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遅咲きの花は大輪に成る
駿里のした選択 *
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「おい。黙ってねぇで答えろよ。ほら、ここ突いてもいいのか?」
「っ……!」
寛也を守らなくては…。でも別れるなんてそんなのしたくない。ずっと一緒にいたい。でも寛也が危ない。駿里は決断することが出来なかった。及川に早く答えろと結腸あたりを突かれても我慢して時間を稼いだ。だがそんな時間が長く続く訳もなく待ちくたびれた及川が結腸の中に侵入してきた。
「あか゛っ、ぁ、ぅ、」
「ほーら、お前が答えないからだぞ。早く答えろって。」
「…ぅ、いっ、 ぁ…!」
「あ?なんつった?」
「い゛やっ、だ…!!」
実際に駿里は及川を拒むことを迷った。駿里は寛也から離れるという選択をしようとした。だが駿里にはやはりそれが出来なかった。だって愛しているのだから。そんな駿里に余計に腹が立った及川は駿里の髪を鷲掴みして耳を思いっきり噛んだ。
「い゛っ!」
「ならやめてやんねぇよ。組長が帰ってくんのいつだっけ?あぁそうそう。夜だったよな。あと何時間あると思う?その時間ずーっとイキ続けてもいいのかよ。」
及川はそう言いながら血が出ている駿里の耳をぺろぺろと舐め始めた。その痛みと同時に襲ってくる結腸攻めからの猛烈な快楽。これが寛也が帰ってくるまでずっと続く。それは絶対耐え難いものだ。なのに、それなのに駿里は強気になった。快楽に負けそうになりながら自我を保ち及川を睨みつける。寛也とこれからも過ごすために。
「っ、あっ、ぅ、んっ、ま゛、ける、もん゛っ、か゛っ!」
「チッ、だりぃなお前。」
及川はそう言うと何故か陰茎を抜いてきた。ずっと駿里を犯していることもあって疲れたのだろうか?駿里がそう思いながら息を整えて及川の様子を伺っていると彼はカバンの中を探り出した。そしてあるものを手にするとそれを駿里に見せつけた。
「暫くこれで遊んでろ。俺は犬を見てくるからよ。その間絶対イくなよ。その分お仕置きだからな。」
及川がそう言って玩具を駿里に見せるとそれを乳首に当てた。勿論ペニスにも後孔にもつけられる。だが駿里はこの時初めて思った。玩具の方がマシだなんて。この男に犯されるぐらいなら玩具のほうがマシだ。でも辛いものは辛かった。なぜならその玩具はいい所ばかりに当てられている。亀頭、前立腺、乳首に。しかもそこから動かないように丁寧に固定されてしまった。玩具は何を言っても止まってくれない。電池が無くならない限り。
「もう一段階振動を上げるか。じゃあな駿里。しばらく1人で楽しんでおけよ。」
そう言って及川は寝室を出ていった。その時リビングの方からりくの吠える声が聞こえてきた。駿里はりくが心配でたまらなかったがさすがにりくを傷つけることは無いはずだ。りくを傷つければ分かりやすいからだ。寛也に直ぐにバレてしまう。賢い及川はそんなミスをしないはず。だから吠えが聞こえない部屋にでもりくを連れていくのだろうと駿里は自分にそう思い込ませた。そうしないと壊れそうだったから。ただでさえ怖くて辛くてたまらないのにりくまで酷い目にあっていると考えると心が持たなかった。だから駿里は必死に思い込ませた。りくは無事だと…。そして早く玩具の電池が切れることを祈り続けシーツを握り耐えていた。
「っ、ふ、ぅ、ん゛っ、ち、かゃっ、た、すけっ…、」
何を言おうともどれだけ泣こうとも相手は玩具だ。止まってくれないし振動も弛めてくれない。ずっと駿里のいい所ばかりを攻めイっても尚動き続ける。駿里がガクガクと身体を震わせようとも勢いのない潮が出ても玩具は変わらず動き続けていた。既に数時間、及川に拘束されてから時間が経っている。駿里は体力も心も限界を迎えていた。
「んぁ゛っ、ぁ、う、や゛っ、と、め゛っ、て!」
駿里は寝室の外にいる及川を自然と呼んでしまった。呼べば犯されるだけとわかっている。それは重々承知の上だ。だがそれ以上に駿里は辛かった。玩具を止めて欲しかった。
「お゛ぃ、か゛わっ、さんっ、ぁ゛っ、お、ぉ゛、いか゛わっ、さ゛っ、ぁあ!」
