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新しい朝
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「誰があれで終わりだと言った?」
ベッドに渉を押し倒し、その四肢を封じるようにのしかかりながら鷹村が唸る。その眼はひどく苛立たしげで、それでいて、怯える子供のように不安げでもあった。
「言ったはずだ。何が何でもお前を手に入れてやると」
「で、でも、それは、さっきの……」
「あんなものはただの前菜だ」
言いながら鷹村は、その長い腕をベッド脇のサイドボードにするりと伸ばした。その抽斗から何やら薬品の瓶らしきものを取り出し、さっそく蓋をひねる。
「それは……」
「潤滑油だ。わずかだが媚薬成分も入っている」
「は!?」
思わず叫んだあとで、ああ、と納得する。恋人と愉しむための用と考えるなら、そういうものが常備されていることに何の不自然もない。
ということは、彼女とも――御園とも、ここで?
ふと渉の脳裏を、汗ばんだ二つの身体が絡み合う姿がよぎる。鷹村のたくましい腕の中で妖しく乱れる女の肢体が――奔放に悦びをあらわにする伸びやかな四肢が。
その想像がもたらす痛みの大きさに、渉は自分で驚いていた。
「いやだ」
「え?」
「そんなの……使ってほしくない。涼にだけは……」
その言葉に、今度は鷹村が焦りをあらわにする。
「で、でも……きっと痛いぜ。とくに初めてなら……」
「いい。痛くても」
そう、僕は彼女とは違う。それが涼のなら、痛みも、苦しみだって受け入れる……
そこまで考えて渉は、自分が、自分でも思う以上に御園に対抗意識を燃やしていることに気づいて可笑しくなった。
「……わかった」
そう呟く鷹村の声は、なぜかひどく慄えていた。
鷹村の手が、さっきとはうってかわった慎重な手つきで渉の服を解く。ほどなくすべての衣服をはぎ取ると、うつ伏せになるよう渉に命じた。
「痛かったら言ってくれ」
「……うん」
鷹村の手が、渉の背中を、腿裏を、貧相な尻をそっと撫でまわす。不思議なのは、それが全く不快ではないことだ。あの取引先の男には、見つめられただけで吐き気を覚えたというのに。
が、その指先が双丘の隙間に滑り込むと、さすがの渉も身構えた。
「怖いか?」
「う、ううん……」
「大丈夫だ。すぐに……快くなる」
やがて、その指先が奥の一点を捉える。ありえない場所を、ありえない人間に触れられる背徳感に慄えながら、それでも我慢して唇を結んでいると、
「……きれいだな」
と、背中に口づけを落とされた。
「きれいな背中だ。あまり日に焼かせてない感じの肌がいい……そういえば、昔からお前は色が白くて、そのことをひどく気にしてたな」
喋りながら、指先は休みなくその場所をほぐしつづける。
「う、うん……厭だった……なんか、貧相な感じがして……んっっ」
「でも俺は好きだった。混じりけのないシルクみたいなお前の肌が……水泳の授業のときは苦労したぜ。お前の白くてきれいな身体に、何度そこがヤバくなりかけたか」
「そ……そうなの?」
初耳だった。あの鷹村が、そういう目で自分を見ていたなんて。――が、それを言えば当時の渉も、鷹村の程よく焼けた小麦色の肌を眺めては人知れず気まずい思いをしていた。要するに、お互い様だったわけだ。
「ああ。――ほら、力を抜け」
言われたとおり、そっと後ろの緊張を解く。瞬間、骨ばった指先が奥に入ってきて、その痛みと異物感で渉は思わず身をよじった。
「痛いか? だからジェルを使おうかと言ったんだが」
「い、いい……こんなの、ぜんぜん痛くない……」
「お前、たまに妙なところで頑固になるよな」
すっと指が抜かれ、鷹村がサイドボードに手を伸ばす気配がする。やがて後ろのそこを、今までのそれとは違う、ひんやりと濡れた感触がぬるりと襲った。どうやら先ほどのジェルを使ったらしい。
そのなめらかな感触に、悔しく思いながらもほっとする自分がたしかにいて、きっと、自分でも思う以上に意地を張っていたのかもしれない。
それに、これも鷹村のいたわりと思えば嬉しい。
「ほら……息を吐くんだ」
言われたとおり、肺に押し留めた息をゆっくりと吐く。四肢から緊張が抜け、そこの異物感もわずかにだが和らいだ。
