おれは忍者の子孫

新学期と

第348話：鈴木家集合

ガクが２中を訪れ、色々とあった翌日。

その日重清は、両親と共に祖母雅の家を訪れていた。

重清達家族だけでなく、重清の父雅史まさしの兄である平太へいたや、弟の桔平きっぺいとその家族が皆、雅宅へ一同に介していた。

その日は、祖父平八の命日であった。

「あっ、浩ひろし兄ちゃん！」
重清は平太の長男であり麻耶の兄である浩を見つけて、声をかけた。

「・・・・・・・・おう」
笑顔を向ける重清に対し、浩はその笑顔を見つめて一言そう返し、そのまま重清に背を向けた。

「あれ？浩兄ちゃん、何か怒ってる？」
普段の優しい浩とは比べられないほど冷たいその態度に、重清は首を傾げて兄の公弘きみひろへと目を向けた。

「さぁ？浩さんも、仕事で疲れてるんじゃないか？」
公弘が重清にそう返していると、

「兄さん、遅くなったけど教員採用試験合格おめでとう」
重清のもうひとりの兄、裕二ゆうじが会話へと入って来た。

「あ、そっか。すっかり忘れてた！おめでとう、公兄ちゃん！！」
裕二の言葉で思い出したように、重清もそう言って公弘に笑いかけた。

「いや。２人とも遅すぎだからな？試験に受かったのは何カ月も前だし、既に今俺は、教師だぞ？」
そんな２人に、公弘は呆れた表情を返していた。

「そういえば公兄ちゃん、どこの学校に行ってるの？っていうか、小学校だっけ？」
「重清。お前どれだけ俺に興味無いんだよ。中学校だよ！俺は中学校の教師になったの！」
首を傾げる重清に公弘はそう返してため息をついていた。

「中学校か～。それで、今はどこの中学校に行ってるの？」
「ふん。もう絶対教えてやんねぇよ！」
公弘はそう言って、その場を後にした。

「あぁ～あ。兄さんを怒らせちゃったな、重清。おっ、麻耶ちゃんじゃないか。久しぶり」
裕二はそれを面白そうに眺めながら重清に目を向け、その先にいた麻耶へと声をかけた。

「裕二さん、お久しぶりです。重清も、元気にしてた？」
以前よりも一段と大人っぽくなった麻耶はそう言って裕二と重清へと微笑みかけた。

「なんだか麻耶ちゃん、大人っぽくなったな～」
裕二が麻耶へと笑いかけると、

「まぁ、おっぱいは相変わらず小さ―――」
その言葉を残した重清は、いつの間にか壁へとめり込んでした。

「いてててて・・・麻耶姉ちゃんは相変わらずだね。ケンさんにもそんなに暴力振るってるの？」
「ケンはあんたと違って、そんなこと言わないのよ！」

「「なに！？」」

重清の言葉に麻耶が言い返していると、麻耶の父 平太と、麻耶のもう１人の兄である太ふとしがその場へと駆け付けた。

平太「麻耶、ケンというのは誰かな？」
太「まさか彼氏とか言わないよな！？俺よりも先に恋人作ったりしないよな、麻耶！」
平太「なに！？彼氏だと！？そ、そんなのパパ許しませんからね！っていうか太、お前その年でまだ彼女いないのか？」
太「今そこ関係なくない！？」

「はぁ・・・・・・」

麻耶は父と兄のやり取りにため息をついて、そのままその場から逃げるように離れていった。

「「あっ、麻耶、待ちなさい！」」
平太と太は、それを追うようにその場を後にした。

「平太伯父さんたちも、相変わらずみたいだな」
そう呟く裕二に、重清は苦笑いを浮かべて頷くのであった。