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誘拐
近い!
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「あの、寛也…。」
駿里はあれから寛也と一緒に家に戻ってきた。だから幸せ満点って感じで充実した時間を過ごしていた。しかしあまりにも寛也がそばに来て離れようとしないので駿里は少し困惑していた。トイレに行く時も少し立ち上がってどこかに行こうとする時も着いてくる。それもぴったりと。そのため駿里は少し寛也と離れようと口を開いた。
「あ?なんだ。」
「俺、あっちに行きたいなぁ…なんて、」
「そうか。なら抱きかかえてやる。」
「い、いや自分で行けるから…!」
「駄目だ。担いでやる。」
やっぱりこうなってしまった。駿里は思ってたよりも寛也が離れようとしないからどうしたらいいのか分からない。それに駿里が離れようとすると言っても所詮家の中でだ。だから目の届く範囲にいる。なのに寛也はそれでも離れようとしないのだ。
「大丈夫だって!すぐそこだから!」
「駄目だ。ほら行きたいなら行くぞ。」
「やっ、ちょ!」
寛也は嫌がる駿里を問答無用で抱き上げた。そのため駿里は大暴れで声を荒らげる。
「なんだ。どうして暴れる。」
「自分で行けるから…っ!」
「駄目だって言ってんだろ。」
「なんでだよ…!」
「なんでもだ。俺から離れようとするな。」
「ちがっ、ちょっとだけじゃん!」
「だから駄目っつってんだろ。いい加減にしねぇとくすぐるぞ?」
寛也が少し怒り気味にそう言った。そのため駿里は大人しくするしかなかった。寛也のその言葉が嘘ではないように思えたから。
「…、っ、やだ。」
「なら大人しく運ばれろ。いいな?」
「うぅ……。」
「駿里、返事は?」
「…はい。」
「いい子だ。」
駿里はここに戻ってきてからもかなりのトラウマが残っていた。寛也に置いていかれたあの悲壮感。そして知らない男たちに好き放題された恐怖。だがそれを忘れさせるぐらい寛也がうっとおしくて駿里は疲れ果てそうになっていた。
「駿里。お前の目当てのもんはこれか?」
「…あ、う、うん。」
駿里がぼーっとしていると寛也がそう言ってあるお菓子を手に取っていた。そのため駿里は頷いてそう言った。すると寛也が駿里の顔を覗き込んで笑ってきた。
「な、なんだよ寛也っ、ジロジロ見ないで…っ。」
「お前が可愛い顔してるからだろ。」
「してないから!」
「いいや、してるさ。つかお前擽られるの本当に苦手なんだな。」
「な、っ、なんだよ急に!」
「だってあんなに騒いでたのに擽るって言った途端に大人しくなったじゃねぇか。」
「…苦手なものは苦手なんだ。」
駿里は松下に嫌ってほど擽られているけれどやはり慣れるものでは無い。どれだけ擽られてもくすぐったいものはくすぐったいし嫌なものは嫌なのだ。
「そうかそうか。俺にも苦手なものがあるからその気持ちはよくわかる。」
「…苦手なもの?寛也にも?」
「ああ。」
「寛也にもそんなのあるんだ。」
「当たり前だ。俺だって人間だからな。」
寛也の苦手なもの…。何なのだろうか…。駿里はふと考えて見たけれどやはり想像出来なかった。だから駿里は単刀直入に聞くことにした。
「寛也の苦手なものってなんなの?」
「知りたいか?」
「うん。」
「まぁそれはとりあえずソファに戻ってからだな。」
「あ、うん。」
今駿里は寛也に担がれている状態だ。居心地がいいためそのまま話してしまったが寛也は今立ちっぱなしだ。だから駿里は寛也の言ったことに頷いた。座って話したいから。