その間も指先は、ぬるぬると小刻みな抽挿を繰り返しながら確実に奥へと進んでくる。
「……ん」
やがて、渉の中にある変化が生まれはじめた。
ただ違和感を覚えるだけだったそこが、かつて感じたことのない未知の感覚を渉に訴えはじめたのだ。熱のような痺れのような――でも。
そのどちらとも違う。そして何より……
「……も、もっと」
欲しくなる。与えられるほど余計に渇いてしまう。
「りょ、う……もっと……ひうっ!?」
だしぬけに奥を突かれ、たまらずシーツを掻きむしる。胎児のように身体を丸めながら、止め処なく押し寄せる未知の感覚に渉は必死で耐えた。
「聞こえるか?」
何を、と意を込めてふり返ると、いつになくいたずらっぽい鷹村の目が応じた。
「お前の音だ」
「え? ……あっ」
途端、渉は恥ずかしさで頭が破裂しそうになる。鷹村が言う音とはまさか――次の瞬間、ひときわ深いところを強く突かれ、と同時に恐ろしくはしたない音があの場所から響いた。
「すごく濡れてる……感じてくれてるんだな、渉」
「い、いやだ、それ以上は……やだ……ぁ」
抗議にもかかわらず、さらに執拗に音を立てられる。そのうえ指まで増やされて、渉はいよいよどうにかなりそうだった。
「すごいな。あっという間に飲み込まれちまった」
「ううっ……涼のいじわるっ……そんな、ああっ!」
と、それまで揃って動いていた二本の指先が、突然、ばらばらな動きをはじめる。縦横無尽に奥をかき乱される感覚に、渉は子供の用にすすり泣いた。
「あんっ、う、い、いやだ、もう……ううっ、おかしく、なる……っ」
無我夢中で喘ぐうち、ついに渉は二度目の絶頂を迎えた。
「もう達ったのか? ……後ろだけで?」
「う、うう」
が、なおも鷹村は愛撫を止めない。休みなく与えられる愉悦はもはや苦痛に近く、渉はいやいやと身をよじりながら、それでもなお貪欲に鷹村を求めつづける自分に驚いていた。
苦しい。それでも今は、ただ涼の指先が欲しい……
「りょ……涼……っ」
この十年、ずっと想いつづけてきた。
たとえ日々の生活に追われていても、心の底ではつねに鷹村の面影を追いつづけた。端正だがどこか寂しさを感じさせる横顔。完璧超人と呼ばれたときにふと見せる哀しげな眼差し。ごくまれに見せる子供のような笑顔……
そういう一つ一つの面影を、ずっと、ずっと大切に記憶の奥底にしまってきた。
それだけで渉は満足だった。どのみち自分のような人間には、鷹村はあまりにも過ぎた存在だ。手に入らないことはわかっている。ならば、せめて面影だけで満足しようと、そう、努めてきた。
でも、本当は――
「……ほしいよ」
振り返り、肩越しにねだるように言った。
「りょう、が……りょうの、ぜんぶ、が、欲しい」
「……ああ」
ずるり指を引き抜くと、鷹村はネクタイを手早く解いた。
続いてジャケットを、シャツを脱ぎ捨て、ベッド下に無造作に放る。そうして現れた鷹村の肉体に渉は思わず息を呑んだ。
身を起こし、その身体をあらためて眺める。
もともと鷹村の身体は、高校の頃から図抜けて均整が取れていたのだけど、それでも肉づきや厚みという点では大人のそれには遠く及ばなかった。――が今、目の前に現れた鷹村の肉体は紛れもなく大人の男のそれで、一つ一つの筋肉が鍛え抜かれ、引き絞られた身体は、鋼の糸を縒りあつめて築いた一個の美術品のようにも見えた。
「す、すごい筋肉……だね」
「ああ。自己管理もビジネスパーソンの重要な仕事だと言って莉緒が、」
ふと言葉を区切ると、鷹村は何かを吹っ切るようにふうと重い溜息をついた。
「御園だ……俺は今、彼女とつき合っている……」
そういえば鷹村は、渉が二人の関係を把握していることを知らないのだ。
多分、それを告げずに抱いてしまったことを鷹村は悔やんでいるのだろう。そんな鷹村の横顔は、見ているこちらが気の毒になるほど苦しげに見えた。
「うん……知ってた」
瞬間、驚いたように振り返った鷹村の、どこか怯えた眼差しが渉は哀しかった。――そんなことで、僕は君を嫌ったりはしない。星のように遠い存在だった君が、こうして触れ合える距離に手を差し伸べてくれた、それだけで。
「いくら僕が鈍くても……君の指に嵌ってる指輪が、彼女のそれとデザインが一緒だってことぐらい分かる……そう、全部分かってた。……それでも……」
