83 / 519
忍者部、戦力強化
第79話:締まらない開戦
しおりを挟む
重清がチーノと契約し、リア充への階段を登り始めてから1週間。
その日は現在行われている修行の最終日であった。
「よし!この辺で切り上げるか!」
少し息を切らせたノブが、重清にそう告げる。
その場には、雅や公弘、裕二の姿は無い。
それぞれが、
「あとは自分で頑張れ」
との言葉を重清に放り投げ、ここ最近は修行に来なくなっていたためである。
過保護なのか、放任主義なのか。
ただただ、自分勝手な雑賀家なのであった。
その分重清は、チーノを含めた修行に重点を置き、ノブもまた、新たに身につけた属性を使う修行に時間を割くことで、時間の殆どを使っていた。
「それにしても、お前の銃、ほんとに凄いな。メ型、だったか?近距離でのあの威力、シャレにならんな。」
先程2人(と、プレッソ&チーノ)で行った模擬戦の中で、重清の一撃を受けたノブは、腹部を押さえながら口にする。
「あれは、カ型です!メ型が、銃口が1つの中距離型、カ型が銃口が3つの近距離型なんです。元々は、コーヒーのハンドドリップで・・・」
「あー、シゲ。その説明、長いか?」
「え?まぁ、それなりに。」
「じゃぁ、カットで。」
ノブが両手でチョキチョキするのを見て、残念そうに、それはもう残念そうに頷く重清なのであった。
「ふふふ。でもね、あれでも重清は、威力を抑えていたのよ?」
「姐さん、そりゃ本当ですかい!?」
ノブが、驚いたようにチーノに目を向ける。
「・・・あなた、その『姐さん』って呼び方、いい加減どうにかしてくれないのかしら?」
チーノがムスッとした顔でノブを見る。
「いや、だって、姐さんは姐さんですから・・・」
ノブが困ったようにそう呟く。
「まったく。重清も、なんとか言ってちょうだいよ。」
ボールが急に重清へと投げられる。
「へ?いやー、だってチーノ、エロ姉ちゃん状態の時、めちゃくちゃエロいお姉様って感じだったじゃん?しょーがねーって!」
と笑って返す重清に目を向けたチーノは、次にプレッソへと矛先を向ける。
「プレッソ兄さん、助けてよ?」
最近身につけた、妹力を武器に。
「うぐっ。」
可愛い妹分に助けを求められたプレッソは、それでも負けずに言い返す。
「チーノ。オイラは、具現獣としての経験はお前に負ける。でもな、唯一勝っている、重清の具現獣歴の長さがオイラにこう言っている。『諦めろ』ってな。コイツのネーミングセンスの無さと、1度名付けに納得したあとの頑固さは、オイラにもどうしようもないんだよ。」
申し訳なさそうにそう告げるプレッソに、チーノは諦めたようにため息をつく。
「もういいわ。でも私、重清のセンスは好きよ?チーノって名前も、あっちの名前も。」
「それに関しちゃ、オイラは納得してねーけどな。」
チーノの言葉に、今度はプレッソが不機嫌な顔をする。
「あぁ、あれか。あれも大概凄かったな。」
プレッソの不機嫌さに気付かないノブが、感心して笑う。
「ふふふ。兄さん、さっき私に言ったばかりでしょ?諦めましょう?」
「・・・わかったよ。」
妹分にそう言われ、しょうがなくそう呟くプレッソなのであった。
修行を終えた2人と2匹は、他の面々と合流するために集合地点へ向かう。
「っと。チーノ、お前はしばらくおれの中に戻ってて。一応、チーノの存在はまだ隠してるから。」
「ええ。わかったわ。」
そう言うとチーノは、光となって重清の胸へと入っていく。
「あ、チーノ。今からみんなに会うけど、みんなの忍力とか、まだ覚えないようにね。」
(ええ、承知してるわ。)
「ん?重清、どういうことだ?」
重清の言葉に、ノブが返す。
「チーノの感知能力が残ってるって話したじゃないですか。あれって、忍力の性質で、相手が誰かまでわかっちゃうらしいんですよ。」
「なるほどな。ソウのレーダーみたいなもんか。」
「そういうことです!まぁソウみたいに、1度覚えたら『リセット』はできないんですけどね。あとは、チーノのさじ加減で。」
(えぇ、その辺は任せてちょうだい。)
「おう!頼りにしてるぞ!」
「・・・チーノと話してるんだろうが、傍から見たら、『独り言がもの凄いヤツ』だな。」
「あははは。たまに、周りの人からそんな目で見られます。」
「確かに、重清たまに普通に声出してるもんな。」
プレッソが笑う。
「うん。今後は気をつけような。」
そう言って、ノブが重清の肩に手を置く。
こうしているうちに一同は、集合地点へと到着する。
そこには既に、重清達以外の全員が揃っていた。
「よし、全員集まったな。ノブ、重清。これ着とけよ。他は全員準備万端だ。」
そう言われて重清たちは、中忍体用のスーツを着て、ノリに目を向ける。
「よし。以前言ったように、これから全員で遭遇戦を行う。まどろっこしいルールは無しだ!ただ、他チームを殲滅しろ!」
(殲滅て。)
全員が、心の中でつっこむ。
「各自所定の位置に移動しろ!合図をしたらスタートだ!」
そう言って、ノリはそそくさと去っていく。
「えっと。じゃ、みんな、行こうか。」
久々のショウスマイルを発揮するショウの声に、それぞれが移動を始める。
アカだけは、いつものように目をハートにして、シンに呆れられていたが。
「あー、あー。マイクテス、マイクテス。聞こえてるかー?じゃ、始めっ!」
どこからともなく締まりのない号令が森全体に聞こえ、模擬戦の火ぶたが切られる。
「え、あれってマイク使ってたんですか、ノブさん!?」
(ふふふ、違うと思うわよ?)
