極道の密にされる健気少年

安達

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あや様リクエスト

また今度

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*駿里視点




「じゃあなお前ら。駿里も元気でいるんだぞ。何かあったらいつでもここに来い。俺はいつでもお前を歓迎するから。」



ついにお義父さんの家を出る時間が来ちゃった。寂しくて寂しくてたまらない。碓氷さんとも槐さんとも御子柴さんとも沢山お話したかった。けどいつまでもわがままを言ってられない。だから俺はそう言ってくれたお義父さんに笑顔を向けた。



「はい!お義父さんありがとうございます」

「おう。また今度な。」

「はい!」

「駿里。行くぞ。」



馬酔木さん達とお別れをしていると寛也がそう言って俺の手を引いてきた。急ぎなのかな…?仕事だもんね。早く帰らないと。



「う、うん…!」



俺はそう言って寛也について行きながらお義父さん達に手を振ってお別れをした。寂しいけどまた今度って言って貰えたからまた来れる。嬉しいな。



「寛也、仕事間に合いそう?」

「ん?仕事?」



あれ…?寛也、仕事があるから急いでたんじゃないのかな?



「急な仕事入ったんでしょ?志方さんから聞いたよ。」

「そうだったのか。大丈夫だ。ありがとうな。仕事には余裕で間に合う。それにお前は何も気にしなくていい。明日留守番させちまうけど志方と仲良くするんだぞ。」

「うん。分かった。」

「いい子だ。」



寛也はそう言いながら俺の頭を撫でてくれた。その様子を海斗が微笑んで見てる。けど海斗も海斗で圷さんと手を繋いで嬉しそうにしてる。良かった。



「駿里。夜何食いたい?」



俺が海斗のことを見て微笑んでいると寛也にそう聞かれた。夜…。んーなんだろう…。



「…んーっと。」

「特にねぇか。つか腹減ってねぇ?」

「うん。あんまり減ってないかも。寛也は?」

「俺もあんまりかもな。家に着いて腹減ってたら何か食おう。」

「うんっ、そうする!」

「だな。ほら車先乗れ。」

「ありがとう。」



俺は寛也に言われるがまま車に乗り込んだ。勿論運転は康二さん。俺の隣には寛也と志方さんが乗ってる。海斗と圷さんは別の車だ。そんな調子で家までゆったりと帰って行った。



「組長、着きましたよ。駿里起きてます?」

「起きてるよ康二さん。」

「お、まじか。珍しい。」

「そんなことないもん…!」



って言ったけど俺は車に長距離乗る時は大体いつも寝てる。今日寝なかったのは寛也がずっと抱きしめてくれてたから。寛也の温もりをずっと感じてたくて起きてたんだ。



「そんなことあるだろ。ねぇ組長。」

「そうだな。大抵康二が運転する時は寝てる。安全運転だからだろ。」



寛也がそう言いながら俺の頭をポンポンと撫でてきた。だから俺は黙り込んだ。返す言葉がなかったから…。



「駿里。家戻るぞ。おいで。」

「うん。」



寛也が両手を広げてそう言ってくれたから俺は車をおりて寛也の腕の中に飛び込んだ。そしたらそんな俺に続くように志方さんが俺に抱きついてきた。



「ちょ、ちょっと志方さん退いて…!」

「嫌だね。」

「志方。邪魔だ退け。」

「組長酷い。」

「酷いじゃねぇ。歩けねぇだろうが退け。」

「はーい。」



志方さんは寛也の言うことはちゃんと聞く。俺の言うことは一切聞いてくれないけどね。全くもう…!明日のお留守番が不安だ…。



「組長。明日事務所集合でいいですか?」



俺が志方さんから距離を取ってると運転席から康二さんが降りてきてそう言った。明日は仕事で康二さんも寛也もいなくなっちゃう。寂しい…っ。



「そうだな。あんまり朝は早くねぇからゆっくり行こう。準備出来たら俺に連絡しろ。」

「承知しました組長。朝遅いの助かります。」



康二さんが心からほっとしたようにそう言った。いつも元気とは言えども朝早いのは辛い。よく分かる。俺も康二さんも朝は苦手だから。



「康二さん朝弱いもんね。」

「駿里だけには言われたくねぇわ。どんぐりの背比べだろ。」



康二さんがそうやって笑いながら言ってきた。本当にその通り。俺たちはいつも朝起きれない。



「俺たちいつも2人揃って寝坊してるもんね。」

「駿里、自覚してんなら頑張って起きろよ。まぁお前が起きれねぇ原因は大抵俺か。」

「そうだよっ、寛也のせいだからね…!」



寛也があと1回あと1回って繰り返してきて俺を寝かせてくれないからだ…!それも毎晩ね!おかげで俺は体力がついた。



「はは、そうだな。よし、家に上がろう。まだ9月とはいえ夜は冷える。駿里、行くぞ。」

「うん!」

「康二と志方も行くぞ。」

「「はーい。」」



そんなこんなで俺たちはエレベーターに乗ってそれぞれの家へと帰って行った。こんな夜中に外に出たの久しぶりだな。今年は特に暑いから夜も暑いと思ってたけど夜は意外と冷える。寛也、明日風邪ひかないように上着もっていってもらおう。



「寛也、明日夜遅い?」

「多分な。けど夜中にはならねぇ。」

「良かった。一応上着持っていってね。」

「そうだな。んで駿里、腹どうだ?減ってるか?」

「んーあんまり!」

「はは、俺もだ。じゃあ一緒に寝よう。おいで。」

「うん…!」



俺は寛也と手を繋いで寝室に歩いて行った。明日は早くないといえども寛也は仕事。このまま寝るはず…だよね。



「おやすみ寛也。」

「あ?まだ寝かせねぇよ。」

「…え?寝ないの?」

「当たり前だ。1回やってから寝る。」

「寛也明日仕事じゃんっ、早く寝た方がいいよ…!」

「うるせぇ。お前を抱かねぇと寝れねぇんだよ。」

「あ、服脱がさないでよっ、ちかっ…、んん!!」



もー!別に嫌じゃないけどさ!休んでくれなきゃ心配になる…っ。けどこれまで寛也が寝不足になってるの見たことないな…。じゃあ大丈夫か…と、俺は自分で解釈して寛也に身を委ねることにした。



「どうした駿里。暴れねぇのか?」

「…暴れても寛也には敵わない。」

「よく分かってるじゃねぇか。可愛がってやるから安心して身を委ねてろ。愛してるぞ駿里。」

「………俺も。」
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