7 / 25
狐と狸とそれから兎
第七話
しおりを挟む
メモを取りたいところだがそんなものを書いている間に必要な情報を聞き漏らしたりしたら困るので簡潔に、だが漏れ落ちないようにクラスメイト全員分の顔、名前、それから趣味やら誕生日やらの情報をインプットしていく。後々どの情報が使えるか分からんからな。俺は出席番号5番のチワワ、小倉の趣味がお菓子作りだということも、それから8番の野球部だという筋肉がすごい河田の趣味が筋トレと食うことっていうのも、10番、俺のお隣の席のチワワくん、草野の好きな食べ物はスコーンってことも全部脳内に書き留めたぞ。さあ次は狐塚の番だ。狐塚はターゲットだから得に念入りに聞かないとな。何を言うんだ?
「狐塚 唯。趣味は寝ること。あと、好きな…食べ物?は…んー……いなり寿司と、唐揚げ?まあよろしく~。」
てっきとうだな…趣味は寝ることって…えー、あと好きな食べ物はいなり寿司と唐揚げね。覚えておくか。
おっと、次、俺の番だ。スッと立つとみんなから一斉に注目が。ええ?まあ今年このクラス唯一の編入生なんだっけ?なら仕方ないか…。印象は良く、悪目だちしない程度に無難に終わらせよう。
「白兎 幸人です。趣味は料理、あとは運動も好きです。この学園には今年からの編入になって慣れないことが多いですが、仲良くしてもらえたら嬉しいです。」
最後ににこっと笑って着席した。前髪とメガネでそこまで顔はわからないと思うが、口許や少しだけ見えている目元など、いい印象を持ってもらうためには笑顔は効果的だ。
そこからも順々に自己紹介は進み、俺はクラスメイトたちの情報を頭にいれていった。そんな感じで今日の予定は終了した。いまは放課後だ。よし、イレギュラーは発生したがなんとか今日一日、無難に終われただろう。…未だ興味深そうな目でみられている気はするが、悪目立ちはしていない、たぶん。まあクラス内で唯一の編入生が目立つのは当然だろうし、それにクラスで目立つぐらいは問題ない。……要はまだ情報も集まっていない段階で、ターゲットたちから怪しまれるような行動さえしなければいいのだ。よって―――――
「ねえねえ、ゆきとって呼んでいいー?」
「うん、どうぞ。」
「ゆきともー、僕たちのこと名前で呼んでね?ほら、僕たちどっちも狸塚だからあ、どっちのことかわかんないでしょ?」
「じゃあ…そうさせてもらうね。」
「ねえゆきとー名前呼んでよー」
何故かターゲット、狸塚兄弟に興味を持たれているこの状況も、まあよしとしよう。怪しまれてる訳じゃないだろ、たぶん。
「狐塚 唯。趣味は寝ること。あと、好きな…食べ物?は…んー……いなり寿司と、唐揚げ?まあよろしく~。」
てっきとうだな…趣味は寝ることって…えー、あと好きな食べ物はいなり寿司と唐揚げね。覚えておくか。
おっと、次、俺の番だ。スッと立つとみんなから一斉に注目が。ええ?まあ今年このクラス唯一の編入生なんだっけ?なら仕方ないか…。印象は良く、悪目だちしない程度に無難に終わらせよう。
「白兎 幸人です。趣味は料理、あとは運動も好きです。この学園には今年からの編入になって慣れないことが多いですが、仲良くしてもらえたら嬉しいです。」
最後ににこっと笑って着席した。前髪とメガネでそこまで顔はわからないと思うが、口許や少しだけ見えている目元など、いい印象を持ってもらうためには笑顔は効果的だ。
そこからも順々に自己紹介は進み、俺はクラスメイトたちの情報を頭にいれていった。そんな感じで今日の予定は終了した。いまは放課後だ。よし、イレギュラーは発生したがなんとか今日一日、無難に終われただろう。…未だ興味深そうな目でみられている気はするが、悪目立ちはしていない、たぶん。まあクラス内で唯一の編入生が目立つのは当然だろうし、それにクラスで目立つぐらいは問題ない。……要はまだ情報も集まっていない段階で、ターゲットたちから怪しまれるような行動さえしなければいいのだ。よって―――――
「ねえねえ、ゆきとって呼んでいいー?」
「うん、どうぞ。」
「ゆきともー、僕たちのこと名前で呼んでね?ほら、僕たちどっちも狸塚だからあ、どっちのことかわかんないでしょ?」
「じゃあ…そうさせてもらうね。」
「ねえゆきとー名前呼んでよー」
何故かターゲット、狸塚兄弟に興味を持たれているこの状況も、まあよしとしよう。怪しまれてる訳じゃないだろ、たぶん。
1
お気に入りに追加
222
あなたにおすすめの小説
転校先の学校はR指定。
selen
BL
とある理由で、高校に入学してから転校を繰り返す萩原詩音。
二度目の転校先、啓明高校2年C組で出会ったのは、佐久間練と、滝時雨。果たして、2年C組は天国と化すのか、地獄と化すのか?!
