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齟齬
112話 ご馳走 *
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「随分長風呂でしたね組長」
寛也が言っていた幹部は2人の姿が目に入ると笑顔でそう言った。
「俺がこいつに無理させたから体を癒してやんねぇとな。」
「優しいですね。それと駿里。こうやって面と向かって話すのは初めてだな。俺は、圷 澪司(あくつ れいじ)って言うんだ。よろしくな」
駿里はかっこよく優しく、尚且つ親しみやすい感じの圷の雰囲気に安心した。
「お願いします!すごい豪華な料理ですね」
「駿里は礼儀正しいな。これは全部俺の自信作なんだ。食べてみてくれ。組長もお召し上がりください。」
そう言って圷は2人が座る椅子を引いた。
「急に頼んだのにありがとうな」
「いいえ。お役に立てて嬉しいです。」
「トリュフ人生で初めて食べた。それにこのお肉美味しすぎるよ。圷さんほんとにスゴすぎる。俺、死ぬ前にこれ食べよ」
駿里は食べ終わるのが惜しくて、ちまちま食べている。スープの一滴たりとも残さないつもりだ。
「大袈裟だよ駿里。でもありがとな、嬉しいぜ。俺はトーマス・フレベル氏に憧れてんだ。だから今日は彼が作るような料理を作ったんだよ。まぁ天と地の差があるがな」
圷は自分の料理をとても美味しそうに食べてくれるのですごく嬉しくなった。
「だから俺はお前がプロになれるように留学させてやるっつってんのによ。遠慮してんじゃねぇよ馬鹿」
全くお前は、と言いながら寛也は圷に言う。
「そんなことさせられませんよ。それに俺は死ぬまで組長と、この組の仲間と過ごしたいんです。 海斗や直樹といった新しい仲間も増えましたからね。」
「お前が後悔なく幸せに過ごせるなら俺はそれでいい。」
「俺には勿体ないぐらい幸せですよ。ありがとうございます」
駿里はこの優しい笑顔どこかで見たことがあると思った。
そして…はっ、と思い出した。
「圷さんは康二さんと似てますね」
寛也への忠誠心としっかりしているのにどこか抜けているようなところがそっくりだ。寛也からの信頼度も松下と同じくらい強い。
「どこかだよ。あいつだけは嫌だ」
「仲良いんですね!」
「良かねぇよ」
圷が強がって言っているのは今日会ったばかりの駿里にも分かった。寛也も圷を微笑んでみている。
「お前らは歳も近いからな。あと海人だろ。何度も言うが松下は海斗のことを後輩として可愛がっているだけだぞ?」
「それでも嫌なんです。仕事もなんにせよあいつにだけは負けたくありません。」
「仕事は同等だからな。今月は売上が松下に勝てるように頑張れよ」
寛也が海斗と言ったことが引っかかっていた。駿里はどういう関係なのかを聞きたかったがあったばかりでプライベートに入り込んでいくのはあまり良くないと我慢していた。
「駿里は顔で会話できるんだな。海斗のことだろ?教えてやるよ」
言いたそうだが、言ってはいけない我慢しなきゃという駿里の表情に気がついた圷が面白いやつだなと笑いながら言う。
「ありがとうございます!」
駿里はそんなに顔に出ていたとか自覚していなかったので恥ずかしそうに言った。
「お前の一目惚れってやつだな。だから海斗に俺なりにアプローチしてんのに全然気づいてくんねぇんだよ。」
「鈍感ですよね海斗」
「そうなんだよ。鈍感のくせに俺がなにかする度嬉しそうに礼を言ってくる。気持ちの制御がそろそろ出来なくなりそうだ。それにな、そのことを知った康二が海斗にちょっかい出してんだ。」
圷は少し怒りぎみに言う。寛也は圷と駿里の会話を黙って聞いていた。
「康二さんらしいですね。圷さんもうガツガツいきましょう」
「そうしたいのは山々なんだがな。そうだ、助けてくれよ駿里」