「よし。下ろすぞ。」
「うん。」
ソファに着くと寛也がこれでもかってほど優しく駿里のことをソファに下ろしてくれた。そしてその後すぐさま寛也も駿里の隣に腰を下ろした。
「それで苦手なものってなんなの?」
「そんなに知りてぇのか?」
「うん。」
「ならキスしてみろ。」
「…ん?」
キス…?突如寛也がそんなことを言ってきたので駿里は驚きのあまりフリーズしてしまった。そんな駿里を寛也は急かしてくる。
「おら早くしろ。知りたいならやれ。」
「……俺が?」
「他に誰がいる。」
寛也の苦手なものを知りたい駿里。だがキスをするのはまだどうしても恥ずかしいのだ。そのため駿里は考えた。そして考えた結果駿里は…。
「ち、ちかや…。」
「ん?どうした可愛い顔をして。」
「…は、恥ずかしいから目つぶってて。」
「それは無理だ。それなら教えてやんねぇ。」
照れている駿里のをニヤニヤしながら見ていた寛也だったが目をつぶってと言われて表情が一変した。怒っている訳では無いが笑みが寛也の顔から消えた。そのため駿里は不貞腐れた顔をして寛也を見た。
「…けち。寛也のけち。」
「おいなんだって?そんなこと言うやつはくすぐり倒してやろうか?」
「や、やだ!」
「ならさっさとしろ。俺の気が変わらないうちにな。」
「…わかったよ。」
寛也の気が変わってしまえば苦手なものが聞けない。そう思ったので勇気を振り絞って駿里は寛也の唇にキスをした。けれど恥ずかしくてたまらなくなったから駿里はキスをしたあと寛也の顔が見れなくなってしまった。
「いい子だ。りんごみてぇに顔赤くなってんぞ駿里。」
「…う、うるさいっ、キスしたんだから教えて!」
「そうだな。俺の苦手な事ってのはお前が俺の傍から離れようとすることだ。」
「…おれ?」
駿里は想像もしていなかったことを寛也の口から聞いて思わず首を傾げた。駿里は虫とか食べ物とかそういうのを想像していた。なのに自分と言われて目を丸くせざるを得なかった。
「そうだ。だからやめろ、な?俺から離れようとすんな。」
「…それは、家の中でも?」
「ああ。風呂の中でも飯食ってる時もだ。俺から離れることは許さん。」
「そ、そんなの無理だよ!」
ずっと一緒だなんて現実的に無理すぎる。一人の時間も大切だから。それに駿里に寛也がずっと付きっきりになるとなれば寛也が大変になる。寛也には仕事だってあるから。なのに寛也は…。
「無理じゃねぇ。やれ。どうしても出来ねぇって言うなら俺から離れる度に耳を舐め倒してやろうか?そしたら出来るだろ。」
「み、っ、それはいや!」
寛也のとんでもない脅しに駿里は首を横に振った。そんな駿里を見て安心した様子の表情を寛也は浮かべた。多分寛也はまだ不安なのだろう。駿里がいつフラッシュバックしてパニックを起こすか分からないから。だから無理してでも無理矢理でも駿里のそばにいたいのだ。
「だったら離れるな。そもそもそれが出来てりゃいいんだからな。分かったか駿里。」
「…お、横暴だ!」
「ああ。そうさ。俺はお前を縛り付けたいぐらいに愛してんだから。」
「…………っ!」
「顔真っ赤じゃねぇか。愛してるって言われて照れたのか?」
その通り。寛也の言う通りだ。駿里は不意に言われた愛してるに照れてしまった。そしてそれを隠せないぐらい顔を赤く染めた。そんな駿里の頬を寛也は軽く噛んだ。
「…か、噛むなっ、」
「お前の顔が可愛いのが悪い。ほらこっち向いてみろ。今度は俺がキスしてやる。」
「い、いいっ、」
「お前に拒否権はねぇ。」
「なっ、おうぼ…っ、んん!!」
駿里が顔を背けて寛也のキスから逃げようとしたが寛也はそれを許さなかった。それは知っていたから。駿里が照れ隠しで逃げていたということ。だから寛也は無理やりでも駿里にキスをした。
「ふっ……、ぅ、んんっ、………ぷはっ!」
「可愛いやつめ。」
「…こ、こっち見ないでっ!」
駿里は寛也の表情一つ一つにドキドキしてしまう。寛也に触れられる度そこが熱くなる。まるで熱が出たように。それは言うまでもなく駿里が寛也を愛しているから。だがだからこそ駿里は恥ずかしかった。そのためそう言ってしまった。
「見るなって?そんなの無理だろ。」
「やだ…っ!」
「こら駿里。顔を隠すな。」
「やだってっ、」
「恥ずかしがってんじゃねぇよ。お前の可愛い顔を見せろ。」
「あ、ちょ…!」
寛也は駿里の手を片手で掴みそのまま駿里をソファに押し倒した。そして寛也は駿里に覆い被さった。
「お、おもい…!」
「体重かけてねぇんだから重くねぇだろ。嘘つくな。」
「だ、だって、近いっ!」
「んー?それの何が悪いんだ?」
「やだなのっ!」
「はっ…可愛いなぁお前は。このまま食っちまいたい。」
「やだっ、だめだからっ!」
「そんなに嫌か?」
「いやっ!」
嘘だ。嫌じゃない。駿里は嫌なんかじゃない。ただ少し怖かった。あんな風に玩具のように扱われてそんな汚い体で寛也に抱かれるなんて怖かったのだ。嫌われてしまうのではないか…と。
「そうか?俺には期待してるように見えるがな。」
「…………っ。」
寛也は駿里を試した。ここで抱けるか否かということ。先延ばしにすればするほど駿里の中でセックスの恐怖が大きくなる。だから寛也は慎重に…慎重にことを進めた。
「駿里。お前は本当に嫌なのか?」
「いや…!」
「本音かそれは。」
「ほん、ね…。」
「駿里。俺はお前の気持ちが知りたい。聞かせてくれ。」
「………っ、いやっ、なわけ、ないじゃっ、ん」
「良かった。それなら良かった。」
「……………っ、ぅ、」
「そうだな。好きなだけ泣けばいい。俺がずっと近くにいてやるから、な?」
駿里はあれから寛也と一緒に家に戻ってきた。だから幸せ満点って感じで充実した時間を過ごしていた。しかしあまりにも寛也がそばに来て離れようとしないので駿里は少し困惑していた。トイレに行く時も少し立ち上がってどこかに行こうとする時も着いてくる。それもぴったりと。そのため駿里は少し寛也と離れようと口を開いた。
「あ?なんだ。」
「俺、あっちに行きたいなぁ…なんて、」
「そうか。なら抱きかかえてやる。」
「い、いや自分で行けるから…!」
「駄目だ。担いでやる。」
やっぱりこうなってしまった。駿里は思ってたよりも寛也が離れようとしないからどうしたらいいのか分からない。それに駿里が離れようとすると言っても所詮家の中でだ。だから目の届く範囲にいる。なのに寛也はそれでも離れようとしないのだ。
「大丈夫だって!すぐそこだから!」
「駄目だ。ほら行きたいなら行くぞ。」
「やっ、ちょ!」
寛也は嫌がる駿里を問答無用で抱き上げた。そのため駿里は大暴れで声を荒らげる。
「なんだ。どうして暴れる。」
「自分で行けるから…っ!」
「駄目だって言ってんだろ。」
「なんでだよ…!」
「なんでもだ。俺から離れようとするな。」
「ちがっ、ちょっとだけじゃん!」
「だから駄目っつってんだろ。いい加減にしねぇとくすぐるぞ?」
寛也が少し怒り気味にそう言った。そのため駿里は大人しくするしかなかった。寛也のその言葉が嘘ではないように思えたから。
「…、っ、やだ。」
「なら大人しく運ばれろ。いいな?」
「うぅ……。」
「駿里、返事は?」
「…はい。」
「いい子だ。」
