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新学期と
第332話:新学期、明けましておめでとう
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「よっ!新学期、明けましておめでとう!」
「新学期早々、聞き慣れねー挨拶だなおい」
忍ヶ丘第2中学校の始業式と入学式を終え、放課後を迎えた重清からの挨拶に、恒久は静かにつっこんだ。
新学期早々、相変わらずな2人なのである。
「ツネは、茜と同じクラスになったんだね」
聡太は、そんな恒久に声をかけた。
「ん?まぁな。お前らは、相変わらず同じクラスみたいだな」
恒久はそう言って、2人に視線を返した。
「まぁねぇ~。おれの右腕は、おれと離れたくないみたいでね」
「そうなんだよね。やっぱりシゲは、司令塔のぼくがいないとダメみたいでさ」
「「・・・・・・・」」
「右腕!!」
「司令塔!!」
「いやもういいよ!お前らは成長しねーなおい!!」
いつもの2人のやり取りに、恒久は再びつっこんだ。
「成長っていえばよぉ、ソウ。あの卵、どうなってんだ?」
いがみ合う2人にため息をつきながら、恒久は話題を変えるべく聡太に声をかけた。
「え?あぁ。ちょっとずつ、成長してるって感じかな?最近は、中で動くようになってきたよ」
「そうそう!おれも触らせてもらったけど、動いてたぞ!」
「なんかお前ら、子どもの出来た夫婦みたいだな」
嬉しそうに卵のことについて語る聡太と重清に、恒久は静かにつっこんだ。
「えー。じゃぁ、ソウがお母さんで、おれがお父さん?」
「いや、そっちを掘り下げて脱線しなくていいよ!」
重清の相変わらずの脱線に、恒久がそう返していると。
「な、なんだか、こっちを見られてない?」
聡太がヒソヒソと、2人に言った。
3人が周りを見てみると、一部の腐女子の皆さまが好奇心のこもった視線を、3人へと送っていた。
(((・・・・・・どうしよう)))
その視線に戸惑う3人は、その場で固まった。
「・・・で、お前らはどこに行こうとしてんだよ?」
その視線を遮るかのように、恒久は重清と聡太へと問いかけた。
「どこって・・・・ねぇ、ソウ」
「え、ぼくにふる!?」
「お前らまさか、部室に行くつもりじゃないだろうな」
「ギクッ!」
重清が声に出してそう言うと、
「いや声に出しちゃったよ。っていうか今日は休みのはずだろ?何しに行くつもりなんだよ?」
「そう言うツネこそ、部室に行くつもりだったんじゃないの?」
「ギクッ!」
流れに乗って、恒久も声を漏らした。
「だって、なぁ。今日は入学式だし、ショウさんの弟が来るかもしれないわけで・・・」
「あっ、やっぱそれ気になるよね!?おれ達もそうなんだよ」
「なんだ、お前らもそうか。じゃぁ、行くか」
「だね。ノリさんからも、休みとは言われたけど、来るなとは言われなかったからね」
恒久の言葉に、聡太が笑顔で返した。
「ソウ、どんどんいい性格になっていくよな」
恒久は苦笑いを浮かべていた。
「そういえば、茜は?」
そんな恒久に、重清が顔を向ける。
「あいつなら、HR終わるのと同時に教室から出ていったよ。どうせ、男でも探しに行ったんだろ」
「おー、茜は今日も相変わらず元気だなぁ」
恒久の言葉に重清が笑っていると、
「けっ。モテる男は余裕だなぁおい」
恒久が重清を睨んだ。
「なはははは。まぁおれに好きって言ってくれた2人は2人とも、なかなかに癖のある人達なんだけどね」
重清は苦笑いを恒久へと返した。
3人がそんな会話をしながら廊下を歩いていると、目の前に女子の一段が固まっていた。
そのはしゃぎようから、1年生であることは想像出来る3人は、さすがに『邪魔だ』と言うこともできず、その一団の前で立ち尽くしていた。
その時。
(あっ、私達邪魔みたいよ)
(ねぇねぇ、あの人、カッコよくない?)
(やめなって!あの人、噂のムッツリ先輩よ)
(えっ、あの人が噂の?カッコいいのに、もったいない)
(ねぇちょっと。あの人、私達のことイヤらしい目で見てない?)
