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-第ニ章-サマーオーシャン連合国-獣人の国編-

-第二章五十一節 変幻自在と泥棒髭と潜入任務-

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「…ヤブ?…何で一歩下がった?…」


「……その前に一つ質問をして良いか?…

俺達の出身高校は?…」


「ッ!……何を急に?…」


「俺にこのゲームを勧めてくれた際他にも仲間が居たよな!?…

その名前は!?…」


二階に続く階段の中間部位で見下ろす様にレイヴンが立っており…

シロを後ろに隠すようレイヴンに警戒しつつ…マサツグが徐に質問を

し出すと、その突然の問い掛けにレイヴンは戸惑う…そしてマサツグに

何を言い出したのか?と尋ねようとするのだが、マサツグは最後まで

聞かずに更に質問を口にし!…レイヴンに対し疑いを持った目で睨み

始めると、レイヴンも何かを悟ったのか呆れた様子で溜息を吐き出す…


「……はあぁ~…何を言い出すのかと思えば…

その口ぶりだと俺を偽物と疑ってるって事で良いんだよな?…

……その心は?…」


「……シロがお前に対して警戒をしている点について!…

シロはレイヴンに対して最初からじゃれ付きに行く程の興味を見せて居た!…

けど今はその様子が感じられない!…

それにレイヴンは確かに推し進めて来る様な言い方はするが、

決して理由を省いたりする様な奴じゃ無い!…相手が分かって居なかったら

自分なりに分かる様に説明する!…そんな奴だ!…

テメェみたいに項垂れながら喋る奴でも無い!!」


「……なるほど?…ヤブの意見はそう言う事か?…」


レイヴンは溜息を吐くとマサツグは自分を疑って居ると自覚したのか理由を

聞き出し、マサツグはマサツグで親友の事は分かって居るとばかりに知って

居る事を話し出すと、まるでもう目の前に居るレイヴンは偽物と確信している

様子で話し続ける!…その際いつでも戦闘に入れるよう若干腰を落とすと

刀に手を掛け!…それに反応するようシロも身構える様な素振りを見せ出すと、

何処からともなく奇妙な足音が聞こえ出す!…


__ガッシャ!……ガッシャ!……ガッシャ!……ガッシャ!…


「ッ!…ご主人様、後ろ!!」


「ッ!?…退路を塞がれたって感じか?……おい!…

本物は!?…」


「……さぁ?…何処にいるんだろうね?…」


徐々にこちらへ向かい歩いて来ている様な…それも甲冑を身に纏って居る様な

足音が聞こえ出すと、シロは耳をピクっとさせては途端に後ろを振り向き!…

マサツグの背中を護る様に身構えると忠告するよう呼び掛け出す!…その呼び

掛けにマサツグも分かって居るとばかりに警戒を強めるとまずは目の前の

レイヴン?らしき人物に注意を向け、如何動き出そうかと考えつつも本物の

居場所について尋ね出すと、その目の前のレイヴン?は偽る事を諦めたのか

怪しい態度を見せ出す。そうしてマサツグとシロは前と後ろを塞がれる様に

立往生をして居ると、シロの目の前からは西洋風の鎧が数体…フラフラと

しながら歩いて来始め!…退路を完全に断たれた所でレイヴン?らしき人物は

手に持っている杖を構え出すと、マサツグに突き付ける!…


__スゥ…フォン!!…


「では…始めるとするか?…侵入者共!!…

我らの住処に無断で立ち居た事!…後悔するが良い!!…」


__オオオォォ!!!…ガッシャ!…ガッシャ!…ガッシャ!…ガッシャ!…


「ッ!!…鑑定アプレェィザァル!!」


レイヴン?側はやる気なのかマサツグ達に宣戦布告をすると、後方の鎧達も

武器を構えては走り出し!…それに合わせてシロも迎え撃つ様に動き出すと、

マサツグは安定の初手から入り始める!…目の前のレイヴン?…らしき人物と

後方の妙にリアルなさまよ〇よろい!…双方を調べる様に動き出すと、

いつもの様にマサツグの目の前にはその双方の鑑定結果が表示される。


__ピピピ!…ヴウン!…


 -----------------------------------------------------------------------

 「変幻自在ゴースト」  

 Lv.27

   HP 5500 ATK  ???     DEF ???

