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番外編
誰かここから出して どうしてあなたが *
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「あんまり使いすぎんなよ。こいつがおかしくなっちまうぞ。」
「分かりきったことを言うな。」
そう言って松下は島袋の事を手に持っている媚薬を早く渡せと言わんばかりに睨みつけてくる。だが島袋はそれを渡さなかった。意味もなく島袋がそんなことをしてくるわけが無い。松下はそれを重々承知していた。だがそれでも松下は興奮が抑えられない様子だった。
「お前はなんでそんな普通に平常心を保っていられる。腹立たねぇのか?」
松下にそう言われて島袋はため息をついた。そうされたことで余計に腹が立ちそうな松下だったがそこはスルーして耐える。そして島袋が話し出すのを待っていた。
「ムカつくよ。あったりめぇだろうが。何考えてんだお前。だけどよ、どうせこいつはここから出れねぇし、出れたとしてもそん時はもう死んでるだろうからな。まぁ俺たちがいる限りは死ぬことは無いだろうけどな。」
「それが分かってても許せねぇんだよなぁ。いくら気が飛びそうになったからって他の男の名前を出すことはな。」
それもそうだ。島袋は普通に納得してしまった。松下の言ったことに対して。いくら駿里が拘束されて自分たちの手から離れることは無いと確信していても他の男の名前を、それも自分たちの前で出すのはおかしいことでは無いのか。これは躾が必要だ。そう思うほどに島袋も松下同様に興奮を抑えられなくなってきていた。その事が何となくではあるが松下に伝わったのであろう。彼の顔が先程とはかなり変わった。ここで松下は島袋にトドメを指しにかかった。確実に駿里にお仕置きができるように。
「だってよぉ島袋、他の男の名前をセックスしてる最中に呼ばれるって浮気されてるようなもんだろ?」
その言葉で駿里は絶望の淵に落ちた。そう言われれば島袋が怒らないはずがない。松下のずる賢い頭の勝利だ。ここまででも死ぬほど辛かったのにこれから何をされるのか。駿里はもう考える気力すら失っていた。このまま堕ちた方が楽かもしれない。もう早く、いっその事その薬を使って平常を保っていられなくなるほど壊して欲しい。そう思うほどに駿里は精神的にやられていた。そんな駿里とは反対に島袋は興奮度がどんどん上がっていく。
「お前の言う通りだ。浮気なんて軽い話じゃねぇな。どうする康二。これもう使うか?」
「ああ。」
計画通りだと言うように松下はそう島袋に返事をした。そして抵抗する気力すら失っている駿里を膝の上に乗せる。駿里は猿轡をしているため言葉を相変わらず発せない。身体で抵抗する気力がなくともせめて口だけでも抵抗したかったのにそれも出来ない。
「ぅ……ふっ、………ぅ…はっ、…ぅ。」
「なーに言ってんのか分かんねぇよ。まぁお前が何いようと俺らには関係ねぇけどな。ほら駿里、早くこっち向け。」
松下がそう言って駿里の顔を掴んだ。そして島袋から媚薬を貰う。そのまま駿里の口に着けている猿轡の隙間から媚薬を直接流し込もうとした。
だがその時ーーー。
「ぅ゛ふっ………ぅ゛……っ、ぁ、」
駿里が顔を一生懸命に背けた。そんな元気なんて残っていないはずなのに駿里はそれでも頑張って媚薬から顔を避けようとしてくる。それがまた松下と島袋を楽しませた。松下はそんな駿里を揶揄うようにわざと媚薬を少しこぼした。その媚薬を顔の周りに擦り付けるように塗る。
「ふ……ぅ、っは、………ぅ、あ、っふ……ぅ、」
「泣くぐらいなら初めから大人しくしとけよ。俺らに勝てねぇのはもういい加減分かってんだろ。なのになんで抵抗し続けんだ。」
「馬鹿なんだよ。ただ単にこいつは馬鹿なんだ。」
駿里は負けない。絶対に負けなかった。堕ちた方が楽だとわかっているのにそれをしない。途中、駿里が折れかけた時があった。2人はその瞬間を見逃さずに媚薬を投入しようとしたのにそれでも駄目だった。もうこうなれば…と、2人はアイコンタクトをした。
そしてーーー。
「あ゛か゛っ…、ぅ゛………ぁ、」
松下は駿里に媚薬を流し込んだ。流れ込んできた液をどうにかして出そうと駿里は咳き込んだりなんだりしていたが松下によって簡単にそれを阻止されてしまう。さすがはヤクザの幹部だ。その高い技術によって駿里の抵抗を一瞬にして捩じ伏せた。
「全部飲めたな。いい子じゃねぇか。」
「やれば出来る子って信じてたぞ、駿里。」
即効性のある媚薬のようだ。駿里は段々と体温が上がっていくのがわかった。2人が駿里の頭や身体を撫でながらそう褒めていても何も聞こえないほどに頭が真っ白になっていく。そんな駿里を可愛がろうと松下と島袋が体制を整えようとしたその時。
ガチャ
何やら音がした。聞こえるはずがない音が。だって玄関の鍵は閉めているのだから。しかもこの玄関の鍵を開けられる人間は限られている。それなのに開いた…?松下と島袋は背筋が凍った。今更言い訳が出来るはずがない。どうする…。2人が黙り込んで考え始めたその時玄関から入ってきた人物は寝室の前まで来てしまっていた。まるで2人に考える隙も与えぬというように。
そしてーーー。
ガチャ
その音とともに寝室の扉が開いた。そしてそこに立っている人物を見て松下と島袋はまるで石のように動かなくなってしまった。入ってきた人物はそんな2人の同様など気にもとめず足を進めてくる。そのままついにその男は駿里たちのベットの目の前まで来た。
