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*寛也視点
「いい事か。そうか。」
「…寛也に悪いとこないもん。」
「そりゃ嬉しいな。」
「あ、でも1個だけある。」
駿里にそう言われて俺は正直ドキッとした。駿里の事になると俺はどうしても自信を無くしてしまう部分があるからな。
「…なんだ?」
「怪我するとこ。」
駿里がまっすぐ俺の方を向いてそう言ってきた。それも真剣な顔で。本気でそう思ってくれてるんだろうな。
「…駿里。それはすまんな。」
「仕方ないってわかってる。お仕事柄そういうこともあるから。けど傷ついた寛也を見るのは好きじゃない。」
「そうだよな。ごめんな。」
駿里が悲しそうで不安そうな顔をしながらそう言ってくれた。そりゃそうだな。俺もお前が怪我すんのは嫌だからな。ちょっとの切り傷でも嫌になる。大袈裟に消毒して絆創膏やらを貼る。だからそれはお互い様だな。
「…あとね寛也。俺不安になるの。」
「ん?」
「寛也に傷を負わせるぐらい強い相手がいるんだって思うと怖いの。いつの間にか寛也がどっか行っちゃうんじゃないかって不安になるの。」
「…駿里。」
「分かってるんだよ。寛也はそんな事しないって。けど不安になるの。家で一人にいると不安になる。ちゃんと今日は帰ってきてくれるのかなって。今日は傷つかずに帰ってくるかなって。」
こいつはこんな思いをして留守番をしてたのか…。知らなかった。気づいてやれなかった。1番俺が近くにいるのにそれに気づいてやれねぇなんて俺は大馬鹿者だな。しかも駿里はそれを俺に悟られないように隠していた。そうさせたのは俺の責任だ。
「駿里。顔を上げてくれ。」
「…やだ。」
「なら抱きしめさせろ。」
「…………。」
はは、これは嫌じゃないんだな。なら思う存分抱きしめさせてもらうぞ。
「不安にさせてごめんな。留守番もちょくちょく1人でさせてすまない。お前には苦労ばかりかけてる。けど安心しろ。俺はお前を置いてどこにも行かない。俺がどこかに行く時は駿里も一緒だ。」
そうだ。俺は駿里を絶対に1人にしない。誰にも傷つけさせない。俺が生涯をかけて守ると誓った可愛いやつなんだから。
「だろ?駿里。お前は俺に着いてきてくれるもんな。」
「…行かないもん。」
はは、駿里拗ねてんなぁ。可愛いやつ。つか泣いてんじゃねぇか。俺ってやつは情けねぇ。愛するやつを泣かせてよ…。
「行かないかぁ。なら無理にでも連れていくしかないな。」
「…………いや。」
「嫌でも俺はお前に着いてきて欲しいから連れていくぞ。」
駿里は普段泣かない。泣かないって言うか我慢をする。なのに今はボロボロと泣いてる。俺の腕の中で。俺はここまで駿里に我慢させていたのか…。許せねぇな自分が。圷のことを言ってる場合じゃねぇよ。だから俺は泣いてる駿里を優しく抱きしめながら自分に怒った。
「そな…っ、もん。」
「んー?」
やべぇ。聞き取れなかった。駿里が泣いてっからちゃんと喋れてねぇ。そんなとこも可愛いな。愛らしい。
「………そんなこと、しなくても着いていくもん。」
「そりゃ嬉しいな。」
「…ちかやっ、ぁ」
「よしよし。大丈夫だ駿里。不安にさせて悪かった。」
こいつは留守番してる時こんな風に泣いていたんだろうか…。俺はこんな風に考えることしか出来ない。こいつが泣いていたのかそうじゃないのかも把握してない。最低だな俺は…。
「駿里。約束だ。」
「な、に…っ、」
「俺はもう傷を作らない。」
「…っ、つく、った、ら?」
「作らない。約束だからな。」
俺がそう言うと駿里が顔を上げてくれた。涙でいっぱいになった可愛い顔を見せてくれた。そんな駿里の頭を俺は優しく撫でた。
「ぜったい…っ。」
「ああ。約束だ。」
「あと、どこにも行かないって約束して…っ。」
駿里の言ったその言葉の意味は死なないでという意味だろう。そんなの当たり前だ。俺がお前を置いていくわけねぇ。
「約束だ。」
「うぅ…ぜったいだから…っ。」
「ああ。絶対だ。」
俺はどうやら思っていたよりも駿里に愛されていたらしい。俺ばかり駿里を好きになっていると不安だったがそうでも無い。こいつは俺の事を愛してる。本当に嬉しい限りだな。
「駿里。お前に俺からも約束して欲しい事があるんだがいいか?」
「…う、ん。」
「毎日とは言わない。時々でいいから愛してると言って欲しい。」
さっき駿里が海斗との話の流れて愛してると言ってくれて本当に嬉しかった。だがやはり直接言われたいものだ。だから俺は駄目元で駿里にそう言った。
「…うん。」
「いいのか?」
「うん、ちゃんと言う。」
「ありがとうな駿里。」
「だって俺…寛也のこと大好きだもん。」
「…………?」
今こいつ言ったよな…。俺の事大好きって言ったよな…?はは…急に来るかよ。可愛いやつだ。俺は思わず駿里を強く抱き締め唇にキスをした。
「もうっ…、寛也強い…!」
「お前が可愛いのが悪い。」
「なんだよそれ…っ!」
「愛してるぞ駿里。」
「……………っ。」
「守ってやる。嫌な事は俺が全部してやるから俺の傍で生きてくれ。」
「………俺も寛也を支えるからずっと隣にいてね。」
「当たり前だ。愛してる。」