「いいですよ!」
駿里は頑張りましょう!、とノリノリだった。ここで寛也が口を開く。
「それじゃダメだ。ありのままのお前でないとな。」
「うん、それもそうだね」
駿里も納得をする。寛也は真剣な顔をして圷に言う。
「いつものお前で自分なりにアプローチしろ。明日休みなら海斗も休みにしてやるからデートにでも誘え。チキるなよ?」
「組長本当に感謝します。戦に行くつもりで頑張りますね。」
「頑張らなくていい。肩の力を抜いていつも通りに話せ。澪司なら大丈夫だ。」
寛也の言葉がスっと圷の体に入っていた。松下同様に圷も他の誰に言われても心に響かない言葉すらも寛也が言えば響くのだ。
「はい」
「報告待ってます!」
駿里が真面目な顔をしている圷に言った。
「おうよ」
「ならもう帰った方がいいな。明日ことがあるから。何処に行くのか、プランでも考えとけ。飯作ってくれてありがとな。美味しかった」
「俺の方こそ感謝してます組長。それでは、失礼します。」
圷は寛也を見たあと目線を駿里に移した。
「駿里また作ってやるよ。そのついでに報告もするから聞いてくれ」
「はい!お気を付けて!」
「ありがとな」
嬉しさをかくせていない圷が寛也に一礼をしてリビングを出ていった。
「上手くいくといいね」
「そうだな。まぁ、心配する必要は無さそうだ」
「そうなの?」
「海斗もよく圷のことを見ているからな」
「時間の問題だね!」
寛也と駿里は2人が上手くいくことを望みながら圷の作った料理を食べ進めた。
「澪司達を応援する意味でもう1回戦しとくか」
「やだ、今日はもう眠たいから寝る」
「寝させねぇよ」
そう言って寛也は駿里のほほを掴みキスをした。口をこじ開け舌を侵入させた。
「、っん…」
駿里は慌てて寛也を遠ざけようと手を伸ばした。
「悪い手だ」
寛也は駿里の手をひとまとめにするともう片方の手は後頭部に置いて再び唇にキスを落とした。
「ちょ、っとまっ、て……ッんんん!、んふっ…ん」
先程までしていたこともあり駿里の体は疲弊しまくっている。歩くこともままならないほどに。今抱かれれば確実に明日は一日中ベットだ。
「ん゛、っ……んん~!!」
駿里は身を捩って寛也から逃れようとするが逆に力が強まるばかりで逃げられない。それどころか寛也は腕を拘束していた方の手で駿里の後孔に指を挿れかき混ぜ始めた。
「んふっ、…う゛っ!…、っん゛ん!…、んっ、んん~!!」
無意識に駿里は腰を揺らしてしまう。寛也はそれに気づくとわざと指の動きを遅くした。そして顔が見たかったので一旦口を離した。
「…もっ、と……、っはやく……」
「寝たいんじゃなかったのか?」
「うぁ、っ……ぁ、……だいっ、てほし…い」
「あとから文句言うなよ」
寛也は指を引き抜いて、駿里を机の上に仰向けに寝かせた。そして一気に自身の陰茎を駿里の秘部の中に入れた。
「痛くねぇか?」
「…ぅ、うん」
「お前が気持ちよすぎて意識飛ばすまで可愛がってやるからな」
「え……、ッまって!……、っんあ、っあぁあ!」
優しくして、と駿里が言われる間もなく寛也は激しく腰を打ち付け始めた。奥をつかれるたび駿里の甘い声がリビングに響く。
「待つわけないだろ。今更嫌だなんて言わせねぇよ」
「ひぅっ、ああ!!……んっ、あっあ!!…、ああ!、ん゛ん!!」
「朝まで付き合ってくれるだろ?」
寛也が駿里の腰を鷲掴みギリギリまで抜いて奥まで突き刺した。
ーーあぁ、どうしよう俺詰んだ。
駿里はこうなることが分かってても流されてしまう自分を恨んだ。だが、それでも幸せだと思ってしまう。朝までの長いこの行為も受け入れてしまう。だって相手は自分が大好きな寛也なのだから。
そんな事を思いながら駿里の顔がトロンと蕩けて気持ちよさそうな顔をすると寛也は満足そうにキスをした。
