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-第三章-サマーオーシャン連合国-エルフの国編-

-第三章七十節 激化する喧嘩と思わぬ孵化と太古の王者-

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__チュドオオォォン!!!…ドカアァァァァン!!!…


「クッ!!…ちょこまかちょこまかとぉ~~!!!…

ジッッとしてなさい!!…そんなに動き回られると当たらないでしょ!?」


「そっちこそさっさとやられてよオバサン!!!…

まるで予測したみたいに狙って来て!!…当たったら危ないでしょ!?…」


「矢じりは取ってあるから大丈夫よ!!…ただ爆発するだけで!!!」


辺りにモンスターがいない事を良い事にアヤとマリーは絶賛喧嘩中!…互いに

本気なのか白熱した様子で動き回ったり狙いすませたり!…とにかく意地を

賭けた様子で潰し合って居た!…アヤはマリーの動きを読んだ様に弓を引いては

爆薬の付いた矢を打ち込み!…マリーもそれを見て瞬時に回避したり!…裏を

読んだりするのだが、中々アヤへの接近が許されずに戸惑って居た!…そうして

まさに一進一退の攻防を繰り広げている一方で、マサツグ達はと言うと…


「……ッ!…あっ!…ご主人様!!

これなんてどうですか?」


「んん~?…どれどれ……」


__スウゥ……ザッコン!!…


「……駄目だ!…これも世界樹の結晶じゃない!…

やっぱあのデカいのを削れって事か?…」


「うぅ~ん……」


シロが手ごろな水晶株を見つけてはマサツグを呼び!…呼ばれたマサツグは

それを根っこから大剣で掘り起こしては、世界樹の結晶か如何かを見ていた。

だが今の所シロが見つけた物は全部タダの水晶の様で…これはこれで美味しい

のだが目的のモノでは無いと!…やはりあのデカい水晶柱と対峙しないと

いけないのか?と考えては、シロと共々腕を組んで悩んで居た!…その一方で

背後からは苛烈化する喧嘩の様相も聞こえて来て、さすがのマサツグも本当に

大丈夫か?と不安を覚えて居ると…シロは何かに気が付いた様子で徐に

水晶柱の方へ振り向き、そして何かをジッと見詰め出してはマサツグにある事を

尋ねる。


「うぅ~ん……ッ!………ご主人様ぁ~?…

アレは取れないのでしょうか?…」


「ッ!…アレと言いますと?…」


「ほら、アレ!…あのピョコっとちょっとだけ出てるのやつ!…」


「……ピョコっとちょっとだけ出てるのやつぅ?……ッ!…」


シロはマサツグを呼ぶと徐に水晶柱を指差し…何かを見つけた様子で

取れないか?と言い出すと、マサツグを戸惑わせる。その際マサツグも

シロに呼ばれて指を差す方へ視線を向けると、やはりそこには水晶柱

しか無く…だがシロからすれば別の何かが有るらしく、シロは一生懸命に

跳ねながら腕を伸ばしてマサツグにアピールを続けると、マサツグも

そのシロの言って居る事に漸く気が付いた様子で反応する!…この時

シロが指差して居た物と言うのは、水晶柱に有る出っ張りの事で…

如何やら水晶柱は枝分かれもして居るのか所々に同じ様な出っ張りが

見られ!…マサツグもそれを見てあぁ、なるほど!…と言った様子で

凝視をすると、シロの案に乗っかるよう動き出す!…


「……いい所に目を付けたなシロ!…よしそれで行ってみよう!…

あれ位なら何とか出来そうだ!…

…後は手頃な位置にある事を願うだけだが…」


__チュドオオォォン!!!………


「……いい加減向こうの様子も怪しいからさっさと回収するか!…」


「はいです!」


シロの着眼点の良さにマサツグも感心した様子で褒めながらシロの頭を

撫でると、シロは尻尾を振って喜び!…マサツグはマサツグでそんな

シロを可愛がり!…早速行動に移すようシロと手を繋いでその水晶柱の

所へ向かい歩き出すと、出っ張りがいい感じの所にある事を願う!…

その際やはり背後から聞こえて来る爆撃音に対し心配をすると、早く

回収するよう心掛け!…シロもシロでそのマサツグの言葉に返事をし!…