駿里はドアの向こうにいるはずの及川の名前を必死に叫んだ。だが彼はなかなか来てくれなかった。その間駿里はどれだけ絶頂を迎えたのかもう分からなくなっていた。イキすぎて腰も痛い。もう出ないものが出ようとする。攻められすぎて前立腺もぷっくりと腫れているのが自分でもわかった。イきたくない。これ以上何もしないで。解放して欲しい。その一心で及川を呼んだ。するとその限界に近い駿里の本気の叫びを聞いて何かを思ったのだろう。彼が寝室を出て30分ほど経ったあと及川が寝室に入ってきた。
「どうした。俺が恋しくなったのか?ちょっと離れただけだろ。」
決して少しでは無い。30分だ。30分もの間駿里はずっと達し続け泣き叫んでいた。それは今も尚続いていること。及川は寝室には入ってきてくれたものの駿里につけている全ての玩具を取ってくれなかった。取るどころかただただ観賞している。乱れている駿里の姿を。
「こ゛っ、れ、ぁ、とって、おねっ、か゛ぃ、ぁっ、あぁっ、ぅ、ん゛っ、あぁ!」
その場に立ち尽くすだけで何もしてくれない及川に駿里は泣きつきながらそう言った。及川をじっと見つめ必死に訴えた。もうイケないんだ。これ以上出ない。何も出ない。出るものがない。だから止めて。1回だけでいい。1回だけでいいから休憩させて欲しいと。その思いを込めて及川に叫び続けた。だが及川はそんな駿里の必死な姿を見てもただ楽しそうに笑うだけだった。
「はは、そんなに辛いのか?」
「もぅ゛っ、て゛、き゛なぃっ、むり゛っ、ぁ!」
拘束されまともに動かせない身体で暴れながら駿里はそう言った。駿里が動く度に拘束具の音が寝室に響く。だが及川にとってはその音すら興奮材料になっていた。そして目の前にいる駿里に再び欲情した及川が駿里の心を打ち壊す更なる言葉を言い放ち始めた。
「でもよぉ、駿里。俺はここを出る前になんて言った覚えてるか?イクなよって言ったよな。なのにこりゃどういうことだ。何回イった?数え切れねぇだろ。腰もガクガクしやがってよ。誰がそんなことしていいって言ったか教えてくれよ駿里。」
及川は不敵な笑みを浮かべながらベットに座り駿里のペニスを玩具ごと握りこんだ。
「あぁ゛っ、やた゛っ、ぅ、や゛め、って゛!」
ただ玩具が亀頭に当てられているだけで辛かったのにそれをさらに押し込まれて駿里は叫び声を上げた。だがそれが及川の気に触ってしまったようで彼は後孔に挿れている玩具の振動をさらに上げた。
「おいおい駿里うるせぇぞ。今俺が話してんだろうが。」
「う゛く゛っ、ぁ…!」
また叫べば振動を上げられる。いやそれならまだいい。次はもっと酷いことをされるかもしれない。そう思うと駿里は声を出すことすらできなくなった。シーツをつかみ唇を噛んで必死に耐えた。その駿里を見て満足した及川は閉じていた口を再び開いた。
「良い子だ。そうやって俺の言うことを素直に聞いときゃいいんだよ。」
及川は駿里の頬を撫で軽くキスをした。駿里はもうそれを拒めなかった。拒めば酷いことをされてしまうから。気持ち悪いという感情よりも恐れが上回ってしまったのだ。そんな駿里の頬をいやらしい手つきで撫でながら及川は駿里の上に覆いかぶさった。
「さてと…どんな罰を与えてやろうか。せっかくだから選ばせてやるよ。それでいいよな?いいって言うならこれ取ってやるよ。」
「い゛ぃっ、ぁ、ああっ、い゛い、か゛らっ、とっ、゛!」
「ん。良い子。」
駿里が必死にそういったのを聞くと及川は約束通り玩具を止めて全て取ってくれた。そして今の駿里に抵抗する気力がないと判断したようで駿里につけている拘束具も全て取ってくれた。これでいつでも駿里は逃げられる状況になった。なのにもはや駿里には逃げられる元気すらなく今の駿里にあるのは絶望のみだった。
「俺は優しいからな。2択やるよ。1つ目は組長が帰ってくるまでこのままイっても泣いてもやめないイキ地獄。」
「っ……。」
こんなことだろうと思っていた。結局どっちを選択しても変わりない。寛也が帰ってくるまで終わらない。いや寛也が帰ってきても終わらないかもしれない。それが駿里の顔に出てしまったようで及川がそんな顔をするなとこれまでの行動から考えられないほど優しい表情で言ってきた。
「2つ目は今日はもう何もしない。」
