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-第三章-サマーオーシャン連合国-エルフの国編-
-第三章六十九節 世界樹の根の洞と水晶の卵とズレる用件…-
しおりを挟む地下へと降りて行くとヒカリゴケによる幻想的な光景!…それはまるで星の海の
中に居る様な感覚で漂っている様な!…とにかく次々に顔を見せるヒカリゴケに
シロは目を輝かせ!…更に降りれば降りる程そのヒカリゴケの群生具合は光度と
共に凄くなる!…最終的にはまるで星雲の中に入って行く様な明るさを覚え!…
その地下とは思えない明るさに!…シロの心の中はワクワクで一杯!…マリーも
緊張した様子で地下を見詰め!…アヤはアヤで辺りを警戒!…何かに対して
神経を研ぎ澄ませるよう弓をギュッと握り出すと、呼吸を整え始める!…さて
そうなるとマサツグも何かアクションをする筈なのだが、肝心のマサツグはと
言うと…
「わああああぁぁぁぁ!!!…キラキラしてますよご主人様!!…
……ごしゅじんさま?…」
「……アヤ?…まだ着かない?…」
そのヒカリゴケの幻想的な光景に!…シロはその感動を共有したいと言った
様子でマサツグに声を掛けるのだが…当然顔面にシロが張り付いて居る為
マサツグはその光景を見る事が出来ず!…何なら降下する時に感じるあの
フワッとした違和感に些かの恐怖心を覚えると、その場から一歩も動く事が
出来ないで居た…勿論の事シロの問い掛けに対しても応答がなく、シロは
そんなマサツグに疑問を持ち…だがマサツグも黙ってばかりでは居られない
様子で!…根性を出してアヤにまだ着かないかについて尋ねると、アヤは
依然として辺りを警戒してはマサツグに返事をする!…
「ッ!…うぅ~ん…もう少し!……でももう着くと思うわ!!…」
「……そっかぁ……」
「ッ?……」
マサツグからの問い掛けに対して反応すると、アヤは若干悩み!…だが苔の生え
具合を見て大体の到着時間を割り出したのか…マサツグを安心させるようもう
直ぐとだけ伝えると、マサツグはその言葉に対して肩を落としたよう返事をする…
マサツグとしてはただそのフワッとした感覚を何とかして欲しいのだが、当然
如何する事も出来ず!…シロもシロでそんなマサツグの様子に気が付くと首を
傾げ…一体何が有ったのか?と考えながら抱えて居るマサツグの頭を撫で始めて
居ると、マサツグの願いは叶ったのか…数分後シャボン玉エレベーターは何事も
無くそのユグドラドの地下へと到着する!…
__シュウウウゥゥン……ぽよん!……
「ッ!!!…わああああああぁぁぁぁ!!……」
「ッ!…す、凄い!!…何これ!?…」
「…着いたわ!!…ここがユグドラドの地下!…世界樹の根元よ!…
…さっきも言ったけどここからは注意して?…静かに見えるけど危ないから!…」
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「ユグドラド王国地下・世界樹の根の洞」
ユグドラド王国の地下にある巨大な空洞。そこには世界樹の根と
ヒカリゴケによる幻想的な光景が広がっている反面!…凶暴な
モンスター達の巣窟とも化して居る!…故に準備を怠り入ると、
手痛い仕打ちを受け!…最悪リスポーンをする破目になる!…
そしてその中心にはこのユグドラドを象徴する世界樹の根が
地面に張っており、その付近では希少な鉱物が取れるとされて
いる。因みに現在は許可の無い場合は立ち入り禁止とされている。
推奨Lv.45