目頭から何かが溢れて、ぽとり膝に落ちる。
「それでも……欲しいんだ君が。彼女に何と言われてもいい。店のみんなに軽蔑されても構わない。でも……それでも僕は……」
溢れだした涙はなかなか止まらず、頬を、膝をぶざまに濡らした。それでも構わず鷹村を見つめ続けた。もとより自分の格好悪さは承知の上だ。
やがて鷹村は無言のまま指輪を外すと、次いで眼鏡も外し、それらをサイドボードの上に静かに置いた。
眼鏡をはずした鷹村は、いよいよあの頃の面影そのままで、覚えず渉は見惚れてしまう。
「……いいの?」
「速水がお前にキスしたとき」
自嘲気味に笑うと、鷹村は言った。
「危うく、あいつに殴りかかりそうになった……そういうことだ」
ふたたびうつ伏せを命じられ、言われるままベッドに伏せる。
「振り返らない方がいい。見たら……きっと、怖くなる」
「だったら……電気も消しちゃって」
「そうだな」
ベッドから鷹村の降りる気配がして、やがて部屋の電気が消える。一瞬、暗闇に視界が眩んだものの、窓から差し込む夜景の明かりにやがて視界が利くようになる。そうなると、かえってこちらの光が幻想的でいい。鷹村に抱かれるなどという絵空事じみたシチュエーションには、むしろこういう明かりの方が似合うのかもしれない。
ベッドに鷹村が戻ってくる。骨ばった大きな手のひらに、そっと内腿を開かされた。
「ひうっ!」
ふたたびあの場所に指を突き入れられ、思わず悲鳴を洩らす。が、入口付近を軽く探ったところで指はすぐに抜かれ、代わりに、おそろしく熱いものが入口にあてがわれた。
「俺の全部が欲しいと言ったな」
肩越しに振り返り、こく、と頷けば、
「じゃあ……くれてやる」
膨大な熱と質量に一気に貫かれた。
「ああああっ!」
指とはまったく違う熱と存在感に、覚えず悲鳴が喉からあふれる。それでもなお奥への侵入は続き、このまま脳天まで貫かれるのではと思ったその時、背後から思いがけず優しい声色で声をかけられた。
「痛かったら言ってくれ。無理は……させたくない」
すでに十分痛いし無理だと思うのだけど、哀願するような鷹村の声にはそうとも返せず、
「う、ううん、だいじょうぶ……すごく、いいよ」
と、答えてしまうのだった。
やがて全てを埋めたらしい鷹村は、その腕を伸ばし、上からのしかかるように渉を抱き寄せてきた。硬く逞しい鷹村の胸板にぎゅっと包まれるだけで、苦痛や恐怖が和らいでしまうのが不思議だった。
肌と肌の触れ合う場所が、とろけるように熱を帯びるのが快い。
「……いい」
耳朶に顔を寄せ、食むようにしながら鷹村が囁く。
「お前の中……すごく柔らかくて、暖かいな……ずっと、繋がっていたいよ」
「ぼ、ぼくも……っっ」
自分の大切な人が、自分と同じ気持ちでいてくれることが嬉しくて肩越しにふり返ると、その顎を掬われるように唇を重ねられた。
「好きだ、渉……やっぱり、お前じゃなきゃ、俺は……」
雄の抽挿がいよいよ激しさを増す。巨大な質量に無遠慮に中をかき乱される感覚に、今にも意識が飛んでしまいそうだ。
「い……いく……っ」
耳元で、鷹村が切なく呻く。
「い、いいか? 渉……このまま、奥で……」
「う、うんっ……いって……ああっ」
耳朶を食まれ、さらに背後から回された手に乳首を弄られる。いよいよ頭が白く飛びかけたその時、身体の奥で膨大な熱が一気にはじけた。
「あ……うぅっ」
刺激に呼応するように、渉もまた何度目かの精を吐く。身体から一気に力が抜け、だらしなくシーツに倒れ込む渉の背中に、鷹村もまた力尽きたのだろう、重なるようにのしかかってきた。
そのまま、二人して重なり合ったまま荒い息をつく。
「良かった。すごく……最高だ……」
「うん……僕も……」
でも、良かったのは媚薬のせいじゃない。相手が鷹村だったから――
「あ、んっっ」
不意に塊を引き抜かれ、内壁を吸い上げられる感覚に思わず感じてしまう。肌という肌が針を立てたように鋭敏になり、全身が性感帯と化したかのようだ。
その昂ぶった渉の身体を、背後から鷹村がそっと抱きすくめる。宥めるような手つきに、それだけで気持ちが落ち着くのを渉は感じた。
そんな渉の耳元に、濡れたような鷹村の声がそっと囁く。
「ずっと……好きだった」
それは渉にとって、あまりにも意外すぎる言葉だった。――どういうことだ? では、あの時の言葉は……?
