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あや様リクエスト
喧嘩するほど仲がいい
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*駿里視点
「だからお前が組長の話を遮ったって言ってんだろうが。阿呆なのか志方てめぇはよぉ。」
「え、そうなのか?すみません組長。」
「別にいい。それよりも駿里、話聞かせろ。」
寛也って他の話で盛り上がっても絶対忘れないよね…。記憶力よすぎる。
「あ、そうだね。」
「駿里。話逸らすなよ。」
「分かってるよ寛也。そんな事しないって。」
「ならいい。さっさと言え。」
もちろん言うけどさ、怒んないって約束してねほんとに。って思ってるのにこれを直接言えない俺…。情けない。だってちょっと怖いんだもん。仕方ないよね。
「槐さんが心配してたの。寛也のこと。」
「は?俺の事を?兄貴が?」
「そうだよ。」
「嘘か?」
「違うよ。ほんとに。」
「兄貴がか…?」
「そうだって言ってるじゃん。」
なんで信じないんだばか寛也…!あ、そうか。分かった。槐さん、普段は寛也のことに関して何も言わないからだ。だから寛也はこんなに驚いてんだ。
「…そうか。」
「寛也、槐さんが寛也のこと心配してたの今日だけじゃないよ。」
「は?そうなのか?」
「うん。」
「いつだよそれ。」
「お義父さんの家に行ってた時。いつも心配してるよ。槐さんだけじゃなくて碓氷さんも。」
って俺が言ったら寛也はさらに驚いた顔をした。揃いも揃ってこの兄弟は正直じゃないな。まぁけどそこがいいんだろうね。俺も寛也のそういうとこ好きだもん。
「そ、そうか。」
「そうだよ。」
「それは知らなかったな。」
「だって俺、寛也にこのこと言ってなかったもん。康二さんとか志方さんにも言ってなかったから知らなくて当然だよ。」
「そうだよな。俺も初耳だ。なぁ志方。」
と、康二さん。
「ああ。俺もだ。なんつーかちょっと意外だ。槐さんと碓氷さんがそんな事するってのは…。ですよね組長。」
と、志方さんが言った。それに続くように寛也も…。
「ああ。自分の事しか基本考えないようなやつらだから驚いたな。だが少し気に食わねぇ。」
「何がですか?」
何故か急に怒り始めた寛也に康二さんがすぐさまそう聞いてくれた。
「んなの決まってんだろ。コソコソと駿里と兄貴が話してんのがってことだ。」
「ああ…確かに。それはそうですね。組長のおっしゃる通りです。」
そう言って志方さんが俺の事見てきた。それだけじゃない。寛也も見てるよ…。俺はこうなるのが嫌で黙ってたのに…っ。
「お、俺悪くないじゃんかっ、そんな顔しないでよ…っ!」
全くもって冤罪だ…!俺は聞かれたことを答えただけなんだから…!
「まぁそうだな。悪いのは兄貴だ。コソコソと俺の駿里と話しやがって。つーか康二、お前は何してたんだよ。俺がいない時駿里の見張り頼んでただろうが。」
「いやぁ…それがですね。」
「おい康二。濁すな。ちゃんと言え。」
「碓氷さんと槐さんに多分、やられました。」
「は?どういう事だ?」
寛也が康二さんにそう聞いたけど俺も康二さんの言っている意味がわからなかった。ちらっと志方さんの方を向いたけど志方さんもわかっていない様子だった。
「駿里。お前に組長の体調とかそういう細かい事聞いてきたのは槐さんだよな?」
って康二さんがばつ悪そう顔をしてそう言ってきた。
「そうだよ。」
「だよな。」
「康二さん。どういうこと?」
「俺そん時碓氷さんと話してたんだよ。覚えてねぇか?碓氷さんが俺と話したいことあるからその間槐さんがお前のこと引き取ってくれるって言った時のことを。」
…そんなことあったっけ?覚えてないよ。いや、思い出せるかな…。うーん。うーーん。うーーーん………あ。
「思い出した。うん。康二さんの言う通りだよ。」
「だろ?やられちまったな。槐さん達に。」
「おい康二。槐さん達のせいにしてんじゃねぇよ。お前だろ。お前がちゃんと駿里を見張んねぇからだろうが。」
「…悔しいが言い訳できねぇ。志方の言う通りだ。すみません組長。」
「いや、それなら仕方ねぇ。お前は兄貴に言いずらいこともあるだろうからな。」
「組長!康二に甘くねぇですか?!」
「日頃の行いだ、志方。」
「そんなぁ。それじゃあまるで俺が日頃の行い悪いみたいじゃないですか。」
じ、自覚ないの志方さんって…!俺驚きなんだけど…!
