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志方と島袋に連れ去られる話
仲直りのキス
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*駿里視点
「もうこっち来ないで!!!」
俺は今怒ってる。ものすごく怒ってる。だっていくらなんでもやりすぎだもん。嫉妬したからってやっていい事と悪いことがある。なのに寛也は俺の気持ちを無視で抱き潰してきた。気絶しても起こしてきたんだ。今の俺たちはもうあの頃の俺たちとは違う。ちゃんと気持ちを伝えあわなきゃいけないのに…。
「まだ怒ってんのかよ。」
って寛也は言うんだ。俺は辛くて苦しかったのに。寛也に抱かれるのが嫌とかじゃなくて気持ちを聞いてくれなかったことが俺は悲しんだ。それに怒ってるんだ!
「まだってなに!」
「言葉の通りだ。ほら、いいから来い。怒るのは後にして飯を食おう。」
「いかない…っ!」
「はぁ?」
寛也は俺がこんなに怒っているのに大して気にしてないんだろうな。だからこうやってご飯を勧めてくる。けど今の俺はいじけているから素直に寛也の言うことを聞きたくない。
「おれは食べたくないのっ、あっち行ってよ!」
「おい駿里。いい加減にしろ。」
ちょっとやりすぎたかな。けど俺悪くないもん。被害者だもん。志方さんに連れていかれて康二さんにも意地悪されてその後に寛也だ。俺が怒るのって当然じゃない?なのになんで寛也が怒ってるんだよ。
「駄々こねんのもいいが飯は食え。」
あ、そこに怒ってたんだ。俺が駄々こねてることに対しては怒らないんだな、と駿里は思ったがそんなのどうでもいい。俺は怒ってる。だからご飯は食べない!寛也のご飯なんて食べてやらない!
「いらないって言ってるじゃん…っ!」
「お前今日どうした。」
いつも俺がどんだけ酷く抱かれても寛也に甘々だから多分寛也はそう言ったんだと思う。けど今日はいつもとは違う。俺は精神面もズタボロになった。体は当然ズタボロ。だから余程のことがない限り寛也を許せる気になれない。
「どうもこうもない!どっか行って!」
「悪いがそれは出来ねぇ。」
「…え?あっ、ちょ、ちょっと、」
急に寛也がベットの中に潜り込んで来たから俺は逃げようとしたけど体が痛かったから出来なかった。そんな俺をいいことに寛也は俺を抱き寄せてきた。しかも向かいあわせになる形で。
「おい逃げんな。」
「だっ、だって…っ、」
目の前に寛也の顔があるんだもん。逃げたくなるよそりゃ。だって俺まだ怒ってるもん。なのに寛也がものすごい力で拘束してくる。だから俺が逃げられるはずもなく寛也の腕の中に閉じ込められたままだ。そんな俺のおでこに寛也がキスをしてきた。
「やめっ、」
「何いじけてんだ。」
「…え?」
「だから何が気に食わなかったのか言えって言ってんだ。」
えっと…もしかして寛也話し合おうとしてる?そんなことある?こんな横暴な寛也が?
「あ?なんでとぼけた顔してんだお前。」
「と、とぼけてないし!」
「はは、そうかそうか。」
あまりにも寛也の行動が意外だったから俺は思わず目が点になってしまった。そんな俺に対して寛也が笑いながらそう言ってくる。
「で、お前は何が嫌だったんだ。言ってくれねぇと分かんねぇよ。」
「…言わない。」
「そうか。じゃあお前が言う気になるまで待ってやる。」
「…待っても言わないから。」
だって俺怒ってるもん。怒ってる…怒ってるはずなのに目の前にある寛也の優しい顔を見ていると怒りが減っていってしまった。今日こそは寛也にギャフンと言うつもりだったのに…。
「ん?言う気になったのか?」
「そんなんじゃない…。」
ほんとは言う気になった。けどもう少しだけ意地をはらせて欲しい。そしたら俺の気が済むから。
「可愛いやつ。」