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弾む様にして到着し!…そうして一同がシャボン玉エレベーターから降りて見た
光景と言うのは、プラネタリウムの様な空間であった!…空洞の天井にはやはり
ヒカリゴケが群生しては星雲を描き!…そしてその空洞の中心には今の世界樹!…
その根っこの部分が盛り上がるよう露出しては意味深な空洞を更に作っていた!…
そしてその足元には漫画に出て来る様な水晶柱が隆起し、薄青色だったり薄紫色
だったり!…とにかくヒカリゴケの放つ光を反射しては辺りを照らしていた!…
恐らく依頼書に有った結晶と言うのはその光を反射する水晶柱の事で、アヤは
有った!と言った様子で安堵し!…その一方で依頼書そっちのけでシロは更に
感激しては遂に涙!…マリーもただ見た事が無いと言った様子で空洞を見上げ!…
ポツリと言葉を漏らしつつ感動に浸って居ると、そんな三人を余所に…更には
出て来た名所案内を余所にマサツグは限界と言った様子で膝から折れそうに
なって居た!…
__…プルプルプルプル!……ガクゥ!!…
「うわあぁ!?…ご、ご主人様!?…」
「え?…ッ!?…マ、マサツグ!?…」
「ッ!?…おにぃちゃんどしたの!?」
シロを顔に張り付けたまま足をプルプルとさせ…漸くマサツグの中でも
地面に足が着いたと認識出来たのか、遂には膝から崩れ落ちる!…その際
シロを落とさないよう咄嗟に左手でシロを押さえると、右手で自身の体を
支え!…当然マサツグが崩れ落ちた事でシロも慌ててしがみ付き!…
次にはマサツグを心配した様子で声を掛け出すと、そのシロの心配する
声に反応してマリーとアヤが振り返る!…アヤは戸惑った様子で言葉を
漏らすと、次には駆け寄りマサツグを支え!…マリーもマリーでマサツグに
慌て!…やはり心配した様子でかつ若干青褪めた表情も見せて居ると、
マサツグはそんな三人に大丈夫と返事をする!…
「……いや…ダイジョブ!…
ただあのフワッと感が無くなった事で安心したら…こう…ね?…」
「ッ!…え?…フワッとした?…」
「ッ!…マサツグ貴方…高い所…駄目?…」
__…ピクッ!……コクリッ…
三人に大丈夫と返事をしつつもマサツグの膝は大爆笑しており!…アヤに対して
言い訳をしつつ中々に立てない様子を見せて居ると、そんなマサツグの言い訳に
マリーが疑問を持った様子で首を傾げる…そしてその一方でマサツグの様子を
見て何と無く察したのか、アヤはマサツグに戸惑いつつも質問をし…マサツグも
マサツグでその問い掛けに対してピクっと反応して見せ…若干間を置きながらも
一回!…肯定するようシロを顔に抱えながら頷いて見せると、シロがマサツグの
代わりに大暴露する!…
「はいです!…だからシロがご主人様に張り付いて守っているのです!!」
「えぇ!?…いやだからって!…普通前見えない方が怖いでしょ!?…
と言うか今までどうやって移動をしてたの!?…」
「……ッ?…ですからこうしてシロが?…」
「いや!……あぁ~…もういいわ!…
何だか疑問を持つ事すら馬鹿らしく思えて来た…
……とにかく一旦休憩しましょ?…
幸いここにモンスターは寄って来ないみたいだし?…」
さも当然の様にマサツグの顔へ張り付きながら力説をするシロに、アヤと
マリーは揃って戸惑い!…何ならその話を聞いてアヤは勿論可笑しいと!…
今まで如何して居たかについて質問をすると、その問い掛けに対してシロが
続いて返事をする!…この時アヤの言って居る事が若干分からない様子で、
シロは首を傾げながら実演をし!…するとその様子を見たアヤは理解する事を
