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挑戦
123話 堪能
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「俺が昔助けてやったやつが、これに招待したいとずっと前から言ってくれてたんだよ。それが今日になったって訳だ。」
「そうだったんだ。寛也は色んな人から慕われてるんだね。」
さすがだねっ!、と駿里は言った。そして自分のことではないが、誇らしくなった。寛也がたくさんの人からしたわれているのは駿里にとっても嬉しいことだ。
「普通に払ったらこのクラスは450万だ。まぁ払えねぇことは無いが、お前があまりいい気持ちにならないだろうからな。俺は駿里にそんな思いをしてほしくねぇ。だから、今アイツにあの時の貸しを返してもらったんだよ。申し訳ないなんて思わずに楽しめ。俺と最初の二人きりのデートをな。」
「なんで俺の考えがそんなに分かるのさっ!」
「お前がわかりやす過ぎんだよ。」
圷にも駿里はそう言われたが、自分では自覚がないので言われるまで分からない。そこで、寛也に考えている全てが悟られているのはまずいので駿里は顔を無にした。
「ははっ、なんだよそれ。変な顔だな。」
顔を無にしようと心がけたものの、楽しさから口角が意識をしていないと上がってしまう。それを抑えるために駿里は口元に力を入れてしまっていたのでなんとも言えない顔になっていた。
「無理すんな。分かりやすいのがお前のいいところだからよ。素直って事じゃねぇか、いい事だ。」
そう言っている間変な顔をしている駿里のことを見ていたので寛也は笑いをこらえていた。
最初の方はこらえられていたが、長く見れば見るほど面白くてついに耐えようにも耐え切れず、笑みが口角に浮かんできた。
「もぅ恥ずかしいじゃんか、っ笑わないでよ。」
「お前はほんと可愛いな、一生懸命なのがまた面白いんだよ。」
「っうるさい、寛也のお肉食べてやる!」
「あっおい、やりやがったな。なら俺も食べてやる。」
寛也は駿里の後頭部を掴み、駿里の唇に噛み付いた。突然のことに驚き、駿里の口が少し空いた隙を逃さず舌をねじ込んだ。
「んふっ、…んん!」
満足いくまで舐めまわしたあと、駿里の口の中にあるまだ噛みきれていない肉を寛也は器用に舌で自分の口に入れた。
「お返しだ。」
「はぁ、…はぁ、… なにす、っんぶ、んんーーっ」
寛也は一旦口を離し、悪い笑みを浮かべ口の中に入った肉を飲み込んだ。そして駿里の言葉を妨げるように再びキスを落とした。
寛也は駿里がキスに応えようと必死に息をしながら、舌を出している姿が可愛くて愛おしくて一度合わせた唇をなかなか離せずにいた。
「んっ、…んんーっ、んふっ…」
どれくらいの長い時間キスをしていただろう。キスから解放された駿里の顔はとろけていた。
「立てるか?」
「…っうん」
「残りの着くまでの間一緒に寝とこう。」
寛也が席をたち、歩き出そうとすると服が後ろにピンと貼った。
「ん?どうした?」
駿里が寛也の服の裾を軽く引っ張ったのだ。
少し恥ずかしそうに頬を染めている駿里に近づき頭を撫でながら寛也は優しくそう聞いた。
「連れて行ってっ…」
「この甘えん坊め。」
寛也は駿里を抱きかかえて機内の寝室の大きなベットに下ろした。寛也にはずっと前から強く思うことがある。このまま自分なしでは生きていけないほどにドロドロに甘やかせてやりたい、と。
「うぅ、っちょっと寒い。」
「俺が温めてやるよ。」
こうなることを狙って寛也はわざと寝室の暖房を切っていた。全て寛也の思惑通りになり、2人は抱き合い足を絡ませて毛布を被った。
「あったかい。」
「そりゃよかった。」
「眠くなっちゃった…」
急な眠気が来て駿里は頭を寛也の頸に顔を埋めた。
「着くまで寝とけ。今日は沢山歩く予定だからよ。」
「うん…おやすみ。」
「おやすみ駿里。」
駿里がねりに落ちるまで寛也はずっと背中をさすっていた。寝たことを確認すると自分も体力を温存すべく駿里を抱きしめたまま目を閉じた。
***************
「駿里、駿里。」
