上 下
148 / 764
-第ニ章-サマーオーシャン連合国-獣人の国編-

-第二章四十四節 王宮でお約束と裸族の女王陛下と復帰のメイドさん-

しおりを挟む



……さて、左右の腕はホールドされており…何ならお腹もガッチリロックと…

動くに動けない状態の中、マサツグは天井を見詰めて如何してこうなったと

考え出すと、同時に起きたいのに起き上がれないと言って脱出方法も考え

始める。男としてこのシチュエーションは嬉しくないのか?と問われれば

嬉しいのは嬉しいと答えるのだが…色々と自分の理性が試されている様な

感覚を覚えて迂闊に動く事が出来ず!…ただ如何する事も出来ずに

時間だけが無情に過ぎ去って行き…この状態から解放されるのをマサツグが

待って居ると、まずシロが目を覚ましたのかマサツグのお腹に埋めて居た顔を

上げ始める。


「……うぅ…ん……ふあぁ~…う?」


「ッ!…お?…シロ、おはよ!」


「ッ!?…」


シロはマサツグのお腹の上で目を覚ますと眠い目を擦ってはゆっくりと欠伸を

し始める。その際シロの顔は泣きじゃくったせいか目を若干腫れさせており、

目の下から頬に掛けて涙を一杯零したとばかりに線が出来上がっては跡に

なって残っていた。その様子から見るにシロは泣き疲れて眠ったのだろう…

心配してくれていた様子を垣間見つつもマサツグがシロに朝の挨拶をすると、

シロはマサツグの顔を見るなりビタッ!と石化した様に驚いた表情で目を

見開き固まり!…少ししてから小刻みに震え始めるとその様子にマサツグは

戸惑う。


「え?…何々!?…どしたどした?…」


「……ご!…」


「……ご?」


シロはただマサツグの顔を見詰めたまま硬直するとプルプルと震え続け、

そのシロの反応にマサツグも連動するよう困惑し続けて居ると、シロは

一言だけ呟き出す!…ただ本当に一言…ご…とだけ呟くとマサツグは

シロを見詰めたまま困惑しつつ復唱し、何か?と言った様子でシロを

戸惑い気味に見詰めて居ると、シロは一度瞬きを挟んではマサツグの事を

呼び直し!…マサツグの顔に向かって飛び付き更に張り付くと、

昨日の再現とばかりに顔を摺り寄せる!…


「ごしゅじんさまあぁ~!!!!」


__バッ!!…ガッシ!!…グリグリグリグリ!…


{ッ!?…シ、シロさん!?…」


「ごじゅじんざまが目を覚まじだ~!」


シロは余程マサツグが目を覚ました事が嬉しかったのかまたもや泣き出すと

熱烈に顔を摺り寄せ!…マサツグの呼吸を止めん勢いで頭にしがみ付き

抱き締めると、マサツグを困惑させる!…マサツグも一度シロへ落ち着く様に

呼び掛けようと必死に藻掻くのだが、口を封じられて居るので…幾ら呼ぼうと

してもシロのお腹に塞がれて掻き消され、引き剥がそうとしてもまるで

フェイス○ガーの如く張り付かれては…幾ら首を左右に振ろうが離れる気配を

見せない!…そうしてシロはマサツグのSOSを感じないのかただ泣きながら

マサツグの復活を喜び!…マサツグは解放してくれと藻掻いて居ると、

腕を拘束していたデンジャラスボデーのお姉さんとミスティーが騒動に

気付いた様子で目を覚まし出す。


「ん…んん!…ん~……

…何なのだ?…こんな朝早くから騒がしい…

余はまだ眠いのだが?…」


「んん~…ふっ…あぁ~…ぁ…

如何したんで?……ッ!?…」


「ッ!!…ご、ご主人様が!!…ご主人様が!!!…

ご主人様が目を覚ましたあぁぁぁ~~~!!!」


「ッ!?…な、なんと!?…」


デンジャラスボデーのお姉さんとミスティーの二人がゆっくり体を

起こし始めると、まだ眠いと言った様子で目を擦りながら欠伸をし…

二人揃って騒いでいるシロに対し何が有った?と若干戸惑い気味に

質問をすると、その声には耳を貸すのかシロは二人にマサツグが

目を覚ましたと泣きながらに訴える!…するとそれを聞いて

二人は一気に覚醒する様に目をパチッと開けては慌てて驚いた様子で

マサツグに這い寄り!…急ぎマサツグの容態を確かめようとその顔を

覗き込むと、ある異変に気が付く。それは…


__バッ!!……ピクッ!…ピクピクッ!…


「ッ!?…こ、これは!?…」


「し…シロちゃ~ん!!!…今すぐマサツグ様から離れて!!