駿里はここに戻ってきてからもかなりのトラウマが残っていた。寛也に置いていかれたあの悲壮感。そして知らない男たちに好き放題された恐怖。だがそれを忘れさせるぐらい寛也がうっとおしくて駿里は疲れ果てそうになっていた。
「駿里。お前の目当てのもんはこれか?」
「…あ、う、うん。」
駿里がぼーっとしていると寛也がそう言ってあるお菓子を手に取っていた。そのため駿里は頷いてそう言った。すると寛也が駿里の顔を覗き込んで笑ってきた。
「な、なんだよ寛也っ、ジロジロ見ないで…っ。」
「お前が可愛い顔してるからだろ。」
「してないから!」
「いいや、してるさ。つかお前擽られるの本当に苦手なんだな。」
「な、っ、なんだよ急に!」
「だってあんなに騒いでたのに擽るって言った途端に大人しくなったじゃねぇか。」
「…苦手なものは苦手なんだ。」
駿里は松下に嫌ってほど擽られているけれどやはり慣れるものでは無い。どれだけ擽られてもくすぐったいものはくすぐったいし嫌なものは嫌なのだ。
「そうかそうか。俺にも苦手なものがあるからその気持ちはよくわかる。」
「…苦手なもの?寛也にも?」
「ああ。」
「寛也にもそんなのあるんだ。」
「当たり前だ。俺だって人間だからな。」
寛也の苦手なもの…。何なのだろうか…。駿里はふと考えて見たけれどやはり想像出来なかった。だから駿里は単刀直入に聞くことにした。
「寛也の苦手なものってなんなの?」
「知りたいか?」
「うん。」
「まぁそれはとりあえずソファに戻ってからだな。」
「あ、うん。」
今駿里は寛也に担がれている状態だ。居心地がいいためそのまま話してしまったが寛也は今立ちっぱなしだ。だから駿里は寛也の言ったことに頷いた。座って話したいから。
「よし。下ろすぞ。」
「うん。」
ソファに着くと寛也がこれでもかってほど優しく駿里のことをソファに下ろしてくれた。そしてその後すぐさま寛也も駿里の隣に腰を下ろした。
「それで苦手なものってなんなの?」
「そんなに知りてぇのか?」
「うん。」
「ならキスしてみろ。」
「…ん?」
キス…?突如寛也がそんなことを言ってきたので駿里は驚きのあまりフリーズしてしまった。そんな駿里を寛也は急かしてくる。
「おら早くしろ。知りたいならやれ。」
「……俺が?」
「他に誰がいる。」
寛也の苦手なものを知りたい駿里。だがキスをするのはまだどうしても恥ずかしいのだ。そのため駿里は考えた。そして考えた結果駿里は…。
「ち、ちかや…。」
「ん?どうした可愛い顔をして。」
「…は、恥ずかしいから目つぶってて。」
「それは無理だ。それなら教えてやんねぇ。」
照れている駿里のをニヤニヤしながら見ていた寛也だったが目をつぶってと言われて表情が一変した。怒っている訳では無いが笑みが寛也の顔から消えた。そのため駿里は不貞腐れた顔をして寛也を見た。
「…けち。寛也のけち。」
「おいなんだって?そんなこと言うやつはくすぐり倒してやろうか?」
「や、やだ!」
「ならさっさとしろ。俺の気が変わらないうちにな。」
「…わかったよ。」
寛也の気が変わってしまえば苦手なものが聞けない。そう思ったので勇気を振り絞って駿里は寛也の唇にキスをした。けれど恥ずかしくてたまらなくなったから駿里はキスをしたあと寛也の顔が見れなくなってしまった。
「いい子だ。りんごみてぇに顔赤くなってんぞ駿里。」
「…う、うるさいっ、キスしたんだから教えて!」
「そうだな。俺の苦手な事ってのはお前が俺の傍から離れようとすることだ。」
「…おれ?」
駿里は想像もしていなかったことを寛也の口から聞いて思わず首を傾げた。駿里は虫とか食べ物とかそういうのを想像していた。なのに自分と言われて目を丸くせざるを得なかった。