重清の言葉に、チーノが答える。
「「・・・締まらねぇな。」」
ノブとプレッソがそう言って、呆れたように目を合わせてため息をつくのであった。
----------
あとがき
誰も興味無いであろう補足
重清君が説明できなかった、猫銃・マキネッタのメ型、ア型について。
メ型:銃口が1つの中距離型
カ型:銃口が3つの近距離型
これはそれぞれ、コーヒーのペーパードリップで使う器具から。
1つ穴のものがメリタ式、3つ穴のものがカリタ式と呼ばれているとのことでしたので、そこから。
ちなみにカリタ式は日本で作られたらしく、『メリタ』の『メリ』をつなげると『刈』となることから、『カリタ』になったとかならなかったとか(どこかでかじった話なので、嘘かもしれません。)
どちらも社名のため、『メ型』『ア型』としました。
その日は現在行われている修行の最終日であった。
「よし!この辺で切り上げるか!」
少し息を切らせたノブが、重清にそう告げる。
その場には、雅や公弘、裕二の姿は無い。
それぞれが、
「あとは自分で頑張れ」
との言葉を重清に放り投げ、ここ最近は修行に来なくなっていたためである。
過保護なのか、放任主義なのか。
ただただ、自分勝手な雑賀家なのであった。
その分重清は、チーノを含めた修行に重点を置き、ノブもまた、新たに身につけた属性を使う修行に時間を割くことで、時間の殆どを使っていた。
「それにしても、お前の銃、ほんとに凄いな。メ型、だったか?近距離でのあの威力、シャレにならんな。」
先程2人(と、プレッソ&チーノ)で行った模擬戦の中で、重清の一撃を受けたノブは、腹部を押さえながら口にする。
「あれは、カ型です!メ型が、銃口が1つの中距離型、カ型が銃口が3つの近距離型なんです。元々は、コーヒーのハンドドリップで・・・」
「あー、シゲ。その説明、長いか?」
「え?まぁ、それなりに。」
「じゃぁ、カットで。」
ノブが両手でチョキチョキするのを見て、残念そうに、それはもう残念そうに頷く重清なのであった。
「ふふふ。でもね、あれでも重清は、威力を抑えていたのよ?」
「姐さん、そりゃ本当ですかい!?」
ノブが、驚いたようにチーノに目を向ける。
「・・・あなた、その『姐さん』って呼び方、いい加減どうにかしてくれないのかしら?」
チーノがムスッとした顔でノブを見る。
「いや、だって、姐さんは姐さんですから・・・」
ノブが困ったようにそう呟く。
「まったく。重清も、なんとか言ってちょうだいよ。」
ボールが急に重清へと投げられる。
「へ?いやー、だってチーノ、エロ姉ちゃん状態の時、めちゃくちゃエロいお姉様って感じだったじゃん?しょーがねーって!」
と笑って返す重清に目を向けたチーノは、次にプレッソへと矛先を向ける。
「プレッソ兄さん、助けてよ?」
最近身につけた、妹力を武器に。
「うぐっ。」
可愛い妹分に助けを求められたプレッソは、それでも負けずに言い返す。
「チーノ。オイラは、具現獣としての経験はお前に負ける。でもな、唯一勝っている、重清の具現獣歴の長さがオイラにこう言っている。『諦めろ』ってな。コイツのネーミングセンスの無さと、1度名付けに納得したあとの頑固さは、オイラにもどうしようもないんだよ。」
申し訳なさそうにそう告げるプレッソに、チーノは諦めたようにため息をつく。
「もういいわ。でも私、重清のセンスは好きよ?チーノって名前も、あっちの名前も。」
「それに関しちゃ、オイラは納得してねーけどな。」
チーノの言葉に、今度はプレッソが不機嫌な顔をする。
「あぁ、あれか。あれも大概凄かったな。」
プレッソの不機嫌さに気付かないノブが、感心して笑う。
「ふふふ。兄さん、さっき私に言ったばかりでしょ?諦めましょう?」
「・・・わかったよ。」
妹分にそう言われ、しょうがなくそう呟くプレッソなのであった。
修行を終えた2人と2匹は、他の面々と合流するために集合地点へ向かう。
「っと。チーノ、お前はしばらくおれの中に戻ってて。一応、チーノの存在はまだ隠してるから。」
「ええ。わかったわ。」
そう言うとチーノは、光となって重清の胸へと入っていく。
「あ、チーノ。今からみんなに会うけど、みんなの忍力とか、まだ覚えないようにね。」