「………え?」
及川からそんな言葉が出てくると思わなかった駿里は思わず及川を重視した。だがもちろん無条件でそうしてくれるはずもなく2択目には続きがあった。
「その代わり俺との秘密の関係をこれからも続けろ。勿論組長では内緒でな。さて、どうするよ駿里。お前の判断がこれからの人生を変えていくぞ。」
ここは迷うことなく一択目を選択すべきであろう。だが駿里は迷った。それは…。
「きょ、うって…。」
「ん?なんだ?」
「ちかやがっ、かえってくる、直前まで…?」
「そうだ。もしかしたら組長にバレるかもしれねぇな。そうなったらまぁ当然俺は殺されるだろうしお前もタダじゃすまねぇかもな。もしかしたら松下達だって殺されるかもしれねぇよ。なんでか分かるか?」
及川が悪い笑みを浮かべてそう言ってきた。そう。これこそが駿里が迷っていた理由だ。駿里は及川が言わなくともわかっていた。だが及川は駿里が理解していないと思ったようで続けて話し続けた。
「俺は松下より信頼されてるからだよ。あいつらよりも信頼してる相手が大切な存在であるお前を犯した。その事実を知った組長はどうなるか言わなくてもわかるよな。さて、どうする?」
「……っ、にたく、めにします。」
駿里は泣きそうになりながら及川を見てそう言った。だが及川は駿里がそういった途端顔が一瞬で変わった。とても不機嫌そうだ。その理由はただ一つ。嫉妬だ。
「そんなに好きかよ組長の事が。」
「当たり前だっ、俺は寛也を愛してる。だから…言うこと聞くから寛也には何もしないで…。」
「はは、悪ぃが俺はそんな良い奴じゃねぇんだよ。お前が組長の事を愛していればいるほど壊したくなる。ここの組はいい子ちゃんばっかりでつまんねぇ。お前もそのいい子ちゃんたちに囲まれてきたから俺みたいなやつは初めてだろ。」
そんなことは無い。これまでたくさんの極道たちを見てきた。もちろん及川のようなゲスな野郎もたくさん見てきた。でもここまでゲスな野郎は確かに初めてかもしれない。及川は自信に満ち溢れている。そして念入りに計画し完璧主義でその上演技がうまい。寛也でさ騙されるのだから。だからこそ駿里は自分が耐えなければいけないと思った。いつも守ってもらっている分今回は自分が守るんだ…と。
「っ……!」
寛也を守らなくては…。でも別れるなんてそんなのしたくない。ずっと一緒にいたい。でも寛也が危ない。駿里は決断することが出来なかった。及川に早く答えろと結腸あたりを突かれても我慢して時間を稼いだ。だがそんな時間が長く続く訳もなく待ちくたびれた及川が結腸の中に侵入してきた。
「あか゛っ、ぁ、ぅ、」
「ほーら、お前が答えないからだぞ。早く答えろって。」
「…ぅ、いっ、 ぁ…!」
「あ?なんつった?」
「い゛やっ、だ…!!」
実際に駿里は及川を拒むことを迷った。駿里は寛也から離れるという選択をしようとした。だが駿里にはやはりそれが出来なかった。だって愛しているのだから。そんな駿里に余計に腹が立った及川は駿里の髪を鷲掴みして耳を思いっきり噛んだ。
「い゛っ!」
「ならやめてやんねぇよ。組長が帰ってくんのいつだっけ?あぁそうそう。夜だったよな。あと何時間あると思う?その時間ずーっとイキ続けてもいいのかよ。」
及川はそう言いながら血が出ている駿里の耳をぺろぺろと舐め始めた。その痛みと同時に襲ってくる結腸攻めからの猛烈な快楽。これが寛也が帰ってくるまでずっと続く。それは絶対耐え難いものだ。なのに、それなのに駿里は強気になった。快楽に負けそうになりながら自我を保ち及川を睨みつける。寛也とこれからも過ごすために。
「っ、あっ、ぅ、んっ、ま゛、ける、もん゛っ、か゛っ!」
「チッ、だりぃなお前。」
及川はそう言うと何故か陰茎を抜いてきた。ずっと駿里を犯していることもあって疲れたのだろうか?駿里がそう思いながら息を整えて及川の様子を伺っていると彼はカバンの中を探り出した。そしてあるものを手にするとそれを駿里に見せつけた。
「暫くこれで遊んでろ。俺は犬を見てくるからよ。その間絶対イくなよ。その分お仕置きだからな。」
