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あや様リクエスト
お怒り…?
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*駿里視点
俺は御子柴さんが言ったある言葉が引っかかった。その言葉っていうのが寛也が心配してるって言うことだ。俺は寛也に気づかれないようにこっそり出てきた。その時寛也は寝てたんだ…。なのに心配してる…?それってつまり寛也が起きてるってこと…?
「そうだな。御子柴さんの言う通りだ。そろそろ帰ろう駿里。組長も心配してるからな。」
康二さんまでそう言ってる。どういうこと…?寛也っていつから起きてたの…?!ていうかなんで寛也が起きてることを御子柴さんと康二さんは知ってるの…!?
「ん?どうした駿里。焦った顔をして。帰りたくないのか?」
「そ、そういう事じゃ…なくて、」
いや帰りたくないかどうかで言えば帰りたくない。だって寛也が起きてるんだもん。それは話が違う…。だから心配してくれてる御子柴さんの目も見ずに俺はそう答えてしまった。
「どうしたんだ駿里。」
「御子柴さん。心配いらねぇっすよ。大丈夫です。駿里、駄々こねずに帰るぞ。組長は初めから起きてたんだから今ここで焦っても意味ねぇよ。」
「…うそ。」
初めから起きてた…?え、じゃあ康二さんが俺の後を着いてきたのって寛也の指示とかだったのかな…?
「嘘じゃねぇよ。組長が俺に言ったんだ。駿里の好きなようにさせていいからお前が駿里についててやれって。だから俺はお前の後を追ったんだ。」
「へぇ。坊ちゃん優しいところもあるんだな。まぁ康二がいれば安心ってのもあるんだろうけどな。」
知らなかった…。お仕置きした後で反省もせず俺が同じことをしようとしてたのにそれを止めずに寛也は俺の好きなようにさせてくれた…。俺…寛也に謝らなきゃ…。あと康二さんにもお礼を言わなきゃ…。俺のわがままに付き合わせちゃったから…。
「康二さん…。」
「ん?」
「ごめんなさい…。」
「あ?なんで駿里が謝るんだよ。」
「俺のわがままに付き合わせちゃったから。」
「はぁ?何を言い出すかと思えば。全く。俺は俺がしたいようにしてんだ。俺がお前と一緒にいたいと思ったから俺はお前について行ったんだ。めんどくさかったら行かねぇし。そもそも愛してるお前と一緒にいれるだけで俺は嬉しいし。だから謝るな。」
康二さんはいつもそうやって嬉しいことを言ってくれる。守ってくれる。本当に感謝しなきゃいけない。
「…うん。ありがとう康二さん。御子柴さんもありがとう。」
「いいよ。じゃあ戻ろうか駿里。」
「うん。」
俺がそう言うと康二さんと御子柴さんが俺の頭を撫でてきた。康二さんはいつも通りちょっと乱暴に。御子柴さんは優しく撫でてくれた。そんな2人の手が暖かくて俺は気づけば笑っていた。けどそんな幸せも長くは続かない。寛也が起きている。そのことが俺の頭から離れなくなっていた。
「…康二さん。」
「今度はどうした?って聞かなくても分かるわ。どうせお前組長怒ってるかなぁとか言うんだろ?」
「だって…。」
「大丈夫だって。怒ってたらまず俺に駿里と一緒に行けなんて言わねぇだろ。」
「駿里。康二の言う通りだ。坊ちゃんは怒ってたらそんなことは言わない。てことはそういうことだろ?怒ってないってことだ。」
「…うん。」
そうだよね…。怒ってない。けどそれが逆に俺の罪悪感を膨れ上げさせていく。悪いことした俺を見て見ぬふりしてくれて幸せな時間をくれた。その間寛也はどんな気持ちだったんだろ…。早く寛也に謝りたい。
「よし、着いたな。じゃあ俺はこの辺で。また明日なお前ら。」
「はい。御子柴さんありがとうございました。お気をつけて部屋までお戻りくださいね。」
「ああ。駿里もまたな。坊ちゃんときちんと話すんだぞ?」
「はい。」
「よし。いい子だ。じゃあな。」
そう言って歩き出した御子柴さんに康二さんと俺はぺこりと頭を下げた。そしてすぐさま俺は寛也がいるはずのこの部屋の中に入った。
「寛也…!」
「駿里。帰ってきたか。おかえり。」
黙って出ていった俺の姿を見た寛也は優しく微笑んで両手を広げてくれた。その寛也の腕の中に俺は飛び込んだ。
「寛也…ごめんなさい…。」
「ん?なんかやらかしたのか?」
「違いますよ組長。駿里はいい子でした。」
「ならなんで謝るんだ。」
と、寛也は俺に聞いてくれた。いつもなら俺が何かやらかしてないかを寛也は康二さんに徹底的に聞くのに今日は俺に聞いてくれた。それが少し嬉しかった。
「…寛也に黙って出て行っちゃったから。」
「康二がいただろ?だから別にいいじゃねぇか。お前は悪いことなんもしてねぇよ。それより聞かせてくれよ駿里。今の間何してたんだ?御子柴もいたようだな。」
寛也は優しい顔をしてそう俺に言ってくれた。そんな俺と寛也の近くに康二さんも座ってきた。
「そうなの…!御子柴さんから色んなお話聞かせてもらったんだ。」
「そうかそうか。俺にも聞かせてくれ。」
「いいよ!」
「ありがとう駿里。」
寛也はそう言って俺の事を膝に乗せた。その時あるものが目に入った。
「寛也。志方さんはずっと寝てるの…?」
「ああ。志方はずっと寝てる。俺と康二は寝が浅いほうだがそんな俺らに守られて生きてきたからか志方は一度寝ると中々起きない。」
「はは、志方さんらしい。」
「だな。」
俺は御子柴さんが言ったある言葉が引っかかった。その言葉っていうのが寛也が心配してるって言うことだ。俺は寛也に気づかれないようにこっそり出てきた。その時寛也は寝てたんだ…。なのに心配してる…?それってつまり寛也が起きてるってこと…?
