極道の密にされる健気少年

安達

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シマリス様リクエスト

おかえり

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*松下視点







「出来たーー!!」



ざっと1時間ぐらいか。結構思ったより早めに出来たな。もうちょっと駿里とのお菓子作りを楽しみたかったけどまぁ可愛いこいつを見れたから良しとするか。



「いい感じだな。さすが駿里。」

「康二さんのおかげだよ。」

「そうか?なら褒美ちょーだい。」

「…ん?」



はは、顔に出やすいやつだな。さっきまで満面の笑みだったのに俺がそういった途端に焦った顔に変わった。



「褒美。手伝ったんだからなんかしてくれよ。」

「…なんかって?」

「俺が喜ぶこと。」

「…分かんない。」



ほぅ…。まーた嘘ばっかりついて。俺とお前はどんだけの時間を過ごしてきたと思ってんだ。俺が喜ぶことを駿里が分かんねぇはずがない。



「嘘つけ。分かってるくせに。」

「…………っ。」



俺がそう言うと駿里は顔を赤くして下を向いた。恥ずかしがり屋だからなこいつ。



「なぁ駿里。頼むよ。手伝ってやったろ?これ誰のおかげで出来た?俺だろ?ちょっとぐらい俺にいい事してくれよ。」



俺はそう言いながら駿里に後ろから抱きついた。けど駿里は抵抗しない。多分お菓子作りを俺が手伝ってやったから。何かしてやらねぇとって思ってんだろうな。はは、俺が有利じゃねぇかこれ。



「…じゃあぎゅーする。」

「それじゃ足りねぇな。」

「十分じゃんか…!」

「だーめ。ちゃんと俺が喜ぶやつしろ。」

「……うぅ。」

「駿里。早くしねぇと組長帰ってくるぞ?組長帰ってきたら修羅場になっちまう。それでいいのか?」



まぁいいわけねぇよな。せっかくお菓子まで作って組長を出迎えるってのに喧嘩になったら最悪だ。さすがに俺もそこまではさせないけどな。駿里が頑張ってお菓子作りしてたからよ。ただ組長が帰ってくるまでは俺の時間だ。



「ほら駿里。早く。」

「わ、わかったから耳舐めないで…っ!」



俺が急かすように駿里の耳を舐め始めると駿里は焦って顔を背けた。こいつ耳がほんとに弱いからな。



「分かったなら早くしろって。」

「うるさいっ、静かにして…っ!」

「別にうるさかねぇだろ。」

「康二んはうるさい…っ!」

「もうそういうことでいいから早く。キスしろ。」

「…目つぶって。」

「嫌だね。」



せっかく駿里からキスをしてくれるんだ。なんで目をつぶんなきゃいけねぇんだよ。可愛い顔が見れねぇじゃねぇか。



「…………っ。」

「そんな顔すんなよ駿里。襲うぞ。」

「や、やだっ!」

「だったら早くしろ。俺は焦らされるのが好きじゃねぇんだよ。お前も知ってんだろ。」

「……分かった。」



駿里はそう言うとゆっくりと振り返って俺の唇にキスをした。まぁキスしたって言っても唇同士が当たるだけの可愛いやつだけどな。



「いい子じゃねぇか駿里。」

「ちゃんとキスしたから離して…っ!」

「嫌だ。」

「なんでよ…っ!」

「つーかチョコレート結構余ったな。あれどうする駿里。」

「話逸らさないでよ…っ、けどチョコレートは余った。」

「だよな。」



これ…余ったチョコレート駿里につけて舐めるのもありだよな…。



「冷蔵庫に冷やしておこ。そしたら何かに使えるかも。」

「いやそれは駄目だ駿里。」



冷やしたらチョコレートが固まる。そしたらお前に付けられない。



「なんで…?」

「いいから。ん?組長帰ってきたんじゃねぇの?音したぞ。」

「ほんと…!?」



わっかりやすいやつ。喜びやがって。けど俺も嬉しいなぁ。組長とこれから楽しめるからよ。組長は勘がいいんだ。はは、楽しみだな。



「寛也…っ!!」

「ただいま駿里。いい匂いがするな。」

「お菓子作りしたの!康二さんが手伝ってくれたんだよ!」

「そうかそうか。そりゃよかったな。」



組長はそう言いながら駿里の頭を撫でていた。そこに俺は乱入していく。お楽しみのためにな。



「組長。お疲れ様です。」

「よぉ康二。ありがとうな。」

「いえいえ。けど組長、チョコレートが余っちゃったんですよ。これ見てください。」



俺はわざとらしく組長にそう言った。そう言ったら組長は気づくはずだから。このチョコレートを使って駿里を美味しくしたいって言う俺の気持ちにな。



「それはもったいねぇな。ちゃんと使わねぇと。」

「寛也…?何に使うの?」

「楽しいことだ。駿里、こっちにおいで。」



さぁて。今日2回目の料理の時間だな。
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