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いざ、中忍体!
第96話:不服な決着
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「「「「はぁ!?」」」」
ノリの言葉に、重清達4人が声を揃える。
ノリは『協会』として言っていないものの、それが忍者を取りまとめている『忍者協会』であることを理解したためだった。
「そんなの、アリなんですか!?」
重清が声を荒げて立ち上がる。
「だから、お前らうるさいって。ここが図書室の隣ってこと、忘れてねーか?
それにな、アリも何も、事実起きてんだからしょーがねーじゃねーかよ。今の協会なんて、それくらい腐ってんだよ。」
ノリがそう言って舌打ちする。
「でも、暴力事件だったら、警察なんかもでてくるんじゃないんですか?」
「アカ、正解。もちろん警察も出てきたさ。そこも含めて、揉み消してんだよ、協会は。」
「そ、そんなことが可能なんですか?」
聡太があまりのことに言葉を詰まらせながらそう言うと、
「お前ら、雅様の力を目の当たりにしてんだろ?さすがにあそこまでのばけも・・・じゃなくて実力者はそうはいないけどな、それでもそれなりの奴らが協会には揃ってんだ。そのくらい、訳ないさ。」
ノリはそう言って再び深いため息をつく。
((((思ってた以上にデカい案件だった。))))
ただただそう思う1年生4人は、そのまま黙り告ってしまう。
「とりあえず、お前ら一旦座れ。」
ノリはそう言って、立ち上がっている重清達に座るよう促す。
((よかった、座れて。))
座るタイミングを見計らっていた重清と茜は、内心そう思いながら素直に座る。
もう少し緊張感を持ってほしいものである。
それに対してケンとノブは、神妙な面持ちで立ち続けていた。
そして、ノブが口を開く。
「コウさんは、どうするんですか?」
「何もしない。」
「はぁ!?」
ノリの言葉に、シンが声を上げて立ち上がる。
「お前らなぁ。学園ドラマじゃねーんだから、いちいち立ち上がるなよ。ちゃんと説明すっから、とりあえず座れ。」
そう言われて3人は、渋々といった様子で腰を下ろす。
ふと重清がショウに目を向けると、ショウはただ、黙って手を組み、真剣な表情でノリを見ていた。
「俺はさっき、保健室に行ってきた。なんとか被害者から話を聞くことができたんだが・・・」
そこまで言って全員を見回して、
「どうやら被害者は、何も覚えていないらしい。」
「はい???」
ノリの言葉に、全員の上にハテナマークが現れる。
「えっと、それはショックで何が起きたかわからないっていう意味で?」
シンが言うと、ノリは首を振って、
「違う。『いじめられていた』という事実自体、完全に忘れてしまっている。今日だけでなく、これまでのこともな。」
「コウさんに脅されている可能性は?」
とノブ。
「いや、目に怯えの色は見えなかった。俺の勘でしかねーが、おそらくそれはない。」
「記憶喪失?」
ケンが呟くと、
「花園先生の見解はそうらしい。」
「『花園先生の見解は』ってことは、ノリさんの見解は違うんですね?」
ノリの言葉に、これまで黙っていたショウが、そう言ってノリを見つめる。
「あぁ。俺は、力が使われたんじゃないかと思ってる。まぁ、確証はないし、そんな力、聞いたことないけどな。」
「ってことは、コウが・・・」
ショウが思いつめたように言葉を漏らしていると、
(いいえ、それはないわ。)
「うぉいっ!!びっくりした。チーノ、急に話しかけんなよ!」
(いや、重清いい加減慣れろよ。)
重清の中で待機していたチーノの突然の声に驚いた重清の声に、その場の全員がビクッと反応してしまう中、プレッソは静かに重清につっこんでいた。
「あー。チーノが言うには、コウさんから力は感じられなかったらしいです。確実に、『部員』ではなかったって。」
「チーノが言うなら、間違いない、か・・・」
重清の通訳に納得したように頷いたノリが、ショウに頷いて一同を見渡す。
「とりあえず、コウの力によるものではなさそうだな。だが、コウについてはもう放っておけ。」
「その理由は?」
シンがノリを睨むように見つめている。
「当初のお願いであったイジメに関しては、被害者が無かったと思っている以上、対処ができない。それはわかってくれるか?」
「・・・はい。」
「すまねぇな。そのうえでだ。ヤツが部員でない以上、お前らがヤツを気にする必要性がない。
ヤツは俺が目を光らせておくから、俺を信じちゃくれねーか?」
「・・・わかりました。」
シンがそう言い、ショウを含めた他の部員たちもノリの言葉に、納得のいかない顔で頷くのであった。
ノリの言葉に、重清達4人が声を揃える。
ノリは『協会』として言っていないものの、それが忍者を取りまとめている『忍者協会』であることを理解したためだった。
「そんなの、アリなんですか!?」
重清が声を荒げて立ち上がる。
「だから、お前らうるさいって。ここが図書室の隣ってこと、忘れてねーか?
