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-第ニ章-サマーオーシャン連合国-獣人の国編-

-第二章九十三節 闇落ちレイヴンと自由過ぎる友達とミスティーの告白- 第二章終話

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__コンコンッ!…ッ!…


色々有ってフィアナにジィ~っと見詰められる中…マサツグがシロの服を

回収し終えて旅の準備を整えると、マサツグ達の居る部屋に突如ノックの

音が響く。勿論部屋の扉からそのノックの音が聞こえて来て居るのだが、

そのノックの主は何処か不安なのか力無く扉を叩いて居り…そんなノックの

主にマサツグが返事をしようとするのだが…徐にハッと気が付いた様子を

見せると、辺りを見回して慌て出す!…何故なら…


「ッ!…はぁ~……ッ!?…」


{しまった!!…まだフィアナ達が着替えて!!……ッ!…}


「ん?…如何したのだ?…誰か尋ねないのか?…」


{…着替え終えてる?……はあぁ~…助かったぁ~…

まぁた何か余計な詮索をされるかと……あれ?…

メイドさん達が汗を拭ってる?…}


ノックの主に対してちゃんと返事をせずマサツグが慌てた様子を見せた理由とは、

フィアナ達の事で!…二人が今ここで着替えて居ると言う事は何かしらラッキー

スケベが有ったと、誤解されるのを恐れたからであった!…そしてその事を

知った者はまた妙な誤解を覚えると新たな噂を産み!…そうして面倒事へと

繋がって行き!…またいずれは自分の方へ帰って来るとマサツグは確信して居た

からであった!…その事を踏まえてマサツグは面倒に思うとまだ着替えて居るか

どうかを確認する為に、慌てて二人の居る後ろを振り返るのだが…そこに居た

のは既に着替えた状態で立っているフィアナとミスティーの姿で、ちゃんと

着替えて居る事にマサツグがホッと安堵した様子で胸を撫で下ろして居ると、

メイドさん達も何故かホッとした様子で胸を撫で下ろして居た。この時マサツグは

額の汗を拭って居るメイドさん達の様子を目にすると、不思議に思うのだが…

そこはあえて触れずにスルーし…今はノックの主に対して改めて返事をすると、

誰かと尋ねる。


「……ふぅ…はぁ~い!…どちら様?」


「…俺だ俺…レイヴン…準備出来たか?…」


「ッ!…レイヴン?…何か随分と元気が無いな?…如何した?…」


「……当たり前だろ…今日は自分から死地に向かう様な日なんだからな?…」


「「「…死人なのに?(ですか?)」×4


マサツグが改めてノックの主に対して声を掛けると、如何やらノックの主は

レイヴンの様で…扉の向こうからは凄く暗い雰囲気のレイヴンの声で準備が

出来たかを尋ね出し、その問い掛けに対してマサツグが答えるよりも先に

戸惑った様子で心配の声を掛けると、レイヴンはその暗い理由に今回の

クエストのせいだと答える。その際本当に行きたくないのか酷く沈んだ様な…

皮肉を交えた言葉でマサツグに答え、そんな答えを出して来た事にマサツグや

フィアナ達がボケる様に返事をすると、そのボケに対してもツッコむ元気が

無いのか無言を貫く!…


「………。」


「…おっとぉ?…これは重症…」


__ガチャッ…ギイイィィィ…


「……おじゃましま…って、これは…女王様にお姫様まで…

今日も生憎お日柄が良く…」


「…駄目だ、何か色々とレイヴンの中で一杯一杯の様だ!…」


そのレイヴンの様子からよっぽどなんだな…と感じ取って居ると、レイヴンが

静かに部屋へ入って来る。さすがに扉を開ける際に軋む音が聞こえるのだが、

