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-第三章-サマーオーシャン連合国-エルフの国編-

-第三章三十七節 朝から一触即発と進まない話と六森将-

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朝食も食べ終えた所でマサツグ達はベルベッタの家を後にすると、ベルベッタの

案内でマルティスの家へと向かっていた。その際今日の朝食に今だカルチャー

ショックを受けた様子でベルベッタが戸惑った反応を見せて居ると、オーディック

もそれに同意するよう戸惑い!…マサツグはそれに対して何か不味かったか?と

言った表情を見せて居ると、そのマサツグの反応にレイヴンは呆れた様子を

見せていた。


「……はあぁ~…まさか朝からモンスターの肉を食べさせられるなんて!…

それもコカトリス!……何であんな害悪クソ鶏があんなに美味しいのよ!…

人生で初めてだわ!…これ程までに飲み込む事と葛藤したの!…」


「んだなぁ?…オラも驚いただ!…まさかあのコカトリスを食べるだなんて!…

しかも外じゃ高級食材って事にも驚いただ…あいつは厄介なだけなのに!…」


「…でも美味かったろ?…まぁ俺も最初戸惑いはしたが……

それに毒がある訳じゃないんだからそこまで言わなくても…」


「いやそう言う問題じゃないんだよ!…倫理観的に…」


ただコカトリスが美味しかった事に全員が驚き戸惑いながら言葉を口に

すると、朝の霧掛かった森を行き…森の中と言っても集落の中なのだが

異様なまでに朝露が濃く!…方向感覚を失い…それこそ下手すると

迷子になってしまいそうな中!…ベルベッタにしっかりついて行くと、

徐々に一軒?…とにかくこれまたとても大きな樹の根元へと辿り着こう

としていた。


__ザッ…ザッ…ザッ…ザッ……


「…もう直ぐで着くわ…皆しっかりついて来て!…」


{……いや、この霧の中なんでこんなしっかり歩けるんだ?…

確かに土地勘は有るだろうが?…}


{…前もハッキリと見えない位に…

何なら濃霧と言っても良い位の霧の濃さなのに方向感覚がブレていない!…

やっぱ種族特有の固有スキルが有るのか?……よし!…}


霧に隠れながらも確かにベルベッタの言う通り、徐々に目的地へ近付いて居るのか

樹の陰らしき物が見えて来る…そしてそれに合わせてベルベッタははぐれないよう

マサツグ達に声を掛けると、更にそんな霧の掛かって居る森の中を進むのだが…

マサツグやレイヴンからすれば何故この霧の中迷う事無くここに辿り着けるのだ?