二人揃ってその巨大水晶柱の所まで戻って行くと、改めてその表面を

確認する。


__ザッ…ザッ…ザッ…ザッ…


「…さていい感じに出っ張りはっと!……」


「ッ!…ご主人様!!…ここ!…ここ!!…」


「ッ!!…もう見つけたのか!…よしよし、今行く!」


再度目の前に立って思うはその巨大さ!…一体ここまで成長するのにどれ位の

年月が掛かったのだろう?と考えつつ…シロの言って居る出っ張りを探すよう

目を凝らし水晶柱を凝視し始めると、すかさずシロが見つけた様子でマサツグを

呼ぶ!…その際シロはまた跳ねながらマサツグにアピールをすると、マサツグも

そのシロの物を見つける速さに驚き!…とにかく呼ばれた事で移動し!…シロの

元まで辿り着き早速その見つけた物を確認すると、そこには丁度ソフトボール位

の瘤がある事を目視する!…


「ほらこれこれ!!」


「ッ!…でかしたシロ!!…やっぱお前は最高の娘だ!!」


__ガバァ、ギュウゥ!!…なでなで!!……ッ!…パタタタタタタ!!!…


「えへへへ♪…」


「よし!…早速掘ってみるとするか!!…

…あぁ~…これ一気に崩壊とかしないよな?…」


褒めて!…と言わんばかりにシロはマサツグにアピールをし!…マサツグも

それを確認した事ででかした!と喜び声を掛けると、すかさずシロをギュッと

抱き締める!…その際頭もワシワシと撫でると、シロは大喜びで尻尾を振り!…

シロを可愛がるのも程々に!…その見つけた瘤に対して回収しようと意気込み

出すのだが、ここでふとある疑問が出て来る!…その疑問と言うのは倒壊と

言う厄介な事についてで、例えるなら樹を斬る様な!…片方に切り込みを先に

入れる事によってその方向に向かい崩れる様に!…更には倒れ易くすると

言った効果が見込めるアレが起きるのではないか?と考えると、やはり迂闊に

手を出せないで居た!…


「うぅ~ん…」


「……ッ?…ご主人様?…」


{…もし倒壊するとして刹那は?…大丈夫、発動出来る!…

これで最悪シロを抱えて脱出も出来る!…だがマリーとアヤは?…

マリーはあの足が有るから大丈夫だとして…アヤが危ないな…

それにこの水晶に関しても傾いてる方向が方向だけに無理は出来ない!…

採掘するにしてもどれ位の勢いで取れるかだよな?…

ゴロッと行くのかボロッと行くのか?…

何方にせよ欠けさせる事には変わりないから…}


その瘤を目の前にしては腕を組んで悩み出し!…そんなマサツグにシロも

首を傾げて顔を覗き込むと、不思議そうに見詰める!…その間にもマサツグは

最悪の事態に備えて色々と思考を駆け巡らせ!…何とか被害を最小限に

抑えられないかと解決策を模索して居ると、ここでトンデモナイ事が起きる!…

それはマサツグがこうして悩んでいる際、乱闘をしている二人から飛んで来た

流れ弾によって場面は変わる!…


「こんのぉ!!!…本当にすばしっこいわね!!」


__バシュン!!…コオオオオォォォ!!!…うぅ~ん?…


「ッ!?…しまった、避けてぇ!!!」


「ッ!…え?…」


__チュドオオォォン!!!……


依然として争っている二人の攻防は一進一退!…アヤもムキになって来た様で

矢を番えると、マリーに向けて矢を放つのだが!…その矢は案の定マリーに

見透かされては空振りに終わり!…そして一直線にマサツグ達の居る方へ向かい

更に飛んで行くと、さすがのアヤもその後の展開に気が付いたのか慌てて声を

掛ける!…だがその声を掛けられた所でマサツグ達は直ぐに動けず、結果爆発に

巻き込まれ!…それこそ矢は直撃して居ないのだが爆風には包まれ!…さすがの

その様子にアヤとマリーも慌てて足を止めると、マサツグ達の心配をし始める!…


「ッ!?…お、おにぃちゃん!?…

ちょ!?…何処に向かって打ってるのよ!!」


「ッ!?…はあぁ~!?…

こっちだって狙いたくて狙ったんじゃないんだから!!…

貴方がちょこまか動くからでしょ!?…ジッとしてなさいよ!!!」


「誰がわざわざ打たれる為にジッとするのよ!!!