レイヴンが入ってくる際は音が無く…まるで影にでもなったかの様にスルリと

入り…マサツグに朝の挨拶をしようとすると、フィアナとミスティーの姿を

見つけ、今日の天気すら恨む様に続けて挨拶をし始めると、そのレイヴンの

重症具合に全員が戸惑う!…ただでさえ見た目が暗いと言うのに更に陰鬱な

雰囲気を全面に放っており…そんな様子に思わずマサツグが零し、レイヴンの

状態に疑問を持ち出して居ると、レイヴンは続けてフィアナ達に質問をする。


「……そう言えば何故お二方はここに?…

何か用が有ったと言う風には見られないのですが?…」


「ん?…あぁ!…余は夜這いを掛けに!…」


「ッ!?…どわああぁぁぁ!!!」


「わ!…私はそんな姉を監視に!!…」


「ちょ!?…ミスティー!?…」


暗い雰囲気で質問をするレイヴンの問い掛けとはこの場にフィアナ達が

居る理由についてで…その問い掛けに対してフィアナは隠す事無く堂々と

胸を張り出すと、笑顔で質問に対してド直球に答える!…当然その言葉を

聞いたマサツグは慌ててはぐらかそうとフィアナの口を抑えに掛かる

のだが、続けてミスティーがフィアナの言葉でパニックを起こしたよう

これまた素直に答えると、その場はてんやわんやになり始める!…もはや

収拾のつかない様子でマサツグがミスティーにツッコミを入れて居ると、

レイヴンは突如静かに笑い出し!…まるで悪落ちしたようテンションが

可笑しな方向へと走り出すと、マサツグを困惑させる。


「……フフ…フフフ!…フハハハハハハハハ!!!!…」


「ッ!?…ちょ!?…レ、レイヴンさん!?…」


「俺が如何やって逃げようかと考えている間!!…

マサツグ様はこんな可愛い女の子二人侍らせてニャンニャンして居たと!?…

これが笑わずに居られようか!?…」


「ッ!?…レ、レイヴンが壊れたぁ!!!…」


__じぃ~~!!……トトトト!…


ここまで来ると自我まで崩壊し始めたのか、マサツグが戸惑って居る一方で

嫉妬の炎を燃やし!…まるで狂った人形の様に大声で笑いながら藻掻き出すと、

そんなレイヴンの姿を初めて見たマサツグは更に戸惑う!…そしてレイヴンが

壊れたと言ってフィアナ達と一緒に思わず後退りをしてしまい、シロはシロで

レイヴンの様子が可笑しい事に!…何故か興味津々の様子で視線を向けて、

他の者達とは違って徐に近付き出す!…当然そんなシロの様子を目に

すると、マサツグは慌てて止めようとするのだが…


「ッ!?…シロちゃん!?…行っちゃ!!…ッ!?…」


__じぃ~~!!…ヨジヨジ!…


「あぁっはっはっはっは!!!……ッ?…ッ!?…

ちょ!?…シ、シロちゃん!?……ヤ、ヤブゥ!?…」


突如シロは高笑いをして居るレイヴンへ近付くとマサツグの体を攀じ登るが

如く、レイヴンの体を攀じ登り…マサツグはマサツグでその光景に戸惑い!…

呼び止めるのも忘れた様子で見守って居ると、レイヴンもシロに気が付いた

様子で視線をシロへ向け始める!…そしてこの時レイヴンの目には如何

映ったのか?…攀じ登って来るシロを見るとレイヴンは途端に慌て出し!…

先程のキャラも何処かへフライアウェイした様子でマサツグに助けを求めると、

そのレイヴンの様子にマサツグは更に戸惑う!…


「ッ!?…え?…えぇ!?…」


「シ、シロちゃんを!!…シロちゃんをぉ~~~!!!…」


…後にレイヴンは何故この時マサツグへ助けを求めたのかをこう話す!…


{シ、シロちゃんに!!…シロちゃんに喰われる!!!…}


如何やらレイヴンの目から見たこの時のシロは最初出会った時みたく、