「忘れようと……忘れたつもりでいた。でも、本当は……やっぱり忘れてなんかいなかったんだ。あの時、アンジェでお前と再会してあらためてそう思った。こんなことを言うと、きっと、お前はまた『自分なんか』と思うだろうが……」
渉は返す言葉に詰まった。まさに図星だったからだ。
「でも……涼には、素敵な彼女がいるじゃない」
ようやくそんな言葉を絞り出す。そして、絞り出してはじめて、自分の性根が自分でも思う以上に意地が悪いことに渉は驚く。この流れで御園を引き合いに出すのは、御園に対してあまりに意地が悪く、何より残酷だ。
それでも、確かめずにはいられなかった。
彼女のことをどう思っているのか。そして自分のことは。
「確かに彼女は美しい。それに何より優秀だ。多分、あれほど完璧な女性は、自分から求めてもそう簡単には見つからないだろう。――が、それだけだ。俺にとって彼女は、ただ完璧なだけの存在でしかなかった」
「……そう」
鷹村の言葉に静かなカタルシスを感じながら、そんな自分を許せない自分も同時に感じて渉は混乱する。もし今後、鷹村との関係で彼女が傷つくことがあれば、その責任の一端は自分にあるのだ。――あの日、鷹村の気持ちから逃げてしまった自分に。
「でも……俺が求めていたのは、そういう完璧なだけの人間じゃない。たとえ完璧でなくとも、よりよい自分を目指すことをやめない人間だ……そう、渉、お前のような」
「僕が……?」
「俺だって完璧じゃない」
「……」
「うまくいかないときもある。そんな自分に苛立つことも……でも……お前がいたから、俺の中にお前がいたから、俺は頑張れた。こんな街でも……お前がいたから……」
鷹村の言葉は、どれも渉には嬉しい驚きだった。
まさか、あの鷹村が自分のことをそんなふうに思っていたなんて。これまで渉は自分を、ただ愚図でのろまで間抜けなだけの社会不適合者としか思っていなかった。でも、それは勝手な思い込みで、ひょっとすると、自分はもっと価値のある存在だったのかもしれない。
誰かのために役立つことのできる、そういう存在なのかもしれない。
気づくと耳元で穏やかな寝息が響きはじめている。ふり返ると、いつしか鷹村は渉の背中を抱きしめたまま眠りに落ちていた。そういえば高校の頃にも、よく鷹村は渉の膝を枕にして眠っていた。こうしていると落ち着くのだと言って……。
渉は鷹村の懐の中でそっと体勢を変えると、子供のように安心しきった寝顔を両手でそっと包み込んだ。
もう少し自分を信じてみよう。たった一人の愛する人が信じてくれる自分を。
「……大好きだよ、涼」
囁くと、その唇に静かに口づけた。
翌朝は、梅雨入り前のこの時期にしては驚くほど気持ちの良い天候に恵まれた。
「おはよー、みんな」
こんな天候の日には、渉は、朝からベランダの植木鉢に声をかけて回るのを最近の習慣にしている。傍から見ればちょっとアブナイ人のようだが、日々の悩みを言葉にするうちに、いつの間にか自分で解決策が浮かぶことがあって、始めてみると案外やめられない。
もっとも、草も何も生えていない裸の植木鉢に声をかけていると、自分は一体何に喋りかけているんだろうと分からなくなってしまうことも多々あるが。
ところが。この日は違った。
「……あれ?」
ずらり並んだ植木鉢の一つに、何やら緑色の小さな斑点がぽつぽつと伸びている。
よく見ると、それは小さな小さな草の芽だった。一瞬、雑草かとも思ったが、そもそも雑草なら、こんなふうに同じかたちの芽が一斉に顔を出すことはしないはずだ。
よく見るとほかの鉢にも、小さいがハーブらしき芽が……
「どうした渉」
背後から抱きすくめられ、ふり返ると、起き抜けらしく髪を乱したままの鷹村が、子供のような目で渉の顔を覗き込んでいた。
「あ、いや……その、ちょうど芽が、出てて」
「やっと出たのか? どれだ?」
意外にも食いついてくる鷹村に、渉は軽く面食らいながら鉢を指さした。
「おおっ本当だ。へぇ案外かかるもんだな。植えて何日になる?」
「大体、二週間弱……かな」
「よかったな」
「え?」
「ちゃんと芽が出た」
祝福するように微笑む鷹村に、照れくさくなった渉は思わず目を落とした。
思えばこれが、この街に来て初めての成果なのだ。いつも空回りばかりで、周りの人間に迷惑と心配ばかりかけてきた自分がなしとげた、これが、その小さな成果なのだ。
そうだ。何事も焦らず一つ一つ積み重ねていけば、芽が出る日は、きっとくる……
「ありがとう」
「ん?」
「僕を東京に呼んでくれて」
「うん」
骨ばった指先が、渉の頬をそっと捉え、振り向かせる。
その唇に、鷹村がそっと口づけてきた。
「今日は店を休め」
「それは、社長命令? それとも……」
「さぁ。どっちだろうな」
そして今度は、より深く唇を重ねた。
ベッドに渉を押し倒し、その四肢を封じるようにのしかかりながら鷹村が唸る。その眼はひどく苛立たしげで、それでいて、怯える子供のように不安げでもあった。
「言ったはずだ。何が何でもお前を手に入れてやると」
「で、でも、それは、さっきの……」
「あんなものはただの前菜だ」
言いながら鷹村は、その長い腕をベッド脇のサイドボードにするりと伸ばした。その抽斗から何やら薬品の瓶らしきものを取り出し、さっそく蓋をひねる。
「それは……」
「潤滑油だ。わずかだが媚薬成分も入っている」
「は!?」
思わず叫んだあとで、ああ、と納得する。恋人と愉しむための用と考えるなら、そういうものが常備されていることに何の不自然もない。
ということは、彼女とも――御園とも、ここで?