と考えてしまい…その際土地勘など色々な事を考えるのだが、幾ら土地勘が

有っても見えなきゃ意味が無い物と考えると、益々悩み出す…そして思い立ったら

吉日と言った様子でマサツグがベルベッタに声を掛けようとするのだが…


「……ちょっと…」


__…コンコンッ!……ッ~~~……ガコッ!…ぎいいぃぃ~…


「さぁ!…中に入って頂戴!……って、何か言った?…」


「ッ!?…あぁ、いや!!…何でも無い…」


「ッ!…え?…あっ…そ、そうなの?……じゃ、じゃあ行くわよ?」


考え事をしていたせいかいつの間にか辿り着いて居た様で、マサツグ達が

質問をするよりも早くにベルベッタが樹をノックし、そのノックの音に

反応するよう中から声らしき物が聞こえて来ると、ベルベッタは樹の中へと

入って行く。その際振り返って全員居る事を確認すると、中に入るよう

声を掛け!…それと同時にマサツグの声にも気が付いた様子で返事をし、

何を言おうとしていたのかを尋ね出すと、マサツグは慌てて何でも無いと

返事をする。別に慌てる必要は無いのだが、何故か反射的に慌ててしまい!…

そのマサツグの様子にベルベッタも釣られるよう戸惑ってしまい!…

マサツグの様子に困惑した表情で返事をすると、改めて先導するよう

樹の中へと入って行く。


__ザッ…ザッ…ザッ…ザッ…コッ…コッ…コッ…コッ…


「……シャーマン!…言われた通りに客人と連れて来ました!…」


「……ご苦労…ではいつもの所に…」


「…仰せのままに!…」


地面から木目の床に…音が変わる自身の足音を耳にしつつ、そのマルティスの

住む樹の中へと入って行くと、そこにはまるで会議室の様な…それこそ机や

椅子は無いのだが座布団らしき物が円形状に敷かれて有り、更にマルティスの

後方には五つの席が設けられ中央には焚火…轟々と燃えているその焚火の

向こうでは昨日の格好のまま…マルティスが杖を片手に鎮座していた。まるで

待って居た!…と言わんばかりにベルベッタへ視線を向けると、ベルベッタは

マサツグ達を連れて来たと答え出し!…その言葉に反応するようマルティスも

一回軽く頷き!…ベルベッタにご苦労と声を掛けると、それぞれ位置が定め

られているのか…その位置に座るようベルベッタに声を掛けると、ベルベッタは

それに従うよう自分の位置へと歩き出す。


__コッ…コッ…コッ…コッ……スッ…


「…直に他の者達も集まって来る…全員が集まり次第話を始めよう…」


「ッ!…す、座って良いみたいだな?…」


__コッ…コッ…コッ…コッ……スッ…


ベルベッタはマルティスの後方…その五つ有る席の内一番左に座ると、

マサツグ達の居る方へ振り向く。まるでマルティスの護衛!…或いは守護者ガーディアン

言った所か、ジッと見詰めるようマサツグ達の事を見詰め出すと、その視線に

マサツグ達は戸惑い!…そこからは何の案内も無しにただ立ち尽くしており、

一体何が何やらと言った様子でその光景を見詰めて居ると、マルティスは杖で

指し示す様にその円形状に並べられた座布団へ座るようジェスチャーを送る。

その際まだ自分達の他に誰か人が来るのか、全員が集まるまで待つよう

マサツグ達に声を掛け…マサツグ達もそのジェスチャーを見て座って良い

のかと理解し…それぞれ空いている所に座って行くと、アルスだけは座る

気配を見せずに立っており!…それと同時にマルティスの事を睨み付け

始めると、それに反応するようマサツグ達がアルスに警戒をする!…


__……キッ!…ッ!?…


「……まだ囚われて居るのか…」


「ッ!!…当たり前だ!!!

