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駿里がお仕置きされた話
こんなはずじゃなかったのに
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「どうしよう。やっぱり怒られちゃうよなぁ。」
リビングの一室でその駿里の声が響いた。駿里は今悩んでいたのだ。それは寛也に無断で外出するかどうかと言うことだ。だがそれは言うまでもなく駄目なことだ。確実に寛也に怒られてしまうから。しかしそんな危険を犯してまで駿里はやりたいことがあった。それは近々訪れるハロウィンのことだ。
「怒られちゃうだろうけどやっぱりパーティしたい…。」
年に数回こういった行事ごとがある。その行事ごとは駿里が外に出られるチャンスを作ってくれる。そして今回もそうだ。駿里はこのハロウィンを利用してパーティを開きたかった。寛也とみんなで楽しく過ごしたかった。しかし家にはパーティができるものが何も無い。飾り付けは愚かご飯だってない。だから駿里はそれを買いに行きたかったのだ。出来れば仕事から帰ってきたみんなを迎えたかったから。そしてその想いが大きくなればなるほど楽しみは増してしまい駿里は絶対してはいけない判断をしてしまった。
「よし。行こう。寛也もまだ帰ってこないしバレる心配もない。康二さん達もいないし大丈夫だよね。」
そういい駿里はあるのもを手に取った。それはカードだ。この家の玄関を開けるカード。これは寛也らしか持っていないものだった。それがなぜここにあるかって?それは松下が忘れて帰ったからだ。だからここにある。こんなチャンス二度とないだろう。そのため駿里はそのチャンスを使わせてもらうことにした。
「たしかこれをここにスキャンすれば良かったはず…。」
駿里が確かめるようにそう言いながらカードをスキャンするとピッと音が鳴って玄関の鍵が開いた。待ちわびたこの瞬間。駿里はなんだか嬉しくなった。初めて玄関を自分の力で開けることが出来たから。しかしドアノブを握った時ある違和感を覚えた。
「あれ…?」
駿里が覚えた違和感というもの…。それはドアが異様に軽かったのだ。ドアってこんなに軽かったっけ?いや違う。そんなはずは無い。ということは反対側から誰かがドアを開けたということになる。それが意味することは1つ。寛也が帰ってきたということだ。それがわかった瞬間先程まであった駿里の楽しさが一瞬にして消えた。
「随分楽しそうだな駿里。」
ドアの向こうから見えた寛也のこの顔。かなり怒っている。逃げるか?いや逃げられない。逃げる場所なんてない。ここは家なのだから。なら言い訳をするか?この状況で?いや出来ないだろう。駿里は為す術なくその場に立ち尽くす他なかった。
「え、っと…これはっ、」
「俺から逃げようとしたのか?」
「違うっ!」
寛也から今更逃げるなんてそんな事しない。寛也だってそれは分かっているはず。だから駿里は直ぐにそう言った。すると寛也は何故か笑ってきた。
「だろうな。それは分かってる。お前は俺のことが大好きだもんな。だからそこの心配はしてねぇんだよ。だがそうじゃねぇんだよ駿里。お前今何をしようとした?」
「…………っ。」
「答えらんねぇの?なぁ駿里。黙り込んでちゃ分かんねぇよ。」
久々のこの寛也の殺気に駿里は縮こまってしまった。そして喉も縮こまる。そのため声を出すことが出来なくなった。そんな駿里を見て寛也は靴を脱ぐと駿里の腕をガシッと掴んだ。
「まぁいい。続きはベットの上で聞いてやるよ。」
「ま、まって、ちかや!」
「待たねぇよ。」
声を荒げ焦る駿里の腕を引いて寛也は駿里を無理やり歩かせた。そして寝室に着くや否や駿里をベットの上に投げつける。
「うぁっ!」
寛也によってベットの上に投げられた駿里。その後直ぐに起き上がろうとした。そうしないと寛也に捕まってしまうから。しかし駿里が起き上がるよりも先に寛也が駿里の上に乗ってきたことで駿里は逃げられなくなってしまった。
「んで?何を企んでたんだお前は。」
「た、企んでたとかっ、そう言うわけじゃなくてっ、」
「ふーん。まぁ理由がなんであれお前をお仕置きする事には変わりねぇけどな。」
「まって、ちかやっ、話を聞いて…っ!!」
「お仕置きした後で聞いてやる。」
寛也はそう言うと駿里にこれ以上何も喋らせないように口に猿轡を着けた。それをしたことで駿里はもちろん言葉を発することが出来なくなってしまう。それに焦った駿里は寛也に誤解だと伝えようとするも何せ猿轡をつけられているのだ。それが言葉になることは無かった。
「ふく゛っ、ぅ、んん゛っ!!」
「だから話は後で聞いてやるって言ってんだろ。今は黙っとけ。」
寛也は駿里が何か言いたげにしている様子を見てもそう言った。そりゃそうだろう。言いつけが守れなかったのだから。どんな理由であろうとも駿里が外に出ていい理由なんてない。だから寛也は駿里に猿轡を着けたのだ。急用であろうともどうしても外に出なきゃいけない理由があったとしても駿里が外に出るのは許されない。寛也の許しなしで外に出る事は許されないことだ。なのに駿里は逃げようとした。そのため寛也はこんなに怒っているのだ。