俺が自分の中で気持ちの整理をしていると寛也がそう言いながら何度も何度も顔にキスをしてきた。けど俺はそれを拒まなかった。だからなのか寛也は一生辞めない。一生キスをしてくる。
「な、がい…っ、」
「お前も嬉しそうじゃねぇか。」
「嬉しくないから…っ!」
「へぇ。まぁいいけどよ。」
多分寛也は俺が嬉しがってるのをわかってる。だから正直じゃないな、と思ったのだろうけどそれを言わなかった。それを言わずにキスを再開してきた。その時にはもう俺の怒りは綺麗に消え去っていた。
だから…。
「寛也。落ち着いた。」
「そりゃよかった。」
「……うん。ごめん、なさい。」
怒ってたとはいえ寛也を悲しませる行動を取ってしまった。ご飯をいらないと言ったのはさすがに言いすぎた。怒っていたからといって言っていいことと悪いことがある。だって寛也は早起きして俺のためにご飯を作ってくれたんだから。だから俺は寛也の目を見てちゃんと謝った。すると寛也は俺の口にキスをして抱きしめてくれた。いいよの意味だろう。そんな寛也の優しさに甘えながら俺も寛也を抱きしめ返した。
「駿里。」
「なに?」
「お前の気持ち話してくれるか?」
「…うん。」
そこから俺は自分の気持ちを全部言った。志方さんにされて嫌だったこと。康二さんの意地悪が嫌だったこと。その後に寛也に酷く抱かれて苦しかったこと。全部言った。そしたら寛也が珍しく狼狽えたんだ。
「悪かった駿里。」
ってずっと言うの。ずーっとだよ。よっぽど反省したんだろうね。だからもう俺も怒れない。逆に寛也を慰めてるよ。
「もういいってば寛也。俺怒ってないよ。」
「俺はお前の事を愛しすぎるあまり酷い事をしてしまう。ごめんな。」
「大丈夫だよ。」
寛也も寛也でこんなつもりじゃないんだろうな。けど歯止めが効かなくなる。でもそれって幸せだよね。好きな人から愛されるってすっごい幸せな事だよ。ちょっとやりすぎなところもあるけど。
「おれ寛也のこと大好きだから許す。」
「そうか。」
俺が大好きって言ったら寛也は嬉しそうな顔をした。だから俺も嬉しくなっちゃって思わず寛也の唇にキスしちゃった。
「可愛いやつ。」
って寛也はいったあと俺の鼻を噛んできた。もちろん痛くない程度にだよ。その後寛也が俺の顔中にまたキスをしだした。けどこのまま放っておいたら寛也のスイッチが入っちゃうから俺はその前にご飯を勧めることにした。
「寛也ご飯食べたい…っ!」
「よし、行こう。」
「もうこっち来ないで!!!」
俺は今怒ってる。ものすごく怒ってる。だっていくらなんでもやりすぎだもん。嫉妬したからってやっていい事と悪いことがある。なのに寛也は俺の気持ちを無視で抱き潰してきた。気絶しても起こしてきたんだ。今の俺たちはもうあの頃の俺たちとは違う。ちゃんと気持ちを伝えあわなきゃいけないのに…。
「まだ怒ってんのかよ。」
って寛也は言うんだ。俺は辛くて苦しかったのに。寛也に抱かれるのが嫌とかじゃなくて気持ちを聞いてくれなかったことが俺は悲しんだ。それに怒ってるんだ!
「まだってなに!」
「言葉の通りだ。ほら、いいから来い。怒るのは後にして飯を食おう。」
「いかない…っ!」
「はぁ?」
寛也は俺がこんなに怒っているのに大して気にしてないんだろうな。だからこうやってご飯を勧めてくる。けど今の俺はいじけているから素直に寛也の言うことを聞きたくない。
「おれは食べたくないのっ、あっち行ってよ!」
「おい駿里。いい加減にしろ。」
ちょっとやりすぎたかな。けど俺悪くないもん。被害者だもん。志方さんに連れていかれて康二さんにも意地悪されてその後に寛也だ。俺が怒るのって当然じゃない?なのになんで寛也が怒ってるんだよ。
「駄々こねんのもいいが飯は食え。」
あ、そこに怒ってたんだ。俺が駄々こねてることに対しては怒らないんだな、と駿里は思ったがそんなのどうでもいい。俺は怒ってる。だからご飯は食べない!寛也のご飯なんて食べてやらない!