あんな事を言われて!!!…

気にならない訳がないだろう!!!…」


また一触即発の展開になりそうな雰囲気に!…マサツグ達やベルベッタが

警戒をし始めると、いつでも動ける様に身構える!…その際ベルベッタは

笛を手に!…マサツグは刹那を!…レイヴンは無詠唱魔法!…オーディックは

アルスの隣に立っては身構えるのだが、そんな周りの事など御構い無しか

マルティスはアルスに話し掛けると、また煽る様な事を口にする!…まるで

アルスの気を確かめる様に…そして憐れむ様に…そんな大人しくも地味に

煽り性能の高い言葉を口にすると、当然アルスは噛み付き!…文句を言う様に

マルティスへ反論し!…何が可笑しい!?…とばかりに顔を強張らせると、

マルティスはそのアルスの表情をチラッと確認するよう見上げては、ある事を

口にする…


「……幾らその者の影を追った所で無駄だと分かって居てもか?…」


「ッ!?…何ぃ!?…」


「……幾ら汝がその影を追った所で捕らえる事は出来ん…

奴は影…我々ですらもうその者の影を捕まえる事は出来ん…」


「ッ!?…おい!!…一体如何言う事だ!?…説明!!…」


アルスにその人物の事を教える様に言葉を口にするのだが、如何にも意味深で…

ただ分かる事はアルスには無理と断言して居るらしく、アルスもそれを理解した

所で更にマルティスに噛み付いて行くと、マルティスは言葉を続ける…その際

やはり意味深な風に言葉を口にすると、ただ無理だと言っては自分達でも

捕まえる事は出来ないと言い…その言葉で更に困惑…かつ怒りを覚えた様子で

声を荒げて居ると、そのアルスの後方より客人が…中の様子に対して警戒した

よう入って来ると、中に居る全員に話し掛ける。


「……ヒートアップしてる所悪いけど…表まで声駄々洩れよ?…」


「ッ!?…何奴!?…」


仲裁に入ろうと思ったのか、それともマルティスを護ろうと思ったのか…

突如アルスの背後より巨大な人影が姿を現し!…アルスに注意をするよう

声を掛けると、アルスも驚いた様子で振り返る!…するとそこには昨日

オーディックに投げ飛ばされたジーナの他に、マサツグに腹パンを貰った

少女!…その他にもシロと大差ない位の幼女に、魔術師かローブを身に

纏って居る者がそこに立っており!…アルスも突如囲まれたよう慌てて

警戒をし始めて居ると、そんなアルスに対してジーナは不敵に笑って見せる!…


「何奴も何も!…私達以外に誰が居るってのさ!…

…来たよ、シャーマン?…」


「……ご苦労…」


__コッ…コッ…コッ…コッ……スッ…スッ…スッ…ドッカ!…


アルスの反応に対してジーナは自分達以外に有り得ないと言って返事をすると、

アルスの事等眼中に無いと言った様子で中へ入って行き!…マルティスに

集まったとジーナが声を掛け!…そのジーナの言葉に対して反応するよう軽く

一回頷くと、マルティスはご苦労と呟く…そしてそれぞれやはり座る位置が

決まって居るのか、ジーナ達はマルティスの後ろに…背後にある五つの席が

全てそのダークエルフ達で埋まり、マルティスも揃ったとばかりに話を始め

ようとすると、スッと立ち上がる…


「……では…始めるとしよう…

かの樹の上の女王より提案された話しについて…」


「ッ!?…オ、オイ待て!!…話は!!…」


「うるさいねぇ!!…今からシャーマンの話が始まるだろう!?…

それに!!…誰もアンタの敵討ちなんざに興味はない!…」


「ッ!?…貴様に無かろうと私にはあるのだ!!!…

答えろ!!…一体如何言う事なのだ!?…ッ!?…

もしや追放!?…」


さて二日目にして遂に和平を結ぶ話が始まろうとするのだが、それよりも

アルスは自分の仇が気になる様で!…もはや自分の任務などそっちのけで

夢中になっており、マルティスの話に割って入るよう声を荒げると、ここで

ジーナから文句が飛び出す!…当然自分の所の長の話が蔑ろにされた事で

怒りを覚えた様に!…アルスに対して声を荒げて注意をするのだが、アルスは

折れず!…寧ろ怒りを覚えた様子で反抗し!…続けて先程の話を掘り返すよう

一人怒気を強めて居ると、マサツグも止めに入り出す!…


「おいアルス!!…いい加減にしろ!!!…

テメェはここに何しに来たんだ!?…女王様の命令が一番だったり!!…

自分の仇が一番だったり!…テメェには欲望に忠実なガキか!?…

大概にしろ!!!」


「ッ!?…何だとぉ!?…貴様に私の何がわか!!…」


