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あや様リクエスト
ご機嫌
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*駿里視点
「もしもし槐さん。駿里です。」
『駿里。寛也が明日の予定がないからお前を連れて実家に来ると言ってくれたぞ。ありがとうな。お前のおかげで滅多に見ることが出来ねぇ寛也の姿を見ることが出来る。勿論駿里に会えることも嬉しい。だが寛也が心配でな。あいつは無茶ばかりする上に休まねぇから。』
そうだよね。俺もそう思います槐さん。だから俺が寛也のご実家に帰る時いつも聞いてくれるんだ。寛也の体調とかを。それを俺はいつも誇らしく伝える。そしたら槐さんもお義父さんも碓氷さんも安心した顔をしてくれるから。
「俺もそう思います槐さん。けど安心してください。俺がついてますから。」
『はは、そうだな。そりゃ安心だ。お前が来てからというもの寛也は丸くなった。本当に駿里には感謝している。明日会えるのが本当に楽しみだ。気をつけてくるんだぞ。康二達にもそう伝えてくれ。』
「はい。お伝えしときます。」
『頼んだ。ありがとうな。あ、あと寛也達にいじめられたらすぐに言うんだぞ。俺が助けてやるから。』
「あはは、ありがとうございます。」
『ああ。じゃあまた明日な。』
「はい。また明日。」
と、俺が言うと槐さんは電話を切った。だから俺は携帯を寛也に返そうと寛也の方を向いた。けどそしたら寛也が…。
「うわっ、もうなんだよ…!」
「なんだよじゃねぇ。兄貴と何話したんだ?」
寛也が急に俺の腕を引いてきて俺は寛也の腕の中に閉じ込められた。けど俺はその寛也の強引なところが少し…ほんの少しだけ好きだったりする。
「べ、別に何も話してないよ。」
「あ?なんで隠すんだ?俺に言えねぇことを話したのか?」
確かにそう言われればそうだ…。碓氷さんが寛也の心配してたよなんて言ったら寛也は機嫌が悪くなる気がするから…。
「そんなんじゃないって…!」
「なら言え。」
「寛也には言わない…!」
「なんでだよ。」
「何でもなの…!」
「兄貴にそう言われたのか?」
「違うよ。」
「ならなんで言わねぇんだよ。」
だって言ったら寛也、拗ねるじゃん!余計なこと話すなって!だから俺は寛也のことを思って隠してんのに!
「言えないんだもん…。」
「なんだよそれ。」
「でも別に悪いことじゃない。隠したい訳でもないよ。ただ俺は寛也のことを思って俺は言ってないの。」
「そうなのか?」
「そう。」
「でも気になる。言え。」
そんなに気になるのかぁ。じゃあ言うしかないね。仕方ないなぁもう。俺が寛也の立場だったら確かに気になるから。別に悪いことを話してたわけでもないからね。
「わかったよもう。」
「いい子じゃねぇか。」
「駿里。組長だけじゃなくて俺にも聞かせろ。気になってたんだ。」
「あ、そうだ。康二さんに伝えてって言われたことがあったんだった。」
「槐さんからか?」
「うん。」
「俺に?」
「そう。」
「なんて?」
「気をつけてきてねって。」
「…それだけか?」
うん。そうだよ。え?他になにか言って欲しかったことがあったのかな。
「それだけだった。」
「そうか。」
「康二さんは槐さんに何か言って欲しかったことがあったの?」
「ああ。」
「なんて言って欲しかったの?」
「おい駿里。康二より先に俺だ。兄貴と話してた事を答えろ。」
あ、そうだった。俺は康二さんとの会話に集中しすぎて寛也のことをすっかり忘れていた。危ない危ない。
「そうだった。ごめん寛也。あのね、槐さんが寛也のこと…」
「駿里!戻ったぞ!!」
心配してたよ、と俺が寛也に言おうとした時志方さんがリビングに入ってきた。だから俺は言おうとした大切な部分を寛也に伝えられなかった。
「…志方。てめぇ。」
「え?なんで怒ってるんですか組長。」
今部屋に入ってきたばかりの志方さんは状況が分からず起こっている寛也に混乱している様子だった。いつも通りのこの日常。ずっと…毎日見ていたはずなのに今日はなんだかこの日常が幸せに感じる。
「お前が空気を読まないからだ志方。退席しろ。どっか行け。」
「はぁ?意味わかんねぇこと言うなよ康二。」
「たく、どいつもこいつも…。」