とある金持ち学園に通う脇役の日常~フラグより飯をくれ~
無月陸兎
BL
山奥にある全寮制男子校、桜白峰学園。食べ物目当てで入学した主人公は、学園の権力者『REGAL4』の一人、一条貴春の不興を買い、学園中からハブられることに。美味しい食事さえ楽しめれば問題ないと気にせず過ごしてたが、転入生の扇谷時雨がやってきたことで、彼の日常は波乱に満ちたものとなる──。
自分の親友となった時雨が学園の人気者たちに迫られるのを横目で見つつ、主人公は巻き込まれて恋人のフリをしたり、ゆるく立ちそうな恋愛フラグを避けようと奮闘する物語です。
BLゲーに転生!!やったーーー!しかし......
∞輪廻∞
BL
BLゲーの悪役に転生した!!!よっしゃーーーー!!!やったーーー!! けど、、なんで、、、
ヒロイン含めてなんで攻略対象達から俺、好かれてるんだ?!?
ヒロイン!!
通常ルートに戻れ!!!
ちゃんとヒロインもヒロイン(?)しろーー!!!
攻略対象も!
ヒロインに行っとけ!!!
俺は、観セ(ゴホッ!!ゴホッ!ゴホゴホッ!!
俺はエロのスチルを見てグフグフ言うのが好きなんだよぉーー!!!( ̄^ ̄゜)
誰かーーー!!へるぷみぃー!!!
この、悪役令息
無自覚・天然!!
BL漫画の世界に転生しちゃったらお邪魔虫役でした
かゆ
BL
授業中ぼーっとしていた時に、急に今いる世界が前世で弟がハマっていたBL漫画の世界であることに気付いてしまった!
BLなんて嫌だぁぁ!
...まぁでも、必要以上に主人公達と関わらなければ大丈夫かな
「ボソッ...こいつは要らないのに....」
えぇ?! 主人公くん、なんでそんなに俺を嫌うの?!
-----------------
*R18っぽいR18要素は多分ないです!
忙しくて更新がなかなかできませんが、構想はあるので完結させたいと思っております。
全寮制男子校でモテモテ。親衛隊がいる俺の話
みき
BL
全寮制男子校でモテモテな男の子の話。 BL 総受け 高校生 親衛隊 王道 学園 ヤンデレ 溺愛 完全自己満小説です。
数年前に書いた作品で、めちゃくちゃ中途半端なところ(第4話)で終わります。実験的公開作品
眠り姫
虹月
BL
そんな眠り姫を起こす王子様は、僕じゃない。
ただ眠ることが好きな凛月は、四月から全寮制の名門男子校、天彗学園に入学することになる。そこで待ち受けていたのは、色々な問題を抱えた男子生徒達。そんな男子生徒と関わり合い、凛月が与え、与えられたものとは――。
無自覚副会長総受け?呪文ですかそれ?
あぃちゃん!
BL
生徒会副会長の藤崎 望(フジサキ ノゾム)は王道学園で総受けに?!
雪「ンがわいいっっっ!望たんっっ!ぐ腐腐腐腐腐腐腐腐((ペシッ))痛いっっ!何このデジャブ感?!」
生徒会メンバーや保健医・親衛隊・一匹狼・爽やかくん・王道転校生まで?!
とにかく総受けです!!!!!!!!!望たん尊い!!!!!!!!!!!!!!!!!!
___________________________________________
作者うるさいです!すみません!
○| ̄|_=3ズザァァァァァァァァァァ
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる