極道の密にされる健気少年

謀叛

76話 幸せ ＊

駿里が事務所へと行くと、いつも通り光景があった。
ヤクザの絆は本当に深いだなと駿里は思った。


｢よう！駿里！｣


暇で堪らない天馬は駿里を呼んだ。


｢天馬さん！おはよう！｣


天馬は駿里にティラミスを出した。


｢どこのヤクザの事務所もこんなに仲良いのかな？｣


｢ここは特別だろ｣


同じ様な境遇の奴らが揃ってることもあるだろうな、と天馬は松下達の方を見ながら言った。


｢だから多分直ぐに赤字が黒字になる。チームワークがいいからな｣

｢凄いなあ、皆｣


駿里と天馬は忙しそうにパソコンを動かしている幹部達を見ていた。


｢そーいや、駿里。色々落ち着いたから今日久しぶりに寛也と出来るな｣


気持ち悪いほどニヤニヤして駿里に言った。


｢なんだその顔、、だけど仕事忙しそうだから。｣

｢こいつらを舐めるなよ。半日あれば十分だ。｣

｢すごすぎる。｣

｢だからそろそろ寛也が来ると思うぜ｣




天馬の言った通り10分後に寛也が来た。


｢駿里、帰ろう。もう少しここにいたかったか？｣

｢帰る！寛也と2人きりになりたいから。｣

｢そうか、行こう。｣


2人が事務所を出たのを確認し、幹部たちの仕事もそろそろ終わるので、これから忙しくなるぞ！と天馬はキッチンへと向かっていった。


長い長いエレベーターを上がり、玄関に入ると寛也に担がれ靴を脱がされて寝室に運ばれた。ベットに優しく下ろされて、寛也は駿里の上に覆いかぶさった。


｢駿里。｣


少し微笑んだ穏やかな表情で駿里を見つめた。


｢な、なんだよ。｣

｢お前の口から愛してると言って欲しい。｣

｢やだ。恥ずかしいもん。｣


駿里は顔を真っ赤にして言った。


｢なら、愛してるが聞けるまで抱き潰してやる。｣


駿里はあっという間に裸にされ、ローションたっぷりとった寛也の指を入れられ一瞬でほぐされた。


｢そろそろいいか。｣

｢…っ、はや、くぅ、、っあ！、、ああ！！｣


寛也はゆっくりと中に入れていった。


｢久しぶりだからきついな、ちぎれそうだ。｣


そして寛也はゆっくりと動き始めた


｢あ、あっ！、、っ…ん゛！、っあ゛！、んん！｣

｢早く言えよ、じゃないといつまで経っても終わんねぇぞ？｣


やりすぎは確かに辛いが、駿里はこの行為を朝まで続けたいと思っていた。だから、あえて言わなかった。


｢ん゛あ！、、…っい゛あ！、あっ！、、っイク、、っ！｣


駿里が一度達したが、寛也は動き続けた。


｢ほら、駿里言え。｣

｢や、、ぁっ！、…っやら！、、…ああっ！！｣

｢まだ足りないのか？｣

｢あ゛あ！、ん゛！！、、っィ、く！！、、い゛あ！｣


駿里は寛也と同時に達した。


｢駿里、まだ言わないか？｣


駿里が首を左右に振ったのを見て、寛也はまた動き始めた。


｢ん゛あ゛！！、、…っち、かっ、、ゃ！、、っあ！｣

｢言うまで終わらせないと言ってるだろ。｣



駿里は3回戦が終わったあと少し疲れてきたので言おうと決心した


｢はぁっ…はぁっ…っ、…愛してる寛也。｣


寛也は満足そうにして、また動き始めた。


｢な、、っんで！！、…っやめ、る、っ！、って、、っ…いったあ！！｣

｢1回では足りない。もう一度言え｣

｢あ゛あ゛！、、ち゛か、、ゃ！！、っ…ば、かあ！！｣

｢馬鹿とか言う奴にはお仕置だな。｣


駿里は、しまったと思った。だが、幸せだとも思った。














朝になる頃には駿里は寝てしまっていた。


｢また、やりすぎた。｣


寛也は駿里を抱きかかえお風呂に入れた。昨日仕事は一段落ついていたので、駿里が起きるまで自分も寝ようと夢の中へ入っていった。












駿里が10時頃起きると寛也が隣で寝ていた。


｢幸せだ。｣


駿里は寛也に抱きついた。その振動で起きた寛也は駿里を抱き締め返した。


｢起きるか？｣

｢うん。｣

｢行こう、松下が待ってる。｣


今日は久しぶりに世話係として、松下が来ていた。


｢おはよう、康二。｣

｢おはよー。｣

｢おはようございます。組長、駿里。｣




いつもの日常が戻り、これがどれだけ幸せなのか寛也は思い知らされた。病気にもならず普通に歩けたり、話せたり出来る幸せや、当たり前の様にご飯が食べられる幸せ、家族がいるということの幸せが当たり前になってしまうとそれが幸せだということを忘れてしまう。だが、それは決して普通ではない。


そのことを思い出させてくれるいい機体だったのかもしれない、と寛也は松下の手料理を食べながら思った