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あや様リクエスト
真実
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*駿里視点
「犯人がどうなったのか教えて欲しいんです。」
って俺が言うと槐さんは困った様子で黙り込んでしまった。そりゃそうだろう。聞かれたくないことだ。けど俺は槐さんが黙り込んだことで確信できた。この件には槐さんも関わってるってことを。
「…駿里。それは寛也にも聞いたのか?」
「聞いてません…。聞けなくて…。」
寛也にも聞こうと思ったら聞ける。だけどあの件は寛也にとって辛い記憶として残ったと思う。だからそれをわざわざ掘り返すってことが俺にはできなかった。だからこうして槐さんを頼ってる。
「そうか。」
「…教えてくれますか?」
「お前にその覚悟があるのなら言ってやる。」
さっきまで優しい表情だった槐さんの顔が真剣な顔になった。多分、いい話ではないんだろう。けど俺は知りたい。あの人達がどうなったのか…。
「はい。あります。」
「後悔はしねぇな?」
「はい。」
「それと寛也にも話すな。それを約束できるなら話してやる。」
「約束します。」
真剣な顔をしている槐さんに俺も真剣な顔をしてそう言った。そしたら槐さんは少し…ほんの少しだけ驚いた顔をした。
「…お前も強くなったもんだな。駿里。誇らしいぞ。」
「え…、そ、そうですか?」
「ああ。そんでお前が知りたいことについてだが…」
槐さんはそこまでいうと一呼吸置いた。それでその後俺の頭を優しく撫でてくれた。
「…生きている。」
「え…?」
「あいつらは生きてるんだ。」
…寛也。約束守ってくれたんだ。あの時俺が殺さないでって言ったから…。
「その理由は分かんねぇ。けどお前にとっちゃ怖い話だろ?だからこんな話はしたくなかったんだがな。」
違います槐さん。俺が言ったんです。寛也に。殺さないでって…。
「…………っ。」
「けどまぁ安心しろ。あいつらがもうお前に手を出してくることは無い。そもそも日本にも居られなくなっちまったからな。殺しはしてねぇみたいだが寛也が半殺しにしたみたいだから。そこまですんなら殺せばいいのによ。あいつのあの時の殺気づいた顔は今でも忘れられねぇよ。」
そうだったんだ…。俺また寛也に辛い思いをさせてしまった。いつも守られてばかりなのに…。
「槐さん。寛也、そんなに怒ってたんですか…?」
「そりゃ当然だろ。お前を傷つけられただけじゃなくて…まぁそれは掘り返す話じゃねぇな。けどなにはともあれ大切なお前にあんな思いをさせたんだ。寛也が怒らないわけねぇだろ?康二だってそうだ。それにお前だって寛也が酷い目に遭ったら怒るだろ?」
「はい。」
「はは、即答かよ。可愛いやつだ。」
って言いながら槐さんがまた俺の頭を優しく撫でてくれた。槐さんの手はとっても暖かいんだ。その手で触れられると心まであったまる感じがする。
「…けど俺には力がないから寛也を支えることしかまだ出来ません。」
「駿里。お前はそれでいいんだ。むしろそれでいい。そうすることで寛也に力を与えてやれてんだから。俺達だってそうだ。だから俺達もお前を助けるために協力した。」
やっぱりそうだったんだ。槐さん達も協力してくれていた。俺はなんて幸せものなんだろ。
「…ありがとうございます槐さん。」
「当たり前のことだ。だが謝らなきゃいけねぇこともある。」
「…なんですか?」
まぁそれがなんであっても俺は許す。だって槐さんには沢山助けられたから。
「力及ばずお前の救出が遅れてしまったことだ。それだけ相手がややこしいやつでな。」
…って槐さんがとても申し訳ない顔をして言ったんだ。謝るべきは俺なのに。仕事とか忙しい中俺を助けようと色々してくれた。だから…。
「槐さん。謝らないでください。それに謝るべきは俺です。それとお礼も言わせてください。本当にありがとうございました。」
「…駿里。お前は本当に立派になった。」
「そうな事ないですよ。」
「いいや。そんなことある。いつも寛也を支えてくれてありがとうな。」