そんな事よりおにぃちゃん!!……ッ!?…」


__モクモクモクモク!…


アヤの矢がマサツグ達の居る方へ向かい飛んで行った事で驚き戸惑い!…

マサツグ達に着弾したであろう事に気が付くと、マリーはすかさずアヤを

責める!…するとそのマリーの言葉に対してアヤも直ぐに反論し始め、

避けるマリーが悪いと!…何ともトンデモナイ暴論を口にして見せ!…

更に文句を付け添えるのだが!…当然そんな暴論をマリーが聞き入れる

訳が無い!…逆にアヤへ文句を言い返すと、ここで漸くマサツグ達の

心配をし始め!…その際二人揃って視線はマサツグ達の方へ向けられる

のだが、爆発のせいでか煙が立っており!…詳しい状況に関しては目視が

全く出来ず!…更にマサツグ達からの応答が無い事で二人の不安が

加速するよう戸惑いとなって表情に現れると、如何する事も出来ずに

ただ立ち尽くして居た…


「……ど、如何するのよ!?…」


「ど、どうするもこうするも!!…とにかく助けに!!…」


「……ゲェッホ!!…ゴッホ!!…」


「ッ!?…マ、マサツグ!?…無事!?……ッ!?…」


とにかく責任の押し付け合い!…まるで二人揃って子供の様になっており、

アヤがとにかく助けるよう一時休戦を申し出ようとすると、マサツグ達の

方から咳き込む声が聞こえて来る!…その様子から察するに息は有るらしく、

とにかく生きている事にアヤ達は少しの安堵を覚え!…更に心配するよう

その咳き込むマサツグ達へ声を掛け出すと、徐々にその煙が晴れて来る!…

そしてそこでアヤ達が見た者は!…


「ゲッホ!!…ゴッホ!!…ガッホ!!……あぁ~!…

…急に何なんだ?……シロは大丈夫か?…ッ!?…」


「ケホケホ!!…うぅ~!…だ、大丈夫です…

…ッ!…あれ?…」


「「…何でアフロになってるんだ(何でモフモフになってるです)?」」×2


「「………。」」×2


マサツグは咳き込みながらも煙を払い…一体何が起きたのかを確認し出すと、

とにかくシロに安否を尋ねる。その際煙も晴れて来た所でシロの姿も確認

すると、そこには漫画みたく火で炙られた様にアフロのシロが!…シロも

マサツグの問い掛けに対して咳き込みながらも返事をし、煙を払いマサツグの

姿を確認すると、首を傾げる…何故なら目の前には何度か見て来たアフロの

マサツグがそこに立っており、二人揃って何故アフロ?…と問い掛け合って

居ると、その様子にアヤとマリーが絶句する!…やってしまった!…としか

言えない雰囲気に二人は同じ様な気不味さを覚え、ただ息を殺す様に押し

黙り!…その一方でマサツグとシロ…互いに何故?と言った様子でアフロに

なった姿を見て居ると、二人揃って足元に転がっているある物に気が付く!…


__キラッ!…ッ!……コロッ…


 -----------------------------------------------------------------------

              世界樹の結晶

               レア度 A

   主に錬金術においてゴーレムのコア等に使われる謎の水晶。

   一説によれば世界樹の樹液が長い年月をかけて固まった物と

   されており、その正体は琥珀などと言われているが…琥珀に

   しては透明度が高く、また世界樹から樹液が取れない事から

   違うのでは?と囁かれると、信憑性が薄いものとされている。

   因みにそのアイテムとしての性能は最高のモノで、これを

   コアに使ったゴーレムは半永久的に活動し続け!…更には

   自我まで持つほどの性能を発揮するとも言われている。

