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松下康二と駿里のお話
生意気
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「康二を撃った奴は…。」
志方その言葉に駿里は唾を飲んだ。志方が教えてくれる希望は少なかったと思っていたので駿里は身構えたのだ。まさか教えてくれると思ってもいなかったから。だから駿里は次に志方が言う言葉を予想しながら待っていた。そしてその瞬間は訪れることになる。
「耳の穴かっぽじってよく聞いとけよ。あのな、犯人は俺らの世界の奴だったんだ。」
「……ん?」
「だから俺らの世界の奴だって言ってんだ。」
2度志方にそう言われたが駿里はよく分からなかった。というかそんなざっくり言われてもわかるわけがない。え?どいうことだ。志方は誤魔化したいのだろうか?いやそれならば初めから言わなければいいのに何故か志方は選択肢を広げてそう言った。そんな志方に駿里は唖然とする。
「…そんなの俺だって分かってるよ。ヤクザじゃなくて一般人がこんなことしたら大事件だからさ。今頃ニュースで取り上げられてるよ。」
「おぉ、さすがじゃねぇか駿里。関心だ。すげぇ成長だな。」
寛也と過ごしてこの世界の掟を嫌でも知った駿里からしたらそんなの朝飯前だ。もちろんそれは志方も知っているはず。なのにそう言った。そんな志方をみて駿里は思った。やっぱり志方はこの件についてちゃんと…正確に答えたくないのだと。だからこうして褒めたりして駿里の気を逸らしているのだろう。
「さすがの俺でもこのぐらい分かるよ…っ!」
「まぁそうだな。俺らとずっと一緒に過ごしてる訳だしよ。」
やっぱり志方はさりげなく誤魔化してくる。駿里の言った問いかけにはまるで答えることはせずにそう話してくる。だから駿里は直接志方に聞いてみることにした。これ以上志方を困らせるのも嫌だったから。
「…ごめん志方さん。やっぱ俺聞かない方が良かった?」
「おいおいなんでそんなこと言うんだよ駿里。気になったんだろ?だったら聞いて正解だ。我慢しなくていい。聞きたいことは聞け。結果はどうであろうと聞くことに意味があるんだ。行動すればモヤモヤは無くなるしそれで何か解決することだってある。だからお前の判断は間違ってねぇよ駿里。」
「あ、ありがとう…。」
志方はそう言ったがきっと聞かれたくなかったことだろう。だからこうして言うことを渋っている。なのに駿里を責めることは一切せず逆にそう褒めてくれた。駿里はその志方の言葉に少し…ほんの少しだけ感動した。
「おい駿里。なんだよその顔はよ。」
「志方さんって時々凄いいいこと言うなぁって思ってさ。」
「時々ってなんだよ。いつもの間違えだろ。」
こういう時の志方は本気で言っているのかそうじゃないのかよく分からない。まぁどっちにしても駿里が言うことは決まっている。
「いや絶対にいつもじゃない。」
「お前ほんと生意気になったよな。」
「志方さんにだけは言われたくない。」
「はぁ?なんでだよ。」
そう言って志方が駿里の顔を掴んでキスをしようとしてきた。少し駿里が気を抜いてしまえばすぐにこうなる。いつもそうだ。だから駿里は気を張っていたのにちょっとしたことで緩ませてしまう。その隙を志方は見逃さないのだ。そして志方はそんな駿里の口の中に自身の舌をねじ込んだ。
「んふ゛っ、ぅ…!!」
舌まていれられた駿里は逃げようと顔を背けようとした。しかし志方に捕まってしまえば逃げることはもう出来ないので駿里は大人しくすることにした。しかし…。
「っ、やだ、もういいでしょ…っ!」
駿里は唇を噛まれたり舐められたり舌を吸われたりと志方が飽きずに色々なことをしてきたので耐えきれずそう言った。そして志方を押し返そうとする。
「まだだ。」
「やめっ、そんなんだから生意気だって言われるんだ!」
「はぁ?何の話だよ。」
駿里にかまわずキスをしようとしていた志方だったが駿里の言葉が気になったのであろう。動きを止めた。駿里はその隙を逃さずすぐさま話し始めた。
「こ、この前寛也が言ってたよ。康二さんと志方さんは誰よりも子供で生意気な奴に育ってしまったって。」
「俺そんなこと言われたことねぇぞ。なんだよそれ。」
「寛也が言ってたって言ってんじゃんか…っ!!」
志方は自分の耳で聞いた事や実際に見た事しか信じない。それが例え身内だとしても…。だから駿里がそういった事を信じなかった。いやもしかしたら信じたかもしれないが志方からすればだからなんだと言う話だ。駿里は志方にダメージを与えるためにそう言ったが志方は毎日のように寛也に生意気と怒られているので驚きもしなかったのだ。それどころかポジティブに考え始める。
「まぁ逆に言えば生意気でも俺を見棄てずそばにおきたいと思うほど俺は優秀ってことだな。」
「…あはは、志方さんってほんとポジティブだね。」
駿里がそう言うと志方が声を出して笑い始めた。志方のツボは駿里もよく分からない。だけど目の前で声を出して笑われたらつられてしまうものでなんにも面白くないと思っていたのに駿里も笑い出してしまった。その為後ろのベットの方で動きがあったことに2人は気づかなかった。そしてその動きがあったことで大笑いしていた2人の顔が一瞬にして硬直することになる。そのわけとは…。