マサツグ様がまた臨死体験しちゃう!!」


「ッ!…へ?…ハッ!!…」


この時のマサツグはまるで墓場から復活しようとしているゾンビの様で、

空に向かい腕を伸ばしては体全体を痙攣させていた…その間シロは一切

手加減無しの拘束ぶりを発揮し、デンジャラスボデーのお姉さんと

ミスティーもその光景を見るなり困惑の表情を見せる!…一応痙攣して

居ると言う事は意識を取り戻した?…と眠っている頭を働かせようとする

傍ら、ミスティーは直ぐに状況を理解したのかシロにマサツグを解放する

よう慌てて指示し!…シロもそれを聞いて一度は戸惑うが直ぐに慌てた

様子でマサツグの拘束を緩めると、マサツグの封印されていた顔が

解放される!…


__スッ…ぶはああぁぁぁ!!!…


「はぁ!…はぁ!…し、死ぬかと思ったぁ~!!!…」


「マ!…マサツグさん!!…だ、大丈夫ですか!?…」


「あ…あぁ…ただ何度か綺麗なお花畑が見えて…

川を渡りそうになったが?……」


シロがマサツグの顔から離れるとマサツグは慌てた様子で息を吸い出す!…

そして息を荒げては過呼吸気味に息を整え出し、その様子にミスティーや

シロ…デンジャラスが慌てて心配した様子で顔を覗き込みながら声を

掛けると、マサツグはやはり息を整えつつ臨死体験し掛けた事を語り出す!…

それを聞いてミスティーは危なかった!…と言った具合に安堵し、シロは

しょぼんとした様子で反省し…項垂れてはプルプルと小刻みに震え、そんな

様子にマサツグは手を伸ばしてシロの頭の上に手を置くと、安心させる様に

撫で始める。


__プルプルプル!……ポンッ…なでなで…


「ッ!…ご主人様?…」


「…おはよ!…シロ!…」


「ッ!!……ッ~~~!!…

はいです!!」


突如マサツグに頭を撫でられた事に反応してシロが恐る恐る顔を上げると、

そこには優しく微笑み掛けるマサツグの顔が…マサツグも怒って居ないと

言った様子でシロの頭を優しく撫でて改めて朝の挨拶を口にし、その様子を

ミスティーとデンジャラスが微笑ましく見て居ると、シロもマサツグが挨拶を

してくれた事が嬉しかったのか、尻尾を振って笑顔を見せるとマサツグに

挨拶をする。こうして漸くマサツグも動ける様になり体を起すのだが、

その際マサツグはシロにフェイス○ガーをしない様に注意するのであった。


「……但し!…今度からは幾ら感情が昂ぶっても顔に張り付かない様に……

またさっきみたいに動かなくなっちゃうからね?……俺との約束だぞ?……」


「あう!…ごめんなさい…約束です……」


__しょぼ~ん……ッ!?…ッ~~~~!!…


マサツグはシロに注意をする際、顔を見詰めながら…シロの目を見詰めながら

フェイス○ガーをしない様に約束すると、シロはまたションボリとした表情を

見せては謝り、マサツグに約束をする。その際尻尾をブンブンと振って居たにも

関わらず怒られた事で反省したのか、尻尾はしょぼんと垂れ下がり…それを

見てマサツグが思わず吹き出しそうになってしまうのだが、必死に笑わないよう

堪え始める!…こうしてゲームを再開して二度目の戦闘不能になり掛けるのだが、

何とか生還し…シロの気持ちを理解しつつ一応のケジメを付けていると、先程から

裸族の危ない女性がマサツグに話し掛けようと身構えていた。


「……そろそろ話しはついたか?…」


「ッ!……えぇ~っと…一応伺いますがどちら様ですか?…

…ッ!!…後お召し物は?…」


「ん?…何?覚えていないのか?…余じゃ!…

……そう言えばまだ名乗って居らんかったな?…まぁ丁度良い!…

余はこの国の!…「レフィリアナ・レオ・レヴナント」じゃ!