(ええ、承知してるわ。)
「ん?重清、どういうことだ?」
重清の言葉に、ノブが返す。
「チーノの感知能力が残ってるって話したじゃないですか。あれって、忍力の性質で、相手が誰かまでわかっちゃうらしいんですよ。」
「なるほどな。ソウのレーダーみたいなもんか。」
「そういうことです!まぁソウみたいに、1度覚えたら『リセット』はできないんですけどね。あとは、チーノのさじ加減で。」
(えぇ、その辺は任せてちょうだい。)
「おう!頼りにしてるぞ!」
「・・・チーノと話してるんだろうが、傍から見たら、『独り言がもの凄いヤツ』だな。」
「あははは。たまに、周りの人からそんな目で見られます。」
「確かに、重清たまに普通に声出してるもんな。」
プレッソが笑う。
「うん。今後は気をつけような。」
そう言って、ノブが重清の肩に手を置く。
こうしているうちに一同は、集合地点へと到着する。
そこには既に、重清達以外の全員が揃っていた。
「よし、全員集まったな。ノブ、重清。これ着とけよ。他は全員準備万端だ。」
そう言われて重清たちは、中忍体用のスーツを着て、ノリに目を向ける。
「よし。以前言ったように、これから全員で遭遇戦を行う。まどろっこしいルールは無しだ!ただ、他チームを殲滅しろ!」
(殲滅て。)
全員が、心の中でつっこむ。
「各自所定の位置に移動しろ!合図をしたらスタートだ!」
そう言って、ノリはそそくさと去っていく。
「えっと。じゃ、みんな、行こうか。」
久々のショウスマイルを発揮するショウの声に、それぞれが移動を始める。
アカだけは、いつものように目をハートにして、シンに呆れられていたが。
「あー、あー。マイクテス、マイクテス。聞こえてるかー?じゃ、始めっ!」
どこからともなく締まりのない号令が森全体に聞こえ、模擬戦の火ぶたが切られる。
「え、あれってマイク使ってたんですか、ノブさん!?」
(ふふふ、違うと思うわよ?)
重清の言葉に、チーノが答える。
「「・・・締まらねぇな。」」
ノブとプレッソがそう言って、呆れたように目を合わせてため息をつくのであった。
----------
あとがき
誰も興味無いであろう補足
重清君が説明できなかった、猫銃・マキネッタのメ型、ア型について。
メ型:銃口が1つの中距離型
カ型:銃口が3つの近距離型
これはそれぞれ、コーヒーのペーパードリップで使う器具から。
1つ穴のものがメリタ式、3つ穴のものがカリタ式と呼ばれているとのことでしたので、そこから。
ちなみにカリタ式は日本で作られたらしく、『メリタ』の『メリ』をつなげると『刈』となることから、『カリタ』になったとかならなかったとか(どこかでかじった話なので、嘘かもしれません。)
どちらも社名のため、『メ型』『ア型』としました。
0
お気に入りに追加
13
あなたにおすすめの小説
勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス
R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。
そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。
最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。
そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。
※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※
【本編完結】実の家族よりも、そんなに従姉妹(いとこ)が可愛いですか?
のんのこ
恋愛
侯爵令嬢セイラは、両親を亡くした従姉妹(いとこ)であるミレイユと暮らしている。
両親や兄はミレイユばかりを溺愛し、実の家族であるセイラのことは意にも介さない。
そんなセイラを救ってくれたのは兄の友人でもある公爵令息キースだった…
本垢執筆のためのリハビリ作品です(;;)
本垢では『婚約者が同僚の女騎士に〜』とか、『兄が私を愛していると〜』とか、『最愛の勇者が〜』とか書いてます。
ちょっとタイトル曖昧で間違ってるかも?