諦め!…マサツグの様子も考えて一度休憩を挿む事を口にすると、一同は
そのエレベーターの入り口付近で休憩を取る事を決める!…
__……ゴソゴソ……ストッ…
「ふぅ……幾ら慣れているとは言え疲れるな……ッ!?…
うわああぁ!!……なんじゃこりゃ!!…」
「ッ!…今更?…
って、視界が奪われてたんだもんね?…ごめんなさい…」
マサツグはまるで某・ムジ○ラの仮面が如くシロを顔から引き剥がすと、
漸く空洞内の様子に驚き!…この時シロみたくでは無いのだが、辺りを
見回し目を輝かせ!…本当に地下に居るのか?と言った様子で感動の声を
漏らして居ると、そんなマサツグの様子にアヤがツッコミを入れる!…
だがよくよく考えたら直ぐに理解した様子で、マサツグに苦笑いをしては
謝り!…マサツグはマサツグでまるで某・天空の城の様に!…飛○石が
採掘されていた洞窟内に居る様な感覚になって居ると、そんなマサツグの
隣にシロとマリーが寄り添って来る…
「……綺麗ですね?…ご主人様!!」
「……本当に凄いわね?…マリーこんな夜空見た事無い!…」
「あぁ~…夜空じゃなくて苔なんだがな?…
…で、アレがその件の?…」
「…多分そうじゃないかしら?…
丁度世界樹の根っこに寄り添うよう生えてるし…
何より他にそれらしい物が見えたらない……ってか妙に静か過ぎる!…
いつもならモンスター達が闊歩してる筈なのに!…足音一つしない!…
……これは一体?…」
まるで恋人同士になったようマリーはマサツグに体を預け!…シロはシロで
特等席とばかりにマサツグの座る胡坐の中に腰を落ち着けると、改めて感想を
聞こうとする。だがそれを邪魔する様にマリーが言葉を被せると、空洞内の
天井を夜空と言い!…そのマリーの言葉に対してマサツグは苦笑いをしつつ
ツッコミを入れ…シロの頭を撫でながらアヤにその見えて居る水晶柱に対して
質問をすると、アヤも恐らく!…と言った様子で返事をする!…その際
肯定する理由についても話すのだが、気掛かりな事についても話し出し!…
何でもアヤが言うにはモンスターが居ないと!…まるでここはモンスターの
巣窟みたいに言うのだが、その肝心のモンスターの気配は感じられないで居た…
当然この事にアヤも疑問を持ち出すと悩んだ様子を見せる一方で…マサツグも
徐に索敵し始める!…
「……感知!…」
__ピイィィィン!!……ポポポポッ!…
「ッ!?…えぇ~?……
…何かしらの反応は有るみたいだが?…これは一体?…」
マサツグが感知を使って索敵すると動く敵影は表示されない!…だが
それとは別に黄色…何か仕掛け関係の有るアイコンが表示されると、
その表示にマサツグは戸惑う!…確かに一応ここはダンジョンで有るため
仕掛け等が有っても可笑しくは無いのだが、その数が尋常ではなく!…
ミニマップには軽く見ただけでも数百あり!…それも何か規則的に並んで
いるとかではなく不規則に並んで居る為、更にマサツグを戸惑わせる
のであった!…さてこうしている間にも時間は刻々と過ぎて行き、
マサツグ達も十分に回復出来た所で!…重い腰を上げてはその水晶柱に
向かい歩き始め!…感知した際反応が有った辺りを警戒しながら足を
進めて行くと、ふと見慣れない物を発見する!…
__ザッ…ザッ…ザッ…ザッ……
「ッ!…何だこれ?…」
「ほえぇ~!…何かピカピカしてますね?…」
「……前に来た時こんな物は無かった!…
…やっぱり何か可笑しい!…」
マサツグ達が見つけた物は地面に埋まっており!…何やらその謎の物は
水晶で出来ている様な…とにかく卵の様な楕円状の球体を思わせる丸みを