        MATK  ???  MDEF ???


 SKILL
 
 変身 Lv.MAX ものまね Lv.MAX  
 -----------------------------------------------------------------------
 -----------------------------------------------------------------------

 「リビングアーマー(剣)」  

 Lv.25

   HP 6660 ATK 230    DEF 250

        MATK   0   MDEF 240


 SKILL

 剣技 Lv.8
 -----------------------------------------------------------------------


__オオオオオォォォ!!!…


「ッ!…掛かって来いよ!!!」


マサツグが鑑定を終えると目の前のレイヴンはやはり偽物だったのか…

モンスターの名前が表記されては前方後方のモンスター達が一斉に

襲い掛かり始める!…やはり地を這う様な呻き声を上げつつ!…

挟み撃ちにするようマサツグ達に襲い掛かり出すと、マサツグも刀を

抜いては構え出し!…声を挙げて戦闘を始めようとすると、突如として

リビングアーマー達の後ろより聞き覚えの有る声が聞こえて来る!…


「《燕が如く舞う風の刃よ!…我が目の前に居る愚者を切り刻め!!…

エアロエッジ!!》」


__バシュシュシュシュン!!…ズバババババァ!!!…


「ッ!?…この声は!?…」


「ヤブ!!…無事か!?…いつまで経っても来ないから迎えに来たぞ!!」


その突如現れた声の主は魔法を唱え!…自身の目の前に居るであろう

リビングアーマー達を風の刃で切り刻み一掃すると、慌ててマサツグ達の

元に駆け寄ろうとする!…その際マサツグはその声に聞き覚えが有る

様子でその声の主の方を振り向き、自身の目でも確認すると…案の定

そこには心配した様子を見せる…恐らく本物らしきレイヴンの姿が有った!…

レイヴンはマサツグが付いて来て居ない事に気が付いた様子で探して

居たと言い出し、その言葉に反論するようマサツグは文句の言葉を

口にし出す!…


「ッ!?…迎えに来たじゃないだろ、迎えに来たじゃ!!…

置いて行ったの間違いだろ!?」


「いやぁ!…俺はてっきり勝手に付いて来てるもんだと!…

ほら!…投げ飛ばさない限りちゃんと付いて来るみたいな?…」


「わしゃピク〇ンか!?」


「リビングアーマーが一瞬で!?……と言うよりこれは?…」


まるでマサツグが悪いと言った様子で話し出すレイヴンに、マサツグは

文句を言い出し!…そのマサツグの文句に対して某引っこ抜かれて戦って

食べられる生物を思い浮かべるようレイヴンは若干反省しながら言葉を

返すと、更にマサツグはその言い方に対して文句を言う様にツッコミを

入れ出す!…目の前には自分の偽物が居ると言うのに…完全に無視した

様子で二人話し続け、その様子に偽物も困惑し攻撃したものか?と

空気を読み出すと、マサツグは徐に刀を鞘へ仕舞い始める!…


「……ったく!…で、そっちは大丈夫だったのか?」


__スウゥゥ…キン!…


「ッ!?…おい!?…」


「あぁ?…」


マサツグは刀を鞘に仕舞う際、レイヴンの事を心配した様子で声を掛ける

のだが…その様子を見て偽物が不服と言った様子でマサツグを呼び止めに

入ると、まるでマサツグはもう戦闘は終わって居るとばかりに呆れた様子で

返事をする。その際マサツグは既に先程までの臨戦態勢の構えを解除しており、

明らかに楽にするようその場に立ち尽くして居ると、その様子に更に文句を

言うよう偽物は吠えようとする!…しかし…


「まだ戦いは終わって!…」


「…いや終わってるし?…ほれ?…」


「何!?……ッ!?…」


__……ズッ…ズズッ…ブシャアァ!!!…


偽物はまだ終わっていないと文句を言おうとするのだが、マサツグは

不思議そうな表情でその偽物の話をぶち切って見せると、終わっていると

言い出す。当然その話を聞いて偽物は納得出来ないと言った反応を見せる

のだが、マサツグは表情そのまま偽物の体を指差し…偽物もその指差す所に

視線を移動させ、何が有るのか?と困惑しながら確認をすると、そこには