 -----------------------------------------------------------------------


「……案外脆かったのかな?…」


「ッ!……うぅ~ん…」


マサツグ達の足元に転がって居たのはその探し求めていた世界樹の結晶!…

大きさとしてはやはりソフトボール位の大きさで…マサツグが手を伸ばして

回収してはその説明文が表示され、次第にその説明文の方に目が行って

アフロの事など如何でも良くなると、シロに戸惑いながらも質問をする。

後とそのマサツグからの問い掛けに対してシロは腕を組んで悩み出し…

とにかく状況が飲み込めていない様子を見せて居ると、次第に辺りの様子が

可笑しくなる!…


__……ズズウウゥゥン!!!…ゴゴゴゴゴ!!!…


「ッ!?…な、何!?…何が起きてるの!?…」


「ッ?!…まさか柱が!?……いや違う!!…

じゃあこの地鳴りみたいな奴は!?…」


「ッ!?…た、卵の様子が可笑しいのだけどぉ!?」


マサツグ達がその世界樹の結晶を手にして数分後!…何やら空洞内全体が

揺れる様に突如として異変が起き出し!…アヤが戸惑った様子で言葉を

漏らして居ると、マサツグは慌てた反応を見せては振り返って水晶柱を

確認する!…だが柱を確認した所で倒壊する様子は全く見れず!…更に

その揺れに対して不可解と言った戸惑い様を露わにしていると、今度は

マリーが異変に気が付く!…この時マリーは戸惑った様子で卵!と言うと、

あの地面に埋まっている水晶の卵を指差し!…マリーの言葉で全員が卵に

視線を向け!…一体何が起きようとしているのか警戒した様子で身構え

始めて居ると、次の瞬間にはその水晶の卵が割れて中からモンスターが

生まれるよう姿を現す!…


__ゴゴゴゴゴ!!!…バキャアァ!!…ギャワアアアアァァァァァ!!!!…


「ッ!?…た、卵の中から!?…」


「ッ!!…もう揉めてる暇はないぞ!?…逃げろ!!」


「もう!!…何て日なのよぉ~~!!!」


永い眠りから覚めた様に!…様々な恐竜型モンスター達が一斉に孵化し始めると、

誕生と同時に吠え始める!…トリケラトプスにブラキオサウルス!…そして先程の

ラプターなど小型種等々、とにかくあの卵の中で死んで居ると思われて居た

モノ達が一斉に殻を破って外へ!…当然その様子を目にしたマサツグ達もすかさず

ヤバい!と言った様子で危機感を感じると、慌ててマサツグが逃げる様に号令を

出す!…勿論その号令に対して異議を唱える者は居る筈も無く、マリーは今日と

言う日を悲観し!…全員がその降りて来たシャボン玉エレベーターに向けて走って

行き!…何とか現状からの脱出を試みようとして居ると、当たりまえの様に

小型種が邪魔をして来る!…


__ギャワアアアアァァァァァ!!!!…


「ッ!?…は、速い!!…さすがにシロやマリー程じゃないが!!…」


「もう!!…邪魔をしないで!!…こうなったら!!…」


「ッ!…アヤは走れ!!…殿は俺がやる!!!」


まるで生まれて初めての獲物とばかりに!…ラプター達は逃げるマサツグ達に

向かい飛び掛かって行き!…それを必死に掻い潜りつつマサツグ達もシャボン玉

エレベーターに向かい走り続けて居ると、その飛び掛かって来たが回避された

際のラプター達!…その着地硬直からの復帰の速さ!…並びにその健脚具合に

驚かされる!…復帰の速さはまさに野生!…ただ獲物を追う事しか考えて

居らず!…そして足の速さもシロ達ほどではないのだが、マサツグやアヤを

追い駆ける程度なら十分であり!…振り切った所で直ぐに追い付かれる!…

そんな様子にアヤも焦りを覚えては迎撃に打って出ようとすると、マサツグが

止めるよう声を掛ける!…その際自分がその役を買って出ると、当然これには

シロとマリーが戸惑った反応を見せるのだが!…


「ッ!?…だったらシロも!!…」


「わ!…私も!!…」


「良いから先行け!!!!…

別に俺だってここでくたばるつもりはサラサラ無い!!…

ただ時間を稼ぐだけだ!!!」


__ッ!?…ッ!…ッ~~~~~!!……


マサツグが残るなら自分も!…当然マサツグを心配した様子でシロ達は

声を掛けるのだが、マサツグは断固拒否!…ただ先に逃げるよう若干

怒気を強めてシロ達に改めて声を掛けると、すかさず大剣を抜いては

その向かって来るラプター達に対して身構え始める!…その際チラッと

だけシロ達の方に視線を向けると、ニヤッと不敵に笑って見せ!…だが

その様子にシロ達はやはり心配した表情を浮かべ!…マサツグの命令を

聞くか!…それとも自身の心に従うかで悩み出す様な素振りを見せて

居ると、アヤが先導する様に声を掛ける!…


「……ッ!!…急いで!!…シロちゃん!!…マリー!!…」


「ッ!!…で、でも!!…」


「…貴方の信じるご主人様はそんなモノ?…そんな訳ないでしょ!…

今は信じて!!…ただ私達は直ぐに脱出出来る準備を整えるだけ!!…

…いい?」


「ッ!!……ッ!…分かったのです(分かったわ)!…」


アヤ自身も苦渋の決断の様で、とにかく前を見るようマサツグに背を向けて!…

シロとマリーに先を急ぐよう声を掛けると、当然の様に二人から戸惑いの視線を

向けられる!…その際シロはアヤの言葉に対して若干反発する様な素振りを

見せるのだが、アヤはそれを見越した様子で!…マサツグはこんな所で死ぬ様な

人間では無いと!…更にはシロ達に言い聞かせるよう作った笑顔ながらも真剣な

様子で説明をすると、その言葉を聞いてかシロとマリーも漸く話を聞き入れる!…

そうしてマサツグ一人だけをその場に残す様にしてアヤ達は一目散にシャボン玉

エレベーターへ向かい再度駆けて行くと、その一方でマサツグは!…ラプター達に

取り囲まれながらも今まさに!…大立ち回りをして見せようとして居た!…


「……さぁて?…とりまこれで良しとして!!…」


__ギャワ!!…ギャワアアァァ!!!…


「…集団行動で徐々に追い詰め獲物を捕まえるってか?……

……時間稼ぎと入ったがどれ位稼げばいいか?……考え物だな!…」


__ギャワアアァァ!!!…ババッ!!…


自身を囲むラプター達一体一体に視線を向け!…何処から攻撃されようとも

直ぐ対応出来る構えで一先ずの安心感を得て居ると、ラプター達はマサツグを

中心に置いては威嚇をする!…まるでマサツグが反抗して来た事に戸惑った

様子を見せると、その様子を見ながらも牽制するよう!…とにかくマサツグに

対して警戒心をあからさまにし!…その間にもマサツグは思考を整えて自身の

脱出方法について考え出して居ると、その隙を突く様にラプターの一体が

マサツグに向かって襲い掛かる!…しかし!…


「ッ!!…させるかよ!!」


__ブォ…ズバシャアァ!!!……ギャアアァァ!!……ズサアァァ!!…


「……ふぅ!…考え事してても切れるんだぜ?」


__ギャオ!!…ギャオオォ!!!…


その襲い掛かって行ったラプターはマサツグの背後から足の爪を立てるよう

飛び掛かるのだが、マサツグは気付くなり振り返り様にそのラプターを薙ぎ!…

胴体を真っ二つにする位に深手を入れ!…そのまま遠心力に任せて飛び掛かって

来たラプターを投げ飛ばすと、そのラプターは断末魔の悲鳴を上げては地面を

滑るよう転がる!…その際数秒の内は藻掻く様な姿を見せて居たのだが、次には

事切れた様で…とにかくそんな仲間の様子を目にした他のラプター達は戸惑い!…

何やら警戒した様子で鳴き始めていると、更に仲間を呼び寄せる!…


__ドッドッドッドッドッ!!…ギャワ!!…ギャワアアァァ!!!…


「ッ!?…仲間呼ぶのかよ!!…

…でもまぁ幸いな事に問題なのはこのラプター軍団だけか?…

トリケラもブラキも草食で大人しいし?…

それこそ!…」


__……ゴゴゴゴゴゴ!!!…


「ッ!?…え!?…またこの振動!?…

…ッ!?…フラグ建てた!?…」


たった一撃で仲間を葬られた事に驚いてか仲間を呼び!…マサツグも仲間を

呼ばれた事で面倒臭い!と言った様子でツッコミを入れると、改めて辺りを

見回しては状況を確認する!…確かに今の現状地下恐竜帝国と化している

今日この頃なのだが、デカい恐竜は皆穏やかなモノばかりで!…下手に刺激

しなければ敵対しないと!…ただ問題なのは目の前に居るラプターだけと

高を括った様子で言葉を口にして居ると、次には先程同様また地震が起きる!…

しかも今度は明らかに先程のモノより大きい地震が発生し、マサツグはその

地震自体に嫌な予感を感じ!…その際自分の言葉を思い返し!…言っちゃ

いけないフラグ的な事を言ったか!?とただ揺れに耐えながら辺りを

見回して居ると、次の瞬間にはそのフラグ通りにあるモンスターが姿を現す!…


__ゴゴゴゴゴ!!!…ドゴオオォォ!!!…グオオオアアアアァァァァ!!!…


「ッ~~~!!!…ッ!?…な、何だこの地響きが起きる程の大咆哮は!?…

ッ!?…」


「ッ~~~!!!…こ、今度は何なの!?…」


「ッ~~~!!!!…み、耳がキ~ンとするですぅ!!…」


それはまるで地面から生えて来る様に!…全身に水晶を生やしているのか

それとも纏わせているのか?…とにかく何処かで見覚えのある超大型肉食

恐竜の頭が姿を現すと、次の瞬間には空洞内全体を揺らす程の大咆哮を

あげる!…当然この咆哮を聞いた途端他の恐竜達は一気に警戒状態へと

入り出し、マサツグ達は耳を押さえ!…マサツグはその姿を見るなり慌てて

ふためき!…アヤ達もただ何が起きたのか分からない様子で、脚を止めて

戸惑った反応を見せて居ると、シロは五月蠅いとばかりに文句を言う!…

そうして徐々にその咆哮も落ち着いて来ると、アヤ達は再びエレベーターに

向かい駆け出して行くのだが!…この時マサツグは真面に動ける状態では

なく!…確かに距離は離れているのだがその目の前で地面から出て来る

超大型肉食恐竜に対し!…本当に如何逃げたものか!?と考え出していると、

その超大型肉食恐竜は地面から出て来るなり辺りを見回す!…


__ドゴオォン!!…ドゴオォォン!!!…グルルルル!!…


「ッ!?…でっかぁ!!…何なんだよアレ!?…

こんなモンが地下に寝てるのかよ!?…

アレは真面に相手しちゃいけねぇ奴だ!!…

てかやっぱりフラグになっちまった!!…」


頭を出したら上半身!…上半身を出したら下半身と姿を現して行き!…マサツグの

言った言葉通りフラグにそこには超大型肉食恐竜!…ティラノサウルスが姿を現すと、

その周りに居た恐竜達は途端に逃げ出すのであった!…そのティラノサウルスの

姿は神々しくも狂暴な風体で、まさに王者の風格を放っては同時に辺り一帯に

威圧感を放ち!…そんなティラノサウルスの姿にマサツグも酷く驚き!…

ユグドラドの地下は魔境!と言った様子で自分の言葉にも絶望をしていると、

ティラノサウルスはまた吠え出す!…