まるでご飯を見つけたとばかりに輝いていたらしく!…自身の体を這うよう

登って来るその好奇心に満ちた表情は非常にトラウマだったと語るので

あった。しかし実際はと言うと…


__ブオン!!…ブオン!!…


「ふおおおぉぉ!!!…ご主人様以上にブンブンしてるのですぅ~!!!」


「……あらぁ?…」


シロは如何やらレイヴンがクネクネして居るのを見て居て、跨ったら楽しそうと

考えたらしく…物は試しと登り出し!…そして跨ってレイヴンの事を玩具に

していたらしい…この時レイヴンは振り払おうと頑張っていたらしいのだが、

シロは逆に喜び、レイヴンでロデオして居り!…終わった頃にはレイヴンは

その場に崩れ、シロは良い汗掻いたとばかりに額の汗を腕で拭っていた!…

因みに終わったのはその出来事が始まってから十数分の事である…


__ぜぇ!…ぜぇ!…ぜぇ!…ぜぇ!…


「……レ、レイヴン?…落ち着いた?…」


「……あぁ…お陰様で…」


「ふぅ~!!…楽しかったのです!!」


もう直ぐ旅に出ると言うのにこの有様…確かに結果としてレイヴンが冷静さを

取り戻したのだが、その代償は地味に大きく…マサツグが改めて心配した様子で

レイヴンに声を掛けると、レイヴンはグッタリして返事をし…シロは

シロで楽しかったと口にすると、尻尾を振って喜んでいた。さてこうなって

しまった元の原因を正し始めると、その論点は最初に夜這いを掛けようとした

フィアナに有るのだが…フィアナはフィアナで落ち着いた様子を確認すると、

徐にマサツグ達を急かし始める。


「……ふぅ!…一時は如何なるかと思ったが…これで一件落着じゃな?…

さて、改めてギルドに向かうとするか!…急ぐぞマサツグ!!」


「…って!!…元の原因はお前だろうがああああぁぁぁ!!!」


__ガッ!!…グリグリグリグリ!!…ッ!?!?!?…


「ッ!?…ぎにゃあああああああああ!!!!」


まるで自分のやった事を誤魔化す様に!…更に自分が解決した様にまとめる

フィアナにマサツグがツッコミを入れるよう吠えると、フィアナの蟀谷にスッと

両手の握り拳を添え始め!…そこからは想像付くであろう、グリグリと圧を

掛けるようフィアナにお仕置きをし始めると、その様子にノーマを始めとする

メイドさん達が慌て出す!…当然グリグリ攻撃をされるとは思っても居なかった

様子でフィアナが悲鳴を上げて居ると、ミスティーはそんなフィアナの様子に

驚いた表情を見せ!…周りのメイドさん達はマサツグを止めるべく慌てた様子で

駆け寄り始めるが、フィリアが開放されたのはマサツグからグリグリ攻撃を

受け続けて5分後の事で…フィアナはグリグリ攻撃から解放されると、その場に

土下座をするよう崩れては自身の頭を抱えながら悶絶する!…


「お!…おぉ!!……おお!!……」


「ちょっとは反省しろ!…フィアナ!…お前は一国の女王!…」


「その前に余は一人の女!…」


「何か言ったか?…」


「ッ!?…ご、ごめんなさい…」


その痛さを表現する様にフィリアの尻尾はピーンと上に伸びてぷるぷると

小刻みに震えており!…マサツグが呆れた様子で反省するようフィアナに

促して居ると、フィアナはまだ諦めていないのか口答えをしようとする!…

しかしマサツグはその言葉を聞くなりスッと両手の拳を構えて見せると、

もう一度するぞ?とばかりに威嚇し!…そんなマサツグの様子にフィアナも

屈服したのかシュンとし、慌ててマサツグに謝り出すと、そんな様子を

目にしたメイドさん達はマサツグに驚く!…一国の女王を相手にグリグリ攻撃!…