……因みに余は寝る時は裸である!…この方が気持ちが良いからな!」


シロとの話がついた所でデンジャラスがマサツグに話し掛け出すと、

マサツグはまずそのデンジャラスと対話するに当たって目のやり場に

困ってしまう!…何故ならデンジャラスは全く隠すと言った事をせず!…

堂々見せつけて来るからであり!…そんな恥じらいが何処かへフライ

アウェイしたデンジャラスに視線を泳がせつつ…薄々感付いては居る

ものの一応ながらに誰かとマサツグが質問をすると、マサツグの

予想通り!…デンジャラスは自身がレフィリアナである事を明かしては

名前を名乗り出す!…その際何故かマサツグの居る方を振り向くと

ベッドの上で仁王立ちして見せては堂々とした態度で質問を自信満々に

答え始め!…その様子にミスティーは慌ててふためいてはオロオロと

した様子でレフィリアナを見詰め!…マサツグはマサツグで

予想通りの答えが返って来た事に戸惑いながらも、真似をしないようシロの

目を手で覆い隠すと心の中でツッコみを入れる!…


{……あぁ~…やっぱりお姉様でいらっしゃいましたか…

まぁ…ミスティーに似ている時点で薄々気付いてはいたが…

てかまぁ…人の嗜好を如何こう言うつもりは無いんだが…

隣に人を寝かせてその恰好は如何かと?…もはや暴力なんだが?…

……しかし本当に良い物をお持ち……ゲフンゲフン!…

けしからん限りです!…}


「ッ!?…お!…お姉様!!…早く服を着てください!!

マサツグ様もそんなにマジマジと見ないで下さい!!」


「ッ!?…あっ…あぁ!…ス、スマン!…つい…」


「……ッ?…ご主人様ぁ~?…何でシロの目を隠すのですかぁ~?…」


レフィリアナに対してツッコミどころ満載と言った様子でマサツグが思わず

呆れて居ると、マサツグの心を代弁するようミスティーがレフィリアナに

注意をし始める!…その際マサツグの様子も気になったのか、顔を真っ赤に

してマサツグにも注意をし出し!…マサツグがその言葉でハッ!…と

我に返ると、慌ててレフィリアナから視線を逸らす!…そして何が起きて

いるのか分からない…突如目を隠された事でシロは不思議そうに首を

傾げると、マサツグに何が起きているのか?と尋ね…レフィリアナは

レフィリアナでミスティーの言葉に引っ掛かりを覚えると、すかさず膨れた

表情を見せてはミスティーに反論し始める!


「ムッ!…ミスティー!!…今の言葉聞き捨てならんぞ!?

まず第一にで余が何をしようと一向に構わんだろう!?

それに余は見られて恥ずかしい様な情けない体はしておらん!!」


「そう言う問題じゃありません!!!

恥じらいと言う物を持ってください!!!」


「……ッ?…ご主人様ぁ~?…」


{……はあぁ~…このままだと激化しそうだなぁ?…

もう色々と着替えたいのだが?…

…とは言えこの様子をシロに見せる訳にも行かないし…

何なら内容も教育上宜しく無いし…耳も伏せっとさせておくか?…

……って言うか女王陛下の言動と言うか性格と言うか…

何か何処かの赤い…ローマ!!的な物が酷似している様な?…}


ミスティーに反論をする際!…レフィリアナはミスティーを見下ろす様に

腕を組み始めると、当然の権利とばかりに文句を言い出し!…その言葉に

ミスティーはツッコんで居る所はそこじゃない!と…恥じらいについて

説教をする様に負けじと更に文句を言い返し出すと、レフィリアナと

口論をし始める!…そして完全に置いてけぼり状態のシロも再度マサツグに

質問をしては一人悩んだ様子で困惑し…マサツグも喧嘩が始まった事で

更に呆れた様子を見せてはシロの耳を伏せさせようとするのだが…

ふとレフィリアナの有る言葉に引っ掛かりを覚えると慌てて二人の間に

割って入る!…


「……ッ!?…ちょ!!…ちょっと良いか!?…二人共!!…」


「ッ!?…ど、如何したのですか?(如何したのだ?)…」


「い、いや…今さっき女王陛下が余の部屋って!?…」


慌てて喧嘩の仲裁?…に入るとレフィリアナとミスティーは突然の

マサツグの様子に戸惑い!…二人揃って何が有った?…と困惑気味の

表情でマサツグに返事をすると、マサツグは戸惑いの表情で恐る恐る

レフィリアナに質問をし始める!…マサツグが引っ掛かりを覚えた

のは言うまでも無く「余の部屋」と言う言葉!…そう聞こえた事に

マサツグは聞き間違いか?…と言った具合にレフィリアナに尋ねる

のだが、レフィリアナはその質問に対しキョトンとした表情を見せると、

聞き間違いでは無いと肯定する。


「……ッ?…そうだが?…

ここは余の部屋でこれは余のベッド…余の机に椅子…

余のシーツに包まれ勇者殿は余と同衾!…

眠って居たのだ?……何かおかしい事でも有ったか?…」


__……はあぁ~……ッ?…。


レフィリアナは徐にベッドや机に椅子…シーツと指差してはマサツグが

ログアウトしている間に同衾して居た事を頬を染めながら明かし!…

自身のやった事が可笑しいか?と逆にマサツグへ尋ね出すと、その言葉に

マサツグは沈黙する…その際ミスティーも頭を抱えると呆れた様子で

溜息を吐き、シロは状況を飲み込めずにただキョトンとしてはマサツグを

見詰める。そしてマサツグはマサツグで…今の言葉が信じられないと

ばかりにレフィリアナに人差し指を立てて見せると、もう一度質問をする…


「……もう一度聞いて良い?…ここは?…」


「んん~?…ここは王宮と言って居ろう?