「俺にとったらお前が1番のご馳走だ。愛してる、駿里。狂っちまうほどにな」
寛也はそう言って再び唇を奪うと駿里のペニスを扱ぎながら奥をついた。
寛也が言っていた幹部は2人の姿が目に入ると笑顔でそう言った。
「俺がこいつに無理させたから体を癒してやんねぇとな。」
「優しいですね。それと駿里。こうやって面と向かって話すのは初めてだな。俺は、圷 澪司(あくつ れいじ)って言うんだ。よろしくな」
駿里はかっこよく優しく、尚且つ親しみやすい感じの圷の雰囲気に安心した。
「お願いします!すごい豪華な料理ですね」
「駿里は礼儀正しいな。これは全部俺の自信作なんだ。食べてみてくれ。組長もお召し上がりください。」
そう言って圷は2人が座る椅子を引いた。
「急に頼んだのにありがとうな」
「いいえ。お役に立てて嬉しいです。」
「トリュフ人生で初めて食べた。それにこのお肉美味しすぎるよ。圷さんほんとにスゴすぎる。俺、死ぬ前にこれ食べよ」
駿里は食べ終わるのが惜しくて、ちまちま食べている。スープの一滴たりとも残さないつもりだ。
「大袈裟だよ駿里。でもありがとな、嬉しいぜ。俺はトーマス・フレベル氏に憧れてんだ。だから今日は彼が作るような料理を作ったんだよ。まぁ天と地の差があるがな」
圷は自分の料理をとても美味しそうに食べてくれるのですごく嬉しくなった。
「だから俺はお前がプロになれるように留学させてやるっつってんのによ。遠慮してんじゃねぇよ馬鹿」
全くお前は、と言いながら寛也は圷に言う。
「そんなことさせられませんよ。それに俺は死ぬまで組長と、この組の仲間と過ごしたいんです。 海斗や直樹といった新しい仲間も増えましたからね。」
「お前が後悔なく幸せに過ごせるなら俺はそれでいい。」
「俺には勿体ないぐらい幸せですよ。ありがとうございます」
駿里はこの優しい笑顔どこかで見たことがあると思った。
そして…はっ、と思い出した。
「圷さんは康二さんと似てますね」
寛也への忠誠心としっかりしているのにどこか抜けているようなところがそっくりだ。寛也からの信頼度も松下と同じくらい強い。
「どこかだよ。あいつだけは嫌だ」
「仲良いんですね!」
「良かねぇよ」
圷が強がって言っているのは今日会ったばかりの駿里にも分かった。寛也も圷を微笑んでみている。
「お前らは歳も近いからな。あと海人だろ。何度も言うが松下は海斗のことを後輩として可愛がっているだけだぞ?」
「それでも嫌なんです。仕事もなんにせよあいつにだけは負けたくありません。」
「仕事は同等だからな。今月は売上が松下に勝てるように頑張れよ」
寛也が海斗と言ったことが引っかかっていた。駿里はどういう関係なのかを聞きたかったがあったばかりでプライベートに入り込んでいくのはあまり良くないと我慢していた。
「駿里は顔で会話できるんだな。海斗のことだろ?教えてやるよ」
言いたそうだが、言ってはいけない我慢しなきゃという駿里の表情に気がついた圷が面白いやつだなと笑いながら言う。
「ありがとうございます!」
駿里はそんなに顔に出ていたとか自覚していなかったので恥ずかしそうに言った。
「お前の一目惚れってやつだな。だから海斗に俺なりにアプローチしてんのに全然気づいてくんねぇんだよ。」
「鈍感ですよね海斗」
「そうなんだよ。鈍感のくせに俺がなにかする度嬉しそうに礼を言ってくる。気持ちの制御がそろそろ出来なくなりそうだ。それにな、そのことを知った康二が海斗にちょっかい出してんだ。」
圷は少し怒りぎみに言う。寛也は圷と駿里の会話を黙って聞いていた。
「康二さんらしいですね。圷さんもうガツガツいきましょう」
「そうしたいのは山々なんだがな。そうだ、助けてくれよ駿里」
「いいですよ!」
駿里は頑張りましょう!、とノリノリだった。ここで寛也が口を開く。
「それじゃダメだ。ありのままのお前でないとな。」
