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あや様リクエスト
ただの話…?
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*駿里視点
「そうやってカッカすんなよ寛也。本当にちょっと話すだけだ。だから少しだけ駿里を寄越せ。」
「兄貴は信用出来ねぇ。他の事に関しては信用出来るが駿里に関しては無理だ。」
「たく、仕方ねぇやつだな。いいじゃねぇから少し話すぐらい。もし俺が手を出したりしたら殴っていいからよ。」
碓氷さんって普段そういうこと言ったりしない。俺にちょっかいをかけて寛也を怒らせるのが好きな人だから。けどこういうってことは本当に大切な話があるのかな…?
「手を出したらぶん殴るからな兄貴。」
「ちょ、ちょっと組長。碓氷さんのこと信用するんですか?!」
「康二うるせぇ。お前は黙ってろ。」
「…はい。」
康二さんは相変わらず心配症だ。俺の事をいつも心配してくれて守ってくれる。だから今も俺を守るようにして抱きしめてくれてるんだ。けど寛也は俺の事を碓氷さんに渡すようだ。そうやって寛也が判断するなら大丈夫。俺は寛也のことを信用してるから。
「駿里。少しだけ兄貴と話してくれるか?」
「うんっ、行ってくる!」
「何かされたらすぐに走って戻ってこいよ。」
「大丈夫だよ。」
「万が一だ。じゃあ兄貴、駿里をよろしくな。泣かせたりしたら許さねぇからな。」
「分かってるって。駿里、おいで。」
そう言ってくれた碓氷さんのところに俺は行って2人で歩いていった。もちろん寛也と康二さんにバイバイした後でね。その時の康二さんがすごい不安そうな顔してたんだ。だから俺は大丈夫だよというように笑顔で手を振った。
「なぁ駿里。お前ちょっと身長伸びたんじゃねぇの?」
「そうですか?」
自分じゃあんまり分からないな。寛也達も身長のこと特に何も言ってなかったから特にわかんない。
「そうだぞ。ちょっと高くなってる。あんま自分じゃ気づかねぇよな。」
「碓氷さんが縮んだのかも。」
「はは、生意気なやつ。」
「あはは。」
やっぱりいつもの碓氷さんじゃない。真剣な顔をしてる。笑ってはいるけどいつ本題に入ろうか伺ってる感じがする。
「なぁ駿里。」
「碓氷さん。どうしたんですか?」
俺の名前を呼んだと思ったら急に立ち止まった碓氷さん。それで俺の事を抱き寄せてその場に座らせた。廊下に。けどここは多分人通りが少ないんだと思う。その証拠に朝なのにここには誰にも来てないから。
「お前元気だったか?」
「…?ずっと元気ですよ!」
碓氷さんのこんな顔初めて見たかも…。凄く心配してくれてるのがわかる。俺はずっと元気なのに。
「無理してねぇか?」
「してないですよ!」
「そうか。お前は強い子だな。あんな目に遭ったばかりなのにこんなに元気に振舞ってんだから。俺はずっとお前の事を心配していた。寛也や康二がついているから大丈夫だと思っていても心配だった。」
ああ…。そういうことだったのか。あのマフィア…たちにされたことを碓氷さんは心配してくれてたんだ。けど本当にもう大丈夫。きっとこの件には碓氷さんも関わってる。馬酔木さんが関わってるって言うなら多分そういうこと。だから碓氷さんのおかげで元気になれたんだ。
「碓氷さん。俺は本当に大丈夫なんです。乗り越えました。正直に言うとまだちょっと怖くなったりする時もあるけどそういう時は寛也が絶対そばにいてくれるんです。」
「そうか。あいつらしいな。あいつはお前の事を本気で愛してるからな。それなら良かった。俺はお前に会いに行こうか本気で迷ってたんだぞ。」
「遠慮せずに来てくださいよ碓氷さん!」
「ありがとうな駿里。けど寛也に来るなと言われたんだ。」
「あはは、寛也らしい。」
「だろ?あいつの独占欲は計り知れねぇよ。けどお前が幸せなら本当に良かった。また何かあったら言うんだぞ。俺が影からだけど守ってやるからな。お前は味方ばかりだ。その環境をもっと頼れ、な?」
「そうやってカッカすんなよ寛也。本当にちょっと話すだけだ。だから少しだけ駿里を寄越せ。」
「兄貴は信用出来ねぇ。他の事に関しては信用出来るが駿里に関しては無理だ。」
「たく、仕方ねぇやつだな。いいじゃねぇから少し話すぐらい。もし俺が手を出したりしたら殴っていいからよ。」
碓氷さんって普段そういうこと言ったりしない。俺にちょっかいをかけて寛也を怒らせるのが好きな人だから。けどこういうってことは本当に大切な話があるのかな…?