そしてここは余の部屋!…勇者殿は余のベッドで同衾!…」


「だあああぁぁぁぁ!!!…何度も言わんで宜しい!!…

てかアンタ何やってくれてんの!?…」


「ムッ!…余が何をしようと勝手では無いか!!

それに余は見られて恥ずかしい様な情けない体は!!…」


「そう言う事を言ってんじゃねえぇぇぇぇぇぇ!!!!」


もはや何でもアリなのかレフィリアナは一切悪びれる様子を見せず…

寧ろやって当然とばかりに堂々とした態度でマサツグの質問に

対して不思議そうに答えては同衾の話を蒸し返し!…マサツグも

慌ててツッコミを入れては勢いそのままレフィリアナに問い質し

始めると、レフィリアナは態度を改める事無く今度はマサツグに

反論する!…その際ミスティーにも言った様な事を言い出すと

マサツグもツッコんで居る所はそこじゃない!とばかりに声を

荒げ!…レフィリアナにツッコミを入れてはミスティーの言葉に

同意するよう反論しようとすると、ミスティーが参戦し始める!


「お姉様!!…マサツグ様の反応もご尤もです!!

幾らマサツグ様が恩人だと言っても!!…ッ~~~!!…

反省してください!!…やり過ぎです!!!」


「何なのだ朝から二人して!!…

ただこの者を気に入ったから一緒に閨を共にしただけと言うのに!…

それに妹の友人を持て成すのは当然であろう?」


{だからって普通その友人の隣で裸になって寝ますか?……}


「だからって普通その友人の隣で裸になって寝ますか!?

