極道の密にされる健気少年

安達

文字の大きさ
上 下
402 / 617
快楽抽選箱2

番外編 ルーティーン

しおりを挟む
駿里が目を覚ますと暖かいベットの上にいた。このくだり何回目だろうか。もう慣れてしまっていた。慣れたくなんてないが、気絶するまで抱かれることが日常化してそれを拒めない自分が一番怖い。



「今何時だろう。」



駿里が起き上がり近くにあったスマホで時刻を確認しようとすると体にとんでもない痛みが走った。腰が痛すぎてまともに動けない。これではこの寝室からリビングへ行くことも困難だ。



「…あの2人のせいだ。」



1人では動くことが出来ないと思い駿里はもう一度ベットの上で休むことにした。だが、寝すぎたせいか全く眠くない。



「なんで隣にいないんだよ。」



駿里がそうボソッと呟いた時寝室のドアが開いた。誰が入ってきたのか見たかったが身体が痛くてそれすらも出来ないので自分の近くに来るまで待つことにした。



「飯食えそうか?」
 


寛也の声だ。声のした方に顔を向けると寛也は軽く食べられそうなご飯とタオル、水を持っていた。寛也はこれを取りに行っていたため駿里が起きた時隣にいなかったのだ。



「ちょっとだけなら食べられる。」



これも毎度のお決まりのセリフだ。駿里がこう言ったあと寛也が微笑みお皿を手に取る。そして寛也の膝に乗り食べさせてもらう事もまたルーティーン化している。



「今日はお休み?」

「ん?なんの事だ?」

「あの箱のこと。」



まさか駿里の口から例の箱の件が出てくるとは思わなかった寛也は目を丸くした。



「やりたいのか?無理させちまったから今日は休みにしてやろうとしたんだが駿里がやりたいんなら話は別だ。どうする?」



そう寛也に聞かれて駿里は少し考えた。好奇心からやりたいとは思う。ただ…。



「箱の中身って全部えっちなものなのかな。」

「まぁあいつらの事だし、多分そうだろうな。」



寛也は少し呆れ顔でそう言った。全部が全部そうではないだろうが激しいプレイが好きな2人のことだ。仮にエッチなものが入っていなくてもそれはかなり少ないだろう。



「そっか。なら今日は寛也と2人がいい。」

「ああ、そうしよう。」



寛也的にもそっちの方が良かったので駿里の言ったことに笑顔で頷いた。



「じゃあ早速引いちゃお。」

「待て。今は駄目だ。飯を食ってから引こう。」

「分かった。」



寛也はセックスするってなると優しいどころかドSスイッチ入って酷くしてくるのにこういう時は優しいんだよな。不意に優しくされると照れちゃうからやめて欲しい。俺はいつもそれを隠すのに必死だけど多分寛也にはバレてるよね。



「なぁ、駿里。やけにあの箱を引きたがるがそんなに俺としたいのか?」

「ちがっ、そうじゃなくてなんか今日は運がいい気がしていいのが引ける気がするから。」



慌てながら言えば図星だとわかるのに顔を真っ赤に染めてまで否定する駿里が可愛くて寛也は頬にキスを落とした。



「男の勘ってやつか。」

「そんなところ。」

「はは、それが当たるといいな。」



寛也は笑ったもののこういう時の駿里はかなりの確率で当たる。たまにはまったりと駿里と過ごすような、そういった類の物もいいだろうと寛也は駿里の男の勘を信じ期待した。



「寛也は何が出たら嬉しい?」

「そうだな。俺は…。」
しおりを挟む
感想 200

あなたにおすすめの小説

執着攻めと平凡受けの短編集

松本いさ
BL
執着攻めが平凡受けに執着し溺愛する、似たり寄ったりな話ばかり。 疲れたときに、さくっと読める安心安全のハッピーエンド設計です。 基本的に一話完結で、しばらくは毎週金曜の夜または土曜の朝に更新を予定しています(全20作)

ヤクザに囚われて

BL
友達の借金のカタに売られてなんやかんやされちゃうお話です

【連載再開】絶対支配×快楽耐性ゼロすぎる受けの短編集

あかさたな!
BL
※全話おとな向けな内容です。 こちらの短編集は 絶対支配な攻めが、 快楽耐性ゼロな受けと楽しい一晩を過ごす 1話完結のハッピーエンドなお話の詰め合わせです。 不定期更新ですが、 1話ごと読切なので、サクッと楽しめるように作っていくつもりです。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 書きかけの長編が止まってますが、 短編集から久々に、肩慣らししていく予定です。 よろしくお願いします!

目が覚めたら囲まれてました

るんぱっぱ
BL
燈和(トウワ)は、いつも独りぼっちだった。 燈和の母は愛人で、すでに亡くなっている。愛人の子として虐げられてきた燈和は、ある日家から飛び出し街へ。でも、そこで不良とぶつかりボコボコにされてしまう。 そして、目が覚めると、3人の男が燈和を囲んでいて…話を聞くと、チカという男が燈和を拾ってくれたらしい。 チカに気に入られた燈和は3人と共に行動するようになる。 不思議な3人は、闇医者、若頭、ハッカー、と異色な人達で! 独りぼっちだった燈和が非日常な幸せを勝ち取る話。

催眠アプリ(???)

あずき
BL
俺の性癖を詰め込んだバカみたいな小説です() 暖かい目で見てね☆(((殴殴殴

こども病院の日常

moa
キャラ文芸
ここの病院は、こども病院です。 18歳以下の子供が通う病院、 診療科はたくさんあります。 内科、外科、耳鼻科、歯科、皮膚科etc… ただただ医者目線で色々な病気を治療していくだけの小説です。 恋愛要素などは一切ありません。 密着病院24時!的な感じです。 人物像などは表記していない為、読者様のご想像にお任せします。 ※泣く表現、痛い表現など嫌いな方は読むのをお控えください。 歯科以外の医療知識はそこまで詳しくないのですみませんがご了承ください。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

後輩が二人がかりで、俺をどんどん責めてくるー快楽地獄だー

天知 カナイ
BL
イケメン後輩二人があやしく先輩に迫って、おいしくいただいちゃう話です。

処理中です...