極道の密にされる健気少年

安達

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駿里がお仕置きされた話

内緒の電話

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「ま、まって…っ、おねがいだからっ、うごかないでっ!!!」



寛也は中に今しがた出したばかりだと言うのに再び腰を動かし始めようとした。そんな寛也に駿里は声を荒らげる。それは当然だ。これ以上されたら壊れてしまいそうなほど辛かったのだから。だから解放されたい一心で駿里はそう叫んだのだ。しかし寛也は…。



「はぁ?何甘ったれたこと言ってんだよ。まだ1回しかしてねぇだろうが。」



確かにそうだ。そうだね。寛也は1回しかしてないかもしれないね。だが駿里は違う。寛也が1回出すまでに何度も何度もイカされ続けて潮まで吹かされているのだ。そのため寛也の1回と駿里の1回では全く違う。体の負担が全然違うのだ。それを理解してくれない寛也に駿里は悲しくなったが今はなんとしてでももう1回戦するのを防がなくてはいけない。だから駿里は寛也の腕を掴みながら必死にお願いをした。



「もうむり…っ、できないっ、しんじゃうっ、ほんとに、げんかいなの…っ、」

「そんな疲れたのか?」

「つかれ、たっ…!」

「そうか。」



駿里はどれだけお願いしたところで無駄だと思っていた。しかし違った。寛也はなんと陰茎を抜いてくれたのだ。その寛也の行動に駿里は心から安心する。そして寛也から離れようとしたがそれはさすがに許されなかった。



「おいおいどこに行くってんだよ駿里。終わったからって俺から離れようとか馬鹿な事思ってんじゃねぇだろうな。」

「だっ、だって…っ、」

「言い訳をするな馬鹿。」

「してないしっ…!!」

「何処がだよ。まぁそれはいいとして…そろそろ聞かせてもらおうか?」

「…な、にを?」



聞かせてもらう?なんの事だ?全く分からなかった駿里は思わず首を傾げた。この時駿里は忘れてしまっていたのだ。どうしてお仕置きをされているのかということを。そんな駿里を見て寛也は笑ってきた。あまりの駿里の可愛さに口が緩んでしまったのだろう。



「たく、お前は可愛い奴だな。仕方ねぇから特別に教えてやる。俺が聞いたのはお前がなんで勝手に外に行こうとしてたのかって事だ。」

「そ、それは…っ、」



駿里は寛也にそう聞かれて迷った。正直に答えるべきだろうか。しかし幼稚と言われてしまうかもしれない。そんな理由で外に行ったことに対してまた怒られるかもしれない。そう思うと中々言い出せなかった。しかし寛也を待たせすぎてもいけない。だから駿里はざっくりと言ってしまった。



「………みんなとしたかったからっ、」

「したかった?何の話だ。」

「その…っ、パーティとかそういうの…俺した事ないからやりたかったんだ……もうすぐある行事ごとがあるから。」

「……………。」



駿里がそう言うと寛也が黙り込んでしまった。この沈黙が怖くて駿里は寛也を見ることが出来ない。だから駿里は寛也に素直に謝ることにした。自分が悪いと言うことは駿里自身もちゃんと分かっていたから。



「…でもだからって勝手に外に出ちゃダメだよね。ごめんなさい。もうしないって約束する。」

「そうか。なんだそういう事だったのか。」



駿里が寛也に謝罪を含めて外に出ようとした理由をちゃんと話すと寛也はそう言った。その寛也の声色を聞いて駿里は顔を上げることが出来た。それは寛也の声をきいて寛也が怒っていないと分かったから。



「まぁお前もちゃんと反省してるようだし今日はこの辺で許してやる。風呂に入ろうな。」

「……うん。」



駿里はその寛也の言葉を聞いて少しショックを受けてしまった。それはやっぱりパーティが出来ないんだなと分かったから。それが悔しくてたまらなかったけど駿里はこれ以上何も言わなかった。それは寛也を困らせるのが嫌だったから。だから駿里は寛也に大人しく風呂場まで連行されることにした。そしてそんな2人は今湯船に浸かって静かに休んでいた。会話をすることも無く静かに休んでいた。その数分の沈黙を破ったのは寛也だった。