もっと慎みを覚えて下さい!!!」


レフィリアナとミスティーの間柄を見る限り…この喧嘩は普段から行われて

居るのか何方も折れず…寧ろマサツグが間に入った事によって激化する

様子を見せると、マサツグは困惑する…レフィリアナは変える気は無いと

ばかりにミスティーの言葉に対してただと持て成したと反論し、その言葉に

マサツグが思わず感性を疑うよう…心の中でツッコみを入れて居ると、

そのツッコミを代弁する様にまたミスティーがレフィリアナに吠える!…

この時顔を真っ赤にしては両手を握ってブンブンと…子供の様に納得が

行かないとばかりに振り回し、レフィリアナもその様子を見て徐々に

面倒になって来たのか…呆れた様子で溜息を吐くと、ここで喧嘩を

切り上げる。


「……はあぁ~~…全く!…いつまでも小さい事気にする!…

分かった分かった!…今度からは気を付ける!…

これで良いのだろう?…では…さっさと支度をせねば…

今日もまた忙しいからな?…」


__ギシッ……トッ…トッ…トッ…トッ…


「ッ!?…お!…お姉様!!…

むぅ~~~~!!…」


__ギシッ……トッ…トッ…トッ…トッ…


まるでここまでが日常とばかりにレフィリアナは簡単にミスティーを

あしらうと、そのままベッドから降りては机に向かい歩き出し…

その態度に納得が行かないのかミスティーはレフィリアナを呼び止め

ようと興奮気味に声を掛け出すのだが、幾ら呼んだ所でレフィリアナは

足を止めようとはしない。その様子にミスティーも頬を膨らませては

ベッドから降りてレフィリアナの後を追い掛け、レフィリアナはそんな

事など御構い無しに机の上に置いて有るベルを手に取ると、徐に振って

見せてはベルを鳴らし始める!…


__スッ…ちりりりぃん♪…


「お姉様!!…まだお話は!!…」


「何だしつこい!…もう終わりと…」


「……ふぅ…」


恐らくお付きのメイドを呼んだのか軽く2~3回振ってベルを鳴らすと、

スッと机の上にベルを戻し…それに合わせてミスティーがレフィリアナに

追い付き、今日と言う今日こそは!…と意気込み出すと、レフィリアナに

話は終わっていないと文句を言っては果敢に突っ掛かって行く!…

その様子にレフィリアナは飽き飽きした表情で返事をしてはまた文句を

言い出し、再び姉妹で喧嘩をし始めるとその様子にマサツグも呆れた

様子で…もう危ない光景は……いや有るには有るかと思いつつ、シロを

解放し始める。特段裸を見せる位なら問題無いと判断しての解放だった

のだが、シロの視界を解放すると途端にシロは驚いた声を挙げ始める。


__スッ…カッ!…


「ぴゃあッ!!!」


「ッ!?…ど、如何したシロ!?」


「うぅ~!……目がピカピカしますぅ~……」


「ッ!…あ、あぁ…何だそう言う事か…スマン!…」


シロが突如として悲鳴を上げるとマサツグは驚き、慌てて何が

有ったのか!?と確認し出すと、シロはマサツグの胡坐の中に

納まっては目をシパシパと瞬きさせつつ…急に光が目に入ったと

言って眩しそうに目を擦る…そしてそれを聞いたマサツグも

納得したのか途端にホッとした様子で安堵すると、シロに謝り…

シロを抱えては自分達の着替えが無い事に気が付き、自分達も

如何しようかと今だベッドの上に座り考えて居ると、向こうは

向こうで姉妹の口喧嘩が終わったのか…互いに膨れた表情でそっぽを

向き合って居り、ふとレフィリアナの独り言がマサツグの耳に

入って来る!…


__ぷ~~い!!……


「……チッ!!…

隙を見てちょっとばかり味見をしようと思っておったのに!…

ミスティーの奴め!!…ガードが堅いではないか!!…」


「ッ!?!?…」


「ッ!……ご、ご主人様?…」


レフィリアナの口からポロっと出て来たのは紛れも無い捕食の欲望本音!…

それを聞いたマサツグはビクッと反応すると思わずシロを強く抱き締め、

ミスティーにもその独り言が聞こえたのか慌てた様子で突如振り返ると、

レフィリアナの後姿を睨み付ける様に凝視し始める!…そしてマサツグに

突如強く抱き締められた事にシロが戸惑いを覚えて居ると、その直ぐ後に

お付きのメイド達が部屋の扉をノックして入室し…皇女二人の着替えを

手伝い始めると、マサツグはシロを抱えてレフィリアナの部屋を後に

しようとする。…しかし……


「……さて?…俺が居ると色々邪魔になるだろうし?…

俺達は散歩がてら外に出よう…」


「……ん?…勇者殿?…何処へ行こうとしておるのだ?…」


「……え?…」


「別にこの部屋で過ごしてくれていても良いのだぞ?…

何なら余の生着替えを見て居ても…」


「ッ!?…お姉様!!!」


マサツグは気を利かせる様にシロを連れて外に出ようと扉の前まで

移動するのだが…まさかのレフィリアナから呼び止めを喰らうと、

