゥン!…ッ!?……ッ…
それこそ最初の入りが放送のアレなのだが…レイヴンは全員と念話で繋がって
いる事を確認すると、用件を話し出す!……言わずもがな用件は先程からの
怪しい影についてで、突如念話を繋げられた事でアヤは戸惑い!…思わず目に
見えてキョドってしまうと、レイヴンから注意を受ける!…この時マサツグ達は
誰一人慌てる事は無く、注意を背後の怪しい影に向けて居り!…レイヴンは
レイヴンで状況を再確認しつつ説明し!…警戒を怠らないよう最後にメンバー
全員に忠告をすると、念話を切る!…すると突如念話をされた事でアヤは今だ
戸惑って見せるのだが、そこは先輩冒険者で有り!…何とか気丈に振舞うと
落ち着きを取り戻し!…マサツグ達の様子を見て先程の念話が真実である事を
確認すると、警戒を強める!…さてそうなって来ると酒盛り処ではなくなって
来るのだが!…ライザは気を取り直した様に音頭を取ると、外へと促す!…
「……まぁとにかく!…今からその店に行こか!…
確かに時間的のもまだ昼位やけど!…
確かそこは昼からでもイケた筈やさかいに!…」
「ッ!?…行くのかよ!!」
「当たり前やろ!!……それに悟られん様に動かな!…
ここに居るモンに迷惑は掛けられんやろ!!…
…恐らくは俺かマサ!!…こっちが動けばその狙いも分かるやろ!」
「ッ!……リスクはあるが…それしか無いな!…」
ライザは何事も無かったかの様に話し出すと、先程話して居た店について行こう!
と言い出し!…そのライザの言葉にマサツグがツッコみ!…思わずそこまで
酒盛りがしたいのかと考えて居ると、ライザは逆にツッコミを入れる!…その際
マサツグに対して当たり前!と言うと、マサツグに近付くなり耳打ちをし!…
ライザとしても狙いが有るらしく、自分達から動く事で相手の出方を見たいと
言った事を口にすると、マサツグもハッとして少し考えた後!…同意をする!…
さて、話が纏まった所でマサツグもシロを抱えて席を立つと、一同はライザを
先頭にギルドを後にするのだが!…
__……カランカラァン♪……ザッ…ザッ…ザッ…ザッ…
「……しっかりついて来てるか?…」
__……チラッ?……ザッ…ザッ…ザッ…ザッ…
「……間違い無くついて来てる!…
…てか、二人揃って何をやったんだ?…」
マサツグ達がギルドを出て暫く…まるで酒場に行くよう歩いて居ると、その後ろ
からはやはり怪しい影が!…するとライザも徐に確認するよう声を掛け、モツが
バレないよう確認してついて来て居る事を口にすると、二人に何をした?と尋ね
出す!…それこそ先程のコソコソ話を聞いて居た様子で普通では有り得ない!と
言うと、疑問を持った表情を浮かべては二人に視線を!…そのモツからの突き
刺さる様な視線にマサツグ達も戸惑い!…辺に誤魔化すのもアレだなと言った
具合に考えると、正直に覚えが有る事について話し出す!…
「ングッ!?……い、いやぁ…
俺は路地裏で倒れている人を見つけて助けたら…その人忍者だったみたいで…
敵対組織の忍者との戦闘に巻き込まれて…相手をボコボコに…」
「お、俺は…薬草を取りに行った際…邪魔して来たのが忍者で…
しかもソイツ上忍だったみたいで…同じくボコボコに…」
「はぁ!?…二人揃って忍者!?…
…一体如何言う巡り合わせでそんな忍者をボコボコにする場面と出会うんだ?…」
「「…はあぁ~…ンなモン俺達が聞きてぇよ…」」×2
モツの問い掛けに対してマサツグは戸惑いつつもここに来た当初の事を話し…
ライザもあの紅葉化石洞窟での上忍との一件を話し!…二人の話を聞いてモツと
レイヴンが揃って戸惑った反応を見せると、モツが更に呆れた様子で声を掛ける…
その際やっぱりマサツグ達の冒険?…いや活動記録に疑問を持っては、ツッコむ
様にしてどうしてそうなると言い!…そのモツの言葉に対して二人は肩を落として
溜息を吐き!…自分達でも分からないとばかりに言葉を口にすると、突如ライザが
ハッとした様子である提案をする!…
「……ッ!…あっそや!…」
__ザッ…ザッ……ッ!……
「…この角を曲がるとそのエェ感じの飲み屋に行ける!…
…言わばショートカットやな?…もうちょっとで着くから辛抱してな?」
__ザッ…ザッ…ザッ…ザッ……ッ!!…ザッ!…ザッ!…ザッ!…ザッ!…
ライザの提案と言うのは別に畏まったものではない!…ただ単に近道をすると
