極道の密にされる健気少年

安達

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誘拐

連れ去り *

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「いい子にしてるんだぞ。」

「もうわかったってば…!」



寛也は今から外に出る。それは仕事だからだ。だがその仕事に幹部を全員連れていくのだ。つまりこのマンションから寛也の信頼する部下が消える。だから寛也はこうして執拗いほどに駿里にそう言っているのだ。とにかく駿里が一人でいるのが心配でたまらないから。



「何かあれば必ず連絡しろ、な?俺の携帯番号覚えてるか?」

「覚えてる…!」



電話番号…。これも3回ほど寛也に聞かれた。だから駿里は声を荒らげてしまう。寛也が心配してくれてそう言ってくれているのは分かっているけどいい加減にしつこいから。



「ああそうだ。駿里、電話はこれかあれでするんだぞ。」

「しつこいっ、大丈夫だってば…!!!」

「心配でたまんねぇんだよ。仕事行くのやめてぇぐらいにな。」

「だめっ、仕事は行って…!」

「お前に何もねぇか心配でたまんねぇ。」

「家にいるのになにか起きるわけないじゃん…。」



駿里はもう呆れ顔だ。あまりにも寛也がしつこい。もう黙って欲しいほどに。だが寛也はそれでも駿里が心配でたまらないようで駿里を引き寄せて抱きしめた。



「たった半日1人になるだけじゃんっ、大丈夫だよ。」

「そうなんだが…。」

「大丈夫。俺何もせずにいい子で待ってるから。だから安心して仕事に行ってきて。ね、寛也。」

「ならいいが。絶対に何かあればすぐ連絡な。」

「うん。行ってらっしゃい。」

「行ってくる。」



と、言ったものの寛也はそこからまたぐずった。だから駿里は寛也の背中を押して無理やり仕事に行かせた。そんな寛也が出ていって駿里ははぁーっとソファに腰を下ろした。



「やっと行った…。心配性なんだから…。」



そういい駿里は目を閉じた。少し疲れてしまったから。だからちょっと寝ようとしたのだ。しかしその時玄関が開く音がした。



「あれ…忘れ物かな。」



駿里は寛也がまた帰ってきたのかと思い玄関の方まで行くことにした。そもそもこの部屋には寛也以外の人は寛也の許可なしでは来れないから。だから寛也が戻ってきたと駿里は思っていた。しかし…。



「え……。」



駿里が玄関に行ってみれば全く知らない人がいた。それも旭川組の人ではない人。だって旭川組の人はこの部屋には幹部以外来ないから。そして駿里は幹部の顔を全員知っている。だが今玄関にいる人は幹部ではない。と、なればこの人は…?



「ど、なたですか…?」

「お前が漲 駿里だな。」



玄関に入ってきた人物は1人。その男が駿里にそう言ってきた。だから駿里はものすごい嫌な予感に襲われた。自分のことを知っている。それもその男はスーツを着ている。ということは間違えなくこの男はヤクザだ。



「…そうですけど誰ですか?」

「いいから俺と来い。」

「…行きません。」



駿里は男の狙いが自分だとわかると1歩後ろに下がった。とりあえず距離を取らないと捕まってしまうから。力では勝つことが出来ない。だからすぐに電話をしたい。だがきっとすぐに追いつかれて掴まって電話が出来なくなるだろう。そのため駿里は機会を伺っていたのだ。寛也に助けを求められる機会を。



「チッ、めんどくせぇな。だが顔はいい。まぁあの方がお前に興味が湧くのも理解できるな。けどよぉ、お前に拒否権はねぇんだよ。さっさとしろ。こっちは時間がねぇんだよ。」

「…知りません。それに俺を連れ去ったらどうなるか分かりませんよ。」



と、駿里が言うと何故か男は笑ってきた。それも奇妙な笑い方で。どこかおかしい。薬でもやっているかのような情緒だった。だから駿里は思わず怖くなってしまう。こんな人とこれまで関わったことがないから。



「おいおいお前が言うそれって旭川の事か?笑わせんじゃねぇ。そもそもお前はその旭川に連れ去られてここにいるんじゃねぇか。」

「そうだけど…今は違います。」

「へぇ…そうかよ。つかんなことどうでもいいんだよ。いいから来い。」

「行きません。俺は絶対行きませんから。」

「てめぇあんまり舐めてっと痛い目見んぞ。」

「…やって見ろよ。」



駿里は強気でそう返した。隙を見せればすぐに負けてしまうから。だから怖気づくことなく頑張ってそう返した。だが怖いものはやっぱり怖かった。



「言うじゃねぇか。ビビりまくってるくせに。」

「…そんなこと、ない!」

「嘘が下手だな。だがやはり顔はいい。男は無理だと思ってたがお前ならいける。」

「だまれっ、そもそもなんでここにいるんだ…っ、ここは寛也の許可無しじゃ入れないのに…!」

「甘いな。そうやって甘ったれた考えだからお前は今こんな目に遭ってんだよ。」



男がそう言いながら不敵な笑みを浮かべて駿里に近づいてきた。そのため駿里は後ろに下がっていく。この男と距離を縮めたらまずい。そう思ったから。



「はは、馬鹿だなお前。俺からは逃げられねぇよ。」



後ろに下がり逃げようとする駿里を笑いながら男は歩いてくる。どうしよう。駿里は最大のピンチを迎えてしまう。この状況では逃げることが出来ない。けど相手は1人だ。もしかしたら逃げられるのでは…?と、駿里が思ったその時…!



「おい。チンたらすんな。旭川が帰ってきたらどうすんだよ。」



最悪だ。もう1人居た。それもその男は先に玄関に侵入してきた男よりも強そうな男だ。だから駿里はとりあえず時間だけでも稼ぐことにした。寛也がもしかしたら監視カメラを見て助けに来てくれるかもしれないから…。



「こいつ俺が歩くと後ろに下がんだよ。それが面白くてよ。」

「はぁ…。馬鹿の考える事はわからん。無理やり連れてくればいいだろうが。」

「おい忘れたのかよ。あの方にこいつは傷つけんなって言われたじゃねぇか。」

「あ、そうだったな。なら眠らせとけ。」

「そうだな。」

「おら来い!」



先に玄関に侵入してきた男がいきなり走ってきて駿里の腕をガッと掴んできた。そして…。



「やめ…っ、ぅ゛っ!」



駿里は鳩尾を殴られ気絶してしまった。それだけは避けたかったのに。気を失ってしまえばどこに連れていかれたのかも分からない。だから頑張って駿里なりにどうにかしようとしていた。だが駄目だった。



「美形だな。」



先にこの家に侵入してきた男が駿里の顔中を触りながらそう言った。そしてあとから入ってきた男も駿里の体を触り始める。



「そうだな。こりゃ楽しみだ。久々に俺のちんこが喜びそうだ。」



あとから入ってきた男が駿里のペニスを服越しに触りながらそう言う。その瞬間駿里は顔を引き攣らせた。眠っているものの寛也以外に触られたことがわかったのだろう。それを面白がってあとから入ってきた男は駿里の乳首まで触り始めた。



「感度もいいなこいつ。はは、可愛いなぁ。」

「おい。気持ち悪い話をするな。さっさと帰るぞ。やるのはいいがそれは帰ってからだ。」

「ああ。そうだな。」
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