既に斬られた様な!…徐々に切れ目に沿ってズレて行く自身の体を目の

当たりにする。当然それを見て偽物は慌てた反応を見せ出すのだが、それに

比例して自身の体は維持出来ないとばかりに崩壊し!…遂にはバラバラに!…

元の霊体にまで戻ってしまうと、何も言い残す事無く消滅する…

そんな様子にマサツグも少し可哀そうか?…と気遣って見せるのだが後の

祭りで、ただ霧散した偽物に対して妙に罪悪感を感じてしまうと、アレは

何かのイベントだったのでは?…と後悔し出す…


「……ちとやって見ようかな?と思ってやって見たんだが…

呆気なく終わっちまったなぁ……いやぁ……何と言うか?……

あぁ……いやぁ、さすがゲーム内!…案外出来るな?…早斬り!!…

…って、シロは?……ッ!…」


__スッ…カポッ!……フラフラぁ~…フラフラぁ~…


「ご主人様ぁ~!…これぇ~…結構重いのですぅ~!…」


「……シロちゃんはシロちゃんで何をやって居るのかな?…」


出オチみたいな終わり方をしたモンスターに何と無く申し訳なさを感じ…

誤魔化すようやって見たかった技を繰り出せた事にマサツグは感激して

居たが、ふとシロの事が気になり視線をシロの居る方へ向ける。すると

そこにはレイヴンが片付けてくれたお陰か倒したリビングアーマーの

残骸が通路内に散らばっており、その中で兜を手に取り興味を持った

表情で見詰めては徐に…被って見せるとその場でフラフラ…バランスが

悪い!と言った様子で歩いて見せるシロの姿が有った。この時シロは

あの偽物にマサツグが負ける訳が無いと確信して居たのか、全く心配等は

しておらず!…ただヒマぁ~…と言った具合に遊んで居ると、

その様子にマサツグは思わず呆れてしまう。そうして全員の無事を

確認出来た所でマサツグはシロの元まで歩くと頭に手を伸ばし、兜を

脱がせる様に手を掛け上へ持ち上げて見せると、次には面白い光景を

目にする。


__コッ…コッ…スッ……ポン!…


「ほらシロ?…こんな物被ってたら逆に危ない……ッ!?…」


__デデドン!!……


「……え?…」


マサツグはシロに注意をしつつ兜を取って見せるのだが、その兜の下から

泥棒髭を生やしたシロの素顔が出て来ると、その余りの光景にマサツグは

思わず困惑し固まってしまう。恐らくはそのリビングアーマーの内側は

煤けていたのか泥棒髭の他にシロの頬や髪も煤けており…とにかく目の前の

光景にマサツグがショックを受け固まって居ると、レイヴンもその様子が

気になったのかマサツグとシロに声を掛ける。


「……ッ?…ヤブ~?…如何したんだ?……シロちゃんも如何し…」


__クルッ!…ッ!?!?…


「分かんないのです!…ご主人様が固まっちゃって…」


「ボフウウゥゥゥ!!!…」


「ッ!?!?…え?…えぇ!?…」


シロはレイヴンに呼ばれるまま振り返るとその素顔を見せる!…当然その

表情を見て同じ様にレイヴンは笑撃を受けると、オーバーkillだったのか

耐え切れなかった様子で思いっきり吹き出し!…シロはシロで自身の顔が

如何なって居るのか分かって居ない様子でレイヴンの反応に困惑すると、

オロオロとし始める。勿論レイヴンもまさかの不意打ちでは有るのだが、

笑ってはいけないと!…何とか耐えようとするが防御力が足りなかったのか

撃沈し!…声を挙げる事無くその場に蹲ると、ピクピクと痙攣し始める!…


__ピクッ!…ピクピクッ!!…


「レ、レイヴンさん!?…ど、如何したのですか!?」


「ゴ、ゴメン!!…何でも無い!!…気にしないで!!…

ッ~~~~~!!!」


「え?…えぇ?…」


蹲るレイヴンにシロは心配した様子で駆け寄り声を掛けるのだが、

レイヴンはレイヴンで受け答えをする事もしんどいのか…若干息を

切らした様子でシロに返事をすると、チラッとシロの顔を確認する。

しかし幾ら確認した所でその泥棒髭は健在しており!…またもや

それを見て自爆!…一人勝手に苦しみ出すと、そのレイヴンの様子に

シロは困惑し続ける。暫くしてマサツグも正気に戻ったのかハッ!と

した反応を見せると徐々に動き出し、道具屋でたまたま見つけた

ウェットティッシュの様な物をアイテムポーチから取り出すと、

シロを呼び寄せ始める。


__……ッ!?……ゴソゴソ…スッ…


「……シロぉ~…ちょっと来い?…」


「ッ!…ご、ご主人様!!…レイヴンさんが急に!!…」


「大丈夫だからちょっと…