「そうだな。御子柴さんの言う通りだ。そろそろ帰ろう駿里。組長も心配してるからな。」
康二さんまでそう言ってる。どういうこと…?寛也っていつから起きてたの…?!ていうかなんで寛也が起きてることを御子柴さんと康二さんは知ってるの…!?
「ん?どうした駿里。焦った顔をして。帰りたくないのか?」
「そ、そういう事じゃ…なくて、」
いや帰りたくないかどうかで言えば帰りたくない。だって寛也が起きてるんだもん。それは話が違う…。だから心配してくれてる御子柴さんの目も見ずに俺はそう答えてしまった。
「どうしたんだ駿里。」
「御子柴さん。心配いらねぇっすよ。大丈夫です。駿里、駄々こねずに帰るぞ。組長は初めから起きてたんだから今ここで焦っても意味ねぇよ。」
「…うそ。」
初めから起きてた…?え、じゃあ康二さんが俺の後を着いてきたのって寛也の指示とかだったのかな…?
「嘘じゃねぇよ。組長が俺に言ったんだ。駿里の好きなようにさせていいからお前が駿里についててやれって。だから俺はお前の後を追ったんだ。」
「へぇ。坊ちゃん優しいところもあるんだな。まぁ康二がいれば安心ってのもあるんだろうけどな。」
知らなかった…。お仕置きした後で反省もせず俺が同じことをしようとしてたのにそれを止めずに寛也は俺の好きなようにさせてくれた…。俺…寛也に謝らなきゃ…。あと康二さんにもお礼を言わなきゃ…。俺のわがままに付き合わせちゃったから…。
「康二さん…。」
「ん?」
「ごめんなさい…。」
「あ?なんで駿里が謝るんだよ。」
「俺のわがままに付き合わせちゃったから。」
「はぁ?何を言い出すかと思えば。全く。俺は俺がしたいようにしてんだ。俺がお前と一緒にいたいと思ったから俺はお前について行ったんだ。めんどくさかったら行かねぇし。そもそも愛してるお前と一緒にいれるだけで俺は嬉しいし。だから謝るな。」
康二さんはいつもそうやって嬉しいことを言ってくれる。守ってくれる。本当に感謝しなきゃいけない。
「…うん。ありがとう康二さん。御子柴さんもありがとう。」
「いいよ。じゃあ戻ろうか駿里。」
「うん。」
俺がそう言うと康二さんと御子柴さんが俺の頭を撫でてきた。康二さんはいつも通りちょっと乱暴に。御子柴さんは優しく撫でてくれた。そんな2人の手が暖かくて俺は気づけば笑っていた。けどそんな幸せも長くは続かない。寛也が起きている。そのことが俺の頭から離れなくなっていた。
「…康二さん。」
「今度はどうした?って聞かなくても分かるわ。どうせお前組長怒ってるかなぁとか言うんだろ?」
「だって…。」
「大丈夫だって。怒ってたらまず俺に駿里と一緒に行けなんて言わねぇだろ。」
「駿里。康二の言う通りだ。坊ちゃんは怒ってたらそんなことは言わない。てことはそういうことだろ?怒ってないってことだ。」
「…うん。」
そうだよね…。怒ってない。けどそれが逆に俺の罪悪感を膨れ上げさせていく。悪いことした俺を見て見ぬふりしてくれて幸せな時間をくれた。その間寛也はどんな気持ちだったんだろ…。早く寛也に謝りたい。
「よし、着いたな。じゃあ俺はこの辺で。また明日なお前ら。」
「はい。御子柴さんありがとうございました。お気をつけて部屋までお戻りくださいね。」
「ああ。駿里もまたな。坊ちゃんときちんと話すんだぞ?」
「はい。」
「よし。いい子だ。じゃあな。」
そう言って歩き出した御子柴さんに康二さんと俺はぺこりと頭を下げた。そしてすぐさま俺は寛也がいるはずのこの部屋の中に入った。
「寛也…!」
「駿里。帰ってきたか。おかえり。」
黙って出ていった俺の姿を見た寛也は優しく微笑んで両手を広げてくれた。その寛也の腕の中に俺は飛び込んだ。
「寛也…ごめんなさい…。」
「ん?なんかやらかしたのか?」
「違いますよ組長。駿里はいい子でした。」
「ならなんで謝るんだ。」
と、寛也は俺に聞いてくれた。いつもなら俺が何かやらかしてないかを寛也は康二さんに徹底的に聞くのに今日は俺に聞いてくれた。それが少し嬉しかった。
「…寛也に黙って出て行っちゃったから。」
「康二がいただろ?だから別にいいじゃねぇか。お前は悪いことなんもしてねぇよ。それより聞かせてくれよ駿里。今の間何してたんだ?御子柴もいたようだな。」
寛也は優しい顔をしてそう俺に言ってくれた。そんな俺と寛也の近くに康二さんも座ってきた。
「そうなの…!御子柴さんから色んなお話聞かせてもらったんだ。」
「そうかそうか。俺にも聞かせてくれ。」
「いいよ!」
「ありがとう駿里。」
寛也はそう言って俺の事を膝に乗せた。その時あるものが目に入った。
「寛也。志方さんはずっと寝てるの…?」
「ああ。志方はずっと寝てる。俺と康二は寝が浅いほうだがそんな俺らに守られて生きてきたからか志方は一度寝ると中々起きない。」
「はは、志方さんらしい。」
「だな。」
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