ふと渉の脳裏を、汗ばんだ二つの身体が絡み合う姿がよぎる。鷹村のたくましい腕の中で妖しく乱れる女の肢体が――奔放に悦びをあらわにする伸びやかな四肢が。
その想像がもたらす痛みの大きさに、渉は自分で驚いていた。
「いやだ」
「え?」
「そんなの……使ってほしくない。涼にだけは……」
その言葉に、今度は鷹村が焦りをあらわにする。
「で、でも……きっと痛いぜ。とくに初めてなら……」
「いい。痛くても」
そう、僕は彼女とは違う。それが涼のなら、痛みも、苦しみだって受け入れる……
そこまで考えて渉は、自分が、自分でも思う以上に御園に対抗意識を燃やしていることに気づいて可笑しくなった。
「……わかった」
そう呟く鷹村の声は、なぜかひどく慄えていた。
鷹村の手が、さっきとはうってかわった慎重な手つきで渉の服を解く。ほどなくすべての衣服をはぎ取ると、うつ伏せになるよう渉に命じた。
「痛かったら言ってくれ」
「……うん」
鷹村の手が、渉の背中を、腿裏を、貧相な尻をそっと撫でまわす。不思議なのは、それが全く不快ではないことだ。あの取引先の男には、見つめられただけで吐き気を覚えたというのに。
が、その指先が双丘の隙間に滑り込むと、さすがの渉も身構えた。
「怖いか?」
「う、ううん……」
「大丈夫だ。すぐに……快くなる」
やがて、その指先が奥の一点を捉える。ありえない場所を、ありえない人間に触れられる背徳感に慄えながら、それでも我慢して唇を結んでいると、
「……きれいだな」
と、背中に口づけを落とされた。
「きれいな背中だ。あまり日に焼かせてない感じの肌がいい……そういえば、昔からお前は色が白くて、そのことをひどく気にしてたな」
喋りながら、指先は休みなくその場所をほぐしつづける。
「う、うん……厭だった……なんか、貧相な感じがして……んっっ」
「でも俺は好きだった。混じりけのないシルクみたいなお前の肌が……水泳の授業のときは苦労したぜ。お前の白くてきれいな身体に、何度そこがヤバくなりかけたか」
「そ……そうなの?」
初耳だった。あの鷹村が、そういう目で自分を見ていたなんて。――が、それを言えば当時の渉も、鷹村の程よく焼けた小麦色の肌を眺めては人知れず気まずい思いをしていた。要するに、お互い様だったわけだ。
「ああ。――ほら、力を抜け」
言われたとおり、そっと後ろの緊張を解く。瞬間、骨ばった指先が奥に入ってきて、その痛みと異物感で渉は思わず身をよじった。
「痛いか? だからジェルを使おうかと言ったんだが」
「い、いい……こんなの、ぜんぜん痛くない……」
「お前、たまに妙なところで頑固になるよな」
すっと指が抜かれ、鷹村がサイドボードに手を伸ばす気配がする。やがて後ろのそこを、今までのそれとは違う、ひんやりと濡れた感触がぬるりと襲った。どうやら先ほどのジェルを使ったらしい。
そのなめらかな感触に、悔しく思いながらもほっとする自分がたしかにいて、きっと、自分でも思う以上に意地を張っていたのかもしれない。
それに、これも鷹村のいたわりと思えば嬉しい。
「ほら……息を吐くんだ」
言われたとおり、肺に押し留めた息をゆっくりと吐く。四肢から緊張が抜け、そこの異物感もわずかにだが和らいだ。
その間も指先は、ぬるぬると小刻みな抽挿を繰り返しながら確実に奥へと進んでくる。
「……ん」
やがて、渉の中にある変化が生まれはじめた。
ただ違和感を覚えるだけだったそこが、かつて感じたことのない未知の感覚を渉に訴えはじめたのだ。熱のような痺れのような――でも。
そのどちらとも違う。そして何より……
「……も、もっと」
欲しくなる。与えられるほど余計に渇いてしまう。
「りょ、う……もっと……ひうっ!?」
だしぬけに奥を突かれ、たまらずシーツを掻きむしる。胎児のように身体を丸めながら、止め処なく押し寄せる未知の感覚に渉は必死で耐えた。
「聞こえるか?」
何を、と意を込めてふり返ると、いつになくいたずらっぽい鷹村の目が応じた。