折角の美人さんなんだからお顔を綺麗にしないと…」


「え?…」


マサツグはウェットティッシュの様な物を手にシロを呼び寄せ…

シロはマサツグに呼ばれた事に反応すると、慌てた様子でマサツグの

元に駆け寄る!…そしてレイヴンが苦しんで居る様子を指差しては

心配した表情でマサツグに訴え!…マサツグはマサツグで慌てる事無く

大丈夫と言った様子で冷静に返事をすると、シロの顔を拭き始める。

この時シロは困惑した様子でマサツグの事を見詰めるのだが、淡々と

マサツグはシロの顔の煤を拭き取り…その際シロは若干息苦しそうな

様子を見せると、マサツグに止めるよう声を掛ける。


__ふきふき…ふきふき…むぃ~!…


「ん~!!…ご主人様ぁ~!!…苦しいです~!!」


「もう少しだから我慢なさい!…後あぁいった物は無暗に被らない!…

すっごく汚れるからね!…良い?…」


「んん~!!…んあいですぅ~!…」


「…ヒィ~!…ヒィ~!……ハァ~……ッ!…

……ぷふっ!…もはや父親じゃなくてオカンに見える光景だな?…」


シロは文句を口にしながらも我慢するようマサツグに顔を拭かれ続け、

マサツグもシロに言い聞かせるよう我慢をさせると、同時にもう兜を

被らない様に言い聞かせる。そうしてその注意に対してシロは不服そうに

しながらも返事をし、約束をすると綺麗になった所で解放され…

徐々に息を整え…落ち着きを取り戻して来て居たレイヴンもその様子を

見て、マサツグの事をオカンと言い出す!…そうして改めて全員の

息を整えた所で痕跡の追跡を再開しようとするのだが…マサツグは念の為と

言った様子でシロを呼び出すと、ある事をし始める…


「……シロ?…ちょっと良いか?…」


「ッ!…何ですかご主人様!」


__ヒョイッ!…ズイ!!…


「……シロ?…これ本物?…」


__…ッ!…じぃ~~…スンスン……ッ!?…


マサツグに呼ばれてシロは何の疑いも無く元気に返事をすると、マサツグの

元へ駆け寄り!…マサツグもシロを呼んだ事で徐に抱え出すと、その今居る

レイヴンにシロ自身を近付け出す!…そしてシロに本物かどうかと尋ね出すと、

シロはピクっと耳を反応させてはマジマジ観察…臭いを嗅いだり…レイヴンは

レイヴンでシロを近付けられて居る事でトラウマスイッチが入ったのか、

その場に固まってしまい!…シロの検査結果が出たのかシロはそのレイヴンに

飛び付くと、そのままレイヴンの頭にしがみ付いてしゃぶり始める!…


「…ッ!…本物です!!…間違い無いです!!」


__しゃ~ぶ!…しゃ~ぶ!…


「のわああああぁぁぁぁ!!!…

確認方法何とかしろオオオォォォ!!!…」


……こうして館内全体に響き渡る勢いでレイヴンの悲鳴は響き!…本日四本目と

なるフライドチキン案件で、事無きを得るのであった。その際本物と確認された

レイヴンは息を切らしてマサツグに抗議し、マサツグはそれを空ッ惚ける!…

色々有ったものの再度レイヴンは痕跡に沿ってゲスデウスを追い始めるのだが、

先程のレイヴンの悲鳴がスイッチとなったのか……最初から館内にはモンスター

が居た様にスポーンをし始める。


__ガッシャ!!…ガッシャ!!……ズシャ!…ズシャ!……ヒョコッ!…


「うひぃ~!…面倒なのがウロウロと!…

感知サーチを使った限りだとこの館内全体に居るみたいだな!?…

……そこそこ数も居るし!…」


「……はあぁ~…今日だけで何でこんなに疲れてるんだ?…俺?…

……今日は本当に死んだ様に寝れそうな気がするわ…」


「……目覚ましにシロでも…」


「止めい!!!…」


物陰に隠れながらマサツグ達は辺りを伺い!…感知サーチ等を駆使して

モンスターの数・種類など確認しながら行動すると、マサツグは

思わず現状について面倒臭がり始める。その際その話に乗っかるよう

レイヴンは疲れたと言い出すと、自身のキャラアバターと引っ掛けてか

ギャグの様な事を言い…更に被せるようマサツグはシロの名前を

口にすると、レイヴンは冗談じゃないとばかりにツッコミを入れる!…

この時肝心のシロはと言うと口にフライドチキンを咥えたまま二人の

会話に首を傾げており、マサツグとレイヴンは改めてモンスターの群れを

見て如何やって痕跡を辿ろうか?と考え出して居ると、突如として館内に

悲鳴が響き出す!…


__きゃあああぁぁぁぁぁ!!!……


「ッ!?…悲鳴!?…」


「この屋敷内に誰か居るのか!?