__ゴアアアアァァァァァ!!!!…


「ッ~~~!!!…るっさぁ!!………ッ!…

とにかくこの状態を脱して早く逃げねぇと!!!…」


ティラノが吠えた事でマサツグはまた耳を塞ぎ!…その際自分の周りを取り囲んで

居たラプター達もティラノの出現で固まって居ると、マサツグはその様子に気が

付いてはチャンスとばかりに逃げ出す!…この時細心の注意を払ってラプター達に

ぶつからないようすり抜け駆けて行くのだが、気付いたのはラプター達ではなく

ティラノで有り!…何故か他にも獲物が犇めいて居る中ピンポイントでマサツグ

だけを探し出し!…ジッと見詰めるよう眼光を鋭くすると、次にはマサツグを追い

駆ける様に吠えては走り出す!…


__ッ!!…ゴアアアァァァァ!!!…ドッドッドッドッ!!!…


「……ッ?…ッ!?…えぇ~!!??…

何でこっち追って来る!?」


__ゴアアアァァァァ!!!…ゴアアアァァァァ!!!…


「めっちゃ吠えながら追い駆けて来るぅ~~!!!!」


当然自分に向かい走って来るティラノの様子にマサツグも気が付くと、途端に

慌て出しては必死で逃げ!…その際ティラノの足はそんなに早くは無いのか、

一定のリズムを刻む様な駆け足の音を響かせると、ジリジリとマサツグの事を

追い駆けていた!…だが図体が図体なのでコンパスの差が圧倒的で!…

瞬く間にその距離を縮めて行き!…何ならマサツグを急かす様に後ろで吠え!…

その様子にマサツグも更に慌てた様子でツッコミながら必死に足を動かして

居ると、遂にティラノの攻撃が飛んで来る!…


__ガアアアアァァ!!!…


「ッ!?…どわい!!…」


__グアブゥ!!!…ガアアアアァァ!!!…グアブゥ!!!…


「ハァ!!…ヒィ!!…クソ!!…

く、喰われて!!…堪るかああああぁぁぁ!!!」


マサツグの背後に着くと首を伸ばし!…大きく口を開けてマサツグの事を一口で

食べようとすると、マサツグも食べられまいと抵抗する!…その際上からガブッ!

と行かれそうになると、マサツグは慌ててドッジロールで横に回避!…復帰も早く

それこそ先程のラプター達に負けない位の身躱し力を見せると、更にティラノから

逃れようとする!…だが当然それでティラノが諦める筈もなく!…また追い付いて

は食い付きに掛かり!…その度マサツグはジャンプをしたり転がったり!…

とにかくTPの続く限りに回避アクションを続けると、徐々にアヤ達の待つシャボン

玉エレベーターの所まで戻って来る!…


__ドッドッドッドッ!!!…


「ッ!…この足音は!……ッ!?…マサツグ!?…」


「アヤぁ~!!!…はぁ!…エレベーターを!!…

ぜぇ!!…エレベーターを動かせぇ!!!」


「えぇ!?…で、でも!!!…」


「俺に任せて!!…動かせええぇぇぇ!!!」


徐々に近づいて来る不穏な足音!…当然この足音にアヤ達も気が付いた具合に

様子を見ようとすると、そこでティラノに追い駆けられているマサツグの姿を

見つける!…勿論マサツグが無事だと言う事にも喜ぶのだが、その前に背後の

圧倒的威圧感に!…思わず何を連れて来てるんだ!と言った様子でアヤは

叫び!…マサツグも息絶え絶えにアヤへ対して早くエレベーターを動かす様に

声を掛けると、アヤを戸惑わせる!…この時アヤの頭の中としては、動かしたら

マサツグを置いてけぼりに!…或いはティラノと衝突事故と言った様子で色々と

考えるのだが、マサツグは更に自分を信じるようアヤに叫び言い聞かせると、

アヤはハッとした様子で言う事を聞くのであった!…

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