極道の密にされる健気少年

安達

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*駿里視点





「駿里。起きれそうか?」



起きれるわけが無い。あのまま朝までやって…。朝になったら解放して貰えたけど俺はそこから寝たんだ。もちろん寛也と一緒にね。だから多分今は昼頃…。なのに起きられる気がしなかった。




「……む、り。」

「まぁそうだよな。もう少ししても無理そうか?」

「…うん。」



どうしたんだろ寛也。いつもだったら俺がどれだけ寝てようが何も言わないのに。それどころか寝てろって言ってくるのに。もしかして何かあったのかな…?



「寛也。どうしたの…?」

「ん?あー海斗が来てんだ。」

「…海斗?なんで?」

「お前に会いに来たんだと。」



んん…っ。体辛い…けど海斗には会いたい。てか圷さん…よく許したね。圷さんは寛也とまでは行かないけどかなり独占欲が強い。なのに海斗がここに来るなんて…。もしかして喧嘩でもしたのかな。



「…寛也、起きるから起こして。」



海斗がここに来るなんてやっぱりおかしい。何かあったんだ。俺に会いに来るってことは何か相談事があるのかもしれない。だったら俺は海斗のところに行かなきゃ…。



「おい駿里。無理すんな。海斗をここに連れてくるから。」

「いいの…?」

「ああ。お前には無理して欲しくねぇからな。痛いの我慢するぐらいなら動ける海斗を連れてきた方がいいだろ。」



その痛みの原因は寛也だけどね。でも寛也はこうしてちゃんとあとのケアをしてくれるからどんなことされても結局許しちゃうんだ。



「寛也は仕事に行くの?」

「いや、リビングにいる。だからなんかあればすぐに呼べ、な?」

「ありがとう。」

「ああ。じゃあ海斗連れてくるから待ってろ。」

「うん…!」



海斗、心配だな…。だから寛也も海斗を家に上げたんだろうな。理由もなく寛也は圷さんの大切な海斗を家にあげたりしないだろうから。



「駿里。海斗連れてきたぞ。」

「海斗!こっち来て!」

「う、うん…。」



寝室に入ってきた海斗はどこか申し訳なさそうな顔をしていた。だから俺は海斗に明るく振舞った。それに申し訳ないなんて思わないで欲しい。だって俺達は友達じゃん!



「じゃあお前らでゆっくり話せ。なんかあったら呼べよ。」

「寛也さん。ありがとうございます。」

「気にすんな。お前にも悩みの一つぐらいあるよな。駿里にちゃんと話すんだぞ。」

「はい…っ。」



寛也は強面だけど俺達には優しい。特に俺。夜は獣になるけど普段は俺に甘々なんだ。だからその俺の友達の海斗にもとっても優しくしてくれるんだ。



「海斗。どうしたの?」

「…家出してきた。」

「え!?あ、いや予想はしてたけど圷さんに内緒でここに来たの!?」

「うん…。それを言ったら寛也さんが家に上げてくれたんだ。」

「そ、そっか…。」

「駿里。俺、もう澪司さんとの関係終わりにしたい…。」
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