言うモノであり!…丁度角の所で足を止めては指を差し!…マサツグ達に
近道をすると言うと、一同はゾロゾロとそのライザの言う近道の方へと歩いて
行く!…するとこの時マサツグ達の後を追っていた怪しい影からすると、当然
角を曲がられた事で姿を見失い!…そうなると慌ててその影はマサツグ達の
後を追い駆け!…丁度その角に差し掛かり角を曲がって行こうとすると、
マサツグ達に鉢合わせてしまう!…
__ザッ!…ザッ!…ザッ!…ザッ!…ッ!?…
「…よぉ!…そんなに急いで何方へ?…」
__ッ!?……ザザッ!!…ッ!?…
「…悪いけど逃がしはしねぇよ?…そっちの用件を聞くまではな?…」
怪しい影がその角を曲がるとそこにはマサツグとモツが仁王立ち!…その際
マサツグはシロを抱えて凄んでおり!…この時マサツグは捕まえたとばかりに
声を掛けると、その怪しい影も慌てて反転し逃げようとするのだが!…しかし
この時俗に言う所の「しかしまわりこまれてしまった!…」と言う奴で、既に
ライザ達が相手の背後に回り逃がさない!と言った様子で身構えて居ると、
その怪しい影もたじろいでしまう!…この時その怪しい影の格好はと言うと、
某・風来人宜しく笠に外套を纏って目立たなくしており!…その腰には刀が!…
相手が武器を抜くかもしれないと思い全員が警戒を強めて居ると、その路地を
挟む様にして建てられて居る建物の上より声が!…
「……おぉ~い、マサツグや~い!…」
「ッ!…フィロ?…」
「屋根の上でも怪しい気を感じて登ってみたんじゃが…
案の定の様じゃ~!…こっちの方でニ~三人縛ったのじゃが如何するぅ?」
屋根の上より聞こえて来たのはフィロの声…それも気の抜ける様な呼び声で
マサツグの事を呼ぶと手を振っており、マサツグもそんなフィロの様子に
気が付き何事か?と言った様子で返事をすると、フィロは事の経緯を話し出す。
何でも屋根の上から気配を感じたそうで、マサツグ達にもバレないよう屋根を
登り!…そこでマサツグ達が囲んで居る影同様怪しい連中を見つけ!…拘束し
その判断を仰ぐ様に言葉を口にすると、当然の如くその影が驚き戸惑う!…
それもそうだろう!…なんせ自分より小さなお子様にやられたのだから!…
「ッ!?…な!?…そんな馬鹿な!?…しかもあの様な幼子に!?…」
「ッ!?…誰が幼子じゃ!!…誰が!!!…
貴様も今ここでフン縛ってやろうかえ!?」
「ッ!?……プッ!!…ククククク!!…
あはははははは!!!」
「ッ!?…全員警戒!!…自爆するやもしれんぞ!?」
__ッ!?…ザザッ!!…
そうしてその影が驚いて居ると当然その言葉にフィロが引っ掛かり!…
影に対して文句を言うと途端にその影の様子は変わり出す!…それこそ
最初はフィロの言葉に驚く様な反応を見せて居たのだが、次には徐々に
何やらクスクスと!…まるで自身の危機に対して遂に観念した様に!…
かつ自暴自棄になったよう突如としてその場で笑い始めると、マサツグ達は
その様子に不気味さを覚える!…特にライザがその様子を見て何かを
思い出したのか、自爆すると注意し!…するとその言葉を聞いて全員身構え!…
誰一人としてその怪しい影に対し視線を逸らさなくなると、現場の空気は
ピンと張り詰める!…その際表通りの方ではこの事に気が付いて居ないのか、
いつもの賑わいを見せて居り!…如何やってこの状況を乗り切るか!…
被害を最小限に抑える方法を考えて居ると、その怪しい影はその場に座る!…
そして!…
__…ドッカ!!…ッ!?…
「いや何!…自爆なぞせんで御座るよ!…参った!…降参で御座る!…」
「ッ!…とか言いつつ?…」
「影が死ぬは人のいない所…それが影に生きる者の掟で御座る!…
それに拙者は紅月衆みたく過激な事は好まぬで御座る!…」
「……その言い方やと別勢力って所か?…
にしても理由が分からん限りこっちも警戒は!…」
あっけらかんとした様子で話し出し!…ライザの忠告に対して自爆しないと
言うと、次には降参を訴える!…当然そんな怪しい影の様子にマサツグ達も
戸惑いを覚えると、警戒をしつつ言葉を掛けるのだが!…怪しい影はござる
口調でこれまた否定!…この時忍びの掟だろうか自分はそれを順守する様な
言い方をすると、別勢力の話を持ち出す!…この時バした別勢力の名前は