(は、早く道を開けて行ってもらいましょうよ)
ヒソヒソと話しながら恒久に目を向けていた彼女達は、重清達が通れるように道を開けた。
「ツネも、相変わらずだな」
モーゼの如く1年生女子の一団のど真ん中を歩きながら、重清は恒久へと笑いかけた。
「は?なんだよ突然」
彼女達の声が聞こえていなかった恒久は、重清の言う意味が分からず首を傾げながら女子の一団を通り過ぎた。
「ま、それも含めてツネも相変わらず、ってことだね」
聡太が苦笑いで恒久に言うと、
「ソウまで意味わかんねぇこと言ってないで、さっさと部室行くぞ」
そう言って足早に歩き始める恒久の背を見つめた重清と聡太は、互いに肩をすくめて、恒久の後を追うのであった。
「新学期早々、聞き慣れねー挨拶だなおい」
忍ヶ丘第2中学校の始業式と入学式を終え、放課後を迎えた重清からの挨拶に、恒久は静かにつっこんだ。
新学期早々、相変わらずな2人なのである。
「ツネは、茜と同じクラスになったんだね」
聡太は、そんな恒久に声をかけた。
「ん?まぁな。お前らは、相変わらず同じクラスみたいだな」
恒久はそう言って、2人に視線を返した。
「まぁねぇ~。おれの右腕は、おれと離れたくないみたいでね」
「そうなんだよね。やっぱりシゲは、司令塔のぼくがいないとダメみたいでさ」
「「・・・・・・・」」
「右腕!!」
「司令塔!!」
「いやもういいよ!お前らは成長しねーなおい!!」
いつもの2人のやり取りに、恒久は再びつっこんだ。
「成長っていえばよぉ、ソウ。あの卵、どうなってんだ?」
いがみ合う2人にため息をつきながら、恒久は話題を変えるべく聡太に声をかけた。
「え?あぁ。ちょっとずつ、成長してるって感じかな?最近は、中で動くようになってきたよ」
「そうそう!おれも触らせてもらったけど、動いてたぞ!」
「なんかお前ら、子どもの出来た夫婦みたいだな」
嬉しそうに卵のことについて語る聡太と重清に、恒久は静かにつっこんだ。
「えー。じゃぁ、ソウがお母さんで、おれがお父さん?」
「いや、そっちを掘り下げて脱線しなくていいよ!」
重清の相変わらずの脱線に、恒久がそう返していると。
「な、なんだか、こっちを見られてない?」
聡太がヒソヒソと、2人に言った。
3人が周りを見てみると、一部の腐女子の皆さまが好奇心のこもった視線を、3人へと送っていた。
(((・・・・・・どうしよう)))
その視線に戸惑う3人は、その場で固まった。
「・・・で、お前らはどこに行こうとしてんだよ?」
その視線を遮るかのように、恒久は重清と聡太へと問いかけた。
「どこって・・・・ねぇ、ソウ」
「え、ぼくにふる!?」
「お前らまさか、部室に行くつもりじゃないだろうな」
「ギクッ!」
重清が声に出してそう言うと、
「いや声に出しちゃったよ。っていうか今日は休みのはずだろ?何しに行くつもりなんだよ?」
「そう言うツネこそ、部室に行くつもりだったんじゃないの?」
「ギクッ!」
流れに乗って、恒久も声を漏らした。
「だって、なぁ。今日は入学式だし、ショウさんの弟が来るかもしれないわけで・・・」
「あっ、やっぱそれ気になるよね!?おれ達もそうなんだよ」
「なんだ、お前らもそうか。じゃぁ、行くか」
「だね。ノリさんからも、休みとは言われたけど、来るなとは言われなかったからね」
恒久の言葉に、聡太が笑顔で返した。
「ソウ、どんどんいい性格になっていくよな」
恒久は苦笑いを浮かべていた。
「そういえば、茜は?」
そんな恒久に、重清が顔を向ける。
「あいつなら、HR終わるのと同時に教室から出ていったよ。どうせ、男でも探しに行ったんだろ」
「おー、茜は今日も相変わらず元気だなぁ」
恒久の言葉に重清が笑っていると、
「けっ。モテる男は余裕だなぁおい」
恒久が重清を睨んだ。
「なはははは。まぁおれに好きって言ってくれた2人は2人とも、なかなかに癖のある人達なんだけどね」
重清は苦笑いを恒久へと返した。
3人がそんな会話をしながら廊下を歩いていると、目の前に女子の一段が固まっていた。
そのはしゃぎようから、1年生であることは想像出来る3人は、さすがに『邪魔だ』と言うこともできず、その一団の前で立ち尽くしていた。
その時。
(あっ、私達邪魔みたいよ)
(ねぇねぇ、あの人、カッコよくない?)
(やめなって!あの人、噂のムッツリ先輩よ)
(えっ、あの人が噂の?カッコいいのに、もったいない)
(ねぇちょっと。あの人、私達のことイヤらしい目で見てない?)
(は、早く道を開けて行ってもらいましょうよ)
ヒソヒソと話しながら恒久に目を向けていた彼女達は、重清達が通れるように道を開けた。
「ツネも、相変わらずだな」
モーゼの如く1年生女子の一団のど真ん中を歩きながら、重清は恒久へと笑いかけた。
「は?なんだよ突然」
彼女達の声が聞こえていなかった恒久は、重清の言う意味が分からず首を傾げながら女子の一団を通り過ぎた。
「ま、それも含めてツネも相変わらず、ってことだね」
聡太が苦笑いで恒久に言うと、
「ソウまで意味わかんねぇこと言ってないで、さっさと部室行くぞ」
そう言って足早に歩き始める恒久の背を見つめた重清と聡太は、互いに肩をすくめて、恒久の後を追うのであった。
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