それにな、アリも何も、事実起きてんだからしょーがねーじゃねーかよ。今の協会なんて、それくらい腐ってんだよ。」
ノリがそう言って舌打ちする。
「でも、暴力事件だったら、警察なんかもでてくるんじゃないんですか?」
「アカ、正解。もちろん警察も出てきたさ。そこも含めて、揉み消してんだよ、協会は。」
「そ、そんなことが可能なんですか?」
聡太があまりのことに言葉を詰まらせながらそう言うと、
「お前ら、雅様の力を目の当たりにしてんだろ?さすがにあそこまでのばけも・・・じゃなくて実力者はそうはいないけどな、それでもそれなりの奴らが協会には揃ってんだ。そのくらい、訳ないさ。」
ノリはそう言って再び深いため息をつく。
((((思ってた以上にデカい案件だった。))))
ただただそう思う1年生4人は、そのまま黙り告ってしまう。
「とりあえず、お前ら一旦座れ。」
ノリはそう言って、立ち上がっている重清達に座るよう促す。
((よかった、座れて。))
座るタイミングを見計らっていた重清と茜は、内心そう思いながら素直に座る。
もう少し緊張感を持ってほしいものである。
それに対してケンとノブは、神妙な面持ちで立ち続けていた。
そして、ノブが口を開く。
「コウさんは、どうするんですか?」
「何もしない。」
「はぁ!?」
ノリの言葉に、シンが声を上げて立ち上がる。
「お前らなぁ。学園ドラマじゃねーんだから、いちいち立ち上がるなよ。ちゃんと説明すっから、とりあえず座れ。」
そう言われて3人は、渋々といった様子で腰を下ろす。
ふと重清がショウに目を向けると、ショウはただ、黙って手を組み、真剣な表情でノリを見ていた。
「俺はさっき、保健室に行ってきた。なんとか被害者から話を聞くことができたんだが・・・」
そこまで言って全員を見回して、
「どうやら被害者は、何も覚えていないらしい。」
「はい???」
ノリの言葉に、全員の上にハテナマークが現れる。
「えっと、それはショックで何が起きたかわからないっていう意味で?」
シンが言うと、ノリは首を振って、
「違う。『いじめられていた』という事実自体、完全に忘れてしまっている。今日だけでなく、これまでのこともな。」
「コウさんに脅されている可能性は?」
とノブ。
「いや、目に怯えの色は見えなかった。俺の勘でしかねーが、おそらくそれはない。」
「記憶喪失?」
ケンが呟くと、
「花園先生の見解はそうらしい。」
「『花園先生の見解は』ってことは、ノリさんの見解は違うんですね?」
ノリの言葉に、これまで黙っていたショウが、そう言ってノリを見つめる。
「あぁ。俺は、力が使われたんじゃないかと思ってる。まぁ、確証はないし、そんな力、聞いたことないけどな。」
「ってことは、コウが・・・」
ショウが思いつめたように言葉を漏らしていると、
(いいえ、それはないわ。)
「うぉいっ!!びっくりした。チーノ、急に話しかけんなよ!」
(いや、重清いい加減慣れろよ。)
重清の中で待機していたチーノの突然の声に驚いた重清の声に、その場の全員がビクッと反応してしまう中、プレッソは静かに重清につっこんでいた。
「あー。チーノが言うには、コウさんから力は感じられなかったらしいです。確実に、『部員』ではなかったって。」
「チーノが言うなら、間違いない、か・・・」
重清の通訳に納得したように頷いたノリが、ショウに頷いて一同を見渡す。
「とりあえず、コウの力によるものではなさそうだな。だが、コウについてはもう放っておけ。」
「その理由は?」
シンがノリを睨むように見つめている。
「当初のお願いであったイジメに関しては、被害者が無かったと思っている以上、対処ができない。それはわかってくれるか?」
「・・・はい。」
「すまねぇな。そのうえでだ。ヤツが部員でない以上、お前らがヤツを気にする必要性がない。
ヤツは俺が目を光らせておくから、俺を信じちゃくれねーか?」
「・・・わかりました。」
シンがそう言い、ショウを含めた他の部員たちもノリの言葉に、納得のいかない顔で頷くのであった。
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