紅月衆と!…この名前を否定すると言う事は別の勢力からの刺客であり!…
依然としてライザが警戒した様子で言葉を掛けると、その怪しい影は徐に
笠を取って見せる!…
__……カサッ……
「ッ!…ん?…んん~~?……ッ!?…あぁ!!!」
「あ、貴方は!!!」
「ははは!…その節は如何もで御座る!…」
その怪しい影が笠を取るとそこには見覚えるの有る顔が…マサツグもその人物の
顔を見るなり反応を示し、何処かで見た事が有る様な~?…と言った具合に
目を細めると、次には思い出した様子で驚き始める!…するとそれに釣られて
驚くようアヤも途端に思い出したよう言葉を口にすると、その影はマサツグ達に
挨拶をし!…当然その様子にモツ達も戸惑い!…一体誰なんだ?と言った具合に
一応は警戒をして居ると、その怪しい影は話を続ける!…
「…あの時は非常時とは言え、真面な礼の一つも出来ずに立ち去った事を!…
深く!…ここに謝罪をするで御座る!!…」
「い、いや!…それよりも…何でアンタが?…」
マサツグ達の前に居るその怪しい影の正体!…それは何時ぞやの路地裏で助ける事
となったあの倒れて居た人であり!…あの時の怪我も治った様子でマサツグ達に
まずあの時事について頭を下げつつ謝罪をすると、当然マサツグ達はその様子に
戸惑い出す!…その際モツ達もその御座るがマサツグの知り合いか?と解釈する
と、その御座るの対応をマサツグに任せて見守り!…マサツグはマサツグで
後を付いて来た事について戸惑いつつも尋ね出し!…その事を問われて御座るも
ハッとした様子を見せると、本題に入るよう更に話を続ける!…
「ッ!…っと、そうで御座った!…
実は貴殿のあの実力を見込んで頼みたい事が一つ!…
…しかし一介の冒険者にそれを頼むにしても実力が!…
周りの者達を納得させる為にも後を付けたで御座るが…この通り!…」
「ッ!…ほぉ~?…で、勝手に実力を試されて!…
一体何様やって言うんや?…
事の次第によっては色々と話を聞かせて貰うつもりやけど?…」
「ッ!…お、落ち着けライザ!!…
そんなんじゃ話を聞こうにも聞けねぇだろうが!!…」
「いや!…その方の言う通りで御座る!…
その事についても陳謝すると同時に!…改めてお願いをしたい!!…
…この話は!!…この国を左右する大きな話だと思って頂きたい!!!…」
御座るが言うにはマサツグ達に頼みたい事が有ったそうで…しかしそれを
依頼するにもまずは実力を!…そうして実力を量った所見事に返り討ちに
遭ったと言い、納得出来た所で改めてお願いをしたいと言った風に話を
すると、その御座るの話にライザが不満をぶつける!…この時勝手に試された
上に上から目線と、相当ご機嫌斜めの様子で!…当然そんなライザの様子に
レイヴンが落ち着くよう声を掛け出し!…そんな二人の様子を見て御座るも
更に謝罪をするよう言葉を口にすると、更に話は重く発展して行く!…
この時御座るの口から国を左右する程の事と言われると、途端にメンバー
全員が驚き固まり!…ライザもライザで先程の怒りを忘れた様子でえ?…
っと言った表情をすると、一体如何言う事か?と尋ねようとする!…しかし…
「……この国にはもう時貞様は居られぬ!…
かつてこの地を平定した英雄は亡くなられた!…」
__ッ!?…
「今この国に有るのは動乱が起きようとする火種のみ!…
そしてそれを利用し覇権を掴もうとせん者に犠牲を負わされる者!!…
この三つに御座る!…」
「ッ!?…ちょ!…ちょっと待て!?…
これが一介の冒険者にお願いする様な事なのか!?…
そんな国絡みの依頼なんざ俺達にも如何にも!…」
ライザが尋ねるよりも先に御座るが口を開く!…その際最初に出て来た言葉は
[時貞]という名前で、その人物はこの国で最も重要な役割を担って居たのか、
悲しげに御座るはもう居ないと言う!…恐らく話の内容としてはつい最近?…
亡くなられた将軍の事だと思われ…マサツグ達全員が察した様子で驚くと、
更に御座るの話は続く!…この時話された言葉を言うのは何かを暗示する様な
モノで有り、内戦が起きそうと!…当然その話を聞いて更にマサツグ達は
戸惑い!…一旦待ったを掛けて自分達に任せるのか!?…と正気を確かめる様に
声を掛けるのだが!…次には御座るはニコッと笑うなりこう口にする!…
「ッ!?…何を仰られるで御座るか!…