「……ん………っ着いた?」
寛也が優しく体を揺らし声をかけたことで駿里は深い眠りから起きた。
「ああ、着いたぞ。行こう。」
「そうだったんだ。寛也は色んな人から慕われてるんだね。」
さすがだねっ!、と駿里は言った。そして自分のことではないが、誇らしくなった。寛也がたくさんの人からしたわれているのは駿里にとっても嬉しいことだ。
「普通に払ったらこのクラスは450万だ。まぁ払えねぇことは無いが、お前があまりいい気持ちにならないだろうからな。俺は駿里にそんな思いをしてほしくねぇ。だから、今アイツにあの時の貸しを返してもらったんだよ。申し訳ないなんて思わずに楽しめ。俺と最初の二人きりのデートをな。」
「なんで俺の考えがそんなに分かるのさっ!」
「お前がわかりやす過ぎんだよ。」
圷にも駿里はそう言われたが、自分では自覚がないので言われるまで分からない。そこで、寛也に考えている全てが悟られているのはまずいので駿里は顔を無にした。
「ははっ、なんだよそれ。変な顔だな。」
顔を無にしようと心がけたものの、楽しさから口角が意識をしていないと上がってしまう。それを抑えるために駿里は口元に力を入れてしまっていたのでなんとも言えない顔になっていた。
「無理すんな。分かりやすいのがお前のいいところだからよ。素直って事じゃねぇか、いい事だ。」
そう言っている間変な顔をしている駿里のことを見ていたので寛也は笑いをこらえていた。
最初の方はこらえられていたが、長く見れば見るほど面白くてついに耐えようにも耐え切れず、笑みが口角に浮かんできた。
「もぅ恥ずかしいじゃんか、っ笑わないでよ。」
「お前はほんと可愛いな、一生懸命なのがまた面白いんだよ。」
「っうるさい、寛也のお肉食べてやる!」
「あっおい、やりやがったな。なら俺も食べてやる。」
寛也は駿里の後頭部を掴み、駿里の唇に噛み付いた。突然のことに驚き、駿里の口が少し空いた隙を逃さず舌をねじ込んだ。
「んふっ、…んん!」
満足いくまで舐めまわしたあと、駿里の口の中にあるまだ噛みきれていない肉を寛也は器用に舌で自分の口に入れた。
「お返しだ。」
「はぁ、…はぁ、… なにす、っんぶ、んんーーっ」
寛也は一旦口を離し、悪い笑みを浮かべ口の中に入った肉を飲み込んだ。そして駿里の言葉を妨げるように再びキスを落とした。
寛也は駿里がキスに応えようと必死に息をしながら、舌を出している姿が可愛くて愛おしくて一度合わせた唇をなかなか離せずにいた。
「んっ、…んんーっ、んふっ…」
どれくらいの長い時間キスをしていただろう。キスから解放された駿里の顔はとろけていた。
「立てるか?」
「…っうん」
「残りの着くまでの間一緒に寝とこう。」
寛也が席をたち、歩き出そうとすると服が後ろにピンと貼った。
「ん?どうした?」
駿里が寛也の服の裾を軽く引っ張ったのだ。
少し恥ずかしそうに頬を染めている駿里に近づき頭を撫でながら寛也は優しくそう聞いた。
「連れて行ってっ…」
「この甘えん坊め。」
寛也は駿里を抱きかかえて機内の寝室の大きなベットに下ろした。寛也にはずっと前から強く思うことがある。このまま自分なしでは生きていけないほどにドロドロに甘やかせてやりたい、と。
「うぅ、っちょっと寒い。」
「俺が温めてやるよ。」
こうなることを狙って寛也はわざと寝室の暖房を切っていた。全て寛也の思惑通りになり、2人は抱き合い足を絡ませて毛布を被った。
「あったかい。」
「そりゃよかった。」
「眠くなっちゃった…」
急な眠気が来て駿里は頭を寛也の頸に顔を埋めた。
「着くまで寝とけ。今日は沢山歩く予定だからよ。」
「うん…おやすみ。」
「おやすみ駿里。」
駿里がねりに落ちるまで寛也はずっと背中をさすっていた。寝たことを確認すると自分も体力を温存すべく駿里を抱きしめたまま目を閉じた。
***************
「駿里、駿里。」
「……ん………っ着いた?」
寛也が優しく体を揺らし声をかけたことで駿里は深い眠りから起きた。
「ああ、着いたぞ。行こう。」
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