そんな事が出来るのは世界広しと言えどマサツグだけと目をパチパチとさせ…

メイド達がマサツグに驚愕している一方でミスティーはと言うと、ただ

フィアナの様子をジッと見詰めて居た。


「………。」


「……ッ!…ん?…ミスティーさん?…如何為さいました?…」


「ッ!?…え!?…あぁ!…な、何でも!!…何でも無いです!!…

あは!…あははははは!……ッ!…マサツグさん!!…お姉様が…」


「……ふぅ………ッ!…そういや…いやいやまさか…」


今だ蹲って居るとフィアナを何故か興味深そうに見詰めては頷いて居る

ミスティーに…レイヴンが声を掛けると慌てた反応を見せるのだが、笑って

誤魔化すようマサツグの元へと移動すると、フィアナの事で申し訳ないと

感じて居るのかマサツグに頭を下げ出す…そんなミスティーの様子を見て

レイヴンも落ち着いた様にふぅ…と一息吐くのだが、ふと思い出した様に

フィアナを見ていた時のミスティーの目が頭に浮かぶと、何故か同時に

頭の中では変な推理が浮かび出し…その推理と言うのもあのフィアナの

様子を見詰めて居る時のミスティーの目は何処か…心配をすると言うよりも

技を習得する様な感じで見て居た事を思い出し!…レイヴンがまさかと言った

様子で言葉を漏らしてミスティーの居る方へ再度目を向けると、そこには

何故か拳を握っているミスティーの様子を目にするのであった。


「……いや、まさかな?…」


妙に握り拳を握っているミスティーが気になるも、漸く全体が本当の意味で

落ち着きを取り戻すと、話は進み!…マサツグ達はギルドへ向かう為に客室を

後にし…王宮の外に出た所でフィアナが用意した馬車に乗り込むと、その馬車で

ギルドへ向かおうとするのだが…その馬車に乗る際フィアナは回復していない

様子で乗り込もうとして居ると、マサツグは自分でやった事ながらフィアナを

心配をする。


「……俺がやった事だからこう言うのもなんだが……フィアナ、大丈夫か?…」


「と…当然だ!…よ、余はまだ倒れては居れんのだからな!!…」


「…の割には足プルプルだし…メイドさん達には肩借りてるし……

不安しか無いのだが?…」


「ッ!!…ではマサツグが抱っこせい!!…お姫様抱っこ!!!」


フィアナは今だグリグリ攻撃が効いている様子で脚をプルプルとさせながらも

馬車に乗り込み!…その乗り込む際もやはり一人では乗れないのかメイドさん達の

助けを借りつつ乗り込むと、マサツグに強がっては引き攣った笑みで大丈夫と

答える!…しかしそのフィアナの様子は全員の目から見ても明らかに大丈夫そう

には見えず…マサツグが改めて指摘するよう先程の事を口にすると、フィアナは

反抗するようマサツグに強請り始め!…それを聞いたマサツグもスッと直ぐに

呆れた表情を見せると、冷めた返事をする。


「……元気そうで何より…」


「おい!!!…余泣いちゃうぞ!?…」


「ブフッ!…いやどんな脅し文句だよ!!…」


「……お姉様…」


マサツグが冷めた表情で間を置いてから返事をすると、フィアナは女王らし

からぬ言葉でマサツグに脅しを掛け出し!…その言葉にマサツグは

思わず驚き戸惑った反応でフィアナにツッコミを入れて居ると、レイヴンや

ミスティーもまさかの返事!…と言った表情で驚いては視線をフィアナに

向ける。この時その発言に一番に驚いて居たのはミスティーであり、驚くと

同時に呆れた様子も織り交ぜると、もはやその表情は複雑で…マサツグの

膝の上に座るシロもこれには吃驚と…フィアナに対してではなくミスティーに

対して驚いた反応を見せる中、馬車は静かにギルドへ向けて出発し始める。


