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3.なに呑気な顔してんだ!
しおりを挟むもうさっさと本題に入ろう。このまま俺がこいつに会いに来たと勘違いされるのも癪だ。
オヴズティも、話の続きを促してきた。
「それで、今日はどうした? 会いに来たんじゃないなら、俺のケーキを食べに来たのか?」
「んなわけねえだろ。俺が甘いもの苦手なの、知ってるだろ?」
「…………俺の作ったケーキは食べただろうが」
「……覚えてねーよ。んなこと」
「だったら食って思い出せ。出してやるから」
「いらねーよ! んなこと、今はどーでもいいんだ!!」
「どーでも良くない! 俺があれをどれだけ苦労して作ったと思ってるんだ!」
「だからっ……! そんなこと言ってる場合じゃねえんだよ! ………………お前、尻の穴を狙われてるぞ」
「は?」
「だから!! てめえの尻の穴が狙われているんだっっ!! 呑気な顔してんじゃねえぞっっ!!」
つい、声を張り上げてしまう。
それが店にまで聞こえたらしく、中の客と、駐車場にいた客の視線を集めてしまう。さすがに恥ずかしい。
真っ赤になって俯く俺に、オヴズティが迫って来た。
「尻? 俺の尻の穴がなんだって?」
「……」
自分で言っておいて、すごく恥ずかしい。だが、今はそんなことを言っている場合ではない。
なにしろ、オヴズティは竜に狙われているんだ。このままでは、竜に捕まり犯されてしまうかもしれない。
「だ、だから……屍の竜が、お前を狙っているんだよ。竜が言ったらしい。お前と俺を犯すって」
「屍の竜? ああ、あいつか……」
「知っているのか?」
「知ってる。あいつはただの客だ」
「た、ただの客って……お、お前、警備隊に疑われているぞ! あの屍の竜と組んで、悪さしてるんじゃないかって!」
「警備隊が神経質なだけだ。あいつは何もしてない。確かに魔物連れ歩いたりしてるが、気に入った奴をペットにして連れ回しているだけだ。大通りだって、魔物と戦ってて落ちただけだぞ。尻穴がどーこーってのも、どうせそいつらに追い回された仕返しか、この前ケーキ買えなかった腹いせで言ってるんだろ。気にすることはない。警備隊だって、そんなに真剣に考えてないんじゃないか?」
「そ、それは……そうだけどっ……だけど……!」
だからって、こいつの尻の穴が狙われてるなんて聞いて、放って置けるはずがない。
尻穴を犯すって、早い話、こいつと……そういうことするってことじゃないか。そんなの、放っておけるはずないのに、何呑気に構えてるんだこいつ!!
オヴスティは店内を指して言った。
「とりあえず、中で待ってろ。ケーキ出してやる」
「は!? お、おい!」
呼び止めても、それは聞こえていなかったのか、オヴズティは、店のドアを開けて、俺に振り向いた。
「仕事終わったら話すから、店の中にいろ。ケーキも出すから食べていけ。俺のケーキの味、思い出すまで帰さないからな!」
「はあ!? だ、だから、そ、そんなことしてる場合じゃないんだって……おいっ!!」
待ってって言ったのに、オヴズティはさっさと店内に入って行ってしまう。
あいつ、いつも勝手なんだ。
店でって、ケーキ食べて待ってろってことか?
オヴズティと入れ違いに出て来た店員が、俺を手招いて呼んでいる。少し前までよくここに来てたから、顔見知りになった奴だ。
俺、店の中で一人で待たなきゃならないのか……? 待つのはちょっと嫌だが、オヴズティを一人にはできない。くそ……
俺は意を決して、中に入った。
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