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番外編
通りすがりの女
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「おい駿里、馬鹿な真似はやめとけ。」
そう言って志方が駿里の腕を掴んできた。そして離そうとしない。駿里が志方から逃れようと手を引っ張れば引っ張るほど志方の手の力は強くなっていく。
「離せよ!」
「うるせぇ。いいから黙って聞け。」
駿里は志方に手で口を塞がれ抱き寄せられた。目の前に寛也がいるというのに志方は遠慮なんてしない。遠慮をするどころか駿里を抱き寄せ頬に軽くキスをした。寛也が怒ればその怒りをぶつけられるのは駿里だというのに。
「どうせ着いた瞬間俺達から逃げるつもりだったんだろ。状況を考えろ。お前は俺と組長に挟まれてんだぞ。これで逃げられるわけがねぇだろうが馬鹿。」
「うるさいなっ…!」
志方にバカにされるようにそう言われて駿里は志方から顔を逸らした。だがその逸らした先には松下がいた。鏡越しに目が合い松下にも同じように笑われた。みんなそうやっていつも駿里のことをからかってくる。そして駿里もまた毎度毎度それに反発してしまう。それをすれば余計に彼らはヒートアップしてくるのに我慢できないのだ。だって男なのだから。
「俺だってやれる時はやれるんだからな。」
「へぇ。そりゃ楽しみっすね組長。」
「ああ、そうだな。そう言って成功したお前の姿を俺は一度も見たことがねぇからな。今度は見せてくれよ、な?駿里。」
「馬鹿にするのも程々にしろっ、俺を罵ったことを絶対に後悔させてやる!」
消して本気で怒っている訳では無いが恥ずかしさから駿里は大きな声でそう言った。なのに寛也、そして志方、松下、圷さえも笑ってみてくる。きっと「またこいつこんなこと言ってんな。」とぐらいにしか思っていないのだろう。確かにいつも口では言うもののそれを実行できたことは無い。しようとはしているのだが毎回邪魔が入るのだ。松下や志方らに連行されるか寛也に押えつかられるかのどちらかだ。それではいくら駿里が行動に移してもやり遂げられるはずがない。
「後悔かぁ。どんなことしてくれんだ?」
「馬鹿にするな!」
「その辺にしとけ。あんまり怒ると体力食っちまうぞ駿里。志方、お前も駿里を挑発すんじゃねぇ。」
寛也が怒っている駿里をなだめるようにそう言った。だが寛也が体力が食っちまうだなんて余計なことを言ったせいで駿里は更に怒った。たしかに体力がないとお仕置きに耐えられる身体ではなくなってしまうだろう。相手は4人もいるのだから。しかしそんなことは分かりきっている。わざわざ言わないでよと駿里は黙って寛也のことを見つめた。するとその後すぐ先程まで戯れていた志方が駿里の頭を撫で始めた。
「駿里こっち見ろ。」
「誰が見るか。俺が好きなのは寛也だけだ。」
先程まで寛也に怒っていた駿里だったが気が変わった。なぜなら寛也のことを見た時彼は駿里のことを優しい目で見つめかえしてきたからだ。それだけではない。愛おしそうに頬まで撫でてきた。愛する人にそんなことをされて惚気ないわけが無い。駿里が嬉しいのと同じように寛也も喜んでいた。あわよくば駿里はこのままお仕置きをなくさせようと再び企んでいた。だから今は志方が邪魔なのだ。その為駿里はちょっかいをかけてきた志方を無視して寛也を見続けた。
しかしーーー。
「なんか顔についてんだよ。とってやるから、な?こっち見ろって。」
「え?どこにっ、…んん!?」
あれだけ警戒していたのに志方の嘘にまんまとはめられて寛也の機嫌は逆戻りだ。せっかくいいところまで行けたのに…と駿里は志方を恨み罵声を浴びせてやろうとした。しかし志方が駿里の後頭部をしっかりと掴んでいたために離れられなくなった。
「志方。」
目の前で口まで奪われては溜まったもんではないと寛也がそう言いながら駿里のことを志方からはぎ取った事で駿里はやっとは長いキスから解放された。
「すみません。つい口が滑りました。」
「たくお前は…もっとマシな言い訳をしろ。」
寛也が呆れたようにそう言うと駿里も同じように志方のことを見た。ちょっかいばかりかけてきやがってと駿里は軽く志方を睨む。すると志方が何か言いたげに悪い笑みを浮かべだした。なにか寛也から合図を受け取ったようだ。またなにかされてしまう。そう思った駿里は寛也から距離を取ろうとしたが…。
「おい駿里、お前はこっちむけ。」
そう言いながら寛也に体ごと反転させられた。そして俺にもキスをしろと催促してきた。だが状況が状況なので駿里は恥ずかしくてそんなことできなかった。二人っきりの空間でも勇気がいるのにこんなに大人数の前でできる訳が無い。だがそれを寛也が許すはずがない。駿里が下を向いていると顔を上げられ目線を合わさせられた。
「早くしろ。志方とはやったくせに俺には出来ねぇのか?」
「…だってっ、みんなが見てるからっ、」
「だから何だ。お前はこいつらにもっと恥ずかしいもん見られてるだろうが。恥ずかしがってんじゃねぇ。」
最低だ!もっといい言葉あっただろうになんでその言葉を選ぶんだ。余計に駿里は恥ずかしくなってすることが出来なくなった。長い時間寛也を待たせたらさらに怖いことをされてしまうというのに。
「駿里、組長を怒らせんなよ。やらねぇなら俺が意地悪すんぞ。」
そう言うと志方が服の上から乳首を触ってきた。これはマズイと駿里は寛也に軽く唇同士を合わせるだけのキスをした。これでよし。そう思ったのは駿里だけだった。寛也はまだ不満そうに駿里を見ていた。
「何だその口づけは。もっと上手くやれ。」
「そんなこと言ったって…!」
「悪い子にはお仕置きだな。」
背後にいる志方にそう言われ焦った駿里は後ろを向こうとする。しかしその時にはもう遅かった。
「うあっ、なにすんだ、やめろっ!」
「やめねぇよ。」
志方が服の中に手を入れて後孔を触ってきた。しかも触るだけでは終わらなかった。あろうことか指を中に挿れてきたのだ。駿里は驚き志方の指から逃げようと上にいこうとしたがそれを寛也と志方に妨げられる。
「やだ…ぁっ、やめてってば…!」
「嫌か?ならさっさとやれ。そしたらきっと志方もやめてくれるぞ。」
そう言って志方が駿里の腕を掴んできた。そして離そうとしない。駿里が志方から逃れようと手を引っ張れば引っ張るほど志方の手の力は強くなっていく。
「離せよ!」
「うるせぇ。いいから黙って聞け。」
駿里は志方に手で口を塞がれ抱き寄せられた。目の前に寛也がいるというのに志方は遠慮なんてしない。遠慮をするどころか駿里を抱き寄せ頬に軽くキスをした。寛也が怒ればその怒りをぶつけられるのは駿里だというのに。
「どうせ着いた瞬間俺達から逃げるつもりだったんだろ。状況を考えろ。お前は俺と組長に挟まれてんだぞ。これで逃げられるわけがねぇだろうが馬鹿。」
「うるさいなっ…!」
志方にバカにされるようにそう言われて駿里は志方から顔を逸らした。だがその逸らした先には松下がいた。鏡越しに目が合い松下にも同じように笑われた。みんなそうやっていつも駿里のことをからかってくる。そして駿里もまた毎度毎度それに反発してしまう。それをすれば余計に彼らはヒートアップしてくるのに我慢できないのだ。だって男なのだから。
「俺だってやれる時はやれるんだからな。」
「へぇ。そりゃ楽しみっすね組長。」
「ああ、そうだな。そう言って成功したお前の姿を俺は一度も見たことがねぇからな。今度は見せてくれよ、な?駿里。」
「馬鹿にするのも程々にしろっ、俺を罵ったことを絶対に後悔させてやる!」
消して本気で怒っている訳では無いが恥ずかしさから駿里は大きな声でそう言った。なのに寛也、そして志方、松下、圷さえも笑ってみてくる。きっと「またこいつこんなこと言ってんな。」とぐらいにしか思っていないのだろう。確かにいつも口では言うもののそれを実行できたことは無い。しようとはしているのだが毎回邪魔が入るのだ。松下や志方らに連行されるか寛也に押えつかられるかのどちらかだ。それではいくら駿里が行動に移してもやり遂げられるはずがない。
「後悔かぁ。どんなことしてくれんだ?」
「馬鹿にするな!」