「そうだ。だからやめろ、な?俺から離れようとすんな。」
「…それは、家の中でも?」
「ああ。風呂の中でも飯食ってる時もだ。俺から離れることは許さん。」
「そ、そんなの無理だよ!」
ずっと一緒だなんて現実的に無理すぎる。一人の時間も大切だから。それに駿里に寛也がずっと付きっきりになるとなれば寛也が大変になる。寛也には仕事だってあるから。なのに寛也は…。
「無理じゃねぇ。やれ。どうしても出来ねぇって言うなら俺から離れる度に耳を舐め倒してやろうか?そしたら出来るだろ。」
「み、っ、それはいや!」
寛也のとんでもない脅しに駿里は首を横に振った。そんな駿里を見て安心した様子の表情を寛也は浮かべた。多分寛也はまだ不安なのだろう。駿里がいつフラッシュバックしてパニックを起こすか分からないから。だから無理してでも無理矢理でも駿里のそばにいたいのだ。
「だったら離れるな。そもそもそれが出来てりゃいいんだからな。分かったか駿里。」
「…お、横暴だ!」
「ああ。そうさ。俺はお前を縛り付けたいぐらいに愛してんだから。」
「…………っ!」
「顔真っ赤じゃねぇか。愛してるって言われて照れたのか?」
その通り。寛也の言う通りだ。駿里は不意に言われた愛してるに照れてしまった。そしてそれを隠せないぐらい顔を赤く染めた。そんな駿里の頬を寛也は軽く噛んだ。
「…か、噛むなっ、」
「お前の顔が可愛いのが悪い。ほらこっち向いてみろ。今度は俺がキスしてやる。」
「い、いいっ、」
「お前に拒否権はねぇ。」
「なっ、おうぼ…っ、んん!!」
駿里が顔を背けて寛也のキスから逃げようとしたが寛也はそれを許さなかった。それは知っていたから。駿里が照れ隠しで逃げていたということ。だから寛也は無理やりでも駿里にキスをした。
「ふっ……、ぅ、んんっ、………ぷはっ!」
「可愛いやつめ。」
「…こ、こっち見ないでっ!」
駿里は寛也の表情一つ一つにドキドキしてしまう。寛也に触れられる度そこが熱くなる。まるで熱が出たように。それは言うまでもなく駿里が寛也を愛しているから。だがだからこそ駿里は恥ずかしかった。そのためそう言ってしまった。
「見るなって?そんなの無理だろ。」
「やだ…っ!」
「こら駿里。顔を隠すな。」
「やだってっ、」
「恥ずかしがってんじゃねぇよ。お前の可愛い顔を見せろ。」
「あ、ちょ…!」
寛也は駿里の手を片手で掴みそのまま駿里をソファに押し倒した。そして寛也は駿里に覆い被さった。
「お、おもい…!」
「体重かけてねぇんだから重くねぇだろ。嘘つくな。」
「だ、だって、近いっ!」
「んー?それの何が悪いんだ?」
「やだなのっ!」
「はっ…可愛いなぁお前は。このまま食っちまいたい。」
「やだっ、だめだからっ!」
「そんなに嫌か?」
「いやっ!」
嘘だ。嫌じゃない。駿里は嫌なんかじゃない。ただ少し怖かった。あんな風に玩具のように扱われてそんな汚い体で寛也に抱かれるなんて怖かったのだ。嫌われてしまうのではないか…と。
「そうか?俺には期待してるように見えるがな。」
「…………っ。」
寛也は駿里を試した。ここで抱けるか否かということ。先延ばしにすればするほど駿里の中でセックスの恐怖が大きくなる。だから寛也は慎重に…慎重にことを進めた。
「駿里。お前は本当に嫌なのか?」
「いや…!」
「本音かそれは。」
「ほん、ね…。」
「駿里。俺はお前の気持ちが知りたい。聞かせてくれ。」
「………っ、いやっ、なわけ、ないじゃっ、ん」
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