「それに関しては任せてください!」
「はは、頼もしいじゃねぇか。」
「犯人がどうなったのか教えて欲しいんです。」
って俺が言うと槐さんは困った様子で黙り込んでしまった。そりゃそうだろう。聞かれたくないことだ。けど俺は槐さんが黙り込んだことで確信できた。この件には槐さんも関わってるってことを。
「…駿里。それは寛也にも聞いたのか?」
「聞いてません…。聞けなくて…。」
寛也にも聞こうと思ったら聞ける。だけどあの件は寛也にとって辛い記憶として残ったと思う。だからそれをわざわざ掘り返すってことが俺にはできなかった。だからこうして槐さんを頼ってる。
「そうか。」
「…教えてくれますか?」
「お前にその覚悟があるのなら言ってやる。」
さっきまで優しい表情だった槐さんの顔が真剣な顔になった。多分、いい話ではないんだろう。けど俺は知りたい。あの人達がどうなったのか…。
「はい。あります。」
「後悔はしねぇな?」
「はい。」
「それと寛也にも話すな。それを約束できるなら話してやる。」
「約束します。」
真剣な顔をしている槐さんに俺も真剣な顔をしてそう言った。そしたら槐さんは少し…ほんの少しだけ驚いた顔をした。
「…お前も強くなったもんだな。駿里。誇らしいぞ。」
「え…、そ、そうですか?」
「ああ。そんでお前が知りたいことについてだが…」
槐さんはそこまでいうと一呼吸置いた。それでその後俺の頭を優しく撫でてくれた。
「…生きている。」
「え…?」
「あいつらは生きてるんだ。」
…寛也。約束守ってくれたんだ。あの時俺が殺さないでって言ったから…。
「その理由は分かんねぇ。けどお前にとっちゃ怖い話だろ?だからこんな話はしたくなかったんだがな。」
違います槐さん。俺が言ったんです。寛也に。殺さないでって…。
「…………っ。」
「けどまぁ安心しろ。あいつらがもうお前に手を出してくることは無い。そもそも日本にも居られなくなっちまったからな。殺しはしてねぇみたいだが寛也が半殺しにしたみたいだから。そこまですんなら殺せばいいのによ。あいつのあの時の殺気づいた顔は今でも忘れられねぇよ。」
そうだったんだ…。俺また寛也に辛い思いをさせてしまった。いつも守られてばかりなのに…。
「槐さん。寛也、そんなに怒ってたんですか…?」
「そりゃ当然だろ。お前を傷つけられただけじゃなくて…まぁそれは掘り返す話じゃねぇな。けどなにはともあれ大切なお前にあんな思いをさせたんだ。寛也が怒らないわけねぇだろ?康二だってそうだ。それにお前だって寛也が酷い目に遭ったら怒るだろ?」
「はい。」
「はは、即答かよ。可愛いやつだ。」
って言いながら槐さんがまた俺の頭を優しく撫でてくれた。槐さんの手はとっても暖かいんだ。その手で触れられると心まであったまる感じがする。
「…けど俺には力がないから寛也を支えることしかまだ出来ません。」
「駿里。お前はそれでいいんだ。むしろそれでいい。そうすることで寛也に力を与えてやれてんだから。俺達だってそうだ。だから俺達もお前を助けるために協力した。」
やっぱりそうだったんだ。槐さん達も協力してくれていた。俺はなんて幸せものなんだろ。
「…ありがとうございます槐さん。」
「当たり前のことだ。だが謝らなきゃいけねぇこともある。」
「…なんですか?」
まぁそれがなんであっても俺は許す。だって槐さんには沢山助けられたから。
「力及ばずお前の救出が遅れてしまったことだ。それだけ相手がややこしいやつでな。」
…って槐さんがとても申し訳ない顔をして言ったんだ。謝るべきは俺なのに。仕事とか忙しい中俺を助けようと色々してくれた。だから…。
「槐さん。謝らないでください。それに謝るべきは俺です。それとお礼も言わせてください。本当にありがとうございました。」
「…駿里。お前は本当に立派になった。」
「そうな事ないですよ。」
「いいや。そんなことある。いつも寛也を支えてくれてありがとうな。」
「それに関しては任せてください!」
「はは、頼もしいじゃねぇか。」
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