その言葉に戸惑いを覚える!…今から着替えると言って居るので

本来なら出て行け!と言われる筈が、まさかの待てと!…ドアノブに

手を掛けたまま固まり、一体如何言う事とばかりにマサツグが困惑の

言葉を漏らして居ると、レフィリアナは隠す事無く仁王立ちしながら

マサツグに部屋に居て良い!と堂々言い出す!…何なら着替えて居る所も

見て良い!とまで言い出す始末で、その言葉にミスティーが赤面し!…

レフィリアナに文句を言うよう呼び掛け出すと、マサツグは自主的に

退出する…


__ガチャッ!…バタン…


「ッ!…なぁ~につまらん!…別に構わんと言って居るのに…」


「ッ~~~~!!!」


__ブンブンブンブン!!!…


マサツグが無言で部屋を後にするとレフィリアナは怪訝そうな表情で

つまらんと言い出し、ミスティーはそんなレフィリアナに対して顔を

真っ赤にすると涙で目を潤ませては視線で抗議する!…その際やはり

子供の様に腕を振って見せる等…着替えを妨害する様な動きを見せて

メイドさん達を困惑させ、そんな二人に付き合って居るメイドさん達は

大変だと思いつつ…マサツグが廊下に出て来ると溜息を吐き始める…


「……はあぁ~…一体どんだけ自信が有んだよ!…ったく!…

……確かにかなり魅力的な光景をして居た事は認めるが…」


「ッ!…ご主人様ぁ?…」


「ッ!?…な、何でも無い!…気のせいだ…

と、とにかく王宮を歩き回って…ッ!?…おわあぁ!?…」


溜息を吐いてはレフィリアナの自信家・自由奔放ぶりに改めて呆れ出す

のだが、やはりマサツグも男の子…思わず頭の中でレフィリアナや

ミスティーのあの光景を思い出しそうになって居ると、シロは感付いた

のか釘を刺す様にマサツグの事を呼び始める!…その際マサツグの顔を

覗き込んでは何か嫌な予感を感じるムッとした表情を見せ、そのシロの

表情を見てマサツグもハッ!と我に返ると、シロに誤魔化しの言葉を

掛ける。そうして朝からドタバタ騒ぎがあった中…改めて王宮内を

探索しようと廊下に目をやると、そこには一人のメイドさんが立っており…

その存在に気付いて居なかったマサツグは途端に驚いた反応を見せると、

メイドさんは涼しい顔をしてマサツグに挨拶をし始める。


「…おはよう御座います…勇者様。

何やら朝から随分とお疲れの御様子で?…」


「え?…あ…あぁ…まぁ……ってかあれ?…君は?…」


マサツグの様子を見てクールに心配するとナチュラルにマサツグの事を

勇者と呼び、マサツグはマサツグで突如心配された事にも戸惑いつつ…

今だ慣れない勇者呼びに戸惑って居ると、その挨拶をして来た

メイドさんに見覚えを感じる。と言うのも、そこに居たのはゲスデウスの

屋敷で捕まっていたあの柴犬のメイドさんであり、無事仕事に復帰した

のかメイド姿でマサツグの前に現れては凛とした佇まいを見せており…

マサツグにまだ自己紹介とお礼をして居なかった事を思い出すと、徐に

お辞儀をしては自己紹介をし始める。


「ッ!…申し訳ありません…そう言えば自己紹介もお礼もまだでしたね?…

…はい、既にお気付きになられて居ると思いますが…

私はあの下種野郎の屋敷で貴方様に助けられた者に御座います…

名は「ノーマ」…「ノーマ・クラネル・シバ」…と申します…

役職はフィアナ…ッ!…失礼…女王陛下のお付きのメイド…

特技は炊事・洗濯…と言った所でしょうか?…

…そしてお礼の言葉も遅くなって申し訳ありません…

あの時はまるで子供の様に取り乱し、貴方様に縋ってしまった事…

誠に申し訳ありませんでした…そして助けて頂き…

本当に有難う御座いました!…」


「お…おう…」


そこにはもう拷問に怯えていた時の様な姿は見られない!…真っ直ぐに

マサツグを見詰めて自己紹介をし始めるメイドさんの姿があった。

あの時は恐怖とトラウマに震えて居たのだが今は全く見られず、ただ

淡々とゲスデウスの事を下種野郎と呼んでは自身の名前に今の役職と…

更には特技まで話し出してお見合いの様な調子で話し続ける。

そしてマサツグに助けて貰った際迷惑を掛けたと言い出すと深々と

お辞儀をし出し、更にお礼の言葉も口にし始めると、そのノーマの

改まり様にマサツグは困惑する!…そして自己紹介をする際ノーマは

何やら気になる名前をポロっと口にした事が気になり、その名前に

疑問を持つと誰かとマサツグは悩み出すのだが…ノーマが捕まっていた

時の話を思い出しては女王陛下の愛称と直ぐに理解し、愛称を呼ぶ事から

本当に仲が良いと言う事を理解すると、二重の意味で驚かされる!…


{……ん?…フィアナ?…一体誰?…って、あぁ!…

で、フィアナね?…なるほど!…

てか仮にも一国の女王を相手に愛称…本当に仲が良いんだな?…}


「あっ…あぁ…よろしく頼む!…俺はマサツグ!…冒険者だ!