「何言ってんだ志方。馬鹿なのか?お前は日頃の行い悪いだろうが。駿里に対しては特にな。」
そう!そうだよ!康二さんもっと言って…!
「はぁ?それはお前もだろ康二。」
「お前にだけは言われたくねぇよ。お前よりかはマシだ。」
「喧嘩売ってんのかてめぇ。」
…これは、いつも通りの康二さんと志方さんの喧嘩になる流れだ。けど俺はこうなったらどうしたらいいか分かるんだ。過ごしてきた時間が長いからね。
「2人とも喧嘩やめて。」
「…おう。」
ほらね。康二さんは俺には弱いの。この技が使えるのは夜以外だけどね。
「たく、お前らは目を合わせたら喧嘩するのをどうにかしろ。はぁ…いい加減にやめろ。」
「まぁけど寛也、喧嘩するほど仲がいいって言うじゃん。それだけ実際康二さんも志方さんも仲良いからね。」
「そうだな駿里。」
あ、ここにも俺に甘い人がいた。俺に激甘な人。まぁけど寛也も夜は俺に対して酷いけどね…はは。
「うん。そうだよ。」
って俺が言ったら寛也が俺の頭を優しく撫でてくれた。その後寛也がまた話し始めた。
「よし、一段落着いたところで準備するか。康二、志方。お前らも自分の部屋行って明日の準備してこい。それが終わったら事務所に行って森廣、北風にこの件を伝えろ。俺が不在の間、組を頼むってな。それも終わったら圷に言え。お前も一緒に来いってな。」
「「承知しました。」」
「駿里。お前は俺と一緒に準備しよう。せっかく実家に帰るんだ。何泊かしていこう。」
「うん…!」
「だからお前が組長の話を遮ったって言ってんだろうが。阿呆なのか志方てめぇはよぉ。」
「え、そうなのか?すみません組長。」
「別にいい。それよりも駿里、話聞かせろ。」
寛也って他の話で盛り上がっても絶対忘れないよね…。記憶力よすぎる。
「あ、そうだね。」
「駿里。話逸らすなよ。」
「分かってるよ寛也。そんな事しないって。」
「ならいい。さっさと言え。」
もちろん言うけどさ、怒んないって約束してねほんとに。って思ってるのにこれを直接言えない俺…。情けない。だってちょっと怖いんだもん。仕方ないよね。
「槐さんが心配してたの。寛也のこと。」
「は?俺の事を?兄貴が?」
「そうだよ。」
「嘘か?」
「違うよ。ほんとに。」
「兄貴がか…?」
「そうだって言ってるじゃん。」
なんで信じないんだばか寛也…!あ、そうか。分かった。槐さん、普段は寛也のことに関して何も言わないからだ。だから寛也はこんなに驚いてんだ。
「…そうか。」
「寛也、槐さんが寛也のこと心配してたの今日だけじゃないよ。」
「は?そうなのか?」
「うん。」
「いつだよそれ。」
「お義父さんの家に行ってた時。いつも心配してるよ。槐さんだけじゃなくて碓氷さんも。」
って俺が言ったら寛也はさらに驚いた顔をした。揃いも揃ってこの兄弟は正直じゃないな。まぁけどそこがいいんだろうね。俺も寛也のそういうとこ好きだもん。
「そ、そうか。」
「そうだよ。」
「それは知らなかったな。」
「だって俺、寛也にこのこと言ってなかったもん。康二さんとか志方さんにも言ってなかったから知らなくて当然だよ。」
「そうだよな。俺も初耳だ。なぁ志方。」
と、康二さん。
「ああ。俺もだ。なんつーかちょっと意外だ。槐さんと碓氷さんがそんな事するってのは…。ですよね組長。」
と、志方さんが言った。それに続くように寛也も…。
「ああ。自分の事しか基本考えないようなやつらだから驚いたな。だが少し気に食わねぇ。」
「何がですか?」
何故か急に怒り始めた寛也に康二さんがすぐさまそう聞いてくれた。
「んなの決まってんだろ。コソコソと駿里と兄貴が話してんのがってことだ。」
「ああ…確かに。それはそうですね。組長のおっしゃる通りです。」
そう言って志方さんが俺の事見てきた。それだけじゃない。寛也も見てるよ…。俺はこうなるのが嫌で黙ってたのに…っ。
「お、俺悪くないじゃんかっ、そんな顔しないでよ…っ!」
全くもって冤罪だ…!俺は聞かれたことを答えただけなんだから…!