だとしたら不味い!!…」


__バッ!!…バァン!!…ッ!?…


突然の悲鳴を聞き取ったマサツグとレイヴンは互いに驚き戸惑った

反応を見せると、シロを抱えて今居る場所から立ち上がる!…

違う意味で時間が無い事を悟り!…一度玄関の方に向かい扉を開けて

飛び出すと、一階玄関には先程まで居なかった筈のスケルトンや

ゾンビ達が徘徊しており!…それを見てマサツグとレイヴンは

しまった!…と言った具合に慌てて武器を構え出すのだが、何故か

アンデッド達は音に反応する事無くただその場を徘徊し続ける。


「ッ!?…しま!!…」


__ガッシャ!!…ガッシャ!!……ズシャ!…ズシャ!…


「ッ!?…え?…襲って?…来ない?…

今更なんだが…このゲームのアンデットって音に反応しないのか?…」


「いや…多分ここが特殊なだけだと思う…

現にこの屋敷に入る前に墓地で遭遇したアンデット共は音に反応したし…

それに反応せんでも邪魔な事には変わりは無いぞ!?…」


音には反応しないものの行く手を遮る様には徘徊しており、ここの

アンデット達は自身の視界に敵が入らない限りは襲って来ないのか…

マサツグ達が勢い良く扉を開けたにも関わらず、一切襲って来る

気配を見せないで居た。そんなアンデッド達にマサツグとレイヴンは

違和感を感じるのだが、逆に好機と!…見つからない様に行動を

改めると、再度悲鳴の聞えた方を目指し移動を再開する。そして

ここでゲスデウスの屋敷に潜入した時の経験が生き始めたのか、

マサツグは先頭に立つと斥候を務め!…マサツグの合図を元に

レイヴンとシロは行動し始めると、館内をスイスイと移動し続ける。


__…サッ!!…ササッ!!…サッ!!…クイクイッ!…


「……ヤブがビッ〇ボスになってる!…動きが普通じゃない!…

なんかプロ染みてる!!…」


「……ッ?…レイヴンさん?…ビック〇スって誰ですか?…」


「……俺ぁ頭にバンダナは巻いてないぞ?……鉢金は巻いてるが…」


安全確保・先導する際、予めレイヴンに痕跡の方向を聞きつつマサツグが

先行し!…的確に通路を確保して見せると、その様子を見たレイヴンは

マサツグの事を某伝説の傭兵に例えては、動きにキレが有ると言い出す。

この時シロはその例えが良く分からなかった様子で、レイヴンに段ボールを

被るおじさんの事に付いて尋ねると、その問い掛けにレイヴンは戸惑った

様子でハッとし…マサツグはマサツグでレイヴン達が合流して来る際、

その話声を聞いていたのかレイヴンにツッコミを入れると、隠密任務スニーキングミッション

集中し出す。その際幸いにもその悲鳴が聞こえた方向と痕跡の方向は

同じらしく…急ぎながらも目的の場所は同じとばかりにマサツグ達が

進んで居ると、やはり所々で躓く場面が出て来る。


__スススス…ッ!…


「待った!……チッ!…邪魔くせぇ!!…」


先行するマサツグが異変に気付くと、レイヴン達の方に手を突き出して

止まる様に指示を出し…進みたい方向を物陰からチラッと確認しては

何かが邪魔をして居るのか、マサツグは続けて若干苛立ちを覚えた様子で

文句を言い出す。その文句にレイヴンは何が有ったのか?を尋ね出すと、

マサツグの肩から顔を覗かせては見ている物を確認し出し…その視線の

先に通路を護るよう二体のスケルトンが居る事を確認すると、レイヴンは

納得したのか顔を引っ込め始める…


「ッ!…どうかしたのか?……ッ!…

…なるほど…」


「進みたい道に邪魔なのが二体!……

…幸い別の方を警戒している様子を見せてるから?…

不意を突けばワンチャン!……シロ?…ちょっと良いか?…」


