極道の密にされる健気少年

安達

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番外編

〜オメガバース〜 忍びの手

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「起きれるか?」



駿里が目が覚ますと寛也が横にいた。激しい行為に気を失っていたようだ。寛也が風呂に入れてくれていたのだろう。体はとても綺麗になっていた。



「うん。」

「悪いな、羽目が外れちまった。」

「大丈夫だよ。」

「良かった。」



寛也が駿里を抱き寄せ抱きしめてきた。額にキスをしたり頭を撫でたりと駿里は寛也のされるがままになる。だが、ヒートの後だと言うこともあり、駿里はかなり空腹だった。



「寛也お腹すいた。」

「そうか。ならお腹いっぱいにしてやる。」



駿里は何か作ってくれるのかと思い、ワクワクしながらベットを降りようとすると何故か寛也に引き戻される。そして仰向けに寝かされその上に寛也が覆いかぶさってきた。



「ぇ、ちょっ、なにしてんだ!」

「お腹すいたんだろ?」

「ちがうっ、そういう意味じゃない!」



喚いている駿里を気にすることなく寛也は服の中に手を忍ばせた。ペニスをやわやわと揉み始めた時、何やら足音が聞こえてきた。



「組長!」



足音の主は森廣だった。彼が焦ってこの家にくる時は悪い事があった時だ。寛也はまた何か問題が起きたのかと、ため息をつく。



「どうした。」

「先程本家より連絡がありまして今すぐ来いと仰せです。」

「は?なんでだ。」



そんな理由で駿里との有意義な時間を邪魔され寛也は口調に怒りが混じっていた。



「理由は分かりません。ただ、急いでこいと言われたので今すぐ行きましょう。」

「たく、人使いが荒い親父だな。」

「駿里も連れていきますか?」



森廣にそう言われ寛也は考えた。いつもなら当たり前だと即答していたであろう。しかし今は違う。ヒートの後だからだ。



「駿里はどうしたい?」

「家で待ってる。」

「康二達も行くから誰もいなくなるぞ。それでもいいか?」

「良い。今の体じゃ長旅に耐えられないと思うから。」

「そうか。俺としては一緒に来て欲しいがヒートが終わったばっかりだもんな。家で休んでるといい。すぐに帰ってくるからな。いい子にしてるんだぞ。」

「うん。」



寛也は駿里が疲れているのに無理やり連れていく事は出来なかった。ただ、自分がいない間何かあるかもしれないと気が気ではない。しかし、ここは家だ。何かあれば事務所にいる松下の直々の部下に対処させることも出来る。だから寛也は少しでも安心して本家に行けるのだ。



「念の為世話役を来させるから何かあったらそいつに言え。」

「ありがとう。」

「では組長行きましょう。」

「ああ。駿里、行ってくる。」

「気をつけてね。」



寛也が行ってしばらくすると見知らぬ男が入ってきた。どうやら先程寛也が言っていた世話役の様だ。



「おお、お前が駿里か。俺は吉村だ。よろしくな。」

「よろしくお願いします。」



仕事がある中自分の為に時間を作ってくれて申し訳ないと思いつつも安心した。1人では心細かったからだ。



「喉乾いたろ。これでも飲みな。」

「ありがとうございます。」

「じゃあ俺は夕食の準備してくるな。なにかあったらなんでもいってこい。」



吉村はそう言ってキッチンへ向かった。



「意外とチョロいな。」



駿里には聞こえないよう小声で悪い笑みを浮かべながら吉村がそう言った。駿里は何かボソッと聞こえた気がして彼の方を向く。



「何か言いましたか?」

「いや、ただの独り言だ。駿里が元気そうで安心したんだよ。」



駿里はそう言われてなんて善良な人なんだろうかと思った。本当にいい人でよかった。怖い人だったらどうしようかと胸がドキドキしていたのだ。



「どうしたんだ駿里。」

「なんか急に眠くなっちゃって…。」

「そうか。なら休むといい。まだ体の疲れがとれてねぇんだろ。」

「……ありがとうございます。」



駿里は吉村に言われるがまま眠りについた。急激に来た眠気がこの男のせいであると思いもせずに。



「楽勝だな。警戒心なさすぎたろこのガキ。さてと、旭川寛也への復讐を開始しようかね。」
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