…で、こっちはシロ…」


「シロです!!」


「…マサツグ様に…シロ様ですね?…承りました…」


ノーマの自己紹介に戸惑いつつ…マサツグもノーマに軽く自己紹介を

し始めると、シロも一緒に紹介をする。その際シロを抱え上げて

ノーマと同じ視線の位置まで持ち上げ、シロにも自己紹介をさせようと

するのだが、その心配は要らなかった様子でシロは自ら手を挙げて

自身の名前を口にする。天真爛漫の笑顔で簡単に自己紹介をするシロに

ノーマも微笑んでは軽く手を上げ…手を振り返して見せると、シロも

その様子に喜んだ反応で尻尾を振る!こうして自己紹介が済んだ所で

マサツグはふとノーマの事が気になり…声を掛け始めるとある

質問をする。


「……ッ!…そう言えば…もう動いて大丈夫なのかい?…

アレだけの大怪我を負って居たんだからもう少し休んで居ても…」


「ッ!…お気遣い感謝いたします…ですが大丈夫です…

獣人族は体力が取り柄…怪我は安静にすればある程度回復します…」


「ッ!…そ、そうなのか?…大丈夫なら良いんだが…

…で、あと中は放って置いて大丈夫なの?…

何か揉めてるけど?…」


__ッ~~~~~~~!!!!!


マサツグが気になった事と言うのはノーマの怪我!…確かに助けてから

約2週間の時間は経って居るが、あの拷問で怪我の具合が具合なので

心配に!…マサツグは労わるよう声を掛け出すのだが、ノーマは首を

左右に振ってはクールに返事をし…マサツグにお礼を言って獣人族は

丈夫と答え出すと、その答え方にマサツグは些か不安を覚える!…

何故ならその受け答え方は怪我を押してでも働こうとする健気な子に

見られる言動で有り、マサツグとしてもよくゲームの中で聞いては

倒れている光景を目にしているからである…マサツグの本心としては

無理に動かず休んで居て欲しいのだが、言い聞かせようとした所で

大抵無駄に終わり…怪我をしていないか?と問い詰める訳にも行かない

ので如何しようも無いのである!…そんな不安を覚えつつマサツグは

ノーマに返事をすると何故かたどたどしくなり…更に先程から扉越しでも

良く聞こえる姉妹喧嘩の事についてノーマに質問をすると、ノーマは

チラッと扉を見た後、マサツグに返事をする。


「……多分放って置いても大丈夫かと思われます…

この手の喧嘩はよくある事なので…」


「ッ!?…よ、良くある事なのか?…」


「はい左様で…ですから止めるだけ無駄かとここに具申させて頂きます…」


「………。」


ノーマは表情を変える事無くクールにマサツグの方に切り返すと、

いつもの事と言って流してしまう。そんな返事が返って来た事に

マサツグは戸惑うのだが、ノーマは構わず放置し…寧ろ止めるだけ

無駄と言った…長年連れ添って来た熟年夫婦の様な諦めようを

マサツグに見せると更にマサツグを戸惑わせ!…そんなマサツグを

余所にノーマは思い出した様に若干ハッと目を見開いて、マサツグに

ある事をお願いし始める。


「はい……ッ!…

それはそうとマサツグ様?…どうぞこちらに…」


「え?…」


「…貴方様の装備一式はこちらの方にて保管させて頂いております…

ご返却の方をさせて頂きたいので申し訳ありませんがご足労を…

確認等もお願いします…」


「ッ!…あっ…あぁ…分かった…」


ノーマが突如自身の背後へ…半身を逸らすよう振り返って廊下を

見せる様に手を指し、付いて来る様にマサツグへお願いし始めると、

そのお願いにマサツグは戸惑う…まだ着替えてもいない状態で

何処へ?…とマサツグは困惑を隠し切れない様子でノーマを見詰める

のだが、ノーマはその表情を見てはジッとマサツグの顔を見詰め出し…

没収していた装備を返したいと何処か感情の掛けた様子でマサツグに

説明をすると、マサツグは戸惑いながら納得する。そうしてノーマは

マサツグから同意を得た所で案内するよう先を歩き出し、マサツグも

シロを抱えて付いて行き出すと、そのまま3人王宮の中へと姿を消して

行くのであった。……フィアナとミスティーの姉妹喧嘩を残して…

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?

闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。 しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。 幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。 お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。 しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。 『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』 さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。 〈念の為〉 稚拙→ちせつ 愚父→ぐふ ⚠︎注意⚠︎ 不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。

いや、自由に生きろって言われても。

SHO
ファンタジー
☆★☆この作品はアルファポリス様より書籍化されます☆★☆ 書籍化にあたってのタイトル、著者名の変更はありません。 異世界召喚に巻き込まれた青年と召喚された張本人の少女。彼等の通った後に残るのは悪人の骸…だけではないかも知れない。巻き込まれた異世界召喚先では自由に生きるつもりだった主人公。だが捨て犬捨て猫を無視出来ない優しさが災い?してホントは関わりたくない厄介事に自ら巻き込まれに行く。敵には一切容赦せず、売られたケンカは全部買う。大事な仲間は必ず守る。無自覚鈍感最強ヤローの冒険譚を見よ! ◎本作のスピンオフ的作品『職業:冒険者。能力:サイキック。前世:日本人。』を並行連載中です。気になった方はこちらも是非!*2017.2.26完結済です。 拙作をお読み頂いた方、お気に入り登録して頂いた皆様、有難う御座います! 2017/3/26本編完結致しました。 2017/6/13より新展開!不定期更新にて連載再開! 2017/12/8第三部完結しました。

公爵家長男はゴミスキルだったので廃嫡後冒険者になる(美味しいモノが狩れるなら文句はない)

音爽(ネソウ)
ファンタジー
記憶持ち転生者は元定食屋の息子。 魔法ありファンタジー異世界に転生した。彼は将軍を父に持つエリートの公爵家の嫡男に生まれかわる。 だが授かった職業スキルが「パンツもぐもぐ」という謎ゴミスキルだった。そんな彼に聖騎士の弟以外家族は冷たい。 見習い騎士にさえなれそうもない長男レオニードは廃嫡後は冒険者として生き抜く決意をする。 「ゴミスキルでも美味しい物を狩れれば満足だ」そんな彼は前世の料理で敵味方の胃袋を掴んで魅了しまくるグルメギャグ。

だって私、悪役令嬢なんですもの(笑)

みなせ
ファンタジー
転生先は、ゲーム由来の異世界。 ヒロインの意地悪な姉役だったわ。 でも、私、お約束のチートを手に入れましたの。 ヒロインの邪魔をせず、 とっとと舞台から退場……の筈だったのに…… なかなか家から離れられないし、 せっかくのチートを使いたいのに、 使う暇も無い。 これどうしたらいいのかしら?