「それで、さっきの話に戻すが…お前がやりたかったパーティってのは外に行かねぇと出来ねぇのか?」



まさか寛也がこの話を再び話してくれるなんて思ってなかった駿里は嬉しさのあまり目を見開いた。そして寛也の顔を見る。



「…そ、そう。そうなんだ。飾り付けとかしたかったからさ、それを買いに行こうとしたんだ。」

「なるほどな。」



寛也はただ話を聞いているだけかもしれない。けれど聞いてくれるということは希望があるということだ。だから駿里は寛也のことを期待の眼差しで見た。すると寛也はそんな駿里のことを面白いと思ったのか笑ってきた。



「お前はほんとに顔でおしゃべりすんのが得意だな。」

「だって…、嬉しかったから。寛也がこの話してくれるなんて思ってなかったし。」

「まぁそうだろうな。じゃあそれを康二に頼むとするか。」

「え、それって…!?」

「お前の言う飾りつけってやつを康二に買わせに行かせてやるってことだ。」

「…え?いいの!?」

「ああ。お前を外に出す訳には行かねぇから康二に買いに行かせる。その間に俺らはなんか作っておこうな。」



一体どういう風の吹き回しだろうか。駿里はそんなことを考えながら嬉しそうに寛也を見た。だが寛也はさっき駿里からこの話を聞いた時からこうしようと思っていたのだ。きっと駿里が喜ぶから。駿里の笑顔を見るだけで寛也は救われるから。



「寛也ありがとう…!!」

「おう。」

「寛也だいすき!」

「知ってる。じゃあ俺は後で康二に電話してくるからお前は何を作りたいかを考えとけ。」

「うん…っ!」



その駿里の返事を聞くと寛也は駿里を抱きかかえた。そして風呂場から出る。その後髪を乾かし2人はリビングに戻ってきた。その後何故か寛也はリビングから出ていった。そして向かった先は寝室だった。駿里はその寛也の行動を不思議がったがもしかしたら仕事の話をするのかもしれないと思いそこまで気にしないことにした。だが寛也は仕事の話をしたいからリビングを後にしたのではない。寛也が移動した理由はただ一つ。松下を叱るためだ。



『お疲れ様です組長。どうかされましたか?』

 「どうかしたもこうもねぇよ康二。お前なんか俺の家に忘れてねぇか?」

『えっと、忘れ物ですか…?』



松下はどうやら心当たりがないらしくそう言った。そしてどこか焦っている様子だった。そりゃそうだろう。何かをミスしたのかもしれないのだから。そんな松下に寛也はため息をついた。



 「たくお前は…。俺の家にこの家の玄関を開けるカードを忘れていってたぞお前。」

『え…?え、ほんとですか!?申し訳ございません!』

 「全くお前という奴は…。」

『すみません…。完全に忘れてました。』

「駿里が危うく外に出るところだったんだぞ。次はねぇ。ちゃんと気をつけろ。」

『はい。肝に銘じます…。本当に申し訳ないです。』

「まぁ人は誰しもミスをするからな。それを継続しなければいいさ。」



ミスをした後寛也は叱るだけでなくこうしてちゃんとフォローもしてくれる。だから松下らは失敗したあとも焦らずに落ち着いていられるのだ。寛也には多少ビビるかもしれないけれどこうやって寛也がしてくれるおかげでなんのストレスなく過ごせているのだ。



『組長、ありがとうございます。』

 「ああ。まぁあんま気にすんな。それと康二、もう1つお前に頼みたいことがあるんだ。仕事中にすまないな。もう少しだけ時間を作れるか?」

『もちろんですよ組長。今俺は仕事が全然立て込んでないんで時間はたっぷりあります。それでご要件はなんでしょうか?』

 「実はだな、駿里のやつが…。」

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