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番外編.触手です

16.これ絶対触手だ!

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 ちゃんと考えなきゃならないのに、魔王様がぎゅっと俺を押さえつけて、言うことを聞かない身体が高揚していく。そればかりか、理性まで欠けていくものだから始末が悪い。

 それだけで辛いのに、俺の服の中に、絶対何かいる!!

 ずっと俺の体を這っていたものが、また俺の胸の先に触れる。たった一瞬触れただけで、それはすぐに離れていくのに、背中が跳ね上がりそう。

 俺の身体は、かすかに触れられただけでも快楽が広がるよう、魔王様に教え込まれているんだ。

「うぅっ…………」

 ちょっとだけなのに、気持ちいい。だけどそれだけじゃ、どんどん足りなくなっていく。もっとされたい。魔王様の手で。

 俺は体を熱くしているのに、魔王様は俺を見下ろして、答えを急かす。

「……言えないのか?」
「…………だ、だって………………お、思い出すから触手とってください!!」
「だめだ。早く思い出さないと、もっと恥ずかしい目に遭うぞ……」
「い、いやっ……! あっ……」

 俺の体を這い回るものが、俺の小さな頂を掠める。ほんの一瞬だけだったのに、体が痺れそう。

 しかも今度は、触れたものが少し濡れていたようで、敏感な胸の先までじわっと濡れていく。微かな濡れが少し広がるだけで、ずっとそこをくすぐられているようだ。

「うっ…………やぁ……な、何これ……んぁっ!!」

 また、触手が乳首を締め上げる。何度も緩くなっては締めるということを繰り返されて、そこがジンジンする。

 喘ぐ俺の濡れた頬に、魔王様がそっと触れた。

 涙と涎で濡れてるから、あんまり触ってほしくないはずなのに、魔王様の手が触れると、すごく嬉しい。

 その感触を堪能していたかったのに、魔王様はいつも、俺に見惚れる時間をくれない。

「…………あぁあああっ……!」

 股間が、焼けるように熱い。中心を焼かれたのかと思った。俺自身の先に、何か巻き付いて動いてる。絶対触手だ!! 巻きついたものは、俺の鈴口をつついて、中に潜り込んでくる。

「な、何をっ……っ…………!!」
「お前のおかげで、元気になった。存分に楽しめ」
「いやだっ……!! や、やめてっ……そ、そんなの怖いっ!!」

 ちゃんとデートの方は思い出したのに!!!!

 弁解したいのに、魔王様は俺を許してくれる気なんて、ないらしい。

「あっ……あああーーーっっ!!!!」

 中心が熱い。先から、触手が入り込んでくる。細いそこに、ぐちゃぐちゃに濡れたものが潜り込んできて、俺は何度も腰をよじって抵抗しようとした。

 それなのに、触手は俺の奥まで潜り込んでこようとする。中をぐりぐり抉られるたびに、腰が焼けてしまいそうだ。

「あっ……ああっ……!! やっ……い、嫌だぁ……ま、魔王様ぁ……! 許してっ……!」
「存分に辱めると言っただろう」
「い、いや……許してっ…………! ああーーーー!!」

 なんとかしてこの恐ろしい快楽から逃れたいのに、魔王様は俺を押さえつけ見下ろして、残酷な刑にもがき苦しむ俺を楽しんでいる。

 かすかでも体を捩るけど、その度に中を触手がグリグリ刺激して、俺の一番弱いものを嬲る。快感だけで全身が蕩けていきそう。

 もう、着ていたものなんて、びちょびちょに濡れてしまっている。汗とか涙とか、触手が出すものと、我慢できずに俺が漏らしたものが混ざって、シーツまでぐちゃぐちゃだ。

「いやだっ…………あっ……! んっ……ああぁぁっ……!!」
「イウ…………」

 俺を見下ろす魔王様と目が合う。早くいきたいのに、出すこともできない。ぼろぼろ涙を流す俺に、魔王様が言った。

「イウ…………お前は私の伴侶だろう?」
「うっ…………はい……」
「だったら、他の男に懐くな」
「そ、そんな無茶な…………ああああーーーーっっ!」

 懐いた覚えなんかないのに……!

 口答えをしようとするたび、敏感なものへの拷問が始まる。中を這い回るものが、出ては入ってを繰り返して、その度に腰が浮き上がりそう。

 こんなの続けられたら、俺は狂ってしまう。

「わ、分かりましたっ……! や、約束します!」
「だったら、その証拠を見せてもらおうか?」
「へっ!?」
「これを外せ」

 魔王様が、俺に手首を見せてくる。かすかだけど、赤い。あの触手が絡み付いたあとだ。俺のせいだ……

「これを外せ。さっき俺に巻きついたものだ」
「…………はい……」

 それにそっと手を伸ばして、絡み付いていた触手を引く。すると、俺の中を抉っていたものが大人しくなって、恐ろしい快楽が解けていく。

 よ、よかった……これなら、触手を外すことに集中できる。
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