持っては、一般成人男性位の大きさでツヤツヤの光沢を放っていた。
まぁ水晶なので場違いと言う程では無いのだが、そんな物が埋まっている
事自体あからさまに怪しく!…当然見つけた際マサツグは途端に疑問を
持ち出し!…シロは興味津々!…アヤも警戒した様子でその謎の球体を
見た事が無い!と言うと、この空洞内全体が可笑しいと言い出す!…
そうして謎に埋まっている物を見つけて居ると、マリーが思い立った様に
ふと辺りを見渡し!…次には何かを見つけた様子で!…マサツグ達に声を
掛けては辺りを見回す様に声を掛ける!…
「………ッ!…ちょ、ちょっとおにぃちゃん!!…周りを見て!!…」
「ッ!…え?……ッ!?…おいおいおいおい!…」
「ッ!?…これって!!…」
「さっきの反応はやっぱこれで間違いなさそうだな?…
だとするとこれは本当に何なんだ?……
…考えて居ても仕方がない!…とにかく気を付け……ッ!?…」
マリーは慌てて声を掛け!…そのマリーの呼び掛けに答えるようマサツグも
顔を挙げて辺りを見回すと、そのマリーが困惑して居る理由を知る!…
この時マサツグ達の眼前に広がって居た物は、さっきの卵の様な何かで!…
マサツグのミニマップに有った物はこれとばかりに!…先程見つけた物と
違って大きさもマチマチ!…ツヤツヤと輝く様な光沢を放ちながら、やはり
地面に埋まっていた!…それも数が多い!…やはり先程の反応はその卵の様な
物から有ったらしく、アヤもそれを見つけて驚き戸惑う!…マサツグも
その卵を確認した所で反応はコレと断定し!…他の皆を呼んで気を付ける様に
呼び掛けようとすると、ふとある事を目にしては肝を冷やす!…それは!…
__ペタペタ!…ペタペタ!…パシパシ!!…
「ほぇ~!…ツルツル!…
…でもあのツルツルさんの方がもっとツルツルですね?」
「ッ!?…ちょ!?…シロちゃあぁ~~~ん!?…」
マサツグが視点を前に戻すとそこにはシロが!…何の躊躇いも無く地面に
埋まっている卵に手を伸ばしてベタベタと触っており!…何なら叩いたりも
した様でその卵には幼女の手形がクッキリと付いて居た!…そしてその肝心の
シロはと言うと、全然平気な様子でその質感をロディの頭と比べて居り!…
当然そんなシロの様子にマサツグは大慌て!…シロを呼んで止める様に言い
聞かせようとすると、シロは呼ばれた事に反応して振り向き首を傾げていた。
「ッ!…はいです?…」
「はいです?…じゃなくて止めなさい!…触っちゃメ!!!」
「……ッ?…はいです…」
__テテテテテ!…ガシィ!!……
余りにもの警戒心の無さにマサツグも思わずシロの真似をして止めるよう言うと、
危ない!と言った様子で触るのを注意し!…シロもマサツグから注意を受けて
素直に聞き入れると、返事をする。その際シロは慌てるマサツグを見てはやはり
不思議そうに首を傾げて居り…マサツグの元へと駆けて行くと、合流するなり
マサツグに抱き付く!…この時マサツグもシロを捕まえるとシロの手を慌てて
確認するのだが、何事も無く…シロが無事だった事に安堵してほっと息を漏すと、
再びその卵に視線を向ける!…
「お手て見せて!!……はあぁ~…良かった何ともない!…
…シロが触っても反応が無い…本当に何だこれ?…何のギミックが?…」
「……とにかく安全最優先で行きましょう!…
何だか嫌な予感もするし!…」
「ッ!…ちょっと待ってくれ!…
シロ?…アヤとマリーと一緒に離れててくれないか?…」
「ッ?…はいです。」
シロがあれだけ触っても卵は何の反応もせず…一体如何言うギミックなんだ?
と考えていると、後からアヤとマリーが合流して来る。その際アヤもやはり
その卵を不気味に思ったのか、警戒するようマサツグ達にも声を掛け!…だが
この時マサツグは何を思ったのか?…徐に思い付いた様子でアヤへちょっと
待つよう声を掛けると、シロにも自分から離れるよう指示を出す…その際
シロはマサツグの呼び掛けに対してやはり不思議そうな表情を浮かべると、
首を傾げて見せ…だが一応は素直に話を聞き入れた様子で…マサツグから
離れてアヤとマリーの居る場所まで駆けて行くと、マサツグはそれを見届ける
なり大剣を抜く!…
「……よし、行ったな!…じゃあ!!…」
__ジャコンッ!!…ッ!?…
「ちょ!…ちょっと何するつもり!?…」
「どおぉ!!……せええええぇぇぇぇぇいい!!!」
三人の安全を確認するなりマサツグは徐に大剣を抜き出し!…当然その様子に
シロ達が驚き戸惑い何をする!?…と言った表情を浮かべると、次にはアヤが
慌てた様子でマサツグに声を掛ける!…だがマサツグはそんなアヤの制止を
振り切るよう大剣を大きく振り被ると、次にはその自身の目の前に埋まって
いる卵に対し!…大きく跳び上がっては狙いを済ませ!…その卵を自身の攻撃
間合いに入れると、叩き割るつもりで思いっきり大剣を振り下ろす!…
__ブォン!!!…ガキイイィィン!!!……ッ!?…ビリビリビリビリ!!!…
「あ!…い!…う!…え!…おぉ~~!!!……ッ~~~!!!…」
「ご、ご主人様(おにぃちゃん)!?…」
「ちょ!?…ほ、本当に何してるのよ!!…」
マサツグが振り下ろした大剣は見事に卵の中心を狙って振り下ろされ!…
その後まるで金属同士がぶつかった様な快音を立てると、マサツグの腕は
何処かで体験した事のある痛みを覚える!…するとその兜割りを放った
本人も途端にその場で固まって痛みに耐え始めると、まるでデジャヴの様な…
意味不明な言葉を口にしては徐々に膝から崩れ落ち!…アヤやシロ達も
そんなマサツグの様子を目にして更に戸惑い出すと、当然の様に心配をする!…
その際アヤはマサツグに若干怒った様子で言葉を口にすると、マサツグは
痛がりながらも苦笑いをして見せる!…
「スウゥゥ!!…ッ~~~~~!!!!!…タァ~~!!……
…あ、あははは…か、かなり頑丈みたいだな?…」
「馬鹿!!…本当に馬鹿!!…何をやってるのよ!!…
気を付けた方は良いって言ったのに!!…」
「いやぁ~はっはっはっは…ッ!…でも見てみ?…
これでこの卵の正体は分かったぜ?…」
それはいつぞやの鉱石掘りみたく動けなくなり…慌てて駆け寄って来るアヤ達に
卵が堅い事を伝えると、アヤから馬鹿!と言われて責められる!…勿論の事気を
付ける様に言った事に関しても責める様にアヤは言葉を続け!…マサツグも
ご尤もと言った様子でただ苦笑いをすると、自分が割ろうとした卵に視線を
向ける。…すると如何だろ?…完全には割れてはいないものの中身が見える
位には深手を入れる事に成功し!…その中身が露出して見える様になっている…
とアヤに声を掛けると、アヤもその言葉を言われて思わず卵に視線を向ける…
「え?……ッ!?…こ、これって!?…」
「……コイツに見覚えは?…」
「えぇ!…コイツはこの空洞内に居たモンスターよ!…
…他にも種類が居たからこれだけとは言えないけど!…
でも間違いない!…」
「ひゃあぁ~~!!…キラキラの中に!!……これなんですか?」
「ラ!…ラプター!?…な、何で!?…」
そこでアヤの目に飛び込んで来た物と言うのは、まるで水晶の中に閉じ込められた
モンスターの死骸らしき姿で!…アヤ自身も酷く驚いた様子でそのモンスターの
水晶漬けを目にして居ると、マサツグが徐に質問をする。するとそのマサツグから
の問い掛けに対してアヤは間違い無い!と答えると、空洞内に居たモンスターと
更に続け!…その際他にも種類が居たと!…シロはシロでそのモンスターの姿を
見て子供ながらに驚いた反応を見せると、途端にそのモンスターが何なのかが気に
なった様子で質問をする。するとその問い掛けに対して意外にもマリーが答える
よう、驚いた様子でラプターと言い!…確かにその目の前の卵には恐竜の様な…
某・一狩り行こうぜのゲームに出て来るラ○ポスみたいなモンスターが水晶漬けに
されては息絶えていた…
「……ラプター…なるほど?…ここには恐竜がいたのか…」
「……ッ!…この卵ってもしかして!?…琥珀!?…
いやだとしても!?…」
「でも現にこうなってるって事はそう言う事なんだろうぜ?…
…まぁ原因については全くの意味不明だが…とにかく!…
これで安全は保障された様なモンだ!…
さっさと結晶を掘ってトンズラしようぜ?」
「ッ!…え、えぇ……」
如何やらこの空洞内に居たモンスターと言うのは恐竜系のモンスターらしく、
マサツグが一人納得して居ると…アヤもこの卵について一つの仮説が出た様で…
卵の正体は世界樹の樹液で琥珀と考えると、それでも何か違和感が有るのか
アヤは考え続ける!…この時そのアヤの様子はまるであり得ない!と言った
風に見て取れると、ただこの状態についてまだ何か嫌な予感が有る様に見え…
そんなアヤの様子にマサツグは気にしないと声を掛け!…さっさと依頼を
終わらせる事だけを考える様に言うと、アヤもそのマサツグの言葉に感化
されてか戸惑いながらも返事をする!…そうして一同はその埋まっている卵を
放置する事を改めて決めると、その空洞内の中心部を目指すのだが…
「……さて?…いざその件の水晶柱の近くに来た訳なんだが?…
如何するこれ?…」
「……結構大きいわね?…
…硬度もさっきと同じ位だったりするのかしら?…」
「キラキラしてますぅ~!!」
「そうね?…耳飾りや首飾りにしたいかも!…」
そのお目当てのモノがある所まで辿り着くのだが…改めて近付いて実感する
その巨大な水晶柱!…太さは軽く見ただけでも乗用車一台分位はゆうに有り、
掘り出すなんて到底出来そうな物では無かった!…そしてまさに柱となって
いるかのよう天井を突き刺してはその剛直ぶりをマサツグ達に見せ!…
更にはその硬度もまだ不明!…先程の卵みたくとんでもなく硬ければ削る事
さえ困難に見えるのであった!…そうしてマサツグとアヤがその水晶を見て
如何するか?で悩んで居ると、シロとマリーは別の事を考えて居る様で!…
シロはキラキラに眼が無いのか目を輝かせ!…マリーもマリーでアクセサリー
にしたい!と言った様子で言葉を漏らして居ると、そんな二人にアヤが
ツッコミを入れる!…
「…ちょっとぉ~?…少しは考えて!…
これを手に入れない限りは戻れないのよ?」
「ッ!…だったら小さいのを探せば?
その一本じゃ無いと駄目な訳じゃないんだしぃ~?」
「ッ!?…その小さいのが無いから困ってるんでしょうが!!…
…全く!…さっきから思ってたけど!!…
ちょっとは目上の人の言う事を聞きなさい!…」
「ッ!…マリーちゃんに言う事を聞かせる事の出来る人はぁ~?…
自分より実力が上だと言う事を認めさせた人だけだよ?…
オ・バ・サ・ン?」
考える事を放棄しているシロとマリーに!…お姉さんっぽく言い聞かせるよう
アヤが注意を促すと、やはりマリーが反抗する!…マサツグに対してはまるで
甘える様に…シロに対してはあの一件以来認めた様で…アヤにだけはクソガキ
振りを発揮し!…アヤの言葉に対してまるで喧嘩を売るよう言葉を口にすると、
さすがのアヤもそろそろ我慢の限界かマリーに対して怒り始める!…それでも
自分は年上と言い聞かせるよう理性は保って居る様で、何とか心を落ち着かせて
マリーを叱ろうとするのだが!…マリーは当然の如く全然言う事を聞かず!…
寧ろ煽る様にアヤの事をオバサンと呼び始めると、アヤはその言葉を聞いた
瞬間!…遂にブチ切れる!…
「オ!…オバサンですってぇ!?…言うに事欠いてオバサンですってぇ~!!!
