極道の密にされる健気少年

安達

文字の大きさ
上 下
395 / 617
快楽抽選箱2

番外編 再会

しおりを挟む
「寛也早く!」



昨日話した通り駿里達は2人っきりでデートに行くことになった。寛也が計画を立ててショッピングモールへ行くことになり駿里はワクワクが止まらない。1秒でも早く行きたかった駿里は寛也の手を引きながら彼を玄関まで連れて行く。



「そんなに楽しみか。」

「久しぶりだからね!」

「そうだな。」



寛也が車を運転して数時間たった頃大きなお店に来た。目的地だ。



「着いたー!」

「だな。」



無邪気に喜ぶ駿里が可愛らしい。寛也は駿里の事を微笑んでみていた。
 


「駿里、店回る前に先にトイレに行ってくる。駿里も行くか?」

「俺は大丈夫。あそこで待ってるね!」

「ああ、悪いな。」



駿里は近くにあったベンチに座り寛也とどのお店を回ろうかパンフレットを見ていた。時々まだかなぁ、とトイレの方を見たりしながら寛也の事を待っていると目の前に4人ほどの男性が来た。



「あれ駿里じゃん。」

「うっわ、すげぇ久しぶりだな。元気だった?」



そう言ってきたのは駿里の高校時代のサッカー部の先輩だ。しかも彼らとは悪い思い出しかない。過去にレイプされた事があるほどなのだから。最悪だ。まさかこんな時に再会するなんて…。



「ここで何してんの?1人?」



4人のうち1人が駿里の横に座ってきた。彼に肩を抱かれ駿里が距離を取ろうとすると乱暴に髪を掴まれる。



「俺さ、今質問してんけど。」

「っ…1人じゃないです。」

「へぇ、誰と来てんの?」



駿里に連れがいることが気に食わなかったようでそう聞いた男は駿里のペニスを服越しに強く握った。駿里はその痛みに顔を顰める。



「先輩たちには関係ないです。失礼します。」

「おい待てや。話はまだ終わってねぇんだよ。」



駿里が立とうとすると彼らに押し返された。4人に囲まれてしまいその場から立ち去ることが難しくなる。それだけではなく両サイドに座っている彼らに腕を捕まれた。そのせいで立ち上がる事さえも出来なくなってしまった。



「離してください!」

「は?俺らの性道具のくせに何嫌がってんだよ。この動画ばらまかれてぇの?」



そう言って男は駿里にスマホの画面を見せてきた。そこに映っていたものを見て駿里は目を見開く。それは駿里が彼らに犯されている動画だったから。顔も駿里だと分かるほどはっきりと写っている。まさかまだこの動画を持っていたとは思わなかった。



「やめて!」

「落ち着けって駿里。なぁ、俺ら溜まってんだわ。相手してくれよ。あの時みたいにさ。」

「嫌に決まってるじゃないですか。」



前の駿里は自分たちを拒否なんてしなかった。なのに今は顔だけでなく口でも拒んでくる。それが彼らは許せなかった。自分たちのものだったのに他のやつの手に染まってしまったことが。やけくそになり男が駿里の頬を掴んでキスをしようとしたその時ーーー。



「おい。」

「あ?……う゛ぁっ!」



駿里の前に立っていた男が一瞬にして倒れ込んだ。寛也が来たのだ。駿里は男たちが目の前で起きた出来事に気を取られ力が抜けたタイミングを見逃さず彼らから逃げ出した。そして愛する人の腕の中に飛び込んだ。



「チッ、なんだてめぇ。邪魔すんなよおっさん。」

「馬鹿お前、この人は…!」



4人のうち2人の男が寛也の顔を見るやいなや顔を真っ青にした。他の2人は寛也の存在を知らないらしく駿里との時間を邪魔されかなりイラついている様子だった。そんな男たちを無視して寛也は駿里を抱きしめた。



「大丈夫か?」



駿里がその問いかけにゆっくり頷いたのを見て寛也は怒りを募らせる。返事ができないという事は涙を流しているということだ。



「駿里、こんなおっさんのどこが言いわけ?まぁ顔は良しとして、若さだと俺たちの方が勝ってるだろ。お前はほんとに男を見る目がねぇな。」



寛也の存在を知らない男が怒鳴るように言った。駿里を取られたくなかったのだ。久しぶりに会ってみれば恋人も作り一丁前に幸せになっている。自分のものだったのにどこの誰かもわからないやつのものになっている。それが憎たらしいのだ。



「お前もう黙れ!」



寛也を怒鳴りつける男を仲間のうち1人が冷や汗を出しながらなだめるように言った。これ以上寛也を怒らせればやばい事になるのがわかっているからだ。



「なんだよさっきからうるせぇな。」

「この方は旭川組の組長なんだよ!」

「……は?」
しおりを挟む
感想 200

あなたにおすすめの小説

執着攻めと平凡受けの短編集

松本いさ
BL
執着攻めが平凡受けに執着し溺愛する、似たり寄ったりな話ばかり。 疲れたときに、さくっと読める安心安全のハッピーエンド設計です。 基本的に一話完結で、しばらくは毎週金曜の夜または土曜の朝に更新を予定しています(全20作)

目が覚めたら囲まれてました

るんぱっぱ
BL
燈和(トウワ)は、いつも独りぼっちだった。 燈和の母は愛人で、すでに亡くなっている。愛人の子として虐げられてきた燈和は、ある日家から飛び出し街へ。でも、そこで不良とぶつかりボコボコにされてしまう。 そして、目が覚めると、3人の男が燈和を囲んでいて…話を聞くと、チカという男が燈和を拾ってくれたらしい。 チカに気に入られた燈和は3人と共に行動するようになる。 不思議な3人は、闇医者、若頭、ハッカー、と異色な人達で! 独りぼっちだった燈和が非日常な幸せを勝ち取る話。

【連載再開】絶対支配×快楽耐性ゼロすぎる受けの短編集

あかさたな!
BL
※全話おとな向けな内容です。 こちらの短編集は 絶対支配な攻めが、 快楽耐性ゼロな受けと楽しい一晩を過ごす 1話完結のハッピーエンドなお話の詰め合わせです。 不定期更新ですが、 1話ごと読切なので、サクッと楽しめるように作っていくつもりです。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 書きかけの長編が止まってますが、 短編集から久々に、肩慣らししていく予定です。 よろしくお願いします!

ヤクザに囚われて

BL
友達の借金のカタに売られてなんやかんやされちゃうお話です

催眠アプリ(???)

あずき
BL
俺の性癖を詰め込んだバカみたいな小説です() 暖かい目で見てね☆(((殴殴殴

ヤクザと捨て子

幕間ささめ
BL
執着溺愛ヤクザ幹部×箱入り義理息子 ヤクザの事務所前に捨てられた子どもを自分好みに育てるヤクザ幹部とそんな保護者に育てられてる箱入り男子のお話。 ヤクザは頭の切れる爽やかな風貌の腹黒紳士。息子は細身の美男子の空回り全力少年。

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

後輩が二人がかりで、俺をどんどん責めてくるー快楽地獄だー

天知 カナイ
BL
イケメン後輩二人があやしく先輩に迫って、おいしくいただいちゃう話です。

処理中です...