「まぁそうだな。悪いのは兄貴だ。コソコソと俺の駿里と話しやがって。つーか康二、お前は何してたんだよ。俺がいない時駿里の見張り頼んでただろうが。」
「いやぁ…それがですね。」
「おい康二。濁すな。ちゃんと言え。」
「碓氷さんと槐さんに多分、やられました。」
「は?どういう事だ?」
寛也が康二さんにそう聞いたけど俺も康二さんの言っている意味がわからなかった。ちらっと志方さんの方を向いたけど志方さんもわかっていない様子だった。
「駿里。お前に組長の体調とかそういう細かい事聞いてきたのは槐さんだよな?」
って康二さんがばつ悪そう顔をしてそう言ってきた。
「そうだよ。」
「だよな。」
「康二さん。どういうこと?」
「俺そん時碓氷さんと話してたんだよ。覚えてねぇか?碓氷さんが俺と話したいことあるからその間槐さんがお前のこと引き取ってくれるって言った時のことを。」
…そんなことあったっけ?覚えてないよ。いや、思い出せるかな…。うーん。うーーん。うーーーん………あ。
「思い出した。うん。康二さんの言う通りだよ。」
「だろ?やられちまったな。槐さん達に。」
「おい康二。槐さん達のせいにしてんじゃねぇよ。お前だろ。お前がちゃんと駿里を見張んねぇからだろうが。」
「…悔しいが言い訳できねぇ。志方の言う通りだ。すみません組長。」
「いや、それなら仕方ねぇ。お前は兄貴に言いずらいこともあるだろうからな。」
「組長!康二に甘くねぇですか?!」
「日頃の行いだ、志方。」
「そんなぁ。それじゃあまるで俺が日頃の行い悪いみたいじゃないですか。」
じ、自覚ないの志方さんって…!俺驚きなんだけど…!
「何言ってんだ志方。馬鹿なのか?お前は日頃の行い悪いだろうが。駿里に対しては特にな。」
そう!そうだよ!康二さんもっと言って…!
「はぁ?それはお前もだろ康二。」
「お前にだけは言われたくねぇよ。お前よりかはマシだ。」
「喧嘩売ってんのかてめぇ。」
…これは、いつも通りの康二さんと志方さんの喧嘩になる流れだ。けど俺はこうなったらどうしたらいいか分かるんだ。過ごしてきた時間が長いからね。
「2人とも喧嘩やめて。」
「…おう。」
ほらね。康二さんは俺には弱いの。この技が使えるのは夜以外だけどね。
「たく、お前らは目を合わせたら喧嘩するのをどうにかしろ。はぁ…いい加減にやめろ。」
「まぁけど寛也、喧嘩するほど仲がいいって言うじゃん。それだけ実際康二さんも志方さんも仲良いからね。」
「そうだな駿里。」
あ、ここにも俺に甘い人がいた。俺に激甘な人。まぁけど寛也も夜は俺に対して酷いけどね…はは。
「うん。そうだよ。」
って俺が言ったら寛也が俺の頭を優しく撫でてくれた。その後寛也がまた話し始めた。
「よし、一段落着いたところで準備するか。康二、志方。お前らも自分の部屋行って明日の準備してこい。それが終わったら事務所に行って森廣、北風にこの件を伝えろ。俺が不在の間、組を頼むってな。それも終わったら圷に言え。お前も一緒に来いってな。」
「「承知しました。」」
「駿里。お前は俺と一緒に準備しよう。せっかく実家に帰るんだ。何泊かしていこう。」
「うん…!」
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