「ッ!…はいです!…」


そうしてマサツグはそのスケルトン達の様子を確かめる様に動きを観察しては

隙がある事を確認し、不意を突いて始末する事を考えるとシロを呼び出す。

するとシロもマサツグに呼ばれて把握したのか元気かつ小声で返事をすると、

徐に臨戦態勢に入り出し!…動きに合わせるようマサツグからの合図を待ち

始めると、マサツグはタイミング良くスケルトンの隙を突く様に自身共々

シロに合図を出す!…


「……ッ!…今!!…」


__バッ!!…チャキッ!!……ズババァン!…ぱああぁぁ…


「……ふぅ!…ナイスだ!…シロ!!」


タイミング良く見張りをしていたスケルトン達がマサツグ達に対して背を

向けると、マサツグは合図を出してシロと同時に飛び出し!…慣れた

動きでマサツグは二人居るうちの片割れのスケルトンの頭を刀で刎ねると、

シロは空を掻くよう腕を振ってはカマイタチを起こす!…するとその

カマイタチは真っ直ぐに残った方のスケルトンに向かい飛んで行くと、

同じ様に頭を飛ばしてしまい!…たったの数秒で制圧し事を終えると、

その様子を見ていたレイヴンは無言で驚きの反応を見せる!…そして

無事何事も無く処理出来た事にマサツグが安堵すると、シロに笑顔を

向けて褒め出し…シロもシロでマサツグに褒められた事で反応するよう

尻尾を振って笑顔で返事をする!…


「ッ!…はいです!」


「……何かここまで息ピッタリの動きを見せられるとマサツグが

本当に剣士なのか怪しく思える!…」


「ッ!…え?…」


「何かこう?…ドッグトレーナーって言うのか?…

シロちゃんが訓練しているワンコで…

マサツグが調教師の様に見えて来るんだが?…」


「れっきとした剣士だっての!!…

…まぁ、実は言うと最近…俺もそんな気がして来たんだよな……

本当は剣士の筈なのに…」


「……ッ?…」


マサツグに褒められてシロが喜んでいる一方で、後ろからその様子を

見ていたレイヴンは思わずマサツグが本当に剣士であるかどうか?と

疑問を持ち出すと、思わずポロっと疑問の言葉を漏らしてしまい…

そのレイヴンの言葉にマサツグは反応するよう振り返ると戸惑い気味に

一言漏らし、その一言にレイヴンは続けて自身が今見えている光景に

ついて説明するよう話すと、その話を聞いたマサツグはレイヴンに

ツッコミを入れる!…しかしマサツグ当本人も最近思う所が有るのか、

最後の方では自身に言い聞かせるよう言葉を漏らし…その様子に

レイヴンは苦笑いをしてしまうのだが、シロは不思議そうに首を傾げると、

ただジッとマサツグの顔を覗き込み出すのであった…

こうして色々と考えさせられる場面が出て来てしまうのだが、先を急ぐ様に

マサツグ達は痕跡を辿って行き!…その道中不自然に鍵が落ちて居るのを

見つけると、マサツグ達はその鍵の前で足を止める。


__そぉ~……ッ!……チャリッ!…


「…これはぁ~?…鍵?…

タグには…地下室って書いて有るな?…」


「…なぁ?…何でこんな所に鍵が落ちてるんだ?…

あからさまに変なんだが?…それに痕跡も地下に続いてるし…」


「……正直な事を言うと俺も嫌な予感がして仕方が無い!…

確かに探す手間が無くて有り難いのは有り難いんだが?…」


今まで通りマサツグを斥候に先へ進み!…障害が出て来るとマサツグとシロで

邪魔者を排除しては漸くここまで辿り付いたのだが、普通に考えて通路の

ど真ん中に鍵が落ちている訳が無く!…何なら痕跡は地下へ向かって伸びて

いる事で更に怪しさ増し増し!と!…マサツグとレイヴンが互いに可笑しいと

言っては辺りを警戒し始めて居ると、突如としてそれは天井より姿を現す!…