【本編完結】転生隠者はまったり怠惰に暮らしたい(仮)

ひらえす
ファンタジー
後にリッカと名乗る者は、それなりに生きて、たぶん一度死んだ。そして、その人生の苦難の8割程度が、神の不手際による物だと告げられる。  そんな前世の反動なのか、本人的には怠惰でマイペースな異世界ライフを満喫するはず……が、しかし。自分に素直になって暮らしていこうとする主人公のズレっぷり故に引き起こされたり掘り起こされたり巻き込まれていったり、時には外から眺めてみたり…の物語になりつつあります。 ※小説家になろう様、アルファポリス様、カクヨム様でほぼ同時投稿しています。 ※残酷描写は保険です。 ※誤字脱字多いと思います。教えてくださると助かります。

【完結】え、別れましょう?

須木 水夏
恋愛
「実は他に好きな人が出来て」 「は?え?別れましょう?」 何言ってんだこいつ、とアリエットは目を瞬かせながらも。まあこちらも好きな訳では無いし都合がいいわ、と長年の婚約者(腐れ縁)だったディオルにお別れを申し出た。  ところがその出来事の裏側にはある双子が絡んでいて…?  だる絡みをしてくる美しい双子の兄妹(?)と、のんびりかつ冷静なアリエットのお話。   ※毎度ですが空想であり、架空のお話です。史実に全く関係ありません。 ヨーロッパの雰囲気出してますが、別物です。

どうも、死んだはずの悪役令嬢です。

西藤島 みや
ファンタジー
ある夏の夜。公爵令嬢のアシュレイは王宮殿の舞踏会で、婚約者のルディ皇子にいつも通り罵声を浴びせられていた。 皇子の罵声のせいで、男にだらしなく浪費家と思われて王宮殿の使用人どころか通っている学園でも遠巻きにされているアシュレイ。 アシュレイの誕生日だというのに、エスコートすら放棄して、皇子づきのメイドのミュシャに気を遣うよう求めてくる皇子と取り巻き達に、呆れるばかり。 「幼馴染みだかなんだかしらないけれど、もう限界だわ。あの人達に罰があたればいいのに」 こっそり呟いた瞬間、 《願いを聞き届けてあげるよ!》 何故か全くの別人になってしまっていたアシュレイ。目の前で、アシュレイが倒れて意識不明になるのを見ることになる。 「よくも、義妹にこんなことを!皇子、婚約はなかったことにしてもらいます!」 義父と義兄はアシュレイが状況を理解する前に、アシュレイの体を持ち去ってしまう。 今までミュシャを崇めてアシュレイを冷遇してきた取り巻き達は、次々と不幸に巻き込まれてゆき…ついには、ミュシャや皇子まで… ひたすら一人づつざまあされていくのを、呆然と見守ることになってしまった公爵令嬢と、怒り心頭の義父と義兄の物語。 はたしてアシュレイは元に戻れるのか? 剣と魔法と妖精の住む世界の、まあまあよくあるざまあメインの物語です。 ざまあが書きたかった。それだけです。

お荷物認定を受けてSSS級PTを追放されました。でも実は俺がいたからSSS級になれていたようです。

幌須 慶治
ファンタジー
S級冒険者PT『疾風の英雄』 電光石火の攻撃で凶悪なモンスターを次々討伐して瞬く間に最上級ランクまで上がった冒険者の夢を体現するPTである。 龍狩りの一閃ゲラートを筆頭に極炎のバーバラ、岩盤砕きガイル、地竜射抜くローラの4人の圧倒的な火力を以って凶悪モンスターを次々と打ち倒していく姿は冒険者どころか庶民の憧れを一身に集めていた。 そんな中で俺、ロイドはただの盾持ち兼荷物運びとして見られている。 盾持ちなのだからと他の4人が動く前に現地で相手の注意を引き、模擬戦の時は2対1での攻撃を受ける。 当然地味な役割なのだから居ても居なくても気にも留められずに居ないものとして扱われる。 今日もそうして地竜を討伐して、俺は1人後処理をしてからギルドに戻る。 ようやく帰り着いた頃には日も沈み酒場で祝杯を挙げる仲間たちに報酬を私に近づいた時にそれは起こる。 ニヤついた目をしたゲラートが言い放つ 「ロイド、お前役にたたなすぎるからクビな!」 全員の目と口が弧を描いたのが見えた。 一応毎日更新目指して、15話位で終わる予定です。 作品紹介に出てる人物、主人公以外重要じゃないのはご愛嬌() 15話で終わる気がしないので終わるまで延長します、脱線多くてごめんなさい 2020/7/26

処理中です...