「おい。何やってんだお前ら。」
「分かりきったことを言うな。」
そう言って松下は島袋の事を手に持っている媚薬を早く渡せと言わんばかりに睨みつけてくる。だが島袋はそれを渡さなかった。意味もなく島袋がそんなことをしてくるわけが無い。松下はそれを重々承知していた。だがそれでも松下は興奮が抑えられない様子だった。
「お前はなんでそんな普通に平常心を保っていられる。腹立たねぇのか?」
松下にそう言われて島袋はため息をついた。そうされたことで余計に腹が立ちそうな松下だったがそこはスルーして耐える。そして島袋が話し出すのを待っていた。
「ムカつくよ。あったりめぇだろうが。何考えてんだお前。だけどよ、どうせこいつはここから出れねぇし、出れたとしてもそん時はもう死んでるだろうからな。まぁ俺たちがいる限りは死ぬことは無いだろうけどな。」
「それが分かってても許せねぇんだよなぁ。いくら気が飛びそうになったからって他の男の名前を出すことはな。」
それもそうだ。島袋は普通に納得してしまった。松下の言ったことに対して。いくら駿里が拘束されて自分たちの手から離れることは無いと確信していても他の男の名前を、それも自分たちの前で出すのはおかしいことでは無いのか。これは躾が必要だ。そう思うほどに島袋も松下同様に興奮を抑えられなくなってきていた。その事が何となくではあるが松下に伝わったのであろう。彼の顔が先程とはかなり変わった。ここで松下は島袋にトドメを指しにかかった。確実に駿里にお仕置きができるように。
「だってよぉ島袋、他の男の名前をセックスしてる最中に呼ばれるって浮気されてるようなもんだろ?」
その言葉で駿里は絶望の淵に落ちた。そう言われれば島袋が怒らないはずがない。松下のずる賢い頭の勝利だ。ここまででも死ぬほど辛かったのにこれから何をされるのか。駿里はもう考える気力すら失っていた。このまま堕ちた方が楽かもしれない。もう早く、いっその事その薬を使って平常を保っていられなくなるほど壊して欲しい。そう思うほどに駿里は精神的にやられていた。そんな駿里とは反対に島袋は興奮度がどんどん上がっていく。
「お前の言う通りだ。浮気なんて軽い話じゃねぇな。どうする康二。これもう使うか?」
「ああ。」
計画通りだと言うように松下はそう島袋に返事をした。そして抵抗する気力すら失っている駿里を膝の上に乗せる。駿里は猿轡をしているため言葉を相変わらず発せない。身体で抵抗する気力がなくともせめて口だけでも抵抗したかったのにそれも出来ない。
「ぅ……ふっ、………ぅ…はっ、…ぅ。」
「なーに言ってんのか分かんねぇよ。まぁお前が何いようと俺らには関係ねぇけどな。ほら駿里、早くこっち向け。」
松下がそう言って駿里の顔を掴んだ。そして島袋から媚薬を貰う。そのまま駿里の口に着けている猿轡の隙間から媚薬を直接流し込もうとした。
だがその時ーーー。
「ぅ゛ふっ………ぅ゛……っ、ぁ、」
駿里が顔を一生懸命に背けた。そんな元気なんて残っていないはずなのに駿里はそれでも頑張って媚薬から顔を避けようとしてくる。それがまた松下と島袋を楽しませた。松下はそんな駿里を揶揄うようにわざと媚薬を少しこぼした。その媚薬を顔の周りに擦り付けるように塗る。
「ふ……ぅ、っは、………ぅ、あ、っふ……ぅ、」
「泣くぐらいなら初めから大人しくしとけよ。俺らに勝てねぇのはもういい加減分かってんだろ。なのになんで抵抗し続けんだ。」
「馬鹿なんだよ。ただ単にこいつは馬鹿なんだ。」
駿里は負けない。絶対に負けなかった。堕ちた方が楽だとわかっているのにそれをしない。途中、駿里が折れかけた時があった。2人はその瞬間を見逃さずに媚薬を投入しようとしたのにそれでも駄目だった。もうこうなれば…と、2人はアイコンタクトをした。
そしてーーー。
「あ゛か゛っ…、ぅ゛………ぁ、」
松下は駿里に媚薬を流し込んだ。流れ込んできた液をどうにかして出そうと駿里は咳き込んだりなんだりしていたが松下によって簡単にそれを阻止されてしまう。さすがはヤクザの幹部だ。その高い技術によって駿里の抵抗を一瞬にして捩じ伏せた。
「全部飲めたな。いい子じゃねぇか。」
「やれば出来る子って信じてたぞ、駿里。」
即効性のある媚薬のようだ。駿里は段々と体温が上がっていくのがわかった。2人が駿里の頭や身体を撫でながらそう褒めていても何も聞こえないほどに頭が真っ白になっていく。そんな駿里を可愛がろうと松下と島袋が体制を整えようとしたその時。
ガチャ
何やら音がした。聞こえるはずがない音が。だって玄関の鍵は閉めているのだから。しかもこの玄関の鍵を開けられる人間は限られている。それなのに開いた…?松下と島袋は背筋が凍った。今更言い訳が出来るはずがない。どうする…。2人が黙り込んで考え始めたその時玄関から入ってきた人物は寝室の前まで来てしまっていた。まるで2人に考える隙も与えぬというように。
そしてーーー。
ガチャ
その音とともに寝室の扉が開いた。そしてそこに立っている人物を見て松下と島袋はまるで石のように動かなくなってしまった。入ってきた人物はそんな2人の同様など気にもとめず足を進めてくる。そのままついにその男は駿里たちのベットの目の前まで来た。
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