「お前の音だ」
「え? ……あっ」
途端、渉は恥ずかしさで頭が破裂しそうになる。鷹村が言う音とはまさか――次の瞬間、ひときわ深いところを強く突かれ、と同時に恐ろしくはしたない音があの場所から響いた。
「すごく濡れてる……感じてくれてるんだな、渉」
「い、いやだ、それ以上は……やだ……ぁ」
抗議にもかかわらず、さらに執拗に音を立てられる。そのうえ指まで増やされて、渉はいよいよどうにかなりそうだった。
「すごいな。あっという間に飲み込まれちまった」
「ううっ……涼のいじわるっ……そんな、ああっ!」
と、それまで揃って動いていた二本の指先が、突然、ばらばらな動きをはじめる。縦横無尽に奥をかき乱される感覚に、渉は子供の用にすすり泣いた。
「あんっ、う、い、いやだ、もう……ううっ、おかしく、なる……っ」
無我夢中で喘ぐうち、ついに渉は二度目の絶頂を迎えた。
「もう達ったのか? ……後ろだけで?」
「う、うう」
が、なおも鷹村は愛撫を止めない。休みなく与えられる愉悦はもはや苦痛に近く、渉はいやいやと身をよじりながら、それでもなお貪欲に鷹村を求めつづける自分に驚いていた。
苦しい。それでも今は、ただ涼の指先が欲しい……
「りょ……涼……っ」
この十年、ずっと想いつづけてきた。
たとえ日々の生活に追われていても、心の底ではつねに鷹村の面影を追いつづけた。端正だがどこか寂しさを感じさせる横顔。完璧超人と呼ばれたときにふと見せる哀しげな眼差し。ごくまれに見せる子供のような笑顔……
そういう一つ一つの面影を、ずっと、ずっと大切に記憶の奥底にしまってきた。
それだけで渉は満足だった。どのみち自分のような人間には、鷹村はあまりにも過ぎた存在だ。手に入らないことはわかっている。ならば、せめて面影だけで満足しようと、そう、努めてきた。
でも、本当は――
「……ほしいよ」
振り返り、肩越しにねだるように言った。
「りょう、が……りょうの、ぜんぶ、が、欲しい」
「……ああ」
ずるり指を引き抜くと、鷹村はネクタイを手早く解いた。
続いてジャケットを、シャツを脱ぎ捨て、ベッド下に無造作に放る。そうして現れた鷹村の肉体に渉は思わず息を呑んだ。
身を起こし、その身体をあらためて眺める。
もともと鷹村の身体は、高校の頃から図抜けて均整が取れていたのだけど、それでも肉づきや厚みという点では大人のそれには遠く及ばなかった。――が今、目の前に現れた鷹村の肉体は紛れもなく大人の男のそれで、一つ一つの筋肉が鍛え抜かれ、引き絞られた身体は、鋼の糸を縒りあつめて築いた一個の美術品のようにも見えた。
「す、すごい筋肉……だね」
「ああ。自己管理もビジネスパーソンの重要な仕事だと言って莉緒が、」
ふと言葉を区切ると、鷹村は何かを吹っ切るようにふうと重い溜息をついた。
「御園だ……俺は今、彼女とつき合っている……」
そういえば鷹村は、渉が二人の関係を把握していることを知らないのだ。
多分、それを告げずに抱いてしまったことを鷹村は悔やんでいるのだろう。そんな鷹村の横顔は、見ているこちらが気の毒になるほど苦しげに見えた。
「うん……知ってた」
瞬間、驚いたように振り返った鷹村の、どこか怯えた眼差しが渉は哀しかった。――そんなことで、僕は君を嫌ったりはしない。星のように遠い存在だった君が、こうして触れ合える距離に手を差し伸べてくれた、それだけで。
「いくら僕が鈍くても……君の指に嵌ってる指輪が、彼女のそれとデザインが一緒だってことぐらい分かる……そう、全部分かってた。……それでも……」
目頭から何かが溢れて、ぽとり膝に落ちる。
「それでも……欲しいんだ君が。彼女に何と言われてもいい。店のみんなに軽蔑されても構わない。でも……それでも僕は……」
溢れだした涙はなかなか止まらず、頬を、膝をぶざまに濡らした。それでも構わず鷹村を見つめ続けた。もとより自分の格好悪さは承知の上だ。
やがて鷹村は無言のまま指輪を外すと、次いで眼鏡も外し、それらをサイドボードの上に静かに置いた。
眼鏡をはずした鷹村は、いよいよあの頃の面影そのままで、覚えず渉は見惚れてしまう。
「……いいの?」
「速水がお前にキスしたとき」
自嘲気味に笑うと、鷹村は言った。
「危うく、あいつに殴りかかりそうになった……そういうことだ」
ふたたびうつ伏せを命じられ、言われるままベッドに伏せる。
「振り返らない方がいい。見たら……きっと、怖くなる」
「だったら……電気も消しちゃって」
「そうだな」
ベッドから鷹村の降りる気配がして、やがて部屋の電気が消える。一瞬、暗闇に視界が眩んだものの、窓から差し込む夜景の明かりにやがて視界が利くようになる。そうなると、かえってこちらの光が幻想的でいい。鷹村に抱かれるなどという絵空事じみたシチュエーションには、むしろこういう明かりの方が似合うのかもしれない。
ベッドに鷹村が戻ってくる。骨ばった大きな手のひらに、そっと内腿を開かされた。
「ひうっ!」
ふたたびあの場所に指を突き入れられ、思わず悲鳴を洩らす。が、入口付近を軽く探ったところで指はすぐに抜かれ、代わりに、おそろしく熱いものが入口にあてがわれた。
「俺の全部が欲しいと言ったな」
肩越しに振り返り、こく、と頷けば、
「じゃあ……くれてやる」
膨大な熱と質量に一気に貫かれた。
「ああああっ!」
指とはまったく違う熱と存在感に、覚えず悲鳴が喉からあふれる。それでもなお奥への侵入は続き、このまま脳天まで貫かれるのではと思ったその時、背後から思いがけず優しい声色で声をかけられた。
「痛かったら言ってくれ。無理は……させたくない」
すでに十分痛いし無理だと思うのだけど、哀願するような鷹村の声にはそうとも返せず、
「う、ううん、だいじょうぶ……すごく、いいよ」
と、答えてしまうのだった。
やがて全てを埋めたらしい鷹村は、その腕を伸ばし、上からのしかかるように渉を抱き寄せてきた。硬く逞しい鷹村の胸板にぎゅっと包まれるだけで、苦痛や恐怖が和らいでしまうのが不思議だった。
肌と肌の触れ合う場所が、とろけるように熱を帯びるのが快い。
「……いい」
耳朶に顔を寄せ、食むようにしながら鷹村が囁く。
「お前の中……すごく柔らかくて、暖かいな……ずっと、繋がっていたいよ」
「ぼ、ぼくも……っっ」
自分の大切な人が、自分と同じ気持ちでいてくれることが嬉しくて肩越しにふり返ると、その顎を掬われるように唇を重ねられた。
「好きだ、渉……やっぱり、お前じゃなきゃ、俺は……」
雄の抽挿がいよいよ激しさを増す。巨大な質量に無遠慮に中をかき乱される感覚に、今にも意識が飛んでしまいそうだ。
「い……いく……っ」
耳元で、鷹村が切なく呻く。
「い、いいか? 渉……このまま、奥で……」
「う、うんっ……いって……ああっ」
耳朶を食まれ、さらに背後から回された手に乳首を弄られる。いよいよ頭が白く飛びかけたその時、身体の奥で膨大な熱が一気にはじけた。
「あ……うぅっ」
刺激に呼応するように、渉もまた何度目かの精を吐く。身体から一気に力が抜け、だらしなくシーツに倒れ込む渉の背中に、鷹村もまた力尽きたのだろう、重なるようにのしかかってきた。
そのまま、二人して重なり合ったまま荒い息をつく。
「良かった。すごく……最高だ……」
「うん……僕も……」
でも、良かったのは媚薬のせいじゃない。相手が鷹村だったから――
「あ、んっっ」
不意に塊を引き抜かれ、内壁を吸い上げられる感覚に思わず感じてしまう。肌という肌が針を立てたように鋭敏になり、全身が性感帯と化したかのようだ。
その昂ぶった渉の身体を、背後から鷹村がそっと抱きすくめる。宥めるような手つきに、それだけで気持ちが落ち着くのを渉は感じた。
そんな渉の耳元に、濡れたような鷹村の声がそっと囁く。
「ずっと……好きだった」
それは渉にとって、あまりにも意外すぎる言葉だった。――どういうことだ? では、あの時の言葉は……?
「忘れようと……忘れたつもりでいた。でも、本当は……やっぱり忘れてなんかいなかったんだ。あの時、アンジェでお前と再会してあらためてそう思った。こんなことを言うと、きっと、お前はまた『自分なんか』と思うだろうが……」
渉は返す言葉に詰まった。まさに図星だったからだ。
「でも……涼には、素敵な彼女がいるじゃない」
ようやくそんな言葉を絞り出す。そして、絞り出してはじめて、自分の性根が自分でも思う以上に意地が悪いことに渉は驚く。この流れで御園を引き合いに出すのは、御園に対してあまりに意地が悪く、何より残酷だ。
それでも、確かめずにはいられなかった。
彼女のことをどう思っているのか。そして自分のことは。
「確かに彼女は美しい。それに何より優秀だ。多分、あれほど完璧な女性は、自分から求めてもそう簡単には見つからないだろう。――が、それだけだ。俺にとって彼女は、ただ完璧なだけの存在でしかなかった」
「……そう」
鷹村の言葉に静かなカタルシスを感じながら、そんな自分を許せない自分も同時に感じて渉は混乱する。もし今後、鷹村との関係で彼女が傷つくことがあれば、その責任の一端は自分にあるのだ。――あの日、鷹村の気持ちから逃げてしまった自分に。
「でも……俺が求めていたのは、そういう完璧なだけの人間じゃない。たとえ完璧でなくとも、よりよい自分を目指すことをやめない人間だ……そう、渉、お前のような」
「僕が……?」
「俺だって完璧じゃない」
「……」
「うまくいかないときもある。そんな自分に苛立つことも……でも……お前がいたから、俺の中にお前がいたから、俺は頑張れた。こんな街でも……お前がいたから……」
鷹村の言葉は、どれも渉には嬉しい驚きだった。
まさか、あの鷹村が自分のことをそんなふうに思っていたなんて。これまで渉は自分を、ただ愚図でのろまで間抜けなだけの社会不適合者としか思っていなかった。でも、それは勝手な思い込みで、ひょっとすると、自分はもっと価値のある存在だったのかもしれない。
誰かのために役立つことのできる、そういう存在なのかもしれない。
気づくと耳元で穏やかな寝息が響きはじめている。ふり返ると、いつしか鷹村は渉の背中を抱きしめたまま眠りに落ちていた。そういえば高校の頃にも、よく鷹村は渉の膝を枕にして眠っていた。こうしていると落ち着くのだと言って……。
渉は鷹村の懐の中でそっと体勢を変えると、子供のように安心しきった寝顔を両手でそっと包み込んだ。
もう少し自分を信じてみよう。たった一人の愛する人が信じてくれる自分を。
「……大好きだよ、涼」
囁くと、その唇に静かに口づけた。
翌朝は、梅雨入り前のこの時期にしては驚くほど気持ちの良い天候に恵まれた。
「おはよー、みんな」
こんな天候の日には、渉は、朝からベランダの植木鉢に声をかけて回るのを最近の習慣にしている。傍から見ればちょっとアブナイ人のようだが、日々の悩みを言葉にするうちに、いつの間にか自分で解決策が浮かぶことがあって、始めてみると案外やめられない。
もっとも、草も何も生えていない裸の植木鉢に声をかけていると、自分は一体何に喋りかけているんだろうと分からなくなってしまうことも多々あるが。
ところが。この日は違った。
「……あれ?」
ずらり並んだ植木鉢の一つに、何やら緑色の小さな斑点がぽつぽつと伸びている。
よく見ると、それは小さな小さな草の芽だった。一瞬、雑草かとも思ったが、そもそも雑草なら、こんなふうに同じかたちの芽が一斉に顔を出すことはしないはずだ。
よく見るとほかの鉢にも、小さいがハーブらしき芽が……
「どうした渉」
背後から抱きすくめられ、ふり返ると、起き抜けらしく髪を乱したままの鷹村が、子供のような目で渉の顔を覗き込んでいた。
「あ、いや……その、ちょうど芽が、出てて」
「やっと出たのか? どれだ?」
意外にも食いついてくる鷹村に、渉は軽く面食らいながら鉢を指さした。
「おおっ本当だ。へぇ案外かかるもんだな。植えて何日になる?」
「大体、二週間弱……かな」
「よかったな」
「え?」
「ちゃんと芽が出た」
祝福するように微笑む鷹村に、照れくさくなった渉は思わず目を落とした。
思えばこれが、この街に来て初めての成果なのだ。いつも空回りばかりで、周りの人間に迷惑と心配ばかりかけてきた自分がなしとげた、これが、その小さな成果なのだ。
そうだ。何事も焦らず一つ一つ積み重ねていけば、芽が出る日は、きっとくる……
「ありがとう」
「ん?」
「僕を東京に呼んでくれて」
「うん」
骨ばった指先が、渉の頬をそっと捉え、振り向かせる。
その唇に、鷹村がそっと口づけてきた。
「今日は店を休め」
「それは、社長命令? それとも……」
「さぁ。どっちだろうな」
そして今度は、より深く唇を重ねた。
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