__……ヒュン!…ヒュンヒュン!!…ヒュン!…


「ッ!?…しまった!…やっぱり罠!!…って、え?…」


__ダラァ~ン……ギギギギギ!…


「……え?…リー○ッド?…」


マサツグとレイヴンが警戒していた通り!…罠でした!とばかりに天井から

モンスターが数体降って来ると、マサツグ達を挟み撃ちするよう前後の

通路を封鎖し!…そんな展開にマサツグとレイヴンもやっぱりか!と言った

様子で慌てて武器を構えると、その目の前に現れたモンスターを

改めて目にして二人揃って途端に戸惑い出す…このゲームに居る訳?…

いやでもこれは?…と、今にも言い出さんばかりに困惑した様子を見せて

居ると、その目の前に現れたモンスター達は軋む様な音を立てながら

動き出し…その際モンスターが如何言った見た目をしているのか?と言うと、

まるで木製のデッサン人形が俯いている様な姿をしており…見たら呪われ

そうな虚ろな表情と、某・黄金三角形で風の指揮棒のRPGゲームに出て来る

人形の敵に酷似していた!…そんなモンスターを目の前にレイヴンが思わず

既視感が有ると言った様子で呟いて居ると、そのモンスター達は戸惑って

居る様子など御構い無しに、マサツグ達へ襲い掛かり始めるのであった!…

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俺...光野朔夜(こうのさくや)には、大好きな彼女がいた。 しかし親の都合で遠くへと転校してしまった。 だが今は遠くの人と通信が出来る手段は多々ある。 その通信手段を使い、彼女と毎日連絡を取り合っていた。 ―――そんな恋愛関係が続くこと、数ヶ月。 いつものように朝食を食べていると、母が母友から聞いたという話を 俺に教えてきた。 ―――それは俺の彼女...海川恵美(うみかわめぐみ)の浮気情報だった。 「――――は!?」 俺は思わず、嘘だろうという声が口から洩れてしまう。 あいつが浮気してをいたなんて信じたくなかった。 だが残念ながら、母友の集まりで流れる情報はガセがない事で 有名だった。 恵美の浮気にショックを受けた俺は、未練が残らないようにと、 あいつとの連絡手段の全て絶ち切った。 恵美の浮気を聞かされ、一体どれだけの月日が流れただろうか? 時が経てば、少しずつあいつの事を忘れていくものだと思っていた。 ―――だが、現実は厳しかった。 幾ら時が過ぎろうとも、未だに恵美の裏切りを忘れる事なんて 出来ずにいた。 ......そんな日々が幾ばくか過ぎ去った、とある日。 ―――――俺はトラックに跳ねられてしまった。 今度こそ良い人生を願いつつ、薄れゆく意識と共にまぶたを閉じていく。 ......が、その瞬間、 突如と聞こえてくる大きな声にて、俺の消え入った意識は無理やり 引き戻されてしまう。 俺は目を開け、声の聞こえた方向を見ると、そこには美しい女性が 立っていた。 その女性にここはどこだと訊ねてみると、ニコッとした微笑みで こう告げてくる。 ―――ここは天国に近い場所、天界です。 そしてその女性は俺の顔を見て、続け様にこう言った。 ―――ようこそ、天界に勇者様。 ...と。 どうやら俺は、この女性...女神メリアーナの管轄する異世界に蔓延る 魔族の王、魔王を打ち倒す勇者として選ばれたらしい。 んなもん、無理無理と最初は断った。 だが、俺はふと考える。 「勇者となって使命に没頭すれば、恵美の事を忘れられるのでは!?」 そう思った俺は、女神様の嘆願を快く受諾する。 こうして俺は魔王の討伐の為、異世界へと旅立って行く。 ―――それから、五年と数ヶ月後が流れた。 幾度の艱難辛苦を乗り越えた俺は、女神様の願いであった魔王の討伐に 見事成功し、女神様からの恩恵...『勇者』の力を保持したまま元の世界へと 帰還するのだった。 ※小説家になろう様とツギクル様でも掲載中です。

幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕の授かったスキルは役に立つ物なのかな?

アノマロカリス
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よくある話の異世界召喚。 ネット小説や歴史の英雄話好きの高校生の洲河 慱(すが だん) いつものように幼馴染達と学校帰りに公園で雑談していると突然魔法陣が現れて光に包まれて… 幼馴染達と一緒に救世主召喚でテルシア王国に召喚され、幼馴染達は素晴らしいジョブとスキルを手に入れたのに僕のは何だこれ? 王宮からはハズレと言われて追い出されそうになるが、幼馴染達は庇ってくれた。 だけど、夢にみた迄の異世界… 慱は幼馴染達とは別に行動する事にした。 自分のスキルを駆使して冒険する、魔物と魔法が存在する異世界ファンタジー。 現在書籍化されている… 「魔境育ちの全能冒険者は好き勝手に生きる!〜追い出した癖クセに戻って来いだと?そんなの知るか‼︎〜」 の100年前の物語です。 リュカが憧れる英雄ダン・スーガーの物語。 そして、コミカライズ内で登場する「僕スキなのか…」がこの作品です。 その作品の【改訂版】です。 全く同じな部分もあれば、新たなストーリーも追加されています。 今回のHOTランキングでは最高5位かな? 応援有り難う御座います。

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
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 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

幼馴染達にフラれた俺は、それに耐えられず他の学園へと転校する

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俺には二人の幼馴染がいた。 俺の幼馴染達は所謂エリートと呼ばれる人種だが、俺はそんな才能なんて まるでない、凡愚で普通の人種だった。 そんな幼馴染達に並び立つべく、努力もしたし、特訓もした。 だがどう頑張っても、どうあがいてもエリート達には才能の無いこの俺が 勝てる訳も道理もなく、いつの日か二人を追い駆けるのを諦めた。 自尊心が砕ける前に幼馴染達から離れる事も考えたけど、しかし結局、ぬるま湯の 関係から抜け出せず、別れずくっつかずの関係を続けていたが、そんな俺の下に 衝撃な展開が舞い込んできた。 そう...幼馴染の二人に彼氏ができたらしい。 ※小説家になろう様にも掲載しています。

【全話挿絵】発情✕転生 〜何あれ……誘ってるのかしら?〜【毎日更新】

墨笑
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『エロ×ギャグ×バトル+雑学』をテーマにした異世界ファンタジー小説です。 主人公はごく普通(?)の『むっつりすけべ』な女の子。 異世界転生に伴って召喚士としての才能を強化されたまでは良かったのですが、なぜか発情体質まで付与されていて……? 召喚士として様々な依頼をこなしながら、無駄にドキドキムラムラハァハァしてしまう日々を描きます。 明るく、楽しく読んでいただけることを目指して書きました。

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