「いやいや、え?状況説明してくださいよ組長。」
「もしもし槐さん。駿里です。」
『駿里。寛也が明日の予定がないからお前を連れて実家に来ると言ってくれたぞ。ありがとうな。お前のおかげで滅多に見ることが出来ねぇ寛也の姿を見ることが出来る。勿論駿里に会えることも嬉しい。だが寛也が心配でな。あいつは無茶ばかりする上に休まねぇから。』
そうだよね。俺もそう思います槐さん。だから俺が寛也のご実家に帰る時いつも聞いてくれるんだ。寛也の体調とかを。それを俺はいつも誇らしく伝える。そしたら槐さんもお義父さんも碓氷さんも安心した顔をしてくれるから。
「俺もそう思います槐さん。けど安心してください。俺がついてますから。」
『はは、そうだな。そりゃ安心だ。お前が来てからというもの寛也は丸くなった。本当に駿里には感謝している。明日会えるのが本当に楽しみだ。気をつけてくるんだぞ。康二達にもそう伝えてくれ。』
「はい。お伝えしときます。」
『頼んだ。ありがとうな。あ、あと寛也達にいじめられたらすぐに言うんだぞ。俺が助けてやるから。』
「あはは、ありがとうございます。」
『ああ。じゃあまた明日な。』
「はい。また明日。」
と、俺が言うと槐さんは電話を切った。だから俺は携帯を寛也に返そうと寛也の方を向いた。けどそしたら寛也が…。
「うわっ、もうなんだよ…!」
「なんだよじゃねぇ。兄貴と何話したんだ?」
寛也が急に俺の腕を引いてきて俺は寛也の腕の中に閉じ込められた。けど俺はその寛也の強引なところが少し…ほんの少しだけ好きだったりする。
「べ、別に何も話してないよ。」
「あ?なんで隠すんだ?俺に言えねぇことを話したのか?」
確かにそう言われればそうだ…。碓氷さんが寛也の心配してたよなんて言ったら寛也は機嫌が悪くなる気がするから…。
「そんなんじゃないって…!」
「なら言え。」
「寛也には言わない…!」
「なんでだよ。」
「何でもなの…!」
「兄貴にそう言われたのか?」
「違うよ。」
「ならなんで言わねぇんだよ。」
だって言ったら寛也、拗ねるじゃん!余計なこと話すなって!だから俺は寛也のことを思って隠してんのに!
「言えないんだもん…。」
「なんだよそれ。」
「でも別に悪いことじゃない。隠したい訳でもないよ。ただ俺は寛也のことを思って俺は言ってないの。」
「そうなのか?」
「そう。」
「でも気になる。言え。」
そんなに気になるのかぁ。じゃあ言うしかないね。仕方ないなぁもう。俺が寛也の立場だったら確かに気になるから。別に悪いことを話してたわけでもないからね。
「わかったよもう。」
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「駿里。組長だけじゃなくて俺にも聞かせろ。気になってたんだ。」
「あ、そうだ。康二さんに伝えてって言われたことがあったんだった。」
「槐さんからか?」
「うん。」
「俺に?」
「そう。」
「なんて?」
「気をつけてきてねって。」
「…それだけか?」
うん。そうだよ。え?他になにか言って欲しかったことがあったのかな。
「それだけだった。」
「そうか。」
「康二さんは槐さんに何か言って欲しかったことがあったの?」
「ああ。」
「なんて言って欲しかったの?」
「おい駿里。康二より先に俺だ。兄貴と話してた事を答えろ。」
あ、そうだった。俺は康二さんとの会話に集中しすぎて寛也のことをすっかり忘れていた。危ない危ない。
「そうだった。ごめん寛也。あのね、槐さんが寛也のこと…」
「駿里!戻ったぞ!!」
心配してたよ、と俺が寛也に言おうとした時志方さんがリビングに入ってきた。だから俺は言おうとした大切な部分を寛也に伝えられなかった。
「…志方。てめぇ。」
「え?なんで怒ってるんですか組長。」
今部屋に入ってきたばかりの志方さんは状況が分からず起こっている寛也に混乱している様子だった。いつも通りのこの日常。ずっと…毎日見ていたはずなのに今日はなんだかこの日常が幸せに感じる。
「お前が空気を読まないからだ志方。退席しろ。どっか行け。」
「はぁ?意味わかんねぇこと言うなよ康二。」
「たく、どいつもこいつも…。」
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