「駿里。久々のお仕置き楽しみだな。」
リビングの一室でその駿里の声が響いた。駿里は今悩んでいたのだ。それは寛也に無断で外出するかどうかと言うことだ。だがそれは言うまでもなく駄目なことだ。確実に寛也に怒られてしまうから。しかしそんな危険を犯してまで駿里はやりたいことがあった。それは近々訪れるハロウィンのことだ。
「怒られちゃうだろうけどやっぱりパーティしたい…。」
年に数回こういった行事ごとがある。その行事ごとは駿里が外に出られるチャンスを作ってくれる。そして今回もそうだ。駿里はこのハロウィンを利用してパーティを開きたかった。寛也とみんなで楽しく過ごしたかった。しかし家にはパーティができるものが何も無い。飾り付けは愚かご飯だってない。だから駿里はそれを買いに行きたかったのだ。出来れば仕事から帰ってきたみんなを迎えたかったから。そしてその想いが大きくなればなるほど楽しみは増してしまい駿里は絶対してはいけない判断をしてしまった。
「よし。行こう。寛也もまだ帰ってこないしバレる心配もない。康二さん達もいないし大丈夫だよね。」
そういい駿里はあるのもを手に取った。それはカードだ。この家の玄関を開けるカード。これは寛也らしか持っていないものだった。それがなぜここにあるかって?それは松下が忘れて帰ったからだ。だからここにある。こんなチャンス二度とないだろう。そのため駿里はそのチャンスを使わせてもらうことにした。
「たしかこれをここにスキャンすれば良かったはず…。」
駿里が確かめるようにそう言いながらカードをスキャンするとピッと音が鳴って玄関の鍵が開いた。待ちわびたこの瞬間。駿里はなんだか嬉しくなった。初めて玄関を自分の力で開けることが出来たから。しかしドアノブを握った時ある違和感を覚えた。
「あれ…?」
駿里が覚えた違和感というもの…。それはドアが異様に軽かったのだ。ドアってこんなに軽かったっけ?いや違う。そんなはずは無い。ということは反対側から誰かがドアを開けたということになる。それが意味することは1つ。寛也が帰ってきたということだ。それがわかった瞬間先程まであった駿里の楽しさが一瞬にして消えた。
「随分楽しそうだな駿里。」
ドアの向こうから見えた寛也のこの顔。かなり怒っている。逃げるか?いや逃げられない。逃げる場所なんてない。ここは家なのだから。なら言い訳をするか?この状況で?いや出来ないだろう。駿里は為す術なくその場に立ち尽くす他なかった。
「え、っと…これはっ、」
「俺から逃げようとしたのか?」
「違うっ!」
寛也から今更逃げるなんてそんな事しない。寛也だってそれは分かっているはず。だから駿里は直ぐにそう言った。すると寛也は何故か笑ってきた。
「だろうな。それは分かってる。お前は俺のことが大好きだもんな。だからそこの心配はしてねぇんだよ。だがそうじゃねぇんだよ駿里。お前今何をしようとした?」
「…………っ。」
「答えらんねぇの?なぁ駿里。黙り込んでちゃ分かんねぇよ。」
久々のこの寛也の殺気に駿里は縮こまってしまった。そして喉も縮こまる。そのため声を出すことが出来なくなった。そんな駿里を見て寛也は靴を脱ぐと駿里の腕をガシッと掴んだ。
「まぁいい。続きはベットの上で聞いてやるよ。」
「ま、まって、ちかや!」
「待たねぇよ。」
声を荒げ焦る駿里の腕を引いて寛也は駿里を無理やり歩かせた。そして寝室に着くや否や駿里をベットの上に投げつける。
「うぁっ!」
寛也によってベットの上に投げられた駿里。その後直ぐに起き上がろうとした。そうしないと寛也に捕まってしまうから。しかし駿里が起き上がるよりも先に寛也が駿里の上に乗ってきたことで駿里は逃げられなくなってしまった。
「んで?何を企んでたんだお前は。」
「た、企んでたとかっ、そう言うわけじゃなくてっ、」
「ふーん。まぁ理由がなんであれお前をお仕置きする事には変わりねぇけどな。」
「まって、ちかやっ、話を聞いて…っ!!」
「お仕置きした後で聞いてやる。」
寛也はそう言うと駿里にこれ以上何も喋らせないように口に猿轡を着けた。それをしたことで駿里はもちろん言葉を発することが出来なくなってしまう。それに焦った駿里は寛也に誤解だと伝えようとするも何せ猿轡をつけられているのだ。それが言葉になることは無かった。
「ふく゛っ、ぅ、んん゛っ!!」
「だから話は後で聞いてやるって言ってんだろ。今は黙っとけ。」
寛也は駿里が何か言いたげにしている様子を見てもそう言った。そりゃそうだろう。言いつけが守れなかったのだから。どんな理由であろうとも駿里が外に出ていい理由なんてない。だから寛也は駿里に猿轡を着けたのだ。急用であろうともどうしても外に出なきゃいけない理由があったとしても駿里が外に出るのは許されない。寛也の許しなしで外に出る事は許されないことだ。なのに駿里は逃げようとした。そのため寛也はこんなに怒っているのだ。
「駿里。久々のお仕置き楽しみだな。」
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