「その辺にしとけ。あんまり怒ると体力食っちまうぞ駿里。志方、お前も駿里を挑発すんじゃねぇ。」
寛也が怒っている駿里をなだめるようにそう言った。だが寛也が体力が食っちまうだなんて余計なことを言ったせいで駿里は更に怒った。たしかに体力がないとお仕置きに耐えられる身体ではなくなってしまうだろう。相手は4人もいるのだから。しかしそんなことは分かりきっている。わざわざ言わないでよと駿里は黙って寛也のことを見つめた。するとその後すぐ先程まで戯れていた志方が駿里の頭を撫で始めた。
「駿里こっち見ろ。」
「誰が見るか。俺が好きなのは寛也だけだ。」
先程まで寛也に怒っていた駿里だったが気が変わった。なぜなら寛也のことを見た時彼は駿里のことを優しい目で見つめかえしてきたからだ。それだけではない。愛おしそうに頬まで撫でてきた。愛する人にそんなことをされて惚気ないわけが無い。駿里が嬉しいのと同じように寛也も喜んでいた。あわよくば駿里はこのままお仕置きをなくさせようと再び企んでいた。だから今は志方が邪魔なのだ。その為駿里はちょっかいをかけてきた志方を無視して寛也を見続けた。
しかしーーー。
「なんか顔についてんだよ。とってやるから、な?こっち見ろって。」
「え?どこにっ、…んん!?」
あれだけ警戒していたのに志方の嘘にまんまとはめられて寛也の機嫌は逆戻りだ。せっかくいいところまで行けたのに…と駿里は志方を恨み罵声を浴びせてやろうとした。しかし志方が駿里の後頭部をしっかりと掴んでいたために離れられなくなった。
「志方。」
目の前で口まで奪われては溜まったもんではないと寛也がそう言いながら駿里のことを志方からはぎ取った事で駿里はやっとは長いキスから解放された。
「すみません。つい口が滑りました。」
「たくお前は…もっとマシな言い訳をしろ。」
寛也が呆れたようにそう言うと駿里も同じように志方のことを見た。ちょっかいばかりかけてきやがってと駿里は軽く志方を睨む。すると志方が何か言いたげに悪い笑みを浮かべだした。なにか寛也から合図を受け取ったようだ。またなにかされてしまう。そう思った駿里は寛也から距離を取ろうとしたが…。
「おい駿里、お前はこっちむけ。」
そう言いながら寛也に体ごと反転させられた。そして俺にもキスをしろと催促してきた。だが状況が状況なので駿里は恥ずかしくてそんなことできなかった。二人っきりの空間でも勇気がいるのにこんなに大人数の前でできる訳が無い。だがそれを寛也が許すはずがない。駿里が下を向いていると顔を上げられ目線を合わさせられた。
「早くしろ。志方とはやったくせに俺には出来ねぇのか?」
「…だってっ、みんなが見てるからっ、」
「だから何だ。お前はこいつらにもっと恥ずかしいもん見られてるだろうが。恥ずかしがってんじゃねぇ。」
最低だ!もっといい言葉あっただろうになんでその言葉を選ぶんだ。余計に駿里は恥ずかしくなってすることが出来なくなった。長い時間寛也を待たせたらさらに怖いことをされてしまうというのに。
「駿里、組長を怒らせんなよ。やらねぇなら俺が意地悪すんぞ。」
そう言うと志方が服の上から乳首を触ってきた。これはマズイと駿里は寛也に軽く唇同士を合わせるだけのキスをした。これでよし。そう思ったのは駿里だけだった。寛也はまだ不満そうに駿里を見ていた。
「何だその口づけは。もっと上手くやれ。」
「そんなこと言ったって…!」
「悪い子にはお仕置きだな。」
背後にいる志方にそう言われ焦った駿里は後ろを向こうとする。しかしその時にはもう遅かった。
「うあっ、なにすんだ、やめろっ!」
「やめねぇよ。」
志方が服の中に手を入れて後孔を触ってきた。しかも触るだけでは終わらなかった。あろうことか指を中に挿れてきたのだ。駿里は驚き志方の指から逃げようと上にいこうとしたがそれを寛也と志方に妨げられる。
「やだ…ぁっ、やめてってば…!」
「嫌か?ならさっさとやれ。そしたらきっと志方もやめてくれるぞ。」
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