及川がそう言って玩具を駿里に見せるとそれを乳首に当てた。勿論ペニスにも後孔にもつけられる。だが駿里はこの時初めて思った。玩具の方がマシだなんて。この男に犯されるぐらいなら玩具のほうがマシだ。でも辛いものは辛かった。なぜならその玩具はいい所ばかりに当てられている。亀頭、前立腺、乳首に。しかもそこから動かないように丁寧に固定されてしまった。玩具は何を言っても止まってくれない。電池が無くならない限り。
「もう一段階振動を上げるか。じゃあな駿里。しばらく1人で楽しんでおけよ。」
そう言って及川は寝室を出ていった。その時リビングの方からりくの吠える声が聞こえてきた。駿里はりくが心配でたまらなかったがさすがにりくを傷つけることは無いはずだ。りくを傷つければ分かりやすいからだ。寛也に直ぐにバレてしまう。賢い及川はそんなミスをしないはず。だから吠えが聞こえない部屋にでもりくを連れていくのだろうと駿里は自分にそう思い込ませた。そうしないと壊れそうだったから。ただでさえ怖くて辛くてたまらないのにりくまで酷い目にあっていると考えると心が持たなかった。だから駿里は必死に思い込ませた。りくは無事だと…。そして早く玩具の電池が切れることを祈り続けシーツを握り耐えていた。
「っ、ふ、ぅ、ん゛っ、ち、かゃっ、た、すけっ…、」
何を言おうともどれだけ泣こうとも相手は玩具だ。止まってくれないし振動も弛めてくれない。ずっと駿里のいい所ばかりを攻めイっても尚動き続ける。駿里がガクガクと身体を震わせようとも勢いのない潮が出ても玩具は変わらず動き続けていた。既に数時間、及川に拘束されてから時間が経っている。駿里は体力も心も限界を迎えていた。
「んぁ゛っ、ぁ、う、や゛っ、と、め゛っ、て!」
駿里は寝室の外にいる及川を自然と呼んでしまった。呼べば犯されるだけとわかっている。それは重々承知の上だ。だがそれ以上に駿里は辛かった。玩具を止めて欲しかった。
「お゛ぃ、か゛わっ、さんっ、ぁ゛っ、お、ぉ゛、いか゛わっ、さ゛っ、ぁあ!」
駿里はドアの向こうにいるはずの及川の名前を必死に叫んだ。だが彼はなかなか来てくれなかった。その間駿里はどれだけ絶頂を迎えたのかもう分からなくなっていた。イキすぎて腰も痛い。もう出ないものが出ようとする。攻められすぎて前立腺もぷっくりと腫れているのが自分でもわかった。イきたくない。これ以上何もしないで。解放して欲しい。その一心で及川を呼んだ。するとその限界に近い駿里の本気の叫びを聞いて何かを思ったのだろう。彼が寝室を出て30分ほど経ったあと及川が寝室に入ってきた。
「どうした。俺が恋しくなったのか?ちょっと離れただけだろ。」
決して少しでは無い。30分だ。30分もの間駿里はずっと達し続け泣き叫んでいた。それは今も尚続いていること。及川は寝室には入ってきてくれたものの駿里につけている全ての玩具を取ってくれなかった。取るどころかただただ観賞している。乱れている駿里の姿を。
「こ゛っ、れ、ぁ、とって、おねっ、か゛ぃ、ぁっ、あぁっ、ぅ、ん゛っ、あぁ!」
その場に立ち尽くすだけで何もしてくれない及川に駿里は泣きつきながらそう言った。及川をじっと見つめ必死に訴えた。もうイケないんだ。これ以上出ない。何も出ない。出るものがない。だから止めて。1回だけでいい。1回だけでいいから休憩させて欲しいと。その思いを込めて及川に叫び続けた。だが及川はそんな駿里の必死な姿を見てもただ楽しそうに笑うだけだった。
「はは、そんなに辛いのか?」
「もぅ゛っ、て゛、き゛なぃっ、むり゛っ、ぁ!」
拘束されまともに動かせない身体で暴れながら駿里はそう言った。駿里が動く度に拘束具の音が寝室に響く。だが及川にとってはその音すら興奮材料になっていた。そして目の前にいる駿里に再び欲情した及川が駿里の心を打ち壊す更なる言葉を言い放ち始めた。
「でもよぉ、駿里。俺はここを出る前になんて言った覚えてるか?イクなよって言ったよな。なのにこりゃどういうことだ。何回イった?数え切れねぇだろ。腰もガクガクしやがってよ。誰がそんなことしていいって言ったか教えてくれよ駿里。」
及川は不敵な笑みを浮かべながらベットに座り駿里のペニスを玩具ごと握りこんだ。
「あぁ゛っ、やた゛っ、ぅ、や゛め、って゛!」
ただ玩具が亀頭に当てられているだけで辛かったのにそれをさらに押し込まれて駿里は叫び声を上げた。だがそれが及川の気に触ってしまったようで彼は後孔に挿れている玩具の振動をさらに上げた。