「うるせぇぞお前ら…静かにしろ。」
「…え?」
志方その言葉に駿里は唾を飲んだ。志方が教えてくれる希望は少なかったと思っていたので駿里は身構えたのだ。まさか教えてくれると思ってもいなかったから。だから駿里は次に志方が言う言葉を予想しながら待っていた。そしてその瞬間は訪れることになる。
「耳の穴かっぽじってよく聞いとけよ。あのな、犯人は俺らの世界の奴だったんだ。」
「……ん?」
「だから俺らの世界の奴だって言ってんだ。」
2度志方にそう言われたが駿里はよく分からなかった。というかそんなざっくり言われてもわかるわけがない。え?どいうことだ。志方は誤魔化したいのだろうか?いやそれならば初めから言わなければいいのに何故か志方は選択肢を広げてそう言った。そんな志方に駿里は唖然とする。
「…そんなの俺だって分かってるよ。ヤクザじゃなくて一般人がこんなことしたら大事件だからさ。今頃ニュースで取り上げられてるよ。」
「おぉ、さすがじゃねぇか駿里。関心だ。すげぇ成長だな。」
寛也と過ごしてこの世界の掟を嫌でも知った駿里からしたらそんなの朝飯前だ。もちろんそれは志方も知っているはず。なのにそう言った。そんな志方をみて駿里は思った。やっぱり志方はこの件についてちゃんと…正確に答えたくないのだと。だからこうして褒めたりして駿里の気を逸らしているのだろう。
「さすがの俺でもこのぐらい分かるよ…っ!」
「まぁそうだな。俺らとずっと一緒に過ごしてる訳だしよ。」
やっぱり志方はさりげなく誤魔化してくる。駿里の言った問いかけにはまるで答えることはせずにそう話してくる。だから駿里は直接志方に聞いてみることにした。これ以上志方を困らせるのも嫌だったから。
「…ごめん志方さん。やっぱ俺聞かない方が良かった?」
「おいおいなんでそんなこと言うんだよ駿里。気になったんだろ?だったら聞いて正解だ。我慢しなくていい。聞きたいことは聞け。結果はどうであろうと聞くことに意味があるんだ。行動すればモヤモヤは無くなるしそれで何か解決することだってある。だからお前の判断は間違ってねぇよ駿里。」
「あ、ありがとう…。」
志方はそう言ったがきっと聞かれたくなかったことだろう。だからこうして言うことを渋っている。なのに駿里を責めることは一切せず逆にそう褒めてくれた。駿里はその志方の言葉に少し…ほんの少しだけ感動した。
「おい駿里。なんだよその顔はよ。」
「志方さんって時々凄いいいこと言うなぁって思ってさ。」
「時々ってなんだよ。いつもの間違えだろ。」
こういう時の志方は本気で言っているのかそうじゃないのかよく分からない。まぁどっちにしても駿里が言うことは決まっている。
「いや絶対にいつもじゃない。」
「お前ほんと生意気になったよな。」
「志方さんにだけは言われたくない。」
「はぁ?なんでだよ。」
そう言って志方が駿里の顔を掴んでキスをしようとしてきた。少し駿里が気を抜いてしまえばすぐにこうなる。いつもそうだ。だから駿里は気を張っていたのにちょっとしたことで緩ませてしまう。その隙を志方は見逃さないのだ。そして志方はそんな駿里の口の中に自身の舌をねじ込んだ。
「んふ゛っ、ぅ…!!」
舌まていれられた駿里は逃げようと顔を背けようとした。しかし志方に捕まってしまえば逃げることはもう出来ないので駿里は大人しくすることにした。しかし…。
「っ、やだ、もういいでしょ…っ!」
駿里は唇を噛まれたり舐められたり舌を吸われたりと志方が飽きずに色々なことをしてきたので耐えきれずそう言った。そして志方を押し返そうとする。
「まだだ。」
「やめっ、そんなんだから生意気だって言われるんだ!」
「はぁ?何の話だよ。」
駿里にかまわずキスをしようとしていた志方だったが駿里の言葉が気になったのであろう。動きを止めた。駿里はその隙を逃さずすぐさま話し始めた。
「こ、この前寛也が言ってたよ。康二さんと志方さんは誰よりも子供で生意気な奴に育ってしまったって。」
「俺そんなこと言われたことねぇぞ。なんだよそれ。」
「寛也が言ってたって言ってんじゃんか…っ!!」
志方は自分の耳で聞いた事や実際に見た事しか信じない。それが例え身内だとしても…。だから駿里がそういった事を信じなかった。いやもしかしたら信じたかもしれないが志方からすればだからなんだと言う話だ。駿里は志方にダメージを与えるためにそう言ったが志方は毎日のように寛也に生意気と怒られているので驚きもしなかったのだ。それどころかポジティブに考え始める。
「まぁ逆に言えば生意気でも俺を見棄てずそばにおきたいと思うほど俺は優秀ってことだな。」
「…あはは、志方さんってほんとポジティブだね。」
駿里がそう言うと志方が声を出して笑い始めた。志方のツボは駿里もよく分からない。だけど目の前で声を出して笑われたらつられてしまうものでなんにも面白くないと思っていたのに駿里も笑い出してしまった。その為後ろのベットの方で動きがあったことに2人は気づかなかった。そしてその動きがあったことで大笑いしていた2人の顔が一瞬にして硬直することになる。そのわけとは…。
「うるせぇぞお前ら…静かにしろ。」
「…え?」
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