「うん、それもそうだね」
駿里も納得をする。寛也は真剣な顔をして圷に言う。
「いつものお前で自分なりにアプローチしろ。明日休みなら海斗も休みにしてやるからデートにでも誘え。チキるなよ?」
「組長本当に感謝します。戦に行くつもりで頑張りますね。」
「頑張らなくていい。肩の力を抜いていつも通りに話せ。澪司なら大丈夫だ。」
寛也の言葉がスっと圷の体に入っていた。松下同様に圷も他の誰に言われても心に響かない言葉すらも寛也が言えば響くのだ。
「はい」
「報告待ってます!」
駿里が真面目な顔をしている圷に言った。
「おうよ」
「ならもう帰った方がいいな。明日ことがあるから。何処に行くのか、プランでも考えとけ。飯作ってくれてありがとな。美味しかった」
「俺の方こそ感謝してます組長。それでは、失礼します。」
圷は寛也を見たあと目線を駿里に移した。
「駿里また作ってやるよ。そのついでに報告もするから聞いてくれ」
「はい!お気を付けて!」
「ありがとな」
嬉しさをかくせていない圷が寛也に一礼をしてリビングを出ていった。
「上手くいくといいね」
「そうだな。まぁ、心配する必要は無さそうだ」
「そうなの?」
「海斗もよく圷のことを見ているからな」
「時間の問題だね!」
寛也と駿里は2人が上手くいくことを望みながら圷の作った料理を食べ進めた。
「澪司達を応援する意味でもう1回戦しとくか」
「やだ、今日はもう眠たいから寝る」
「寝させねぇよ」
そう言って寛也は駿里のほほを掴みキスをした。口をこじ開け舌を侵入させた。
「、っん…」
駿里は慌てて寛也を遠ざけようと手を伸ばした。
「悪い手だ」
寛也は駿里の手をひとまとめにするともう片方の手は後頭部に置いて再び唇にキスを落とした。
「ちょ、っとまっ、て……ッんんん!、んふっ…ん」
先程までしていたこともあり駿里の体は疲弊しまくっている。歩くこともままならないほどに。今抱かれれば確実に明日は一日中ベットだ。
「ん゛、っ……んん~!!」
駿里は身を捩って寛也から逃れようとするが逆に力が強まるばかりで逃げられない。それどころか寛也は腕を拘束していた方の手で駿里の後孔に指を挿れかき混ぜ始めた。
「んふっ、…う゛っ!…、っん゛ん!…、んっ、んん~!!」
無意識に駿里は腰を揺らしてしまう。寛也はそれに気づくとわざと指の動きを遅くした。そして顔が見たかったので一旦口を離した。
「…もっ、と……、っはやく……」
「寝たいんじゃなかったのか?」
「うぁ、っ……ぁ、……だいっ、てほし…い」
「あとから文句言うなよ」
寛也は指を引き抜いて、駿里を机の上に仰向けに寝かせた。そして一気に自身の陰茎を駿里の秘部の中に入れた。
「痛くねぇか?」
「…ぅ、うん」
「お前が気持ちよすぎて意識飛ばすまで可愛がってやるからな」
「え……、ッまって!……、っんあ、っあぁあ!」
優しくして、と駿里が言われる間もなく寛也は激しく腰を打ち付け始めた。奥をつかれるたび駿里の甘い声がリビングに響く。
「待つわけないだろ。今更嫌だなんて言わせねぇよ」
「ひぅっ、ああ!!……んっ、あっあ!!…、ああ!、ん゛ん!!」
「朝まで付き合ってくれるだろ?」
寛也が駿里の腰を鷲掴みギリギリまで抜いて奥まで突き刺した。
ーーあぁ、どうしよう俺詰んだ。
駿里はこうなることが分かってても流されてしまう自分を恨んだ。だが、それでも幸せだと思ってしまう。朝までの長いこの行為も受け入れてしまう。だって相手は自分が大好きな寛也なのだから。
そんな事を思いながら駿里の顔がトロンと蕩けて気持ちよさそうな顔をすると寛也は満足そうにキスをした。
「俺にとったらお前が1番のご馳走だ。愛してる、駿里。狂っちまうほどにな」
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