マサツグ殿は各国でそれは素晴らしい手腕を発揮されては
国の一大事を救って来た英雄殿!!…」
「ッ!?…」
「…こちらのモツ殿はその類稀な指揮に戦術と!…
二つ名に[修羅]と呼ばれる程の強者で在らせられ!…
レイヴン殿もマサツグ殿を背後で援護なされた強者!!…
何でも黒幕と呼ばれている様でもあり!…
二人も各国ではマサツグ殿同様英雄と呼ばれて!…
…そちらのエルフ殿はあのユグドラドの皇女様で在らせられ!…
フェンリルの子供に!…妖炎の魔王!…かつてこの国でも災いを…」
__どわあああああぁぁぁ!!!…
御座るはマサツグ達が謙遜して居ると思ったのか、徐にマサツグのこれまでの
記録を口にし!…それこそマサツグの事を英雄と口にして見せ!…そう言われた
事にマサツグが戸惑い絶句して居ると、更にその話はモツやレイヴンへと飛び火
して行く!…その際モツは修羅と呼ばれ、レイヴンも黒幕と呼ばれ!…更には
調べたのかアヤの正体にシロやフィロ!…フィロに至ってはかつてこの国で
悪さをして居たのかその事を暴露されそうになると、マサツグ達と一緒に
なってその御座るの口を塞ぎに掛かる!…
「お、おい貴様!!…何処までその事を知って居る!?…
と言うかその話をするでない!!!」
「…てかその話を堂々とこんな所で話してんじゃねぇ!!…」
「そうだぞ!?…結構その名前付けられて恥ずかしい!…
…ッ!…え?…アヤってユグドラドの皇女?…」
「……はあぁ~…面倒な事になるから自己紹介の時は黙ってたの!…
でも…もう意味が無くなっちゃったわね?」
その御座るの口を塞ぐとマサツグ達は文句を言い!…特に一番に文句を言い
出したのはフィロで有り!…何か嫌な思い出でも有るのかとにかく黙る様に
言うと、続いてマサツグが文句を言い出す!…その際周りを気にした様子で
言葉を続けると、モツが逸れに便乗し!…自身の二つ名について恥ずかしい
と言い!…名前さえ聞きたくないと言った反応を見せて居ると、ふと気が
付いた様子でアヤの方へ振り返る!…その際モツが気が付いた事とはアヤが
皇女殿下である事で!…アヤはその事を知られて溜息を吐き!…黙っていた
のが無駄になったと!…呆れた様子で言葉を口にして居ると、ライザが流す
よう質問をする!…
「……で?…その肝心の依頼内容ってのは?…
俺としてはそっちの方が気になんねんけど?…」
「ッ!…ンンッ!!……でしたら場所を変えましょうぞ?…
打って付けの場所が有ります故!……こちらに!…」
「ッ!……はあぁ~…」
自分は関係無いとばかりに話を気にし!…口を押さえられて居る御座るに対し
本題を話す様に言葉を口にすると、御座るもハッとした様子で脱線から戻る!…
この時抑えられていた手を退けると返事をし、場所を変えようと!…その際
その場所へ案内するよう先を行き、言葉で案内しつつ付いて来る様に言うと、
マサツグ達も溜息を吐きながら付いて行く!…本当なら面倒事なので断りたい
所なのだが、話が気になるのも事実であり!…先程の話を思い出しつつ!…
道中話しながらその御座るの案内について行くと、何やら怪しい方へと歩いて
行く!…
「にしても驚いたなぁ!…まさかアヤが皇女様だったなんて!…」
「…魔王にフェンリルにエルフの皇女…
…まぁ確かに早々無いパーティやな?…一体どんな巡り方すれば?…」
「……てかこっちって花街方面じゃなかったっけ?…
確かに飲み屋を探すならこっちだが?…」
「……え?…」
改めてアヤが皇女だと言う事にモツが驚き!…ライザもマサツグのパーティが
普通でない事に若干の戸惑いを覚えると、その巡り合わせに疑問を持つ!…
その際御座るが案内する道に対してレイヴンは覚えが有るのか花街の言葉を
口にすると、その言葉にマサツグは戸惑い!…暫くするとマサツグ達は
レイヴンの言った通りに花街へ辿り着き!…そこで煌びやかな提灯に艶やかな
遊女!…そんな一変して風景が変わった事にメンバーが驚いて居ると、
マサツグがすかさず御座るに尋ねる!…
「……おい御座る?…明らかに飲み屋が有りそうな雰囲気に見えないんだが?」
「大丈夫で御座るよ!…ここで事は起こせないで御座るし!…皆口は堅い!…」
「いやそう言う事を言ってるんじゃないんだが?…」
「……ッ!…ここで御座るよ!」
「ッ!………ここってぇ?…」