あったまに来た!!…いいわ、そこまで言うなら示してあげる!!…
後で泣き面掻いても知らないんだから!!!」
「ふふん!!…マリーちゃんがオバサン如きに後れを取る訳ないでしょ!?…
ルールは簡単!…相手を参った!って言わせればそれで勝ち!!…
準備は良い!?…」
「望む所よ!!!」
__チャキッ!!…フォンフォンフォン!!……
マリーのオバサン発言にアヤが遂にブチ切れると弓に手を掛け!…そして
挑発に乗ったよう怒りのまま意気込み出すと、マリーも掛かった!と
ばかりに乗っかる!…その際アヤの事が気に喰わなかった!と言った
様子でノリノリにダガーを両手に構え出すと、腰を落として身構え!…
互いに戦闘準備を整えた所で簡単なルール説明をすると、やる気満々の
戦闘意欲を見せる!…そうして過激な喧嘩が始まりそうな一方で、
マサツグ達はと言うと…やはりその巨大な水晶柱を壊す事は出来ないと
考え!…地道に小さい物を探す事に決めると、まるで親子の宝探し
ゲームの様に水晶探しをしようとして居た…
「……俺達は小さいの探そっか?」
「はいです!!」
因みに喧嘩を止めない理由としては、面倒の一言に尽き!…更にマサツグと
しても丁度良いと!…これを機に仲良くなって貰おう!とマサツグは考え!…
シロと共にいざその回収出来そうな水晶を探し始めると、シロは元気に手を
挙げて返事をする!…さてそうしてその場を離れる様にマサツグとシロが
移動すると、それを開始の合図に!…アヤとマリーの喧嘩が遂に始まり!…
辺り一帯に衝撃音やら何やら音が反響する様に響き出すと、勇ましい掛け声も
聞こえて来る!…
__ハアアアアアアアァァァァァ!!!!…
「……あぁ~忙し忙し!!……さて、ここいらはっと!……」
「ッ!…ご主人様!…これは如何ですか!?」
「んん~?…どれどれぇ?…ッ!…
いいかも知れん!…ナイスだシロ!!」
「ッ!…えへへ♪」
実力さえ示せばマリーは言う事を聞く!…後は本人次第な訳で…その勇ましい
掛け声をバックにマサツグは言い訳を口にするよう忙しいと言い出すと、シロと
共に丁度良い水晶を探す!…この時辺りを見回したり適当な石を退けたりする
のだが中々見つからず!…その一方でさすがは子供か!…シロは子供目線で
手ごろな水晶を見つけると、すかさずマサツグを呼び!…マサツグも呼ばれて
シロの元へと移動すると、その水晶を目にしてはシロの頭を撫でながら褒める!…
するとシロもマサツグに褒められて嬉しいのか尻尾を振って喜び!…ほのぼのと
している一方で片や殺伐!…とにかくこの後に待って居る恐怖体験に誰も
気付かないまま!…時間だけが過ぎて行こうとするのであった!…
……因みにこの時クラウスに捕まったレイヴンはと言うと…溜まっていた
研究結果と言う名の怪しい薬を大量に飲まされては!…違う意味で異世界
転生を果たしそうになって居たそうな…
「あばばばばば!!……」
「ふむ……魔力増強と回復の組み合わせに難有り…
要追加で研究の余地あり…」
「てか!!…人でその効果を試すんじゃねぇ~!!」
勿論クラウスはレイヴンの事など御構い無しに研究を続けて居たそうな!……
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