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107.どーするの!?
しおりを挟むヴァンケズを宥めて、まだ喚いている国王を無視して、俺はまた別の木箱の中を探しはじめた。すると、木箱の中に見覚えのある球を見つけた。
「これ……」
それと一緒に、羽の形をした石もあった。これ、俺があの城から逃げる時に使った爆破の球と、羽が生える石だ。なんだか懐かしい。
「スキュクイドー! 見ろよ! 俺らが逃げ出す時に使った時の球ーー!」
「……真面目に探せって……」
そんなこと言われても、こんなものがここで見つかるとは思わなかった。
フィエズートが、不思議そうに言った。
「……リューオ……なに? それ……」
「俺が牢を爆発させたやつーー」
「はああっっ!!?? え!? じゃあ、それ、爆弾なの!?」
「多分、そんな感じのものだ!! 大丈夫だって! 投げなきゃ爆発しねーよ!」
「投げたらするんでしょ……そんな危ないもの、楽しそうに取り出さないでよ!!」
「悪い……つい、懐かしくてさ……」
だって俺たち、これのおかげで逃げられたんだ。これがなかったら、俺たちはここにいなかったかもしれない。
それ以外にも、あの城から吹っ飛んで逃げる時に使った、壊せば羽が生える羽の形の石もいくつも出てきた。
俺は今度は、それを一つ摘んで、フィエズートに見せた。
「あと、これ! 羽が生えて空を飛べるんだぞ!」
「それを使って逃げて来たの?」
「まあな!!」
「胸を張って言うことじゃないと思うけど……」
話していると、スキュクイドが呆れたように言う。
「お前ら……真面目に探せよ……」
彼も、木箱の中から次々いろんなものを取り出しているけど、見つからないようだ。
俺は、そいつに振り向いて言った。
「お前の方こそ、見つかったのか?」
「……まだだよ……結界の道具なら、見ればわかるはずなんだが……ないな……」
「だったらお前の方こそ余計なもの出してないで、結界の道具を探せよ」
「お前にだけは言われたくないわ!! さっきまで梨ばっか食ってたくせに!!」
「お前の方が多く食っただろ! 俺は魔獣にほとんど食われたのに……」
「お前がのろいからだろ」
「ああ!?」
この野郎……喧嘩売ってんのか。
「……お前よりぜってー俺の方が早く探す。見てろよ!!」
宣言して木箱に向き直る。その中にたくさんある球のせいで、探しにくい。だけど、またそれを取り出そうとしたら、フィエズートに焦ったように言われた。
「り、リューオ!! そんな危ないものは出さないで! 早くしまってよ!」
「わ、分かったよ……」
フィエズートに怖い顔で言われて、球は木箱に戻したけど、乱暴に戻したせいで、箱の中の羽の石にぶつけてしまう。するとそれは、カンっと音を立てて割れて、箱に羽が生えた。
「え…………」
「あ…………」
俺とフィエズートは、びっくりして動けなくなってしまう。
別の木箱の中を探っていたスキュクイドが、こっちには振り向かずに「どうしたー?」ってたずねてきたけど、俺は答えられなかった。
さっき「お前より早く見つける」なんて言っておいて、爆発する球がいっぱい入った木箱に羽生やしました、とは言えない……
「あ、え、えっとー……ははは……えーっと……こっちにはねーみてーだなーー……」
ごまかすように言うと、早速フィエズートに怒鳴られた。
「どーすんのリューオ馬鹿!!!」
「馬鹿って言うなよ! わざとじゃねーよ!!!!」
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