__パシンッ!!…ヒヒィン!!…ガラガラガラガラ!…


さてこうしてマサツグ達の乗る馬車は王宮の門を抜けてギルドへ向かい出す

のだが、馬車の中は先程までの出来事が嘘の様に静まり返っており…寧ろ

何故かお葬式の様な暗い雰囲気に包まれつつあると、マサツグとレイヴンは

息苦しさを覚え…シロはシロでそんな暗い雰囲気に若干の不安を覚えた様子で

座って居ると、マサツグがその空気を変える為にと動き出す。その際一番に

暗い雰囲気を見せて居るミスティーに声を掛け出すのだが…


「……あ、あぁ~っと?……何か有った?……悩みだったら聞くが?…」


「ッ!…い、いえ!…何も……」


「ッ!…そ、そうか!…なら良いんだ!………」


{……このコミュ障が!!!…人の事は言えないけどもっと行けよ!!…

てか原因は自分にある事位察せ!!…この朴念仁!!!…}


マサツグ自身年齢=彼女いない歴なので、こういう時落ち込む女性に対して

如何声を掛けたら良いかが分からず…ただ無難な言葉を選んでマサツグも

おずおずと声を掛け…ミスティーもそのマサツグの問い掛けに対して

心配を掛けまい!と慌てた様子で返事をすると、マサツグは深入りは禁物と

言った様子で会話を切ってしまう!…結果何が原因でそんなに落ち込んで居る

のかが結局分からず、マサツグ達の会話を聞いてレイヴンが心の中でツッコミを

入れて居ると、フィアナはそんな二人の反応を見て先程とは逆転した様子を

見せ!…徐にマサツグへ対して助け舟を出し始める!…


「……はあぁ~…ミスティーもミスティーならばマサツグもマサツグだな?…」


「ッ!…え?…」×2


「え?…では無いだろうが!!…マサツグはいつもの様に構えて話さぬか!!…

それでは聞きたいモノも聞けんであろう!!……そしてミスティー!!…」


「ッ!?…ひゃ、ひゃい!!…」


フィアナは二人の様子を見てまどろっこしいとばかりに溜息を吐くと、

ミスティーとマサツグの事を情けないとばかりに言葉を口にし!…

その言葉にマサツグとミスティーは一緒に戸惑い!…気が付いた様子で

これまた一緒に言葉を漏らして居ると、フィアナからお説教に近い忠告を

受け始める!…その際呆れた様子でフィアナはドシッと構えるよう

マサツグに言い聞かせると、直ぐに今度はミスティーへ飛び火し!…

ミスティーが驚いた様子で返事をし、フィアナがシャンとするよう言い

聞かせ始めると、同時にミスティーの気持ちを暴露する様に叱咤激励する!…


「そなたももう直ぐ別れだと言うのにウジウジと!!……

確かに今生の別れでは無いわ!…しかし好いた男が何処かへ行こうとして

居るのだぞ!?…しっかりせんか!!!」


「……ッ!?……ッ~~~~~!!!!…お、お姉様!?…」


「今更隠しておいても仕方が無いであろう!!…女は度胸!!…

当たって砕けねば前には進めぬ!!…そなたも我が妹ならば!!…

その覚悟を見せてみい!!!」


「……いやそれ鬼過ぎねぇか?…」


当然そんなフィアナの叱咤激励の言葉を耳にすると、ミスティーは途端に顔を

赤くしてはフィアナの顔を見詰めてワナワナと震え出し!…ただ羞恥に震える

様子でフィアナの事を呼んで居り!…止めてくれとばかりにフィアナに向かい

手を伸ばし出すのだが、フィアナはそんなミスティーに追い打ちを掛ける!…

まるで今ここでマサツグに告白するよう強要する言葉を口にすると、介錯人の様に

スンと腕を組んではミスティーを見守り始め!…そんなフィアナの様子に!…

レイヴンも同情するよう言葉を口にするが、フィアナは下がらない!…


「さぁ!…もう直ぐギルドに着いてしまうぞ!?

ここで行かねばいつ行くのか!!…その胸に一生抱えるつもりか!?」


「うぅ~~!!…ッ!!…お、お姉様は如何なのですか!?…

アレだけ好き勝手マサツグ様に!!…」


「ん?…余か?…余はマサツグの事は好いて居るぞ?…

友人としても!…男としても!…

…でなければあんな風に寝たりはせん!!」


「むしろ潔い!!!…」


フィアナは急かす様に言葉を掛けてはミスティーを煽りに煽り!…ミスティーも

顔を真っ赤にしては徐々に押されて更に泣きそうになるのだが、ここでハッと

思い付いた様子でミスティーが反撃の手を考えると、フィアナに反撃をする!…

しかしそのミスティーの反撃もフィアナは意を返さない様子でいなして見せると、

逆にマサツグへ告白をし!…そんなフィアナの告白にミスティーはショックを

受け出し!…レイヴンもその潔いフィアナの告白に驚いた様子で言葉を漏らして

居ると、この時マサツグは……


「……ッ?…シロさん?…何で急に耳を押さえて?…

すっごく暖かいんですが?…」


「えへへへ♪…」


「ッ!?…クッ!!…あのお子様め!!…意外とガードが堅い!!…」


これはシロの天然かそれとも故意か?…マサツグの耳を両手で押さえては

キッチリガードしており、マサツグもそれを見てシロがじゃれ付いて来て

居ると勘違いすると、ただ何の疑問を持つ事無くシロに耳が温いと声を

掛ける。その際シロはやはりワザとか天然なのか?…マサツグと睨めっこ

するよう向かい合っては笑顔を見せており、そのシロの様子を見てフィアナが

苦虫を噛んだ様な表情を見せて、シロのガードが堅いと口にする。

まるで子持ちのパパの娘が懐いてくれない!…と言った様子で悔しがると、

そのフィアナの様子にレイヴンは思わず引いてしまい!…だがそれだけ

マサツグの事を本気で好きだと言う事をミスティーに証明して見せると、

徐々にミスティーにも変化が見られ始める!…


「……ッ!…シロちゃん!…ちょっと良い?…」


「ッ!…はいです?…」


「……ホントは言うとマサツグ様にはこの国に留まっていて欲しいのです!…

マサツグ様はこの国の英雄様でもあると同時に私の英雄様でもあって…

……ッ~~!!…私はマサツグ様の事が!!……」


「ッ!?…」


決意を固めた様子でミスティーが徐にシロの名前を呼ぶと、シロはミスティーの

方へ振り向き…その際マサツグの耳を解放し、ミスティーもそれを見て本音を

言うよう言葉を口にし始めると、そのミスティーの言葉にフィアナが反応する!…

この時ミスティーは恥ずかしさの余り死んでしまうのではないか?と言う位に

顔を真っ赤にすると、目に若干涙を溜めており…最後の言葉を口にする前に一度

決意を固め直し!…同時に漸くミスティーが自分に素直になった!とフィアナも

ミスティーの成長を見守る様に視線を向けて居ると、それは突如起きる!…


「私は!……私は!!……ッ~~~!!…」


「ッ!…ミスティー!……」


「ッ!!…ヒック!!…エッグ!!…うぅ~~~!!…」


マサツグに告白をしようとするのだが最後の言葉が出て来ない!…

これは緊張から来ているのか精神的な所から来ているのか…

何方とも取れる様子を見せており、そのミスティーの突然の不調に

フィアナも心配した様子で名前を呼ぶと、遂には耐え切れなくなった

様子でミスティーが泣き出す…これは告白出来なくて悲しい意味での

涙なのか、それとも自身の不甲斐なさに泣いて居るのか…とにかく

言い切れなかった事でミスティーが俯き涙を流して居ると、シロはその

様子を見るなり心配し…駆け寄ってはミスティーの手を握り、如何

声を掛けようか?と迷った様子を見せて居ると、さすがのマサツグも

これには気が付いたのかミスティーに声を掛ける。


「……ミスティー?…」


「ッ!…」


「ミスティーの気持ちはありがたいけど……ゴメン…

その気持ちには答えられないかな……」


「ッ!!…」


マサツグが優しい落ち着いたトーンでミスティーへ声を掛けると、

その声にミスティーは泣きながらも耳をピクっと反応させる…

その際まだ泣き止んではいないのだが、俯いた顔を上げ出すと涙で

ボロボロの表情をマサツグに見せ…そんなミスティーに対して

マサツグも辛そうに笑って見せると、そのミスティーの告白に

対して返事をする…だがその告白の返事はNO…その言葉を聞くと

ミスティーは泣きながら目を見開き!…ショックを受けた様子で

マサツグの事を見詰め出すと、そのまま固まる…だがマサツグの

答えはそれだけに終わらず…続けて立ち上りミスティーの元へと

歩くと、突如ミスティーを抱き締める!…


__…スッ……コッ…コッ……ぎゅぅ!!…ッ!……ぎゅ…


突如マサツグに覆い被さられるよう抱き締められた事でミスティーは

驚くのだが、抱き締められた事に反応するようマサツグの体へ腕を

伸ばし…そしてマサツグの体を遠巻きながらも抱き締め!…互いに

別れを悲しむ様に抱き合って居ると、マサツグはミスティーに理解して

貰えるよう無理だと言う理由について語り出す。


「…ゴメン…でも分かって欲しい!……俺達は冒険者なんだ!…

まだ行った事の無い土地や景色!…そう言ったモノを求める人種なんだ!…

…そんな俺を好きと言ってくれた事は素直に嬉しい!…でも駄目だ…ゴメン!…」


__ぎゅぅ!!…なでなで…なでなで…


{……何で俺が巻き込まれる形でここに居るのか?…

これが全く分からない!……てか俺とフィアナが居る事忘れてね?…

何ならシロちゃんガン見して居るけど?…}


その説明をする際それっぽい事を言って誤魔化しながらミスティーに聞かせる

のだが、やはりここで口下手が発動すると思う様に喋れず…その際あやす様に

ミスティーの頭を撫でると、ミスティーはハッとした様子を見せては徐々に

落ち着きを取り戻し!…それでも別れは寂しいのか静かに涙を流して居ると、

その馬車の中の様子はまるで恋愛ドラマの様な甘いモノへと変わり出す!…

この時ミスティーが振られる場面に立ち会っているレイヴンはと言うと、心の中で

何この状況!?…と困惑するのだが!…野暮な事は言うまい!と言った様子で

ただその状況を見守って居り…心から早く終わってくれ!…と居た堪れない

気持ちで願って居ると、その願いが通じたのか遂に馬車はギルドに辿り着く!…


__ガラガラガラガラ!!…ドドォ……ヒヒイィィン!!…


「……着いたみたいだな!…ミスティー?…立てるか?…」


「……スン!……はい!!…」


馬車が止まる揺れを感じると外から馬の嘶きが聞こえ…その馬の嘶きで

全員がギルドに到着したと察すると、馬車から降りようと動き出す…

その際まだ何とも言えない微妙な状況なのだが、マサツグがミスティーに

大丈夫かと声を掛けると、ミスティーは鼻を啜りながらも大丈夫と返事をし…

そうしてマサツグがエスコートするようミスティーを席から立たせると、

シロを連れて馬車の扉の前へと移動する。すると御者がそれを察した様に

扉を開けると、階段を用意し…踏み外さないよう今だエスコートをしつつ…

マサツグがミスティーを馬車の外へと連れ出すと、ミスティーは突如ある

行動に出る!…


__コッ…コッ…コッ…コッ……


「…よし!…後は大丈夫…」


__バッ!!…ンチュッ!……ッ!?…


ミスティーを馬車から連れ出す際、周りから視線を感じつつも二人は馬車を

降りるのだが…二人が下りた時点でマサツグがもう大丈夫と言った様子で

ミスティーの手を放そうとすると、ミスティーは突如マサツグに向かって

駆け出してはマサツグの左頬にキスをする!…当然いきなりの出来事に

マサツグが理解出来ていない様子で固まって居ると、周りでそれを見て居た

者達は驚いた様子でその光景を見ており!…後ろから降りて来たフィアナに

レイヴンも…そのミスティーの大胆な行動で呆気に取られたよう同じく

固まって居ると、マサツグは何度も瞬きしては混乱の一言を漏らしていた…


「……え?…」


__タッタッタッタッタ!……カタンッ……クルッ!…


「……私!…諦めませんから!…

ッ!!……絶対に!!…マサツグ様の事諦めませんからぁ!!!!」


__どよおおぉ!?!?!?…


ただキスをされた左頬に手を当ててはマサツグは固まり…シロはシロでそんな

マサツグの様子をジッと凝視する中、ミスティーだけは四人を置いて行く様に

ギルドへ向かって歩いて行く…そして一人ギルドの扉に手を掛けて数秒立ち

止まって見せると、徐にマサツグ達の居る方に振り返り!…馬車の時同様

何かを覚悟した様子で、ミスティーがマサツグの事を見詰め始めて居ると、

まだ諦めていない!と周りにも聞こえる様に公言する!…その際ミスティーの

表情は何処か活き活きとして居るのだが、バッチリと涙の痕は残っており!…

その言葉にミスティーの表情と!…察しの良い者達が慌てふためき驚いて

居ると、フィアナとレイヴンも我に返った様子でハッとする!…


__……ッ!!………ニヤリッ!……コッ…コッ…コッ…コッ……ポンッ!…


「…如何やら余の妹は最高の獲物婿殿を見つけたらしい!……覚悟して置け?…

余よりミスティーの方がしつこい上に!……色々と頭も切れて凄いからな?…

一途を通り越して何か恐怖を感じる様なところも有るのでな?…

あっはっはっはっはっは!!」


「……いやぁ!…男冥利に尽きますなぁ~マサツグ殿ぉ~?…

これを機に身を固めるのも一つだと思いますが?……

さっきからシロちゃんが凝視して居るので悪しからず!…

…あぁ、後こんな事言うのもなんだけど…馬車の中でのあのセリフ…

かぁなりクサかったぞ?…まぁ頑張れ!…」


__…ズルズル…ペタン……ぷくぅ!!…じぃ~~~!!!…


フィアナとレイヴンがハッと意識を取り戻す際、互いに顔を見合わせては

数秒固まるのだが…何故か二人は揃ってニヤッと笑い!…その固まって居る

マサツグの元へと歩いて行くと、合流するなりそのマサツグの肩を軽く

ポンと叩き出す!…そしてフィアナは何故か不敵な笑みを浮かべ始めると、

忠告なのか妙な言葉をマサツグに残して行き!…レイヴンはレイヴンで!…

マサツグの事を茶化すよう色々な事を口にすると、その固まるマサツグを

放置してフィアナと一緒にギルドへ入って行く!…そうしてマサツグと

シロだけがそこに放置された訳なのだが…マサツグは力無くその場で

崩れると、ただ何も言う事無く脱力し…シロはシロで膨れっ面で今だ

マサツグの事を凝視しており!…崩れるマサツグの顔にフェ〇スハガーを

し始めると、無言の抗議をするのであった!…


因みにこの後マサツグはシロを顔にくっ付けたまま、いつもの様に

如何してこうなった!?…と呟きながらギルドに入って行くのだが…

ギルド内では既にミスティーとの噂が広まって居るのか!…すれ違う

冒険者達からはある意味尊敬の目で見られて困惑するのであった!…


第二章サマーオーシャン連合国-獣人の国編  完

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