「いい事か。そうか。」
「…寛也に悪いとこないもん。」
「そりゃ嬉しいな。」
「あ、でも1個だけある。」
駿里にそう言われて俺は正直ドキッとした。駿里の事になると俺はどうしても自信を無くしてしまう部分があるからな。
「…なんだ?」
「怪我するとこ。」
駿里がまっすぐ俺の方を向いてそう言ってきた。それも真剣な顔で。本気でそう思ってくれてるんだろうな。
「…駿里。それはすまんな。」
「仕方ないってわかってる。お仕事柄そういうこともあるから。けど傷ついた寛也を見るのは好きじゃない。」
「そうだよな。ごめんな。」
駿里が悲しそうで不安そうな顔をしながらそう言ってくれた。そりゃそうだな。俺もお前が怪我すんのは嫌だからな。ちょっとの切り傷でも嫌になる。大袈裟に消毒して絆創膏やらを貼る。だからそれはお互い様だな。
「…あとね寛也。俺不安になるの。」
「ん?」
「寛也に傷を負わせるぐらい強い相手がいるんだって思うと怖いの。いつの間にか寛也がどっか行っちゃうんじゃないかって不安になるの。」
「…駿里。」
「分かってるんだよ。寛也はそんな事しないって。けど不安になるの。家で一人にいると不安になる。ちゃんと今日は帰ってきてくれるのかなって。今日は傷つかずに帰ってくるかなって。」
こいつはこんな思いをして留守番をしてたのか…。知らなかった。気づいてやれなかった。1番俺が近くにいるのにそれに気づいてやれねぇなんて俺は大馬鹿者だな。しかも駿里はそれを俺に悟られないように隠していた。そうさせたのは俺の責任だ。
「駿里。顔を上げてくれ。」
「…やだ。」
「なら抱きしめさせろ。」
「…………。」
はは、これは嫌じゃないんだな。なら思う存分抱きしめさせてもらうぞ。
「不安にさせてごめんな。留守番もちょくちょく1人でさせてすまない。お前には苦労ばかりかけてる。けど安心しろ。俺はお前を置いてどこにも行かない。俺がどこかに行く時は駿里も一緒だ。」
そうだ。俺は駿里を絶対に1人にしない。誰にも傷つけさせない。俺が生涯をかけて守ると誓った可愛いやつなんだから。
「だろ?駿里。お前は俺に着いてきてくれるもんな。」
「…行かないもん。」
はは、駿里拗ねてんなぁ。可愛いやつ。つか泣いてんじゃねぇか。俺ってやつは情けねぇ。愛するやつを泣かせてよ…。
「行かないかぁ。なら無理にでも連れていくしかないな。」
「…………いや。」
「嫌でも俺はお前に着いてきて欲しいから連れていくぞ。」
駿里は普段泣かない。泣かないって言うか我慢をする。なのに今はボロボロと泣いてる。俺の腕の中で。俺はここまで駿里に我慢させていたのか…。許せねぇな自分が。圷のことを言ってる場合じゃねぇよ。だから俺は泣いてる駿里を優しく抱きしめながら自分に怒った。
「そな…っ、もん。」
「んー?」
やべぇ。聞き取れなかった。駿里が泣いてっからちゃんと喋れてねぇ。そんなとこも可愛いな。愛らしい。
「………そんなこと、しなくても着いていくもん。」
「そりゃ嬉しいな。」
「…ちかやっ、ぁ」
「よしよし。大丈夫だ駿里。不安にさせて悪かった。」
こいつは留守番してる時こんな風に泣いていたんだろうか…。俺はこんな風に考えることしか出来ない。こいつが泣いていたのかそうじゃないのかも把握してない。最低だな俺は…。
「駿里。約束だ。」
「な、に…っ、」
「俺はもう傷を作らない。」
「…っ、つく、った、ら?」
「作らない。約束だからな。」
俺がそう言うと駿里が顔を上げてくれた。涙でいっぱいになった可愛い顔を見せてくれた。そんな駿里の頭を俺は優しく撫でた。
「ぜったい…っ。」
「ああ。約束だ。」
「あと、どこにも行かないって約束して…っ。」
駿里の言ったその言葉の意味は死なないでという意味だろう。そんなの当たり前だ。俺がお前を置いていくわけねぇ。
「約束だ。」
「うぅ…ぜったいだから…っ。」
「ああ。絶対だ。」
俺はどうやら思っていたよりも駿里に愛されていたらしい。俺ばかり駿里を好きになっていると不安だったがそうでも無い。こいつは俺の事を愛してる。本当に嬉しい限りだな。
「駿里。お前に俺からも約束して欲しい事があるんだがいいか?」
「…う、ん。」
「毎日とは言わない。時々でいいから愛してると言って欲しい。」
さっき駿里が海斗との話の流れて愛してると言ってくれて本当に嬉しかった。だがやはり直接言われたいものだ。だから俺は駄目元で駿里にそう言った。
「…うん。」
「いいのか?」
「うん、ちゃんと言う。」
「ありがとうな駿里。」
「だって俺…寛也のこと大好きだもん。」
「…………?」
今こいつ言ったよな…。俺の事大好きって言ったよな…?はは…急に来るかよ。可愛いやつだ。俺は思わず駿里を強く抱き締め唇にキスをした。
「もうっ…、寛也強い…!」
「お前が可愛いのが悪い。」
「なんだよそれ…っ!」
「愛してるぞ駿里。」
「……………っ。」
「守ってやる。嫌な事は俺が全部してやるから俺の傍で生きてくれ。」
「………俺も寛也を支えるからずっと隣にいてね。」
「当たり前だ。愛してる。」
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