異世界でネットショッピングをして商いをしました。
ss
ファンタジー
異世界に飛ばされた主人公、アキラが使えたスキルは「ネットショッピング」だった。
それは、地球の物を買えるというスキルだった。アキラはこれを駆使して異世界で荒稼ぎする。
これはそんなアキラの爽快で時には苦難ありの異世界生活の一端である。(ハーレムはないよ)
よければお気に入り、感想よろしくお願いしますm(_ _)m
hotランキング23位(18日11時時点)
本当にありがとうございます
誤字指摘などありがとうございます!スキルの「作者の権限」で直していこうと思いますが、発動条件がたくさんあるので直すのに時間がかかりますので気長にお待ちください。
貧弱の英雄
カタナヅキ
ファンタジー
この世界では誰もが生まれた時から「異能」と「レベル」呼ばれる能力を身に付けており、人々はレベルを上げて自分の能力を磨き、それに適した職業に就くのが当たり前だった。しかし、山奥で捨てられていたところを狩人に拾われ、後に「ナイ」と名付けられた少年は「貧弱」という異能の中でも異質な能力を身に付けていた。
貧弱の能力の効果は日付が変更される度に強制的にレベルがリセットされてしまい、生まれた時からナイは「レベル1」だった。どれだけ努力してレベルを上げようと日付変わる度にレベル1に戻ってしまい、レベルで上がった分の能力が低下してしまう。
自分の貧弱の技能に悲観する彼だったが、ある時にレベルを上昇させるときに身に付ける「SP」の存在を知る。これを使用すれば「技能」と呼ばれる様々な技術を身に付ける事を知り、レベルが毎日のようにリセットされる事を逆に利用して彼はSPを溜めて数々の技能を身に付け、落ちこぼれと呼んだ者達を見返すため、底辺から成り上がる――
※修正要請のコメントは対処後に削除します。
そうせいの先導者の『そうせい』は槍聖じゃなくて創生だった ~幼馴染や国に裏切られて追放された役立たず勇者が姫巫女と開拓地で本気出す~の残骸
雨露霜雪
ファンタジー
勇者パーティから追放、国からも罪人にされた雑魚戦闘力の勇者が、お払い箱になった神託の姫巫女である第二王女と共に国外追放され、しかも強制力により離れられなくされてしまう。
だが勇者特有の大容量ストレージには、勇者パーティ用の野営道具など様々な物が収納されたままであり、野営が可能な場所さえあれば衣食住に困る事もない。
そんなこんなで仲間を増やして育成し、姫巫女が何故か殴り巫女として開花するが、開拓で街を作るスローライフ的な生活が始ま……る?
一方で、勇者の知らぬところで女神が暗躍(?)していたようで、姫巫女と噛み合わないすれ違い風なエセ恋愛もありつつも、やがては邪魔な魔王をやっつける……かもしれない正統派(?)な物語。
便利なインスタントざまぁ風の導入を使用。
※この作品は『カクヨム』『小説家になろう』『アルファポリス』に投稿しています。
※また、『カクヨム』にて先行投稿しております。
欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します
ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!!
カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。
前世の祖母に強い憧れを持ったまま生まれ変わったら、家族と婚約者に嫌われましたが、思いがけない面々から物凄く好かれているようです
珠宮さくら
ファンタジー
前世の祖母にように花に囲まれた生活を送りたかったが、その時は母にお金にもならないことはするなと言われながら成長したことで、母の言う通りにお金になる仕事に就くために大学で勉強していたが、彼女の側には常に花があった。
老後は、祖母のように暮らせたらと思っていたが、そんな日常が一変する。別の世界に子爵家の長女フィオレンティーナ・アルタヴィッラとして生まれ変わっても、前世の祖母のようになりたいという強い憧れがあったせいか、前世のことを忘れることなく転生した。前世をよく覚えている分、新しい人生を悔いなく過ごそうとする思いが、フィオレンティーナには強かった。
そのせいで、貴族らしくないことばかりをして、家族や婚約者に物凄く嫌われてしまうが、思わぬ方面には物凄く好かれていたようだ。
【書籍化進行中】魔法のトランクと異世界暮らし
猫野美羽
ファンタジー
※書籍化進行中です。
曾祖母の遺産を相続した海堂凛々(かいどうりり)は原因不明の虚弱体質に苦しめられていることもあり、しばらくは遺産として譲り受けた別荘で療養することに。
おとぎ話に出てくる魔女の家のような可愛らしい洋館で、凛々は曾祖母からの秘密の遺産を受け取った。
それは異世界への扉の鍵と魔法のトランク。
異世界の住人だった曾祖母の血を濃く引いた彼女だけが、魔法の道具の相続人だった。
異世界、たまに日本暮らしの楽しい二拠点生活が始まる──
◆◆◆
ほのぼのスローライフなお話です。
のんびりと生活拠点を整えたり、美味しいご飯を食べたり、お金を稼いでみたり、異世界旅を楽しむ物語。
※カクヨムでも掲載予定です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる