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圷と海斗の話
海斗が知らないこと
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*海斗視点
「れいじさんの…ばか…っ。」
俺は澪司さんの部屋にあるソファに寝転びながら泣き言を漏らしていた。だってだって…っ!!最後らへんとかもう意地悪すぎだ!俺は声なんて我慢できる余裕無くなってたもん!
「そう言うなよ海斗。ちょっと声聞こえたからってよ。それに組長たちはなんも気にしてないって。」
そういう問題じゃないもん…っ。俺が気にしちゃうんだよ…っ。もうこの部屋から出れない。あんな醜態を…っ。
「でも…っ。」
「そもそも俺がここにお前を連れてきた時点で組長たちは悟ってると思うけどな。」
「…え?そうなの?」
俺は普段澪司さんたちがどんな感じで仕事をしてるのか全く知らない。そもそも寛也さんたちとも関わることはすごく少ない。この前俺が家出をしてお世話になった時も寛也さんと話すのは久しぶりだったんだから。だからこそ恥ずかしいってのもあったけど悟られてたの…!?!
「ああ。組長もどっちかというと俺と同じタイプだし。」
「…それはどういうこと?」
澪司さんと同じタイプってことは嫉妬深いってことなのかな?駿里もそういえば言ってたな。寛也さんがすごく愛してくれるって。それに2人は凄くいい関係だからな。俺から見ても二人の関係は羨ましい。あんなふうにいつも本音で言い合って本気の喧嘩もしない…そんな風に慣れならなぁなんて憧れてた時期もあった。
「愛したやつにいじわるしたくなるタイプってこと。だから組長はお前の声聞こえても注意したりしてこなかったんだ。森廣さんもな。あ、あと康二が来たのもあいつは俺を揶揄いたかっただけだろ。」
「な、なにそれ!澪司さん酷い!!」
「は?なに急にキレてんだよ。どうした。」
どうしたじゃない!全部知ってて俺に声我慢しろとか言ってきたの!?けど寛也さん達は知ってたんでしょ!俺達がこんなことしてるの!じゃあ俺だけ1人でビビって焦ってたってことじゃん!だからあんなに澪司さんは余裕だったんだ…。この…っ!
「澪司さんは全部分かってて俺にあんなことしたの!?」
「ああ。つか組長がそれを悟ってねぇのに俺はやらねぇよ。組長の許可なく。」
「…じゃあ何も知らないのは俺だけだったのか。」
「そうそう。だから何食わぬ顔をしてみんなの前に出ればいいんだよ。駿里なんてもっと色んな姿見せてんだから。」
「ど、どういうこと…?」
色んな姿って…え?ど、どういう…。まさか…今日の俺みたいなこと…じゃないよね?いやいやそんなことない。絶対ない。だってあの寛也さんがいるんだもん。寛也さんがいてみんなが駿里に手を出すわけ…ないよね。
「んーあー。えっとな。まぁそれはお前がもう少し大人になってから教えてやる。」
「え!気になるじゃんか!」
澪司さんが明らかに動揺した!こんなに動揺する澪司さんは久しぶりにみた!なんだよもう!気になるじゃんか!余計に気になるよ!
「だからまぁそれは海斗がもっと大人になったらな。それまで我慢だ。」
「けち…。」
「はは、そんな顔すんなって。まぁいずれ分かるさ。それに海斗も知ってるだろ。康二が駿里のこと大好きなこと。」
「うん。知ってる。」
それはすっごく知ってる。知ってるのは俺だけじゃない。他の幹部の人たちも知ってると思う。それだけじゃない。澪司さんの部下の人達ですら知ってる。この前澪司さんが部下の人と電話してた時その話をしてたから。
「志方もそうだろ?」
「うん。」
って俺は返事をしたけど正直志方さんと駿里が絡んでる姿をあまり見た事はない。というのも志方さんはいつも忙しそうだから。外での仕事が多くて…だから会わない。駿里も基本家にいるからってのもあって俺は二人が一緒にいるのをあんまり見ない。でも志方さんが駿里を好きなのは知ってる。駿里から話を聞くから。
「そっから色々連想させてみろ。そしたら分かるから。俺が出せるヒントはここまでだ。」
色々…連想…連想する…。うーん…。連想…。俺は考えてみた。けど分からない。2人が駿里のことを大好き。そこから連想するって…いけないことにあまり繋がらない。俺の考え方が平和だからなのかな…。
「…わかんない。」
「んーそっかそっか。まぁいずれ分かるし今知らなくてもいいだろ。」
「…うーん。」
気にはなる…けどせっかく事務所に来たから寛也さんたちと話をしたい気持ちもあるんだ。あの声を聞かれたあとだからちょっと恥ずかしいけど…でも寛也さんとお話をするのは俺は大好き。寛也さんは色んなこと話してくれるから。
「それより海斗、飯食おう。おいで、歩けそうか?」
「うん。歩けるよ。」
「さすがだ。体力ついたな。」
「そりゃ毎日抱かれたらね。」
「はは、そうだな。じゃあ行こう。あ、それと康二とは距離をとるんだぞ。そうしねぇと夜お前がキツイ目に遭う。」
「わ、分かった。気をつける。」
「よし、いい子だ。」
「れいじさんの…ばか…っ。」
俺は澪司さんの部屋にあるソファに寝転びながら泣き言を漏らしていた。だってだって…っ!!最後らへんとかもう意地悪すぎだ!俺は声なんて我慢できる余裕無くなってたもん!
「そう言うなよ海斗。ちょっと声聞こえたからってよ。それに組長たちはなんも気にしてないって。」
そういう問題じゃないもん…っ。俺が気にしちゃうんだよ…っ。もうこの部屋から出れない。あんな醜態を…っ。
「でも…っ。」
「そもそも俺がここにお前を連れてきた時点で組長たちは悟ってると思うけどな。」
「…え?そうなの?」
俺は普段澪司さんたちがどんな感じで仕事をしてるのか全く知らない。そもそも寛也さんたちとも関わることはすごく少ない。この前俺が家出をしてお世話になった時も寛也さんと話すのは久しぶりだったんだから。だからこそ恥ずかしいってのもあったけど悟られてたの…!?!
「ああ。組長もどっちかというと俺と同じタイプだし。」
「…それはどういうこと?」
澪司さんと同じタイプってことは嫉妬深いってことなのかな?駿里もそういえば言ってたな。寛也さんがすごく愛してくれるって。それに2人は凄くいい関係だからな。俺から見ても二人の関係は羨ましい。あんなふうにいつも本音で言い合って本気の喧嘩もしない…そんな風に慣れならなぁなんて憧れてた時期もあった。
「愛したやつにいじわるしたくなるタイプってこと。だから組長はお前の声聞こえても注意したりしてこなかったんだ。森廣さんもな。あ、あと康二が来たのもあいつは俺を揶揄いたかっただけだろ。」
「な、なにそれ!澪司さん酷い!!」
「は?なに急にキレてんだよ。どうした。」
どうしたじゃない!全部知ってて俺に声我慢しろとか言ってきたの!?けど寛也さん達は知ってたんでしょ!俺達がこんなことしてるの!じゃあ俺だけ1人でビビって焦ってたってことじゃん!だからあんなに澪司さんは余裕だったんだ…。この…っ!
「澪司さんは全部分かってて俺にあんなことしたの!?」
「ああ。つか組長がそれを悟ってねぇのに俺はやらねぇよ。組長の許可なく。」
「…じゃあ何も知らないのは俺だけだったのか。」
「そうそう。だから何食わぬ顔をしてみんなの前に出ればいいんだよ。駿里なんてもっと色んな姿見せてんだから。」
「ど、どういうこと…?」
色んな姿って…え?ど、どういう…。まさか…今日の俺みたいなこと…じゃないよね?いやいやそんなことない。絶対ない。だってあの寛也さんがいるんだもん。寛也さんがいてみんなが駿里に手を出すわけ…ないよね。
「んーあー。えっとな。まぁそれはお前がもう少し大人になってから教えてやる。」
「え!気になるじゃんか!」
澪司さんが明らかに動揺した!こんなに動揺する澪司さんは久しぶりにみた!なんだよもう!気になるじゃんか!余計に気になるよ!
「だからまぁそれは海斗がもっと大人になったらな。それまで我慢だ。」
「けち…。」
「はは、そんな顔すんなって。まぁいずれ分かるさ。それに海斗も知ってるだろ。康二が駿里のこと大好きなこと。」
「うん。知ってる。」
それはすっごく知ってる。知ってるのは俺だけじゃない。他の幹部の人たちも知ってると思う。それだけじゃない。澪司さんの部下の人達ですら知ってる。この前澪司さんが部下の人と電話してた時その話をしてたから。
「志方もそうだろ?」
「うん。」
って俺は返事をしたけど正直志方さんと駿里が絡んでる姿をあまり見た事はない。というのも志方さんはいつも忙しそうだから。外での仕事が多くて…だから会わない。駿里も基本家にいるからってのもあって俺は二人が一緒にいるのをあんまり見ない。でも志方さんが駿里を好きなのは知ってる。駿里から話を聞くから。
「そっから色々連想させてみろ。そしたら分かるから。俺が出せるヒントはここまでだ。」
色々…連想…連想する…。うーん…。連想…。俺は考えてみた。けど分からない。2人が駿里のことを大好き。そこから連想するって…いけないことにあまり繋がらない。俺の考え方が平和だからなのかな…。
「…わかんない。」
「んーそっかそっか。まぁいずれ分かるし今知らなくてもいいだろ。」
「…うーん。」
気にはなる…けどせっかく事務所に来たから寛也さんたちと話をしたい気持ちもあるんだ。あの声を聞かれたあとだからちょっと恥ずかしいけど…でも寛也さんとお話をするのは俺は大好き。寛也さんは色んなこと話してくれるから。
「それより海斗、飯食おう。おいで、歩けそうか?」
「うん。歩けるよ。」
「さすがだ。体力ついたな。」
「そりゃ毎日抱かれたらね。」
「はは、そうだな。じゃあ行こう。あ、それと康二とは距離をとるんだぞ。そうしねぇと夜お前がキツイ目に遭う。」
「わ、分かった。気をつける。」
「よし、いい子だ。」
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