おれは忍者の子孫

メバ

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いざ、中忍体!

第111話:2中 対 1中

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控室がわちゃわちゃしている頃。

「よし、この辺りだね。」

ショウとソウは、1中の校旗の隠し場所へと来ていた。
2人で校旗を探すために周りをキョロキョロしていると、

「ふ~ん。どうやったか知らないけど、ウチの校旗の隠し場所なんて、よくわかったわね。嫌な予感を信じてよかったわ。」
建物の陰から、そんな声が聞こえてきた。

ショウとソウが、身構えて声のした方に目を向けると、そこから1人の大人びた笑みを浮かべた少女が出てきた。

その雰囲気に飲まれたソウが、
「ショウさん、あの人はどう思います?大人っぽくて綺麗じゃないですか?」
と、緊張感の無い事を小声で口にすると、

「まぁー、綺麗だとは思うよ?でもなんていうか、性格悪そうじゃない?」
ショウは、そう小声で返して少女を見つめる。

「あら、2人ともいい男じゃん。そっちのアンタはイケメンだし、そっちの坊やも可愛くてステキ。」
少女がショウたちをじっくりと見てそういって笑顔を向けていると、

「ちょっ、ヒロさんっ!!俺というものがありながら、何言ってるんですか!?」
ショウ達の背後から少年が飛び出して、そう叫んでいた。

「はぁー。ちょっとカツ!出てきたら奇襲の意味が無いじゃないのよっ!」
ヒロと呼ばれた少女が、鬼のような形相でカツと呼ばれた少年を睨む。

「ほら、いい性格してるでしょー?」
「あー、なんとなく、ショウさんの言いたいことわかりました。」
ショウとソウは、呑気にそんな会話をしていた。
2人も、それなりに重清に毒され始めているようである。

「まぁ、こうなったら仕方ないわね。アンタ達をこのまま返す訳にもいかないし。」
そう言ってヒロは、鎖鎌を具現化させてニヤリと笑う。
その表情は、先程の大人っぽさは消え失せ、ただただ残虐な顔へと変わっていた。

「ソウ。僕はあのヒロって子の相手をするから、キミは後ろのカツって子をよろしく。」
「わかりました!」
ソウは答えながら、レーダーをいじる。

「こんな時にもスマホをいじるなんて、これだから最近のワカモノはぁ!!」
そう言いながら、ヒロが鎖を振りかざして2人へと駆け出す。

「僕らも、そんなに変わらないよっ!」
ショウが、以前同じような事を呟いていてシンからつっこまれた事を思い出しながら、そう言って杖を具現化して鎌を受け止める。

「あら、イケメンの方が私の相手なのね!」
「んー、自分ではそうは思ってないけど、とりあえずよろしくね?」
そう言ってショウは、鎌を受け止めたまま、もう一本の杖を具現化して、
(武具伸縮の術!)
ヒロに向けて杖を伸ばす。

「ぐっ!」
伸びる杖を腹に受けたヒロは、そのまま後ろに飛ばされながらも体勢を戻し、後方の壁に足をついてそのまま着地する。

「へぇー。今の耐えるんだ。もしかして、身体強化の術?」
「あら、よくわかったわね。でも、この術を使う私のスピードに、ついてこられるかしら?」
「さぁー、どうだろうねぇー。」
そう言って、ショウは杖を1つ消して構える。


「ちいっ、俺のチャクラムが全然当たんねーー!」
カツがイライラしながら、そう言って刃の輪であるチャクラムを具現化し、指で回しながら再びソウに向かって投げる。

カツの手を離れたチャクラムは、弧を描いてソウへと向かっていく。

しかしチャクラムは、ソウの近くに生えた花から放たれる種によって、撃ち落とされる。

これまで何度も同じようにチャクラムを撃ち落とされているカツは、イライラしながら花に目を向ける。
向日葵のようなその花は、茎が何故か手のように2本分かれて生えており、その2本が楽しそうに動いていた。

何故かバカにされたように感じたカツは、ソウでなくその花に対して再度具現化したチャクラムを投げつける。
しかし花は当たり前のように、向かってくるチャクラムを撃ち落とし、再び楽しそうに手(のような茎)を動かしていた。
もはやそれは、踊っているようにしか見えないほどに。

「あーーーーー!その花めちゃくちゃムカつくんですけど!?どうなってるんですか、これ!?」
「いや、聞かれて答えるわけにも・・・あ、ぼく1年なんで、敬語とかいいですよ??」
「同級生かよ!!自信なくすよ!しかもヒロさんから『可愛い』とか言われやがってぇ!!
あぁーーー!俺のヒロさぁーーーーん!」

「え~っと・・・」
目の前のカツの変貌ぶりに言葉を詰まらせていると、

「くそっ!!お前なんかに、負けないぞ!!
1中1年、風魔カツ!ヒロさんにこの戦いを捧げます!!」
突然名乗りを上げるカツに、驚いきながらつられたソウも、

「うわっ!えっと、2中1年、甲賀ソウ。が、がんばります!」
そう言ってカツに対して構えなおすのであった。
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