「手を出したらぶん殴るからな兄貴。」
「ちょ、ちょっと組長。碓氷さんのこと信用するんですか?!」
「康二うるせぇ。お前は黙ってろ。」
「…はい。」
康二さんは相変わらず心配症だ。俺の事をいつも心配してくれて守ってくれる。だから今も俺を守るようにして抱きしめてくれてるんだ。けど寛也は俺の事を碓氷さんに渡すようだ。そうやって寛也が判断するなら大丈夫。俺は寛也のことを信用してるから。
「駿里。少しだけ兄貴と話してくれるか?」
「うんっ、行ってくる!」
「何かされたらすぐに走って戻ってこいよ。」
「大丈夫だよ。」
「万が一だ。じゃあ兄貴、駿里をよろしくな。泣かせたりしたら許さねぇからな。」
「分かってるって。駿里、おいで。」
そう言ってくれた碓氷さんのところに俺は行って2人で歩いていった。もちろん寛也と康二さんにバイバイした後でね。その時の康二さんがすごい不安そうな顔してたんだ。だから俺は大丈夫だよというように笑顔で手を振った。
「なぁ駿里。お前ちょっと身長伸びたんじゃねぇの?」
「そうですか?」
自分じゃあんまり分からないな。寛也達も身長のこと特に何も言ってなかったから特にわかんない。
「そうだぞ。ちょっと高くなってる。あんま自分じゃ気づかねぇよな。」
「碓氷さんが縮んだのかも。」
「はは、生意気なやつ。」
「あはは。」
やっぱりいつもの碓氷さんじゃない。真剣な顔をしてる。笑ってはいるけどいつ本題に入ろうか伺ってる感じがする。
「なぁ駿里。」
「碓氷さん。どうしたんですか?」
俺の名前を呼んだと思ったら急に立ち止まった碓氷さん。それで俺の事を抱き寄せてその場に座らせた。廊下に。けどここは多分人通りが少ないんだと思う。その証拠に朝なのにここには誰にも来てないから。
「お前元気だったか?」
「…?ずっと元気ですよ!」
碓氷さんのこんな顔初めて見たかも…。凄く心配してくれてるのがわかる。俺はずっと元気なのに。
「無理してねぇか?」
「してないですよ!」
「そうか。お前は強い子だな。あんな目に遭ったばかりなのにこんなに元気に振舞ってんだから。俺はずっとお前の事を心配していた。寛也や康二がついているから大丈夫だと思っていても心配だった。」
ああ…。そういうことだったのか。あのマフィア…たちにされたことを碓氷さんは心配してくれてたんだ。けど本当にもう大丈夫。きっとこの件には碓氷さんも関わってる。馬酔木さんが関わってるって言うなら多分そういうこと。だから碓氷さんのおかげで元気になれたんだ。
「碓氷さん。俺は本当に大丈夫なんです。乗り越えました。正直に言うとまだちょっと怖くなったりする時もあるけどそういう時は寛也が絶対そばにいてくれるんです。」
「そうか。あいつらしいな。あいつはお前の事を本気で愛してるからな。それなら良かった。俺はお前に会いに行こうか本気で迷ってたんだぞ。」
「遠慮せずに来てくださいよ碓氷さん!」
「ありがとうな駿里。けど寛也に来るなと言われたんだ。」
「あはは、寛也らしい。」
「だろ?あいつの独占欲は計り知れねぇよ。けどお前が幸せなら本当に良かった。また何かあったら言うんだぞ。俺が影からだけど守ってやるからな。お前は味方ばかりだ。その環境をもっと頼れ、な?」
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