キンキンキラキラ!あっはぁ~ん♥な着崩し遊女達が格子状の窓からお客さん達を
誘惑!…明らかに密談が出来そうな雰囲気では無く!…マサツグも場所を間違えて
ないか?と御座るに尋ねるが、御座るは間違ってないと!…それどころか御座るは
皆口が堅いと説明し始め!…マサツグもそんな御座るの言葉にツッコミを入れて
居ると、目的の店に辿り着いたのか御座るはここだとその店を指差す!…そうして
マサツグ達の目に映った店と言うのは!…
__キラキラ!…あっはあぁ~ん♥………ガッ!!…
「おいふざけんじゃねぇぞ!?…こっちはまだ幼い子供二人も連れてんだ!!…
何て処に連れて来やがる!!…社会見学ってレベルじゃ済まねぇぞ!?…」
「ッ!?…こりゃマサツグ!!…
わっちはそのお子様と言う言葉に納得が行かんのじゃが!?」
御座るに案内されマサツグ達が辿り着いたのは何処から如何見ても娼館!…
それもこの花街一番の規模を誇る位に建物が大きく!…それを見上げる様子に
してマサツグ達が絶句して居ると、御座るは中へ案内しようとする!…
この時メンバー全員が如何してこんな所に?…と戸惑って居ると、マサツグ
だけは徐々に正気を取り戻したのか!…次にはその中へ案内する御座るに
対して掴み掛かり!…別に怒る訳では無いのだが猛烈なまでにツッコミを
入れると、そのマサツグのツッコミに対してフィロが更に文句を言うので
あった!…
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いつものように幼馴染達と学校帰りに公園で雑談していると突然魔法陣が現れて光に包まれて…
幼馴染達と一緒に救世主召喚でテルシア王国に召喚され、幼馴染達は素晴らしいジョブとスキルを手に入れたのに僕のは何だこれ?
王宮からはハズレと言われて追い出されそうになるが、幼馴染達は庇ってくれた。
だけど、夢にみた迄の異世界…
慱は幼馴染達とは別に行動する事にした。
自分のスキルを駆使して冒険する、魔物と魔法が存在する異世界ファンタジー。
現在書籍化されている…
「魔境育ちの全能冒険者は好き勝手に生きる!〜追い出した癖クセに戻って来いだと?そんなの知るか‼︎〜」
の100年前の物語です。
リュカが憧れる英雄ダン・スーガーの物語。
そして、コミカライズ内で登場する「僕スキなのか…」がこの作品です。
その作品の【改訂版】です。
全く同じな部分もあれば、新たなストーリーも追加されています。
今回のHOTランキングでは最高5位かな?
応援有り難う御座います。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
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鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
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第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
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そんな幼馴染達に並び立つべく、努力もしたし、特訓もした。
だがどう頑張っても、どうあがいてもエリート達には才能の無いこの俺が
勝てる訳も道理もなく、いつの日か二人を追い駆けるのを諦めた。
自尊心が砕ける前に幼馴染達から離れる事も考えたけど、しかし結局、ぬるま湯の
関係から抜け出せず、別れずくっつかずの関係を続けていたが、そんな俺の下に
衝撃な展開が舞い込んできた。
そう...幼馴染の二人に彼氏ができたらしい。
※小説家になろう様にも掲載しています。
【全話挿絵】発情✕転生 〜何あれ……誘ってるのかしら?〜【毎日更新】
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帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
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