「いらないって言ってるじゃん…っ!」
「お前今日どうした。」
いつも俺がどんだけ酷く抱かれても寛也に甘々だから多分寛也はそう言ったんだと思う。けど今日はいつもとは違う。俺は精神面もズタボロになった。体は当然ズタボロ。だから余程のことがない限り寛也を許せる気になれない。
「どうもこうもない!どっか行って!」
「悪いがそれは出来ねぇ。」
「…え?あっ、ちょ、ちょっと、」
急に寛也がベットの中に潜り込んで来たから俺は逃げようとしたけど体が痛かったから出来なかった。そんな俺をいいことに寛也は俺を抱き寄せてきた。しかも向かいあわせになる形で。
「おい逃げんな。」
「だっ、だって…っ、」
目の前に寛也の顔があるんだもん。逃げたくなるよそりゃ。だって俺まだ怒ってるもん。なのに寛也がものすごい力で拘束してくる。だから俺が逃げられるはずもなく寛也の腕の中に閉じ込められたままだ。そんな俺のおでこに寛也がキスをしてきた。
「やめっ、」
「何いじけてんだ。」
「…え?」
「だから何が気に食わなかったのか言えって言ってんだ。」
えっと…もしかして寛也話し合おうとしてる?そんなことある?こんな横暴な寛也が?
「あ?なんでとぼけた顔してんだお前。」
「と、とぼけてないし!」
「はは、そうかそうか。」
あまりにも寛也の行動が意外だったから俺は思わず目が点になってしまった。そんな俺に対して寛也が笑いながらそう言ってくる。
「で、お前は何が嫌だったんだ。言ってくれねぇと分かんねぇよ。」
「…言わない。」
「そうか。じゃあお前が言う気になるまで待ってやる。」
「…待っても言わないから。」
だって俺怒ってるもん。怒ってる…怒ってるはずなのに目の前にある寛也の優しい顔を見ていると怒りが減っていってしまった。今日こそは寛也にギャフンと言うつもりだったのに…。
「ん?言う気になったのか?」
「そんなんじゃない…。」
ほんとは言う気になった。けどもう少しだけ意地をはらせて欲しい。そしたら俺の気が済むから。
「可愛いやつ。」
俺が自分の中で気持ちの整理をしていると寛也がそう言いながら何度も何度も顔にキスをしてきた。けど俺はそれを拒まなかった。だからなのか寛也は一生辞めない。一生キスをしてくる。
「な、がい…っ、」
「お前も嬉しそうじゃねぇか。」
「嬉しくないから…っ!」
「へぇ。まぁいいけどよ。」
多分寛也は俺が嬉しがってるのをわかってる。だから正直じゃないな、と思ったのだろうけどそれを言わなかった。それを言わずにキスを再開してきた。その時にはもう俺の怒りは綺麗に消え去っていた。
だから…。
「寛也。落ち着いた。」
「そりゃよかった。」
「……うん。ごめん、なさい。」
怒ってたとはいえ寛也を悲しませる行動を取ってしまった。ご飯をいらないと言ったのはさすがに言いすぎた。怒っていたからといって言っていいことと悪いことがある。だって寛也は早起きして俺のためにご飯を作ってくれたんだから。だから俺は寛也の目を見てちゃんと謝った。すると寛也は俺の口にキスをして抱きしめてくれた。いいよの意味だろう。そんな寛也の優しさに甘えながら俺も寛也を抱きしめ返した。
「駿里。」
「なに?」
「お前の気持ち話してくれるか?」
「…うん。」
そこから俺は自分の気持ちを全部言った。志方さんにされて嫌だったこと。康二さんの意地悪が嫌だったこと。その後に寛也に酷く抱かれて苦しかったこと。全部言った。そしたら寛也が珍しく狼狽えたんだ。
「悪かった駿里。」
ってずっと言うの。ずーっとだよ。よっぽど反省したんだろうね。だからもう俺も怒れない。逆に寛也を慰めてるよ。
「もういいってば寛也。俺怒ってないよ。」
「俺はお前の事を愛しすぎるあまり酷い事をしてしまう。ごめんな。」
「大丈夫だよ。」
寛也も寛也でこんなつもりじゃないんだろうな。けど歯止めが効かなくなる。でもそれって幸せだよね。好きな人から愛されるってすっごい幸せな事だよ。ちょっとやりすぎなところもあるけど。
「おれ寛也のこと大好きだから許す。」
「そうか。」
俺が大好きって言ったら寛也は嬉しそうな顔をした。だから俺も嬉しくなっちゃって思わず寛也の唇にキスしちゃった。
「可愛いやつ。」
って寛也はいったあと俺の鼻を噛んできた。もちろん痛くない程度にだよ。その後寛也が俺の顔中にまたキスをしだした。けどこのまま放っておいたら寛也のスイッチが入っちゃうから俺はその前にご飯を勧めることにした。
「寛也ご飯食べたい…っ!」
「よし、行こう。」
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