「分からねぇから言ってんだよ!!!…

少なくとも話の一つや二つくらい分かってたら聞いてやろうって気にはなるが!!…

こちとら何も分かってねぇんだよ!!!…一体何が有ったってんだ!?…

何の説明も無しに事情を汲んでくれると思うなよ!?」


「ッ!?…ッ~~~~!!!……」


いい加減アルスの自分勝手さに怒りを覚えた様子で声を荒げると、そのアルスの

自分勝手さを自覚させる様に文句を言い!…その際アルスの事を聞かん坊の

子供の様だと罵り!…そのマサツグの言葉を聞いてアルスの注意ヘイトがマサツグの方へ

移ると、アルスは更に文句を言おうとするのだが…マサツグはその言葉に対して

被せるよう更に文句を言い!…事情を知らない内は誰も味方をしない!…と

ハッキリ断言すると、アルスの事を睨み付ける!…この時マサツグの眼光は

本気ガチの戦闘中の様に真剣な物で、覇気の有る鋭い物になっており!…

思わずその眼光にアルスはたじろぎ!…それに釣られて奥に座って居るダーク

エルフ達も同じ様に反応してしまうと、アルスは苦虫を噛んだ様に歯を食い縛り

俯き出す!…そしてそのマサツグの言葉が効いたのかアルスは沈黙してしまうと、

その場にへたり込み!…如何しても話したくないのか必死に我慢をする様子を

マサツグ達に見せ!…そのアルスの様子にマサツグも睨みつけたまま若干気に

なった様子を見せて居ると、マルティスはその様子を見て何を思ったのか…

ある事を話し始める…


「……このままだと真面な話も出来そうにない…」


__………。


「故に少し…機会を汝にくれよう…」


「ッ!?…は?…」


暫くの沈黙が有った後、ある種エルフ達の代表で来ているアルスがこの状態

なので当然話等出来る訳が無く…マルティスも話を進める上でアルスは

絶対に正常でないと駄目だと言い…その話を聞いてマルティスの家に居る者達

全員が沈んだ様に俯き出すと、マルティスは突如チャンスをやると口にする。

当然何の事なのか分からないマサツグ達はハッと顔を上げると、途端に困惑の

表情を見せ…アルスに至っては訳が分からないとばかりに言葉を漏らし!…

ただマルティスの真意が読めないとばかりに戸惑いの視線を送って居ると、

更にマルティスは話を続ける…


「…簡単な事……汝にその者の行き先について教えてやろう…」


「ッ!?…何だと!?…」


「但し条件が有る!…汝、我々の誰か一人に打ち倒し!…

その実力を証明するのだ!…それ相応の実力を見せない限りこの事は闇に…

しかし証明する事が出来れば明るみに!…汝に提示して教え示そう…」


「ッ!?………」


マルティスが話し出したのは先程まで話そうとしなかったその仇についてで…

その話を聞いた途端アルスが驚いた表情を見せると、マルティスは続けて

その教える条件をアルスに話す!…その条件と言うのは六森将の誰かに実力を

示すと言う事で、もし打ち勝つ事が出来れば教えると言う!…単純明快かつ

難題の様な試練の内容であり、当然その相手の実力は未知数で!…ある意味

危険な賭け様な物なのだが…とにかく突如その条件を提示された事でアルスは

戸惑い!…ただマルティスの意図が分からないまま困惑して居ると、突如

マルティスの背後より乗り気でジーナが煽り出す!…


「ッ!…へぇ!…面白いじゃないか!…だったらあたしとやりなよ!!」


「ッ!?…ジーナ!?…」


「シャーマンの考えは分からないけど?……そう言う話なら別さね!…

それに!…アンタだってあたしらを殺したい程憎んでんだろ?…

どれ程の実力を持ってるのか!…あたしらが確かめてやるよ!!」


「ッ!?…貴様ぁ!!…」


マルティスの突然の話にマサツグ達が困惑の色を見せている中…ジーナは

そのやり取りを喧嘩と言った風に受け取ると、その喧嘩を売っている相手…

アルスを挑発し始める!…その際自分が相手をすると言った風に言い出すと、

隣に居るベルベッタは戸惑い!…だがジーナはそんなベルベッタの事など

御構い無しに面白いとばかりに話を続け!…更に煽るよう殺しに来い!と

ばかりに言葉を続けると、その挑発に乗るようアルスもカチンと来た様子を

見せる!…そしてその場の空気は一気に戦闘ムード一色になり始めるのだが、

勿論仲裁が入り!…何ならマルティスは視線を後ろに向けるとジーナを

一睨みし!…ジーナもその視線にビクッとした様な反応を見せると、途端に

落ち着きを見せる…


__……チラッ…ッ!?…ッ~~……


「…ここで始めるようとするな…ジーナ…

お前は血の気が多過ぎる!…」


「……はい…スイマセン…」


「……それに見た所まだ負傷は言えていない様子…

その傷が癒え次第先程言った試練を受けて貰う事とする…

…各々その準備を覚悟して置く様に…」


まるでヤンチャし過ぎて親に怒られたよう…先程まで意気揚々と大股開きで

山賊の親分の様な座り方をして居たのが…マルティスに怒られ直ぐに反省

モードになると途端にしおらしくなっては小さくなる。それこそ下着が見えて

居ようが御構い無しだったのだが、やはりマルティスの方が立場は上なのか…

マルティスもジーナに対して苦言を口にし始めると、ジーナは更に小さく

なった様子で返事をする。そしてそのジーナの返事を聞いた所でマルティスも

前へ振り向くと、アルスの状態を見ているのかジッと見詰め!…そしてまだ

負傷している事を直ぐに看破し…アルスが完全回復し次第その試練を開始する!…

とだけ他の面々にも覚悟するよう声を掛けると、そのマルティスの言葉に

対して五人は頷く!…


「仰せのままに!…」×5


__ッ!?………ッ?…


「あれ?…つかぬ事を伺っても宜しいでしょうか?…

もしかしてその試練…俺達も含まれてたりします?…」


五人全員が揃ってマルティスに返事をし…そんなダークエルフ達の一糸乱れぬ

返事を聞いた所でマサツグ達も驚いた様子で反応すると、沈黙が訪れるのだが…

この時ふとマサツグがある疑問を持った様子で…それを尋ねるよう恐る恐る

マルティスに声を掛けると、マルティスはマサツグの方へ振り向いてはこう

返事をする…


「……汝達は既に試練を越えている…故にここへ招き入れた…

汝はベルベッタの心を折り、屈服…ナターシャの腹部に拳を撃ち込み…

気絶までさせた…既に十分な実力を持って居ると言える…」


「ッ!?…ちょ!?…い、いやアレは事故で!!…じゃなくて!!…」


「…丁度良い…各々自己紹介を済ませよ…

これから戦うやもしれん相手…礼儀は果たせ…」


「いやお願いだから話を聞いてぇ!?…」


相変わらず表情が死んでいる様に変わらないマルティスはマサツグの方へ

振り向くと、必要ないと語り…その際理由にベルベッタとあの夜襲時の事を

話し!…マサツグがそれを言われて慌てて違う!…と弁明するが、話は

そのまま流される…そして話題は勝手に自己紹介へ移り出すと、六森将も

それに合わせて徐に席を立ち!…マサツグはマサツグで嘆く様に訴える

のだがやはり話は聞いて貰えず…マサツグが項垂れる中自己紹介が始まると、

ベルベッタが改まった様子で最初を切り出す。


「…では改めて自己紹介をさせて貰うわ!…

私の名前は[ベルベッタ]!…[ベルベッタ・ライラック]って言うわ!…

六森将で[魔獣使い]を名乗ってるわ!」


ベルベッタが改めて自己紹介をし始めると、マサツグも悲しみながら顔を上げ…

一応礼儀と言った様子でベルベッタに視線を向けると、その自己紹介を聞く。

その際改めてベルベッタに視線を向けてマサツグが思った事は、やはりエルフは

美形揃いばかりと言う事で…ベルベッタは言うなればお姉さんキャラ!…

その容姿はアルスやリリーといい勝負をしており、見た目を簡単に説明すると

某・反逆のなんちゃらに出て来るヴィ〇レッタに似ているだろうか?…とにかく

美人だとしか言いようがない!…そしてベルベッタが自己紹介を終えると、

次に名乗り出したのは一番右に居るローブを身に纏った者で、何やら怪しい笑いを

口にしながら名乗り出す!…


「…うふふふ!…私は[レイネ]…[レイネ・アマリリネ]と申します…

六森将No.5で二つ名は…[死霊使い]!…

永遠に息絶える事の無い兵隊を扱いますので…以後お見知りおきを!…

…うふふふ!…」


「ッ!?…し、死霊使いと来たか!…」


二番目に名乗り出たのはレイネと名乗り!…自ら死霊使いである事を口にすると、

ただ不気味に怪しく笑い続ける!…その際ローブを頭から着込んで居るせいか、

素顔は一切見せず!…ただ若干俯いては本当に不気味に!…何やら意味有り気に

笑って居り!…レイヴンがその死霊使いと言う言葉に反応した様子で戸惑って

居ると、すかさずジーナが自己紹介をし始める!…因みにそのレイネの見た目は

と言うと某・Fa〇e/に出て来る旦那一筋の裏切りの魔女の様で、ローブの上から

でもハッキリと分かる位にプロポーションは抜群である!…


「次はあたしの番だね!!…あたしは……[ジーナ]!

[ジーナ・グラハム]って言うんだ!…六森将の四番目を担って居て!…

二つ名は「剛腕無双」!!…喧嘩が何よりも好きな乙女さ!!

よろしく!!」


……さて、ここで問題である。彼女は何故自己紹介をする際、一瞬躊躇ったの

だろうか?…ファーストネームを口にする時露骨に視線を逸らすと、悩んだ

表情を見せ…少ししてからジーナと名乗り、フルネームを口にしたのである。

その後は何事も無かったかのようスラスラと自己紹介をするのだが、当然あの

妙な間に引っ掛かりを覚え!…何なら一番流しそうなオーディックが戸惑い出し…

気になった様子で首を傾げると、指摘するよう不思議そうな表情で質問をする。


「……んぁ?…今何で一瞬戸惑っただか?…」


「ッ!?…え?…な、何の事だい?…あたしは普通に……」


「……?…ちゃんと自己紹介をしろ!…」


「ウグッ!!…ッ~~~!!!…はい…」


オーディックは天然なのか…子供の様な仕草で疑問を口にすると、ジーナに

視線を向け…そのオーディックの指摘にジーナも慌てた様子を見せ!…

オーディックに誤魔化すよう返事をして居ると、マルティスよりツッコミが

入る!…ツッコミと言っても芸人みたいに!とかではなく呆れた様子で…

そのツッコミを受けた事でジーナは怯み!…まるで葛藤するようグッと

拳を握り!…その後諦めた様子でマルティスに返事をすると、誤魔化した

理由を話す様に再度自己紹介をする…


「……あ、あたしの名前は……[ジーナ]…

[パンジーナ・グラハム]…だ!……ッ~~~~!!!!…」


__………。


再度名乗った際ジーナは自身の事をパンジーナと言い!…その名前を聞いて

オーディックも納得した様子でジーナを見詰めると、辺りはシンとする…

別に可笑しい!と言って笑う程の名前でもなければ、別に可笑しくないとも

言えず…微妙なラインの名前に如何反応したものか?と…マサツグ達が

困惑した様子で思わず固まってしまうと、ジーナも徐々に顔を赤くしては

両手で顔を隠してしまう!…因みにパンジーナ…もといジーナも何処か

別作品で見た様な容姿をしており、一番近いのは某・荒野の女義賊だろうか?…

とにかく何とも居た堪れない空気が流れている中、更に自己紹介は進み!…

今度はシロと同い年位だろうか?…身長も同じ位のダークエルフの幼女が

名乗り出すと、途端に空気は変わり出す!…


「じゃあ次はマリーね?…マリーは[マリー]!…

[マリー・ゴールディネア]よ!!…六森将の中では三・番・目に強くてぇ~?…

そこで顔を真っ赤にしてるより偉いの!!」


「ッ!?…何だとマリー!!」


__ガバアァ!!…バシュンッ!!!…バシュンッ!!!…ッ!?…


次に名乗り出したのは某・中国産艦隊運営美少女ゲームに出て来るバ〇チの様な

ダークエルフの幼女なのだが…その性格は簡単に言うと褒められたモノではないが

クソガキ!…まるで自分が一番と言った様子で見下し口調の視線で名乗り始め!…

六森将の中でも三番目に強い事をアピールすると、徐にジーナの事を馬鹿にする!…

当然そのマリーの言葉にジーナもカチン!と来た様子で反応すると、顔を真っ赤に

したまま怒って捕まえようとするのだが!…次の瞬間マリーはジーナの目の前から

姿を消してはいつの間にかマサツグの背後に回っており!…ジーナはジーナで

空振り!…そのままマリーの居た座布団へ飛び込むよう転がると、自身の胸部を

強打する!…


__スカァ!!…ドサァ!!…


「グッ!!…ッ~~~~!!!…」


「二つ名は[神駆]!!…誰もマリーに追い付く事が出来ない!!…

捕まえる事も出来ない!!…だからマリーは強いの!!

力が無くても戦える!…そんなマリーちゃんは最強なのです!!!…

…ふふん!…」


「ッ!……」


その後ジーナは悶える様に苦しみ出すのだが、マリーは我関せずで自己紹介を

続け!…自分は最強と口にするとマサツグの胡坐の中で納まっているシロに

視線を向け!…シロもシロでその視線に気が付いた様子でピクっと反応すると、

マリーはシロの事を鼻で笑う!…この時やはり見下した様子で不敵に笑って

見せると、今度は瞬間移動する事無く自分の席に歩いて戻り!…その際チラッと

再度シロへ振り返り…まるで意識した様にクスッと笑って見せると、その様子を

見たシロは何やらカチンと来た様子でムッとする!…


__……クスッ!…ッ!?…むぅ~~~!!!…


「…ご主人様!…シロ、あの子嫌いです!…」


「…奇遇だな?…俺も何と無くあの子とは合わない気がする!…」


「何なのですかアレ!…失礼しちゃいますね!!…」


シロは膨れた様子で怒るとマリーを指差し!…マサツグの顔を見上げながら

嫌いと公言すると、その言葉にマサツグも同意する…その際マサツグは

怒ってはいないのだが、マリーに対して戸惑いを感じており!…とにかく

自分でも仲良くなれる自信がない事を口にすると、シロは文句を言いつつ

マリーに威嚇をする!…その際その話を隣で聞いていたレイヴンも頷き

二人に同意をするのだが、この時若干驚いて居り!…その驚いている理由と

言うのはシロの事で、あの温厚なシロが嫌いと公言した事に思わず驚きを

覚えて居ると、続いて五人目の自己紹介が始まる…


「……あっ…私…ですか?…ッ~~~~…

えっ…えっと……わ、私の名前は[ナターシャ]…

[ナターシャ・カーネリア]と申します…

ろ、六森将の諜報…及び暗殺を得意として居まして…

二つ名は[影歩き]…身を潜めるのが得意…です…はい、すみません…」


{……何故謝ったし(だ)?…}×3


五人目は黒髪ロングのとても大人しい子…言うなれば周りは陽キャばかりなのに

一人陰キャが紛れて居る様で、とても浮いて居り!…そして気弱なのかボソボソと

自己紹介をし!…思わず聞き取り辛いと言った様子で耳に手を当て近付き出すと、

その子は顔を真っ赤にして必死に紹介を続ける!…その際サラッとトンデモナイ事

を口にすると、自身の二つ名を話し!…当然そのトンデモナイ内容にマサツグ達も

驚き!…一体この子の何処にそんな実力が!?と戸惑って居ると、最後に

ナターシャは恥ずかしそうに俯きながら謝る…そんな突然の謝罪にマサツグや

レイヴン、オーディックが心の中で戸惑いつつツッコミを入れて居ると、アルスも

疑問を持った様子でツッコミを入れる!…


「…ッ?…最後何で謝ったのだ?…」


「ッ!?…ご、ごめんなさい!…」


「いや、謝罪を求めているのではなく説明を…」


「ひゃあぁッ!?!?…ご、ごめんなさい!…

ごめんなさい!…ごめんなさい!…」


アルスも自己紹介を聞いて漸く落ち着きを取り戻したのか、そのナターシャの

謝罪にツッコミを入れ…ナターシャはナターシャでそのツッコミを聞いて更に

謝罪をし始め!…これまた更にアルスがナターシャにツッコミを入れると、

ナターシャも何度もお辞儀をしては謝り続ける!…こうなるともはや無限

ループとなり始め、一向に出口が見つからず!…マサツグ達も六森将達も

共に呆れ出し!…如何にどう止めたものか?と互いに悩み出すと、最後の

マルティスの自己紹介はお預けになるのであった……因みにそのナターシャと

言う子は漫画のキャラに似ており…某・忍者漫画に出て来る白眼のくノ一!…

それも青年期のものに似て居り、これは六森将全員に言える事なのだが!…

何故か布面積が少なく!…やはり水着を着ている様な恰好なので際どく!!…

マサツグやレイヴン!…オーディックは若干目のやり場に困るのであった!!!…

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