「おいおい駿里うるせぇぞ。今俺が話してんだろうが。」
「う゛く゛っ、ぁ…!」
また叫べば振動を上げられる。いやそれならまだいい。次はもっと酷いことをされるかもしれない。そう思うと駿里は声を出すことすらできなくなった。シーツをつかみ唇を噛んで必死に耐えた。その駿里を見て満足した及川は閉じていた口を再び開いた。
「良い子だ。そうやって俺の言うことを素直に聞いときゃいいんだよ。」
及川は駿里の頬を撫で軽くキスをした。駿里はもうそれを拒めなかった。拒めば酷いことをされてしまうから。気持ち悪いという感情よりも恐れが上回ってしまったのだ。そんな駿里の頬をいやらしい手つきで撫でながら及川は駿里の上に覆いかぶさった。
「さてと…どんな罰を与えてやろうか。せっかくだから選ばせてやるよ。それでいいよな?いいって言うならこれ取ってやるよ。」
「い゛ぃっ、ぁ、ああっ、い゛い、か゛らっ、とっ、゛!」
「ん。良い子。」
駿里が必死にそういったのを聞くと及川は約束通り玩具を止めて全て取ってくれた。そして今の駿里に抵抗する気力がないと判断したようで駿里につけている拘束具も全て取ってくれた。これでいつでも駿里は逃げられる状況になった。なのにもはや駿里には逃げられる元気すらなく今の駿里にあるのは絶望のみだった。
「俺は優しいからな。2択やるよ。1つ目は組長が帰ってくるまでこのままイっても泣いてもやめないイキ地獄。」
「っ……。」
こんなことだろうと思っていた。結局どっちを選択しても変わりない。寛也が帰ってくるまで終わらない。いや寛也が帰ってきても終わらないかもしれない。それが駿里の顔に出てしまったようで及川がそんな顔をするなとこれまでの行動から考えられないほど優しい表情で言ってきた。
「2つ目は今日はもう何もしない。」
「………え?」
及川からそんな言葉が出てくると思わなかった駿里は思わず及川を重視した。だがもちろん無条件でそうしてくれるはずもなく2択目には続きがあった。
「その代わり俺との秘密の関係をこれからも続けろ。勿論組長では内緒でな。さて、どうするよ駿里。お前の判断がこれからの人生を変えていくぞ。」
ここは迷うことなく一択目を選択すべきであろう。だが駿里は迷った。それは…。
「きょ、うって…。」
「ん?なんだ?」
「ちかやがっ、かえってくる、直前まで…?」
「そうだ。もしかしたら組長にバレるかもしれねぇな。そうなったらまぁ当然俺は殺されるだろうしお前もタダじゃすまねぇかもな。もしかしたら松下達だって殺されるかもしれねぇよ。なんでか分かるか?」
及川が悪い笑みを浮かべてそう言ってきた。そう。これこそが駿里が迷っていた理由だ。駿里は及川が言わなくともわかっていた。だが及川は駿里が理解していないと思ったようで続けて話し続けた。
「俺は松下より信頼されてるからだよ。あいつらよりも信頼してる相手が大切な存在であるお前を犯した。その事実を知った組長はどうなるか言わなくてもわかるよな。さて、どうする?」
「……っ、にたく、めにします。」
駿里は泣きそうになりながら及川を見てそう言った。だが及川は駿里がそういった途端顔が一瞬で変わった。とても不機嫌そうだ。その理由はただ一つ。嫉妬だ。
「そんなに好きかよ組長の事が。」
「当たり前だっ、俺は寛也を愛してる。だから…言うこと聞くから寛也には何もしないで…。」
「はは、悪ぃが俺はそんな良い奴じゃねぇんだよ。お前が組長の事を愛していればいるほど壊したくなる。ここの組はいい子ちゃんばっかりでつまんねぇ。お前もそのいい子ちゃんたちに囲まれてきたから俺みたいなやつは初めてだろ。」
そんなことは無い。これまでたくさんの極道たちを見てきた。もちろん及川のようなゲスな野郎もたくさん見てきた。でもここまでゲスな野郎は確かに初めてかもしれない。及川は自信に満ち溢れている。そして念入りに計画し完璧主義でその上演技がうまい。寛也でさ騙されるのだから。だからこそ駿里は自分が耐えなければいけないと思った。いつも守ってもらっている分今回は自分が守るんだ…と。
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